両シチリア連隊

両シチリア連隊
あらすじ・内容
一九二五年、二重帝国崩壊後のウィーン。大戦時に両シチリア連隊を率いたロションヴィル大佐は、娘のガブリエーレとともに元トリエステ総督の催す夜会に招かれた。その席で彼は、見知らぬ男から、ロシアで捕虜となって脱走した末、ニコライ大公に別人と取り違えられたという奇妙な体験談を聞く。そして宴もお開きとなるころ、元両シチリア連隊の将校エンゲルスハウゼンが、邸宅の一室で首を捻られて殺害される。そして六日後、事件を調べていた元連隊の少尉が行方不明となり……。第一次世界大戦後を生き延びた兵士たちが、なぜ今“死”に見舞われるのか。謎に次ぐ謎の果て、明らかとなる衝撃の真相とは。訳者あとがき=垂野創一郎

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両シチリア連隊はこんな本です

両シチリア連隊の感想・レビュー(63)

何とも不可思議な作品。基本ミステリーなのだが、各章毎に印象が変遷し、捉えどころが分からず四苦八苦。謎解きとしての面白みはそれほどでもなく、どちらかと言うと、この物語の向かう先は何処なのだろうかという好奇心が先に立っており、急に、難解な哲学的なくだりが延々と続いたり、幻想チックでSF的な記述が出てきたりと、筆者の自らの体験を基に、思うがままペンを走らせたような感じを受ける。面白いかと、問われれば何とも返せないが、読み終えて、落ち着かない中に満足感がある。本作を的確に表現する読力を備えていないのがもどかしい
★37 - コメント(0) - 2016年6月11日

読み終わってもにわかには頭の整理がつかなくなるほど、凝った作品。夜会に現れた騎兵大尉ガスパリネッティの別人との取り違えた話からして、不穏な空気が作品に漂い、両シチリア連隊に所属していた人々が次々に死に見舞われる。物語には要所にしか出てこないゴードン警部が最後に種明かしをするが、読者はそれに唖然とすることだろう。解説によると本作はアンチ・ミステリだそうだが、読後、きれいに落ちがついてスッキリしたというより、キツネにつままれた気分なのは、ペルッツ同様、幻想的な要素が作品に漂っているせいもあるだろう。
★6 - コメント(0) - 2015年12月31日

各章ごとに登場人物の一人にスポットをあて、主題の話が螺旋的に進むという構成はすごく好きだ。ミステリ…う~ん、殺人があり、謎解きがあればミステリというのか? 結末は、陳腐ではないが、煙に巻かれた気分。アト的には、すっきり・しっくりせず。
★12 - コメント(0) - 2015年12月21日

今はなき両シチリア連隊のメンバーが一人また一人と亡くなったり行方不明になったりする。すわ『そして誰もいなくなった』か?と思うがなかなか読書の思うように推理モードに入らせてくれない。なるほど、読みにくい小説ではある。章タイトルが全て連隊メンバーの名前になっており、捜査を担当するゴードンも探偵役であるにも関わらず登場頻度は少ない。オーストリア=ハンガリー二重帝国を生きた作家にとってはアイデンティティなどはなからあてにはならないものなのか。
★24 - コメント(0) - 2015年10月15日

不思議な雰囲気の小説。実は近年書かれたものと勘違いしていたが。装丁が凝っていて期待したのだが、ミステリとして読むと物足りない。解説が難解ながら丁寧でボリュウムもあり書かれた時代背景などがわかるのが救いだった。
★2 - コメント(0) - 2015年4月23日

かなり読むのに苦労した。目一杯色々な事が詰め込まれるので、、、。誰が誰か混乱してくる。確かに、ミステリーではなく幻想小説。雰囲気は好き。
★2 - コメント(0) - 2015年3月21日

元連隊の人間が一人、また一人とこの世から姿を消していく。こう書くと戦時中に起きた何かの謎を解くといったものを連想するんだけど、あにはからんや幻想小説であった。一応ミステリとしての解決も最後にデウス・エクス・マキナっぽく明らかになるんだけど、著者の主題にしたかった事はもっと別な事なように思う。もっと大きな、運命というか流れというか。衒学的な文章やドッペルゲンガー、幻視といったものも効果的に使われており、それらが作品全体に何とも言えない雰囲気を加えているし。何より大戦間のウィーンの空気が現れているのが良い。
★50 - コメント(0) - 2015年1月31日

すきっとしない、もわもわ感いっぱいの本。作者のすべてがつめこまれて、てんこ盛りの感じ。
★2 - コメント(0) - 2015年1月31日

世界の終わりのための探偵小説なんていう魅力的な煽り文に大いに煽られ、ミステリ音痴である事も忘れて購入。ところがこれはミステリの皮を被った幻想小説といった趣の物語で、しかも皮ばかりのミステリも不完全。そもそも殺人ほとんど起こってないよね?とツッコミを入れたのは僕だけではないはず。一瞬コメディかと思ったくらい。そんなわけで幻想文学の一環として楽しむのが本書への正しい取り組み方。描写の美しさやもやもやと漂う不安感は、どことなく『アルゴールの城』を思わせるものもあって秀逸。更なるホレーニアの邦訳を強く願う。
★2 - コメント(0) - 2015年1月28日

没落するオーストリア・ハンガリー帝国、両大戦間のウィーンの雰囲気を堪能。数多く言及される歴史的人物名、戦場名等はうれしい。マリー・アントワネットの姉とネルソン提督の愛人が洗礼母となった今は無き栄光の連隊の最後の生き残り将校達が共有する死への無意識的願望と、それに引き寄せられた表象的な一連の事件の共時性的解釈が種明かしされると、確かにこの小説はミステリーでは決してないなと納得。
★2 - コメント(0) - 2015年1月8日

パーティーの場で起きた殺人事件。それをきっかけに関係者の失踪、不審死が続く。事件性と展開を見れば完全にミステリなのだが、実際にはミステリ的な展開はなく、ストーリーとして繋がっているのかバラバラなのかよくわからない話が繰り広げられる。面白いんだけど、やはり読みにくい。で、最後には強引じゃないかと思えるほど、ある意味トンデモな名(迷?)推理が繰り広げられる。結局最後まで全体像をつかめずに終わった。
★6 - コメント(0) - 2014年12月21日

途中で断念。時期が悪かった。また今度。
★2 - コメント(0) - 2014年12月6日

すごく良かった。
- コメント(0) - 2014年11月6日

なかなか進まない物語とだらだらと続く哲学的考察にじりじりしながら読む。でも最後まで読むとそれらに意味があったことが分かる。とか言ってもこの読後のぐるぐる感は説明できない。取ってつけたようなミステリ部がやけに精密なせいか。印象派の絵の中に細密画が忍んでいる感じ。 それにしても挿話の一つがトゥエインの「夢の恋人」そっくりなのは驚いた。夢の中で全く違う名前で呼び合う恋人同士。それが「アメリカ人の書いた本で-読んだ」とあるから。きっとそうではないか。それにしてもここでつながるとは
- コメント(0) - 2014年11月5日

 変な小説だ。すっごく変な小説だ。ま、扱われている歴史的事実にまるっきり白紙状態だったこちらの分が悪いのは百も承知だが、それを差っ引いても、なんとも人を食った話なのは間違いない。いや、これは貶してるのではなくて、感嘆してるんだよ。
★4 - コメント(0) - 2014年11月4日

1925年および41年に書かれた幻想小説。殺人事件が起き推測話も始まるが、推理や捜査といったものは主軸ではなく、両シチリア連隊の兵士たちそれぞれを章立てし描かれる、幻惑のイメージを堪能する小説。何と言っても、珠玉は、戦争と戦争のはざまに、薄氷の下の魚の影のように揺れ表れる、死、亡霊、ドッペルゲンガー、そして時間、をいい感じに漂わせる本全体に通ずる雰囲気。たまに可笑しさも入れてあって、ニヒルなお洒落感あり。とても好みな本。 P117そして僕がここに書ききれなかったことをも、君は読んだことにしてくれないか。
★2 - コメント(0) - 2014年11月2日

何重にも仕込まれた「謎」というか、「偽」がとても面白かった。
★2 - コメント(0) - 2014年10月28日

幻惑の小説だなあ
★3 - コメント(0) - 2014年10月22日

非常に最後の二章までの(ようは解決に向かうまでの)ドンドンと物語が展開していき、こんな登場人物まで死んでしまうのかと思わせるところはグイグイ読ませる。どっちがどっちなんだかよく分からなくなるような、幻惑させるラストもいいと思う。死に際の登場人物たちの幻想的な語りも悪くない。が、なんだろう。なにかが足りない気がする。真相ではなく、もっと幻惑させるためのなにかが足りない。訳者の解説は…うーん、言ってることが「知の欺瞞」っぽすぎ。個人的には「時間」への記述が多いことが気になる。
- コメント(0) - 2014年10月21日

これは奇書としか言いようがない。アンチミステリであり、幻想文学。一回読んだだけでは、正直読解できていない。また再読せねば。
★4 - コメント(0) - 2014年10月15日

ぐるぐるループしてうにゃうにゃする話。
★1 - コメント(0) - 2014年10月14日

1942年刊とのことだけれど、頽廃・耽美を仄めかしながらどこか醒めていて作り物のよう。人々がヴァカンスに去ってがらんとした夏の都市の孤独。その中でかつての連隊の将校たちは、殺人者の影に翻弄されながら生と死のあわい、過去と未来のあわい、現実と想像のあわいに思いを致していく。彼らの思索に身をゆだねるのがなんとも心地よい。 http://booklog.jp/users/hubako/archives/1/4488010369
★1 - コメント(0) - 2014年10月11日

前半は黒死館っぽくて良かったけど最後まで体力がもたなかった…そんなにびっくりするトリックか…?
★1 - コメント(0) - 2014年10月5日

幻想的な物語の中にしっかりとミステリ的な要素が融合した良い作品だったと思います。幻想もミステリも論理的かつ緻密な展開があって初めて成立する分野でありますが、そのどちらもが一度に味わえる作品というのは残念ながら古今東西それ程多くはありません。本作がその栄光に浴している数少ない作品なのだ、と言っても強ち大袈裟では無いと思います。幻想小説好きとしてはあの隊員達の視る夢とも幻視ともつかない世界には魅かれますし、ミステリも少しは好きな者として、あの真相は中々面白いと感じました。楽しく読む事が出来ました。
★4 - コメント(0) - 2014年9月29日

★★★☆☆
- コメント(0) - 2014年9月22日

読了。二十世紀初頭のウィーンという舞台設定だけで垂涎ものですが、さらに大戦と大戦の間のわずかな平和を謳歌していた両シチリア連隊の元隊員たちを襲う事件の数々、そして、男たちを惑わす美女ガブリエーレ。これで面白くならないわけがない…。探偵小説に出てくるいかにも探偵然とした人物はおらず、元隊員たちの勝手な憶測が素人探偵っぽくて、こちらもなかなかによい。ことの真相は予想していたほど驚くべきものではなかったが、めくるめく白昼夢のようなひとときを過ごすことができた。(続く)→
★3 - コメント(1) - 2014年9月21日

変わった本だった……。ミステリーだけではない。
- コメント(0) - 2014年9月14日

面白い…ていいますか、すこぶる好みだった。めくるめく惑わしに満ちた反ミステリ。まるでメビウスの帯の上を辿らされているようだったり、かと思えば合わせ鏡を覗き込む心地に似た…眩暈感に酔う、不思議な味わいの作品だった。ある殺人の謎と赤毛の美女ガブリエーレの恋と、それらをめぐる男たち(元両シチリア連隊)の暗躍、鞘当…。話の流れそのものが幻想の如く、風変わりに美しい。(ジルヴァーシュトルペの幻視など、とても印象的だった)
★10 - コメント(0) - 2014年9月12日

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両シチリア連隊の 評価:92 感想・レビュー:29
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