地球の中心までトンネルを掘る (海外文学セレクション)

地球の中心までトンネルを掘る (海外文学セレクション)
あらすじ・内容
シャーリイ・ジャクスン賞、全米図書館協会アレックス賞受賞作

これは「あなた」だったかもしれない人たちが織りなす、孤独と共感についての11の物語。代理祖父母派遣会社で引く手あまたの「祖母」として働く女性、人体自然発火現象で死ぬことを恐れながら弟と暮らす青年、折りヅルを使った奇妙な遺産相続ゲームに挑む男たち、ある日突然思いつき、裏庭でひたすらトンネルを掘りはじめた三人の若者……少しだけ「普通」から逸脱した日々を送る人々の、生活と感情の断片を切り取った挿話が、不思議としみじみした余韻をもたらす短編集。シャーリイ・ジャクスン賞、全米図書館協会アレックス賞受賞作。解説=倉本さおり

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地球の中心までトンネルを掘るはこんな本です

地球の中心までトンネルを掘るの感想・レビュー(198)

文化の香りしなくていつもTシャツとジーンズで済ませてしまう生活と見えてその日常性からの“ずれ”が非日常性を炙り出す。そこに潜む偽善とか周りに溶け込めない寂しさを際立たせる。「替え玉」親密であるはずの言葉と態度を切り売りするビジネス!がありうる今の社会の不気味。「モータル…」米国版BLか。ぶっきら棒を通したいのに求めてしまう恥じらいはでもナチュラル。「ゴー・…」跳び交う静電気の小さな火花に救われます。偏執、妄想すぎてついて行けない作品も。「ニュークリアエイジ」を思い起こす表題作、「弾丸…」「ワースト…」等。
★43 - コメント(1) - 2月19日

15年の本体1800円の初版を読んだ。著者の、初出済み作品の最初の短編集。11編の掲載順に意図はないようで、どれから読んでも良い。発想のままの題名に興味を惹かれるが、オチを期待してはいけない。ヤングアダルト対象のアレックス賞を受賞した本書のような、大団円一辺倒でない作品・・表題作や「発火点」「弾丸マクシミリアン」などのプチ・サスペンスが期待に反して手元からスルリと逃げて行くさまに、ある年代の若い人が触れることは大事だろう(結果、書籍代をどう感じるかも含めて)。巻末の倉本氏の書評がうまい。★★★★☆☆
★8 - コメント(1) - 2月10日

また素敵な本に出会えました。現実にありそうであり得ないような、一風変わった物語たち。ブラックユーモアを交えた独特の面白味、ほんのりビターな読後感があとをひく。やみつきになりそう。
★26 - コメント(0) - 2016年12月27日

ありそうでなさそうな、なさそうでありそうな。そんなリアルの少し上(下?)を行く作品集。うっかりすると本気で信じてしまっている。どれも好きだけど、表題作が一番好き。
★2 - コメント(0) - 2016年12月6日

「孤独と共感についての11の物語」とは言っても現実とはちょっと離れた設定なので、共感できるのはわずかかもしれないけど、孤独が寂しいわけじゃなかったり、俯瞰で観てみたり。ラストが描かれていないストーリーが殆どなので、自分に当てはめてみたり。読み終わった後に不思議な気分になる1冊。タイトルになっている「地球の中心までトンネルを掘る」が一番好き。
★3 - コメント(0) - 2016年11月25日

好きなのは「発火点」。スクラブルの文字牌を集める仕事、とかありそうでありえない、本筋と関係ない細かい描写がすごく好み。●「ツルの舞う家」は折り紙を材料にしながら「紙の動物園」とは異なる着地点。●「モータルコンバット」「ゴー・ファイト・ウィン」ティーンエイジャーが主役 その年代は遠く過ぎてるのに、いまだキリキリと痛い。
★12 - コメント(0) - 2016年11月20日

替え玉|☆発火点|今は亡き姉ハンドブック|ツルの舞う家|モータルコンバット|☆地球の中心までトンネルを掘る|☆弾丸マクシミリアン|女子合唱部の指揮者を愛人にした男の物語|☆ゴー・ファイト・ウィン|あれやこれや博物館|ワーストケースシナリオ株式会社
★2 - コメント(0) - 2016年10月31日

すごく面白い。短編映画を何本も見た気分。笑いあり涙あり。何だかいちいち描写が具体的で真に迫る感じ。それでついついどうなるの?と思うのだが、ラストが心憎い感じでうまく終わっちゃうんだなあ。腹立つけど上手い。「この本の本当の魅力は細部にこそ宿る。その一つが主人公たちの妙ちきりんな仕事だ」という感じであとがきにあった通り、その点でも読んでて面白かった。王道は表題作。これは読後感が爽やかでいい話だった。個人的にはちょっと異色な「今は亡き姉ハンドブック:繊細な少年のための手引き」がツボだった。爆笑。
★7 - コメント(0) - 2016年10月12日

「これは『あなた』だったかもしれない人たち」とあるように、自分のことが書いてあると感じること多々あり。明るい兆しを感じさせるラストが多くて読後感は良い。しかし、自分には明るい兆しが見えないのよね、とついつい一人ワーストケースシナリオ株式会社を設立中。
★2 - コメント(0) - 2016年10月10日

こういう孤独さや繊細さは、人間にとって大切にされなければならないと確かに思う。だからこういう本をもっと深く味わいたいのだけれど、どうしても頭の数%でしか味わえない。結局忙しすぎるのか、自分を見失っているのか、こういう本を根気よく読めたら素敵だなと思う。(個人的な感想でごめんなさい)
★1 - コメント(0) - 2016年10月4日

少しだけ孤独で、少しだけ世間から距離をおいている人達の短編集。「代理祖父母」「あれやこれや博物館」「ワースト、ケース、シナリオ株式会社」など摩訶不思議な仕事もたくさん出て来て、独特の世界観だったけど、不思議と共感できた。無性に穴を掘ってみたい気持ちもわかるかも。
★4 - コメント(0) - 2016年9月19日

有り得ない職業の人やら両親が自然発火した人やら、設定は奇抜なのに当人の性格や言動は至って普通…なギャップが面白い人ばかり。作者はきっと、だいぶ変人とみた。
★5 - コメント(0) - 2016年9月17日

「ゴー.ファイト.ウィン」が好き。ディスコミュニケーションや孤独を描きながら、その逆の美しい瞬間や関係も描く作品が多かったように思う。
★11 - コメント(0) - 2016年9月6日

普通から逸脱した人々の話とあるけれど繊細な感情が表されていて共感があった。日々の細部、毎日の不安や抱く感情がリアルで身近に感じられた。「ゴー・ファイト・ウイン」母親に健気に気を使う娘が自分に少し自信を持てるようになる過程が良かった。
★23 - コメント(0) - 2016年9月2日

不思議な職業オンパレード。私はこの作家の世界観、大好きです。読み終わった後、装幀をみて、おお〜そうか〜、としみじみ。翻訳がとてもいいですね。
★16 - コメント(0) - 2016年8月31日

どれも妙ちきりんでヘンテコな設定だが、出てくるのは考えすぎて前に進めない人ばかりだ。けして洒落てるわけではないけど実に愛らしい物語だと思った。読んだ後はしんみりと幸せになったりするのだ。(ぞっとするのもあるけど・笑)読み友様たちがこぞって推薦している気持ちもよく分かる。ラストに薄っすらと希望を感じるのも好き。しかし彼の次作品を読みたいかと問われると、これでもうお腹いっぱいかなと答えてしまいそう。初めの新鮮さが読み進める毎にどんどん消えていった。設定のおかしさに慣れてしまったのも。いずれにしろ面白かった。
★50 - コメント(4) - 2016年8月28日

タイトルと粗筋と装丁からして良さげだな~と思ってたら案の定どストライクだった。他の人と同じように日常を送ることができず、社会からズレてしまった人たち。孤独を感じ、他者からの愛と幸福を求めるも、どうしてもそれが手に入らない。一方でどこかふわふわした当人たち。それがまたもどかしくも愛おしく、ゆっくりサクッサクッとシャベルで掘るように心をえぐってくる。ユニークな発想に魅かれ、コミカルな描写に笑い、その裏の深刻さに鈍い痛みを感じ、そして微かに吹く希望の風は爽やかな余韻を残す。ビターでスウィートな短編集。
★32 - コメント(3) - 2016年8月18日

いかにも現代アメリカらしい、優しい諦念と微妙な絶望と親愛の情がミックスされた奇想短篇集。センチメンタルでシニカルで、なかなかやりきれない。
★4 - コメント(0) - 2016年8月17日

R
SFめいた短編集でした。翻訳のおかげなのか、もともとの魅力なのか、どこか親近感を覚える雰囲気の内容で、後味の悪いものも、そこはかとない明るさをまとうものも、万遍なく楽しめました。題名作については、抽象化したときに理解できそうな、なんともいえない若い頃に味わう詰まりのようなものがリアルで、面白く読めました。ちょっとナード寄りというか、ヲタクっぽい物語の運びが、しっくりきて楽しく読めました。
★62 - コメント(0) - 2016年8月9日

どこかで読んだような、イーサン・ケイニンとかそういう風味の短編集です。斬新ではないのですが、翻訳もの読みたい気分のときに正にぴったり嵌るような、読みやすく纏まりのいい一作でした。
★3 - コメント(0) - 2016年8月6日

上手に生きるのが苦手な人々の日常や感情の断片。設定が普通では無くて、代理祖父母派遣会社だとか、人体発火現象、遺産相続ゲームなど、またそれが魅力的なのだけど、その中にある心の動きは私達の普段のものと同じで共感しながら読める。表題作が一番好き。
★31 - コメント(0) - 2016年7月24日

どの短編もユニークで、著者の発想力に感心してしまった。個性豊かな作品はどれも読後感が異なるが、後書きの明朗な謝辞に著者の人柄が表れているようで、清々しい気持ちになった。途中、思い出したのは過去に経験したほろ苦い出来事や、若い頃にやらかした数々の失敗だ。大人になり、代わり映えのしない毎日でも、心のアルバムには人生の悲喜交交を記録している。子供時代は繊細で神経質だったが、失敗を重ねるうちに打たれ強くなり、鷹揚に考えられるようになった。小説のネタにもならない人生だが幸せだ。こんな素敵な本を読めるのだから。
★83 - コメント(6) - 2016年6月15日

少し繊細で爽やかな印象の短編集でした。主人公は生きることの息苦しさ、人と分かりあえないやるせなさ、もどかしさを感じている人たちで、作者はこの息苦しい感じを丁寧にすくい上げて描いています。当然、こちらももどかしい気持ちになるのですが、主人公がそこから少しだけ広い世界へ踏み出す瞬間もやはり丁寧に描かれているので、分かりあえなくても愛を信じて良いんだし世界は様々な可能性に満ちているんだという前向きな気持ちになれました。代理祖父母の派遣会社や音入れ工場など少しだけ現実とずれた舞台装置も利いていて、面白かったです。
★42 - コメント(0) - 2016年6月13日

代理祖父母派遣会社の話を最初の数ページ読んで、あっという間に引き込まれてしまった。どの話も、少しぞっとする所がありながら余韻はあたたかい、キレのいい短編ばかりで素晴らしい。やはり冒頭の代理祖母の話「替え玉」が最も心に響いたが、若くして亡くなった姉の話もユーモアの中に途方もない悲しみがありすごい短編だった。
★4 - コメント(0) - 2016年6月5日

読み友さんの感想を見てやっと読んだのですがすごい短編作品ばかりです。感動モノが多く私はこの作家がいっぺんに好きになってしまいました。私の悪い癖ですぐにこのようないい作品に出合うと原書を購入したくなります。前にもアリステア・マクラウドを紹介してくれて原書で読んでいます。これもそれくらいの価値はある作品集です。
★166 - コメント(1) - 2016年5月31日

(☆☆☆☆)全体的に良かった。特に好きなのは『替え玉』『地球の中心までトンネルを掘る』『ワースト・ケース・シナリオ株式会社』。特に最後の『ワースト・ケース・シナリオ株式会社』は、わかることと信じることの違いがよくでててよかった。『ツルの舞う家』とかのイメージの押し出し方は確かにちょっとミルハウザーっぽいかも。
★5 - コメント(0) - 2016年5月15日

iku
短編なので、細切れに読んでて、時間はかかったけど、どれもめっちゃ良かった。閉ざしてるわけではないけど、社会の枠組みのなかで、居心地良く暮らせないで、なにかに偏執的にとらわれたようなところのある人たちの話です。代理母に派遣で従事する人や、スクラブルのコマを選り分ける仕事、日用品コレクションの博物館勤めなど、かなり変わった仕事についてる人ばかり。うまく繋がれていなくても、それでも一筋の光明に照らされるような愛のある話が多くて、読後すごく残ります。解説もとても良かった。
★19 - コメント(0) - 2016年5月12日

巻頭の「替え玉」から泣きたくなるぐらい素晴らしい。ある一家族の祖母になることを引き受けたことから次第に主人公の心情が変化していく。最後の行動には、偽装家族は良くないというステレオタイプな価値観ではなく、もっと複雑な思いがあるのだろう。家族という割り切れぬ形態を孤独な思いを交えながら、でも温かく描いた一品。「ツルの舞う家」はケン・リュウ「紙の動物園」とある意味対をなす作品。僕だけが、発狂する父兄弟を傍目に、風に舞うツルの美しさを理解し、祖母の安寧を祈る。このように、一歩引いた作者の視点が心地よい。
★11 - コメント(0) - 2016年4月29日

日常から少し逸脱した短編集。すごく好き。装丁もフォントも素敵。初っ端の『替え玉』で泣いた。『発火点』『ツルの舞う家』も好き。へんてこな仕事が沢山出てくるのも魅力的。自分もどこかずれてるからか、読んでる間は謎の安心感があり、とても落ち着いた。現実生活に疲れたときの処方箋として常備したい。
★6 - コメント(0) - 2016年4月17日

短編集。どのお話も、孤独が背景にあり、それらに向き合う人たちが描かれている。家族ごっこに惜しげもなくお金をかける家族と、仕事として家族(祖父母)の役割を演じる人々。どちらにも言いようのない孤独がある。ある日地球を掘り出す、3人組。地上での自分たちの生き方・役割に戸惑い、地中への生活にはまり込んでいく。そんな姿を見守る両親の存在がいい!孤独は痛みを伴うことがある・・そんなお話が詰まっているが、どれも深い余韻を残す。
★16 - コメント(0) - 2016年4月9日

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様々なお菓子が詰められたお菓子箱のようだ。優しい美味しさにほっこりしていると、次のお菓子ではほろ苦さに驚かされるような。けれど、次を掴み出す手をとめられない。何が現れるのか、何を感じさせてくれるのか、想像がつかない期待感が募るから。 人は一人であるということ。その一人が他の一人一人とどこかで関わって生きていくこと。それが「社会」というつかみどころのない広いようで狭い世界であること。どこかにいるかもしれない誰かが、ユーモラスに、容赦なく、愛を持って描かれている。
★6 - コメント(0) - 2016年3月25日

シャーリィ・ジャクスン賞とあらば、読みたくなるっし!(さらにもう一つ受賞、納得!)余韻があって、じわぁとしびれ、ひと呼吸必要な感じです。表題作がかなり好きです。とりあえず掘る気持ちが分かってしまって、いろんな痛さが沁みるのでした。。なんなんだろう、ありえないのにリアルで・・。「弾丸マクシミリアン」ガックガクです!
★37 - コメント(0) - 2016年2月24日

タイトルに惹かれ借りた図書館本。どれも不思議な話の短編集。特に『ツルの舞う家』の読後の余韻が半端なかった。次回作も読んでみたい。
★3 - コメント(0) - 2016年2月21日

孤独で不器用で傷ついてばかりの生きかたが、どうしようもなく愛おしい。
★4 - コメント(0) - 2016年2月12日

現実から半歩ずれたような話だった。
★1 - コメント(0) - 2016年2月9日

素晴らしすぎて困っちゃう。奇想が物語、登場人物の感情なんかにちゃんと結びついている。全て良かったけど、好きなのは「替え玉」「モータルコンバット」「弾丸マクシミリアン」。「モータルコンバット」は泣いちゃったよ。
★7 - コメント(0) - 2016年2月7日

日常のどこかにいそうな、だけどかなり変わった人々についての短編集。最初の「替え玉」からすごいインパクト。展開にハラハラし、後味は苦い。他も、めでたしめでたしで終わる話は少ない。「モータルコンバット」の境界線ギリギリに立つ少年ふたりの話は、読んでいて苦しくなるほどだった。だから解説の「腹を抱えて笑う」という評には賛成できない。どうして笑えるんだろう。同性愛差別にも思える。「ゴー・ファイト・ウィン」の少女と少年の淡い恋の話もよかった。余韻がいつまでも残る短編集だった。
★7 - コメント(0) - 2016年2月6日

SFでもない、ミステリでもない、ちょっと不思議な物語が詰まった短編集。「シャーリイ・ジャクスン賞」ときいて、「ああ!」と納得。一番好きなのは「ゴー・ファイト・ウィン」。三回も読んでしまいました。ラストシーンなどは特に、映像作品で観てみたい程素敵な作品でした。ただ、ケヴィン・ウィルソンは独特のクセがある作家さんなので、好き嫌いが分かれるかもしれません。
★44 - コメント(0) - 2016年1月29日

ファンタジーではないけれど、現実にいそうでいなさそうな人たちの話が どれもよかった。代理祖母と折り鶴の話が特によかった。不条理の世界で生きにくい思いをしている人たちの不器用な生き方に共感できた。
★6 - コメント(0) - 2016年1月29日

表題作に登場する、主人公の両親が心に残った。彼らは、自分の息子が地面を掘ってばかりで地上に出ようとしない状態になってしまっても、それを責めることなく、息子が地面を掘ることで幸せならそれでいいと思っている。自分たちの願いを息子に押し付けず、本人の幸せを願う姿は、理想的な親の姿であるように感じた。
★4 - コメント(0) - 2016年1月24日

地球の中心までトンネルを掘るの 評価:100 感想・レビュー:106
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