忘却の声 下

忘却の声 下
あらすじ・内容
ドクター・ホワイト、こちらの話を聞いてください。あなたはアマンダ・オトゥールを殺して、そのあとで彼女の指を四本切断しましたか?

覚えてないわ、とわたしは彼にいう。だが、しつこく甦ってくるイメージがある。

男はわたしをじっと見つめている。わたしは相手の目を見て首を横にふる。
いいえ、まさか。とんでもない。

たしかですか? 一瞬……

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忘却の声 下はこんな本です

忘却の声 下の感想・レビュー(102)

sai
記憶をなくしたあと、わたしにはなにが残されるのか-。親友の殺害容疑をかけられた、認知症を患う女性。彼女の独白とノートに書かれた文章、介護人や娘たちが記した伝言の断片で綴られた小説。
★10 - コメント(0) - 2016年3月23日

自分の老後が怖くなった。
- コメント(0) - 2016年2月8日

[カーディガン最優秀ミステリ賞]これほどミステリ部分がどうでもよくなるミステリ作品も珍しい。認知症のドクター・ホワイトの視点で進み続け、彼女が聡明で融通が利かない人であったことや、優秀な医者であったこと、家族や友人との仲などが記憶の断片から少しずつ見えてくる。そして、記憶の断片が唯一見られる読者だけが彼女の生きてきた姿を整理して見ることができる。家族が、友人が知らないこと、彼女自身が思い出せないことを知り続けたら、事件の結末より彼女の最後がただ平和に訪れるように願いたくなる。
★12 - コメント(0) - 2015年12月19日

認知症患者が語り手という異色のミステリ。その時々によって記憶や判断能力の有無にムラがあり、自分の子どもの顔がわからないときもあれば昔のことを鮮明に覚えていたりもする。周囲にとっては奇行でも本人にとっては行動にきちんと意味がある。身内が認知症になったら…ということはあまり考えたくはないが知らなければいけないことだな。
★6 - コメント(0) - 2015年11月5日

上巻を図書館で借りてから、下巻が回って来るまで、かなり待ちました。認知症のジェニファー視点で物語がすすむので、物語は一筋縄ではいかず、何か思い出しかけながら、ぼんやりと霞の向こうへいってしまったり、過去に生きてしまっていたり、戻ってきたり、行ったり来たり……どんどん進む病状……親友を殺したのは、本当にジェニファーなのか?もどかしいような、ジリジリとした不安な世界の中で、最後もう誰が殺したとかどうでもよくなってしまった。
★38 - コメント(1) - 2015年7月26日

ジェニファーがどんどん悪化して行く。周りから見たら認知症の人が徘徊したりとんでもない行動をとってるみたいでも、ジェニファー自身は残ってる記憶や感覚の中で一生懸命考えてちゃんと普通にしてるのですよね。でも、その中でふっと「何かがおかしい?」みたいなぼんやりと不安な感じもあって。読んでてちょっとつらかった。息子や娘の顔も忘れてる時がある。でも、誰かわからないのに何だか親しみを感じたり、帰ると淋しく思ったりする。大切な人っていう感覚とその人たちを思う気持ちは、きっと最後まで残るのかなあ。
★5 - コメント(0) - 2015年6月22日

認知症の意識のまだら模様がミステリーを深める。結末は普通のミステリーとなりがっかり。
★2 - コメント(0) - 2015年6月13日

家族の崩壊、破綻。はじめから破綻していたのではないか? ラストの数行が彼女の本心を突きつける。
★4 - コメント(0) - 2015年6月8日

主人公のジェニファーは、アルツハイマー病の進行で引退を余儀なくされた元外科医にして未亡人、そして成人した息子と娘の母。近所に住む親友のアマンダを殺したのはジェニファーなのか。日々の出来事を記すノートとジェニファーの意識の流れによって事件の背景が語られる。著者は、認知症についてかなり学んで後本書の執筆に臨んだ由。ジェニファーの意識の跳び加減など、非常にリアルでした。
★2 - コメント(0) - 2015年4月15日

自分が壊れてゆくのを自覚しつつ生きていくのは、どれだけつらいことか。しかもその中にあって、他者を庇うために隠し通すと決めたことは、どれだけ壊れていても守り通している。母の愛は理屈抜きで強い。ひるがえって、ああいう関係を親友同士と言えるのだろうか。最後近く、施設を抜け出した彼女が古巣でテキパキと仕事をするさまは、妙に生き生きと感じられ、本人が覚えていないだろうにしても、こういう時間を持ててよかったねと思う。まあ周囲にはご迷惑様だったろうけれど。
★2 - コメント(0) - 2015年4月12日

★★★☆
★1 - コメント(0) - 2015年2月15日

ジェニファーのアルツハイマーが更に進行。主観的な語りから「あなたは~している」と第三者によるものへ移行し、悪化が窺える。最後の頁に薄ら寒さを感じた。殺人事件の一件が無かったら、娘は頻繁に施設訪問してくれただろうか?秘密が墓場へ葬られるのを確認するため?ジェニファーは娘・妻・医者・母とくるくる姿を変え、その一瞬を生きて過ごしている。幻覚の中ではもう実在しない人物にも会える。周りは彼女を拘束し、発言や尊厳は無視。生き地獄の様だ。つくづく本人も家族も通常は曝け出さない部分が表出してしまうのが残酷だと思う。
★44 - コメント(0) - 2015年1月14日

認知症のおばあさんによる一人称…という、「信頼できない語り手」としては極上(?)の設定だったけど、ミステリ的には陳腐。
★6 - コメント(2) - 2015年1月6日

症状の悪化で介護施設へ入ったジェニファー。できの悪い息子マーク、できのよい娘フィオナもたまに面会に訪れるが、ジェニファーは彼らのことも忘れていく。アマンダの事件を捜査する刑事がジェニファーを訪れる。ジェニファーはアマンダを殺したのか。 ――どんどん悪化していくジェニファー。ところどころに回想が入り、ジェニファーとアマンダの関係が垣間見える。作者の意に沿った感想じゃないかもしれないが、とにかく認知症怖い。自分が自分でなくなっていってしまう。なのに本能的な思いだけが強く残る。
★1 - コメント(0) - 2015年1月3日

大変上手に伏線が引かれているので ああやっぱり と思いました
★2 - コメント(0) - 2014年11月6日

大切な人に触れるための手。指。抱きしめる力。人生の最期に残されていて欲しいもの。
★2 - コメント(0) - 2014年10月22日

★★★☆☆上巻を読んだときはブツ切りな感じが読みにくくて、大丈夫かな自分と思ったけど終盤に向けてものすごく加速していきました。認知症なら現実にもあり得る事かもと、思ったりして恐ろしくもあり、切なくもありました。面白かったというか、読んだばかりの今は鳥肌が。
★7 - コメント(0) - 2014年10月18日

【第25回 海外作品読書会 (10月10&11日)】読書中は、擬似アルツハイマーだった。この頼りなさを”あとがき”で救って貰おうと思ったら、無かった。そのうちフィオナに、いつかはジェニファーに。
★17 - コメント(0) - 2014年10月10日

指を切断した理由としては陳腐なものだったけれど、その時の彼女の心を思うと、胸塞がれる気持ちになります。何はともあれ、忘却が今は救いなのかも。
★5 - コメント(0) - 2014年10月10日

ミステリー仕立ての上質心理サスペンス。語り口の巧さ、登場人物のキャラクター造形力の確かさで一気に読ませます。著者の想像した認知症下の意識や自我の世界もさることながら取り巻く人々の反応や思いがこの小説に深い奥行を与えています。映像化が待ち遠しい作品です。
★5 - コメント(0) - 2014年10月7日

認知症の語り手が、どんどん壊れていく有様がリアル過ぎて恐ろしくなる。 現在から過去、そして現在、または幻想。 それらの場面がくるくると入れ替わり、混乱の度合いは上巻の比較にならない。 人はこうまでなってしまうのか。 事件の真相は驚くような展開ではないが、背筋が寒くなるような、そら恐ろしい気持ちにさせられる。 かなりキツイ内容。 それでも読んで、体験してよかったと思えた。 ただし人にお勧めはできないな(笑)。
★18 - コメント(0) - 2014年9月30日

認知症になると、こんなふうになっていくのね…周りの人は辛いなぁ。
★8 - コメント(0) - 2014年9月27日

いやよ。わたしはそこまでいくつもりはない。まだそこまではいっていない。 現実と幻覚が錯綜する中で、母は淡々と娘を守り、幻覚を受け入れる。 こうやって終わるのだ、と。
★6 - コメント(0) - 2014年9月23日

下巻に入り、ますます 現実と幻想が入り乱れたり、過去の断片的な出来事が短絡的に襲ってきたり・・。そんな主人公の「ジェニファー」としての一個人でなく、「ドクター・ホワイト」としての矜持ばかりが強調されていく。院を抜け出し、現実社会に入っていく場面は、あまりにも悲劇的である。。一方 犯人は誰なのか?何のために指を切断したのか?・・その結末には、唖然とさせられてしまった。もっとも、最後は、そんなミステリーの展開よりも、記憶が消えていき、現実から追いやられていく主人公の哀れさがたまらなく切ない。
★13 - コメント(1) - 2014年9月20日

明るい未来も、全部嘘でしたとかいうのも全然なく、きついまま終了。ネタバレまでいかないが、確かに最後のところは??ではある。とにかく、たった64歳。しかも腕のいい医者がこうなるのか、と、未来に対して暗い気持ちになった。まあ、がんばって読むのも悪くない、が、きつい。
★4 - コメント(0) - 2014年9月20日

どうしても、読後娘が自分の罪を痴呆症状の重くなってしまった母親に着せた話にしか思えずもやもやとした感情に捉われる。一番残念なのは書ける状態ではなくなったと分かってはいても、日記形式だったものが二人称に切り替わってしまい視点がぶれてしまったこと。
★4 - コメント(0) - 2014年9月19日

上下2巻 疾風怒涛の読書経験。アルツハイマー型認知症って、本人の意識は本当にこんなものなのか・・・ 仲間内では、すっかりボケてしまえば実は楽なんじゃないか~等々と語りあったこともあるのだが、なかなかどうして、家族の苦痛は言うに及ばず、本人の恐怖や不安は大変な物があるな。将来どの病を得ることになるのかわからないが、できるだけ楽に とこんな時だけ神頼み。ミステリーとしてはあまり評価できないが、フレネミーの造形、綿密な取材には感心。パワーと迫力。
★15 - コメント(0) - 2014年9月13日

不正を犯していた夫婦、正義感の強い近所の友人、血の繋がらない父娘、金を無心する息子、失われる記憶と認知力、根強い誇りと矜持。断片的な記憶と出来事から事件の全容を明らかになる。自分も認知症にかからないとは言えない。どんな素をさらすのか。
★6 - コメント(0) - 2014年9月12日

★★★★☆  
- コメント(0) - 2014年9月11日

認知症の主人公の独白の迫力に下巻は一気に読んでしまいました。こんな風に世界が揺らぎ、遠くなっていくのかと切なかったです。事件の真相は想定の範疇でしたが、その切っ掛けとなった事件より、他人の娘を自分の側にとりこもうとしていたアマンダの心情にゾッとしたというか、ちょっと覚えがある幼い頃が蘇って背中が寒くなりました。ああいうの。忘れないもんだよ。子供って。
★12 - コメント(0) - 2014年9月1日

私自身経験したことはないわけだから想像に過ぎないけれど、認知症の語り手の独白のリアリティが凄い。不連続する記憶と世界と自己同一性。第三部からは離人感まで出てる。個人的に凄い膝を打ったのは、不穏状態が本人に不穏と認識されていない描写とか。とにかくリーダビリティ高い。
★6 - コメント(0) - 2014年8月30日

認知症の人から見た世界を垣間見た。本人も周囲も辛い。
★16 - コメント(0) - 2014年8月29日

認知症とともに、物語の核心にも一気に進む!ミステリー的には、犯人は誰か?より何故こういう事に至ってしまったか…の方にかなり重きを置いた作品!何しろ海外もののわりに登場人物がかなり少ないからね(笑)
★22 - コメント(0) - 2014年8月16日

yum
ミステリとしては当然の真相だったので、もう少し犯人にあくどい部分があってもよかったのかな…と思った。でも、認知症の主人公の独白は、もしかして経験者?と思うぐらいすごい。疑似体験したようだった。自分ではもう何もコントロールできないって辛い。なぜこんな扱いをうけるの?という疑問と戦う毎日。でも、こんなにすべてが判らなくなっているのに、大事なものだけはなぜか理由も判らず守り抜いてしまうのだ。愛するという本能だけは決して消せない、それがこの物語の核心なんだろう。
★22 - コメント(0) - 2014年8月14日

うーん、うーん、うーん。 認知症小説のアメリカにおける最新版。出てくる施設が酷くて、アメリカでもそんな有様なのかと少し驚く。“信頼できない語り手”ものを期待していたため、こう、なんというか、こう……
★1 - コメント(0) - 2014年8月12日

下巻の後半からは、記憶(自我)がますます怪しくなってくる。表層上の意識は、整形外科医としての自分であり、娘のことを忘れてしまっている。だが母娘の繋がりは、無意識的に強く結びついている。このへんの描き方がやっぱりうまい。失われていくなかでも、最後まで残る「気持ち」が心に残る作品でした。
★11 - コメント(0) - 2014年8月11日

少しずつ進んでいく認知症を抱えながら、自分を取り巻く状況に翻弄され包も、その場その場で自分にとって自然な行動を取ろうとする主人公と、周囲の人間の言動から見え隠れする事件の真相の取り合わせが痛ましく思えてならなかった。いくらでも読み手を騙すことが出来る内容だと思うのに、そういう小手先のトリックではなくあくまでまっとうなミステリだったと思います。上下巻と厚めの二冊だったけれど一気に読むことが出来ました。面白かったです。
★11 - コメント(0) - 2014年8月10日

子や友だちを時々忘れても、仕事の手順うや判断を忘れないなど、彼女さぞや有能な医師だったんだろうなあ。。。さて、私には最後に何が残るだろうか?
★8 - コメント(0) - 2014年8月4日

ラストが切ない。母を熱心に見舞う優しい娘…すべて演技だったとは思わないけど、罪をなすりつけるために監視し、そしていま見捨てようとしている。母は忘却とあやふやな記憶のなかでさえ、娘を守ろうとしているのに。でも、それこそが彼女が望んでいた計画…母の愛は偉大だ。
★10 - コメント(0) - 2014年8月3日

忘却の声 下の 評価:94 感想・レビュー:47
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