快楽としての読書 日本篇 (ちくま文庫)

快楽としての読書 日本篇 (ちくま文庫)
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快楽としての読書 日本篇の感想・レビュー(83)

2016.07.03(2016.02.13)(つづき)丸谷才一著。  06/24 (P117)  大岡信『詩人-菅原道真』(岩波現代文庫)  学者としても、詩人としても、官僚としても、怨霊としても超一流であった。  道真を左遷させた政敵、藤原時平を呪い殺し更に左遷を認めた醍醐天皇を呪い殺したと人々に信じさせたので、彼は北野天神として祀られ、やがて全国的に「天神様」は祀られた。  亡霊がこれほど尊崇された文学者は他にいない。  詩集『菅家文章』と『菅家後集』  川口久雄の解説を除いて他にない。 
★47 - コメント(1) - 2016年7月3日

2016.06.30-2(2016.01.13)(つづき)丸谷才一著。  06/15 (P108)  大岡昇平『愛について』  米軍俘虜であった25年前と、それを隠しつつフィリピン島旅する自分との対比。  大岡の技量。  大岡『ハムレットの日記』  ハムレットに惹かれる日本文学(シルクロードに惹かれる日本人)-我々の文学がローマン主義輸入から始まり、現代文学はそのローマン主義からどう脱却するかをテーマとして来ているが、その結果であろう今世紀のシェイクスピア批判。   
★63 - コメント(0) - 2016年6月30日

2016.06.30(2015.12.13)(つづき)丸谷才一著。  06/15 (P104)  北朝、光厳院を正統とする岩佐美代子『光厳院御集全釈』  責任を取った天皇の一人。  京極派。  ◎宇野千代『或る大人の女の話』(講談社文芸文庫)  一人称形式が常の宇野千代。  父に似た男を求め人生の旅が始まる。  父は豪家の次男で本来ならその家を継ぐ人。  廃嫡される立場の足萎えの兄に遠慮して出奔し、その代わり生涯その家からの仕送りを遊びに使い放蕩無頼。 
★48 - コメント(1) - 2016年6月30日

書評集。はじめに書評とはなにか、書評の条件が書かれ、122選の本が記載されている。別途海外編もあるらしい。またまた読みたい本が増えてしまった。
★23 - コメント(0) - 2015年11月1日

2015.10.13-2(2015.11.13)(つづき)丸谷才一著。  10/05-2  (P071)  鬼平がぶらりと入る料理屋の主人たち。  池波正太郎『散歩のときなにか食べたくなって』 散歩して励んでいれば足腰も強くなって・・・。  世間に対する好奇心も、若者たちに負けない。  目的があるとなおいい。  張り合いがある。  時には社寺に詣で歴史を懐かしむ。  池波は外国映画の試写室に行き、食べ物屋に行く。  たとえば室町の天麩羅の〔はやし〕。
★67 - コメント(1) - 2015年10月13日

2015.10.13(2015.10.13)(初読)丸谷才一著。  10/05  (P091)  井上ひさし『父と暮らせば』-戦後最高の喜劇。  福吉美津江と文理科大学助手木下。  娘の胸のときめきから父の亡霊の胴体が、ため息から手足が、願いから心臓ができた。  広島言葉の効果。  ◎池内紀『風刺の文学』-話術と散文。  (P061)  注目に値する才人が出現した。  普通、風刺文学論というのは退屈である。  文体に活気があって小気味良い。  資質である。 
★69 - コメント(1) - 2015年10月13日

書評と言う一つの分野がある。丸谷才一は一時期を牛耳っていたと言っておかしくないほどの書評家で(もちろん、作家でもあるのだけど)、出てくる本も作家も知らない本がたくさんある。作家のアイウエオ順に並んでいるのに気がついたのは山本健吉の項で何ともぼんやりした話だが、それぞれの特徴を端的に把握して、読みたい本には付箋を付けてしまった。これでまた積読本が増えそうだ。
★6 - コメント(0) - 2015年10月7日

丸谷さんの守備範囲の広さに敬服する。広く浅くじゃなく、広く深く。今の「書評家」と言われる人がこれだけの量と質の読書ストックがあって、それをすべて消化して書評しているかというと、そんな人はいない。そもそもここまでの蓄積はできないでしょう。
★1 - コメント(0) - 2015年7月14日

書評集。小説、専門書、辞書と範囲が広い。書評そのものについても語る。縁がない本がほとんどだったが、分かりやすい内容紹介で、新たな分野の取っ掛かりになるものだった。既読の本も、ストーリーの構造が明確になった。助詞や助動詞の観点から考察する、辞書の書評もおもしろい。
★4 - コメント(0) - 2015年6月7日

膨大な書評集。日本篇は小説やエッセイの他、詩歌や辞書まで書評していてジャンルの横断っぷりがすごいです。123本という分量にも圧倒されますし、内容も素晴らしい。読みたい本が次々と増えていきました。冒頭の書評に関するエッセイもたいへん面白く、自分でハードルを上げつつ、そのレベルを軽やかにクリアしているのは見事というほかない。何より、書評そのものが明快で、読んでいて心地よいのがいいのです。というわけで海外篇へ。
★3 - コメント(0) - 2015年1月19日

読書が教養になっても快楽になるとは思わなかった。書評は書物の内容に対する批評と著者に対する批評がある。批評家(文芸評論家)を批評する書評もあるが、批評された批評家が批評する本を理解するのは難しい。書評122選のうち小説よりも国文学や歴史の教科書のような論説が多く、随筆、詩集、歌集から辞典まで様々な書物について述べられている。既読の本は1冊(「中国の大盗賊」高島俊男)だけであったが、読みたくなる本は多い。
★4 - コメント(0) - 2014年8月24日

丸谷が書評の編集に関わってきた朝日・毎日新聞・週刊朝日の書評122編を載せています。そのうち「これ読みたい」として付箋を付けたのが30数編でした。始めに書評の意義を語り、イギリスの書評文化を語り、日本の書評の戦後の有りようを語っています。平成4年に毎日新聞での書評を任され、その編集方針が「明るいこと」「丸谷でもわかるよう」にと書いてることは面白い。それまでの新聞書評が「本の選び方も暗いし、書き方も暗い」ことへの反発でもありますが、あくまでも「書評は読む快楽の出発の合図」という確信があったのだと思います。
★22 - コメント(0) - 2014年8月3日

「海外篇」と同じく、著者の本への愛が一杯に詰まった一冊。どの書評にも、作品とその著者への温かい眼差しが感じ取れるような気がする。取り上げられている本の大半が未知だったため、読むのが若干億劫になったのだけれど、そんなことが嘘に思えてくるくらいに引き込まれて一気に読了。本好きを自称する人は「海外篇」も合わせてぜひ一読することをお勧めする。本書を読んで、興味を抱いた本が一冊も無かったとすれば、その人は文学や読書とは無縁な人と断じたくなるくらい。とにかくタイトルに恥じない内容であることを折り紙付きで保証する。
★6 - コメント(0) - 2013年12月14日

Aki
流石に丸谷さんは文章がうまい。いつまでも快楽としての読書を楽しみたいと思う次第です。
★2 - コメント(0) - 2013年11月4日

素晴らしい本でした。ただ、巻末の「解説」の落差があまりにも大きくて、こういう本に常人が「解説」を書くのは暴挙だと思いました。この蛇足だけが惜しまれます。
★1 - コメント(0) - 2013年10月25日

取り上げられている本は、辞典、学術書、小説、随筆、絵本はては小学生の自由研究までと目を見張る幅広さでした。丸谷さんの軽妙な語り口で、あまり関心のない分野の本でも読みたくなってしまいます
★3 - コメント(0) - 2013年5月31日

◆図書館◆140まで
★2 - コメント(0) - 2013年5月28日

丸谷才一に紹介されると、本当に読書って快楽だと思わされる。 確かに、喜びです。
★2 - コメント(0) - 2013年4月16日

2013.03.31(つづき)丸谷才一著。 2013.03.28 ◎黒板のない教室-井上ひさし『私家版日本語文法』(新潮文庫)。 「少年らは、言葉に興味を持ち、その不思議な仕掛(からくり)を知りたくて、うずうずしている-それを、暗記教育ではだめだ」 自分で作った井上ひさし。 この小説家、劇作家のすごさ、である。 国文学教室。 (例)助詞、「が」は、未知の新しい情報を示す場合に使われるという大野晋の説を紹介しているのだが、例にあげる文章が、すごい。 『デヴィ・スカルノ伝』から引かれるのである。 
★36 - コメント(1) - 2013年3月31日

2013.03.27(つづき)丸谷才一著。 2013.03.26 石川淳の文藝時評(朝日新聞)→『文林通信』。 川端康成・平野謙型と違う新機軸。 (1)単行本に主眼置いた。 (2)点数減る。 (3)小説減り、批評増える。 (4)学者の文章、扱う。 今日の日本文学が過去とのつながり失っていると嘆き。 小説には、騙されて見るという方法。 
★41 - コメント(2) - 2013年3月27日

2013.03.23(つづき)丸谷才一著。 2013.03.23 ◎漱石を入社させた男-池辺一郎・富永健一『池辺三山』。 文体、上質な池辺一郎(三山の息子)。 敬愛するに値する肉親のこと、抑制のきいた知的、温かい筆致。 漱石が見た池辺の『パリ通信』、池辺のジャーナリストとしての優秀さ。 名文家。 そのフランス行、旧藩細川家の世子の留学の輔導役で4年間滞在仏。 朝日入社、帰国後。 軟派の朝日を権威あるものに改めた池辺。 
★36 - コメント(1) - 2013年3月23日

2013.03.20(つづき)丸谷才一著。 2013.03.18 池澤は、覚めた認識によって得たものを華やかなレトリックで語る。 いわく、「人間は、動物であったころの生活の要素の多くのものを別の形に置き換えたが、実体は、変わっていない。生きたウサギを苦労して捕まえて食べる代わりに、貨幣を仲介して、フランス料理店に行って、ウサギのシチューを食べるようになり、羆に殺される代わりに、車に轢かれるようになった」 ◎姉妹は巫女-池澤夏樹『花を運ぶ妹』(文春文庫)。 フォークロア研究。 
★33 - コメント(1) - 2013年3月20日

2013.03.18(つづき)丸谷才一著。 2013.03.18 ◎話術と散文-池内紀『諷刺の文学』(白水社)。 注目すべき才人が出現した。見事な語り。 古代以来の全ヨーロッパにわたるその手の作品を論じている。 長さ250kmの鯨の話。 鯨に飲み込まれ、その腹の中での様子を語る。 ルキアノス『本当の話』。 本論のガリバー旅行記に入る。 「馬の国」。 この若いドイツ文学者の勉強ぶり。 
★42 - コメント(2) - 2013年3月18日

2013.03.16(つづき)丸谷才一著。 2013.03.14 書評は、読む快楽の出発の合図。 和田誠の協力、必要、あの明るさ。 たとえば、鹿島茂『医心方』「房内篇」(ちくま書房)という平安時代の性の教科書。 すごい反響。 ◎書評の条件。 S08-S50、平野謙の書く書評の大部分『新刊時評』になる。 S40年代が半ばを越す。 「週刊朝日」書評欄、筆者である。 平野の誠実な努力。 書評による昭和文学史、としてこれ以上のものは望めない。 
★38 - コメント(2) - 2013年3月16日

2013.03.13(つづき)丸谷才一著。 2013.03.11 5.戦前の日本にも書評はあった。 6.1951.02『週刊朝日』に『週刊図書館』という書評頁が始まった。 書評要員を人選した扇谷正造は、実に偉かったと思う。 顔ぶれのなかでも、浦松佐美太郎が重要。 7.まもなく42年目迎える『週刊図書館』。 8.『週刊図書館40年』三巻。 ◎扇谷正造と齊藤明がつくるもの。 
★47 - コメント(2) - 2013年3月13日

2013.03.10(つづき)丸谷才一著。 2013.03.07 1. 1.本文が白い洋紙。 2.そして、その両面に、3.主として活字で組んだ組版を黒いインクで印刷し、4.各ページにノンブルを打ち、5.それを重ねて綴じ、6.表紙がつけてある。 木版版。 1.活字体でない。 2.和紙で嵩張る。 3.紙が薄くて裏写りがする。 4.値段が高い、5.巻物で読み直しに手間、索引に難。 6.ページにノンブルがなく、目次、索引づくりに不便。 
★36 - コメント(1) - 2013年3月10日

2013.03.05(つづき)丸谷才一著。 2013.03.05 (索引、つづき) +吉田秀和。 +『こんな教科書あり?』(谷川俊太郎他)。 +中村真一郎『再読 日本近代文学』。 +池波正太郎『散歩のとき、何か食べたくなって』。 +井上ひさし『私家版日本語文法』。 +中村元『シナ人の思惟方法』。 +山本健吉。 +岡本かの子『生々流転』。 +杉森久英『小説菊地寛』。 +中村隆英『昭和史Ⅰ』。 +平野謙『新刊時評』。 +中村元『人生を考える』。 +吉行淳之介『砂の上の植物群』。 
★43 - コメント(2) - 2013年3月5日

2013.03.04(初読)丸谷才一著。 2013.03.02 (カバー) 丸谷書評は、読むに値する本の魅力を普通の読者に向けた、スッキリとした語で、本屋へ走らせる。 書物買い物案内、123冊。 石川淳、大岡昇平から、池澤夏樹、村上春樹まで、王朝和歌から谷川俊太郎まで、ジャンルを問わぬ最高、心願の書。 
★45 - コメント(1) - 2013年3月4日

先般亡くなられた丸谷さんの書評集で、海外編と日本編に分けられています。結構好き嫌いがはっきりしていてそれが私には向いているのかなあという気がしました。毎日新聞の書評欄の本も読んでいて若干ダブるところがあるのですが、じっくり読もうという本を探すときにはいい指針となってくれます。
★7 - コメント(1) - 2013年2月24日

moi
戦後日本最高の喜劇。井上ひさし『父と暮せば』
★2 - コメント(0) - 2012年10月31日

書評で本を探すが、いかに読書欲がそそられるかが書評の本質の様に思う。既読が少なくて何故か悔しくなった
★1 - コメント(0) - 2012年7月16日

目次をサッと見て知らない本が多いので、後ろの索引からピックアップして読む。解説を読んで、前書きにはいった。積読本に二冊、既読たった一冊、読みたくなった本十五冊。前から「両像森鴎外」は読みたいと思っているが中々図書館の棚から手に取らないでいる。「夢想の研究」、「江戸百夢」など読みたくても図書館にない。ない本が多そう。十五冊チェックしてみよう。読みたい本のメモがたまりすぎ、この書評で済ませるか。
★3 - コメント(0) - 2012年7月10日

書評の最大かつ唯一の目的は、読者を本屋に行かせること、アマゾンへ注文させること、もよりの図書館で予約させること、にあると思います。ここで紹介されている本のほとんどが未読で読みたい本が多々あるなか、瀬戸川猛資の「夢想の研究」をさっそく発注。辞書の取り上げも多いのが特徴か。
★4 - コメント(0) - 2012年7月9日

日本篇で紹介されたものでは13しか読んでいない。 自分の読書に国内物は偏りがありそう。
★2 - コメント(0) - 2012年5月31日

 ある種のパターンに従って評語を組み立てる丸谷才一の論法に、嫌味な響きを覚えて敬遠する人も少なくないだろうが、丸谷氏が「書評文化」に対する読者(その読者がどれほどいるのかとなると、心細い気もするが。ちなみに私は愛読者です)の「意識」を高める役割を果たしてきたことは間違いない。本書に収められた書評は122編。大半は既読書だが、再読の意欲を刺戟するのも書評の大切な役割。  ところで、丸谷先生、「さいはい」(p. 219)は「幸い」の意味ですか? それなら「假名遣ひ」は「さいはひ」では?
★3 - コメント(0) - 2012年5月31日

Fe
筑摩書房 2012年4月刊。1964~2001年、朝日新聞・週刊朝日・毎日新聞に掲載され既刊単行本6冊に収録の100篇と単行本未収録23篇からなる書評集。カバーと挿絵は和田誠。巻末10ページの索引から読みました。一人で3冊も取りあげられている執筆者は大岡信・谷川俊太郎・角田文衛・中村真一郎・山崎正和・吉田健一・吉田秀和・吉行淳之介・和田誠の9人。丸谷才一の好みが感じられます。私が読んでいた本は5冊しかなかったので私のパソコンのエクセルファイル"読みたい本.xls"の行数が増大しました。(2012.5.30
★24 - コメント(3) - 2012年5月30日

丸谷才一の書評のアンソロジー集。日本篇ということだが、「鸚鵡籠中記」のような江戸の古典から、絵本の「100万回生きたネコ」まで、何しろ、守備範囲が広いし、しかも、だいたいどの書評を読んでも、その本を読んでみたくなる魅力。だから、この一冊を通じて日本文学史のいい勉強にもなるわけだし、同時に、それらを通じて日本人論にさえもなっている。(いや、実際、羊頭狗肉という表現がいいのかわからないが、対象となる本より、それを扱った書評のほうができがいい、ってことは明らかにあるはず。)
★4 - コメント(0) - 2012年5月18日

快楽としての読書 日本篇の 評価:99 感想・レビュー:41
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