ピカルディの薔薇 (ちくま文庫)

ピカルディの薔薇 (ちくま文庫)
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ピカルディの薔薇はこんな本です

ピカルディの薔薇の感想・レビュー(427)

2017年2月8日読了
- コメント(0) - 2月8日

磨かれた言葉が単なる美文調にならぬよう、博識が嫌味な衒学趣味に陥ることのないよう、物語を抑制すべく鏤められた気の利いたユーモア。背徳的な独自の世界観が読み手を陶酔させずにおかない。一編一編が粒揃いの珠玉のようで、容易に次へと進めぬほどに余韻が深い。その中でもやはり表題作が白眉か。禁断愛の不穏さは物語の通奏低音のよう。その退廃的、倦怠的なムードは、中井英夫の幻想小説を彷彿させる。血腥い筈のラストは酩酊するほどに映像的。伯爵・猿渡コンビ登場の「籠中花」「フルーツ白玉」での奇妙な可笑しみもこのシリーズならでは。
★52 - コメント(0) - 2016年12月26日

「幽明志怪シリーズ」第二作品集。とは言え一冊を通しての色合いは前作と若干異なる印象。跋文でも触れられているが、連作として周囲に期待され押し付けられようとする鋳型に抗い、何処まで自由に奇想と幻想の翼を広げられるか挑むような創作姿勢は、極めてストイック。それでいて尚も一篇一篇が恐ろしいほど完成度高く洗練されている職人的な仕事振りに、思わず惚れ惚れとしてしまった。一番のお気に入りは「超鼠記」。浮世離れしているようで実は「食」という現実的な営みを軸にする、この連作の特質が濃く出た「フルーツ白玉」も好き。えっへん。
★5 - コメント(0) - 2016年12月23日

一話読み終わる度に余韻に浸りつつ読了。まあその余韻は決して心地好いものばかりではないというか、寧ろ逆な感じではあるんですが。どの作品も視覚に訴えて来るものがあって、文体との相乗効果でより迫ってくる感じでした。前作と比べるとホラー感は薄まりましたが、より幻想味が増してこれはこれで良いなぁと。驚いたのは猿渡さんが所帯持ってた事。しかし家人としか表現されないので生活感とか所帯染みた雰囲気はなく、それもまた作品の幻想味に一役買ってるなぁと思いました。伯爵はもうちょっと出て来て欲しかったですが。
★8 - コメント(0) - 2016年12月5日

猿渡シリーズ2作目。期待していたのに伯爵と豆腐の出番が少なかった・・残念。しかもいつのまにか猿渡さん結婚してる!正直にいえば1作目のほうが魅力的だったかなぁ。「籠中花」「フルーツ白玉」が「らしく」て良かった。ゲテモノ喰いは遠慮したいな~。今回は猿渡の幼少の頃や猿渡祖父のお話もあって、それはそれで良かったけど、やっぱり伯爵とコンビの話が読みたいな。一つの本にまとまっているけど、話に統一感がないのでちょっと放り出されたカンジがして困惑気味。でも次も読むぞ!
★3 - コメント(0) - 2016年12月3日

秋になると何となく読みたくなる津原さん。白玉のえっへん。がやけに耳に残る再読でした。
★1 - コメント(0) - 2016年10月26日

怪異譚を集めた2冊目。びっしりの寄居蟲、ヌートリア、鼠。視覚的にインパクトの強い話が多く、酩酊したところに冷や水をかけられるような思い。
★1 - コメント(0) - 2016年10月16日

★★★★ 個人的津原泰水フェア開催中。面白いなぁ。『蘆屋家の崩壊』に続いて猿渡が活躍(?)するのですが、幻想度と猿渡不憫度が高くなっている。少し散漫な印象で始まり、どうなるやらと思って読み進めると、ラストで見事に収束する。そんな短編ばかりが集まっている。民俗学的な解釈がところどころ出てきて、たぶん作者は大学でそこら辺りを専攻したんだろうなぁと思わせる。次でシリーズが終わるのが残念。その次を何か買っておかないと禁断症状出そう。癖になります、津原泰水。
★9 - コメント(0) - 2016年9月3日

幽明志怪シリーズ2作目。伯爵はあまり登場せず、作家になった猿渡が遭遇する怪異を語る。けれど、前作に比べるとどこか説明的。感覚的な恐怖、忍び寄る不安といった趣はあまりない。今作は、「夕化粧」「枯れ蟷螂」など、全体的に終盤にエッジの効いた文章が光る。特に「枯れ蟷螂」はとても良い。脈絡のない違和感や不審感が、救いようのない不気味さに終着する。やはり、これはこれで良かった。気味が悪くて、とても結構な読書。
★17 - コメント(0) - 2016年7月17日

蘆屋家よりかはマイルドになってる?あんまり伯爵出てこなかったなー。シリーズっていうか、こういうあやかし系を集めた小説なんだとやっと気づけた。
★2 - コメント(0) - 2016年5月29日

「蘆屋家の崩壊」を読むまでは怖いようなグロテスクなものは苦手だと思っていたけど、なかなか好みだとわかり、安心して今作も楽しめました。表題作が印象的で好きです。「夕化粧」「甘い風」「超鼠記」などが好み。次は伯爵の出番が多いといいな。
★4 - コメント(0) - 2016年5月29日

「夕化粧」ラスト一行の魔力。「籠中花」→「フルーツ白玉」の寂寞。「夢三十夜」タイトル落ちだけではなかった。
- コメント(0) - 2016年4月8日

『蘆屋家の崩壊』に続く幽明志界シリーズの第二弾。前作は伯爵と猿渡が何かしらの怪異に巻き込まれる、といった流れが多かったが本作は少し趣きが異なる。幻想色が濃く、夢と現が曖昧になりそうで読後感は何だか物悲しくなるものが多かった。お気に入りは「夕化粧」「超鼠記」「夢三十夜」。人の想いはとても強い。それはそれはとても。執着と表現することもできるだろうが、そんな言葉で片付けたくない。と、本を閉じてからぐるぐると考えていた。
★5 - コメント(0) - 2016年4月1日

「夕化粧」猿渡が主人公ですらない短編。でも、ぞわぞわ足元から這い上がってくる寒気がある。ラスト一行が効果的。 「フルーツ白玉」これでもかと食に関する話を詰め込んだ短編。でありながらしっかり「幽明志怪」。「籠中花」の後であるからなおさらか。 「新京異聞」これも舞台が舞台なだけに不思議な短編。タイムスリップ、過去、夢、幻。どれとも取れる。
★11 - コメント(1) - 2016年3月31日

実際世の中、一皮剥けばこんなもの。後味が悪く、背筋が寒くなるような話ばかりです。私は好きですが。今回は猿渡氏により焦点を絞って描かれています。お気に入りは、新京異聞。最近人気のSF作家のケン・リュウ氏の作品にも、神話・伝説を題材にした作品があり、気分が高揚した。ただし、超鼠記だけは勘弁して頂きたい。卒倒する自信がある。
★3 - コメント(0) - 2016年3月27日

幽明志怪2巻目。伯爵と猿渡くんのコンビが怪異に出会って…という話だと思い込んでいたが、跋文の中で『似たようなものを書き続けることほど小説家を疲弊させる行為はない』と作者がキッパリ断言! 期待した伯爵の出番は少なめだったものの、不思議な世界観・読後感は相変わらずだった。跋文で『…の話を書いてくれという依頼で』などと解説してくれていて、なるほどだからこんな変な(ほめ言葉)話を…と納得したことも多い。
★5 - コメント(0) - 2016年2月21日

低気圧の息苦しさで眠れなかったので。夕化粧と、表題作の半ばまで読んで寝落ちてた。 夕化粧の語り手て誰なんだべか。
★1 - コメント(0) - 2016年2月14日

再読。芦屋家、猫ノ目時計に比べると静かな話が多い。ガラさんの出てくる話、猿渡おじいちゃんの話、フルーツ白玉が好き。表題作は何気ない一言がってところがもう、怖くて怖くて。
★2 - コメント(0) - 2016年1月31日

どうにか入手して順番は違うけど幽明志怪読了。ウェットになりがちな怪奇ごとをさらさらと流れるように書いてしまうのは恐ろしい。読み終わった道をふりかえると、深い森と奇城があったぞ、みたいな。伯爵少なめ。猿渡くんの結婚もそれと書いてないなーとか。読者の猿渡熱に任せてるところを感じる。食べてもいないザリガニの味で先ほどから口の中がカサカサしている。
★2 - コメント(0) - 2016年1月23日

『蘆屋家の崩壊』では臭って聞こえて見えて仕方なかった恐怖が、反芻するうちに何の加減か減衰し、つまりは馴染んでしまった。減衰は単純な反芻の効果だけではなく、奥村泉の『モーダルな事象』を読んだ効果かもしれない。この小説を読みながら何度も『モーダル〜』を思い出していた。その世界に浸って読書を楽しむ権利と云うものは、誰しにも平等に与えられた権利かと思う。しかし権利を行使しても十全に得られる保障は人によって異なる。本の世界以外の世界でどう生きているか、生きてきたかは大きい。私にはもう無理なのだと気付いてしまった。
★4 - コメント(0) - 2016年1月11日

こだわりを感じる文章が、独特の世界観を醸し出している要因の一つなんだろうな。『籠中花』は最後が淡々と語られているので、あっさりと終わった感じがするけど、いやいやいや、待て待て、とつっこみたくなった(笑)お気に入りは『ピカルディの薔薇』。きっとそうなんだろうな、というラストだったけど、星の危うい感じがいい。
★11 - コメント(0) - 2016年1月8日

蘆屋家の続編にしてはちょっとおとなしかったかなあ。ヤドカリの話は、虫編を思い出しました(汗 ホラーというより、世にも奇妙な物語っぽいかなあ
★1 - コメント(0) - 2015年12月7日

猿渡&伯爵の名コンビをうみだした『蘆屋家の崩壊』につらなるシリーズ第2弾ということで、おおいに期待して読んだだけに、全体としては、少し肩すかしを食ったのは否めない。跋文の自作解説によると、一篇一篇がバラバラの企画に寄稿したもので、続篇というよりは、世界観を借りたスピンオフとして楽しむのがよさそうだ。むちゃぶりとしか思えない執筆のリクエストに、著者がどう打ち返したのか。ウクレレを素材にした幻想奇譚「甘い風」や、まさかの満洲モノ「新京異聞」を受け取った編集者の喜色がうかぶ。名コンビ復活の「籠虫花」にも大満足。
★2 - コメント(0) - 2015年11月28日

『蘆屋家の崩壊』の続編。奇妙でグロテスクで美しい世界。伯爵とのやり取りが好きだったので、出番が少なかったのは残念。前回と比べ、抽象度は増しているのに、現実的になっている気がする。表題作は、今読みかけてる中井英夫の『虚無への供物』を思わせるなと思ったら、オマージュだったらしい。作者の解説付きで興味深かった。
★8 - コメント(0) - 2015年11月12日

蘆谷家の崩壊、続編。相変わらずの肩透かし感。。。解説 土屋さんの「現実には存在しない、磨きあげられた怪しい光を放つ真球」と云う表現は、なかなか的確なような。グロい様を、なにごともないかのように表現されるので、ヒッ・・・!てなるのが、一瞬遅れます(笑)
- コメント(0) - 2015年11月6日

短編集。「夕化粧」は淡々とした描写ながらも鬼気迫る執念を感じさせ、「ピカルディの薔薇」は耽美で凄惨な結末なのだが、短編集全体の印象としては、どこかとぼけたようなユーモアが感じられて、恐らくは、ほぼ全作品を通して主人公を務める猿渡のキャラクターや語り口に負うところが大きいのだろう。例えば、猿渡が訪れた南の小さな島で体験した一連の顛末を描いた「籠中花」などは奇譚といった趣があり、この短編集に収められた作品群はホラーや幻想小説というより「奇妙な味の小説」とでも呼んだほうがしっくりくる読後感を覚えた。
★5 - コメント(0) - 2015年9月13日

ヒルが…!蘆屋家に続き、今回もゾクゾクきました。
★1 - コメント(0) - 2015年8月12日

「蘆屋家の崩壊」の続編。短編集。読んでいてなんとなく不安定な気持ちになります。津原泰水らしく非常に美しい文章でしたが漠然とした結末が多く内容にあまりのめり込めきれず。前作とはタイプが違ったと感じます。
★26 - コメント(0) - 2015年7月25日

『蘆屋家の崩壊』の後に作家になった猿渡の話。表題のピカルディの薔薇は落ちが読めてしまい、雰囲気は良かったものの今一つな感じだった。むしろ籠中花のガジュマルとヤドカリの島の奇怪な感じや、フルーツ白玉の美食話の方がひどく気に入った。津原泰水はものを美味そうに描くのがとてもうまいなと思う。
★3 - コメント(0) - 2015年7月13日

幽明志怪シリーズ『蘆屋家の崩壊』の続編。幻想小説集。五感を喪った人形師。人に化ける巨鼠。ガジュマルに呑み込まれた聖女の伝説に彩られた島。夜毎、夢の中で他人の人生を旅する男。弾く者を過去へと誘うウクレレの音色。九つの短編。ホラーでもない、ファンタジーでもない、怪談でもない、これは幻想小説。幻想小説という珍味に酔いしれる。伯爵があまりでてこないのが残念。
★6 - コメント(0) - 2015年6月18日

幽明志怪シリーズ2作目。まるで夢を見ているかのような怪しげな奇譚に酔いしれることができました。前作よりも一話一話が短くて、ゾッとする話が多かったかな?奇譚には祟りのような超常的な要因や、人為的なものの場合はトリックが存在するものが多いですが、そのいずれでもなく奇譚は奇譚のままで終わらせているところが僕好みで素晴らしい。ただ、謎は謎のままでスッキリする終わり方では無いので、苦手な人はご注意を。あなたも夢と現実の狭間をうつろってみませんか?
★31 - コメント(0) - 2015年5月5日

妖しい短編集。夢か現実か良くわからなくなる。超鼠記と新京異聞がお気に入り。
★3 - コメント(0) - 2015年5月4日

読了後、ゾクゾクするような内容にいろいろと怖い想像をしてしまった。不思議というより幻想的。「ピカルディの薔薇」では美しさとグロさがうまく混在してあって、それがまた怖かったです。
★9 - コメント(0) - 2015年5月2日

幻想的だけど妙な軽味があるのは、語り手 猿渡氏の人徳? シリーズもあるようなのでまた。
★4 - コメント(0) - 2015年4月26日

猿渡シリーズ第二弾。これも面白かったけど、どちらかというと『蘆屋家の崩壊』の方が好みかなぁ。
★8 - コメント(0) - 2015年4月16日

「蘆屋家の崩壊」に続く猿渡が主人公のシリーズ第二弾。この本を読んで気づいたのは、どうも俺は不思議な人物に遭遇する話が好きなようだということ。そういう話が読みたい。「ピカルディの薔薇」「夢三十夜」「枯れ蟷螂(とうろう)」が好き。前作「蘆屋家の崩壊」を買う場合は集英社文庫版(2002年3月発売)ではなく、再編集+書下ろし短編が加えられたちくま文庫版(2012年7月発売)を買った方が良い。
★2 - コメント(0) - 2015年4月6日

『蘆屋家の崩壊』に比べて豆腐率は低め。
- コメント(0) - 2015年3月23日

再読。前巻とは少し雰囲気が異なる。伯爵もほとんど出てこないし…。猿渡の無駄な饒舌がもう一度読みたい。
★1 - コメント(0) - 2015年2月23日

前作、『蘆屋家の崩壊』より怖くなかった。ですが、最後にゾワッとさせる話が面白い。「ピカルディの薔薇」「籠中花」「フルーツ白玉」が好き
★5 - コメント(0) - 2014年12月15日

ピカルディの薔薇の 評価:86 感想・レビュー:159
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