ミツハの一族

ミツハの一族
あらすじ・内容
未練を残して死んだ者は鬼となり、井戸の水を赤く濁す。そのままでは水源は涸れ、村は滅んでしまう。鬼となった者の未練を解消し、常世に送れるのは、“ミツハの一族”と呼ばれる不思議な一族の「烏目役」と「水守」のみ。大正12年、黒々とした烏目を持つ、北海道帝国大学医学部に通う八尾清次郎に報せが届く。烏目役の従兄が死んだと。墓参りのため村に赴き、初めて水守の屋敷を訪ねた清次郎は、そこで美しい少女と出会う──。過酷な運命を背負わされた二人と一族の姿を抒情豊かに描いた、清艶な連作ミステリ。

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ミツハの一族の感想・レビュー(398)

あやしくも美しく、儚い物語という印象。悔いのない人生なんてない。そうなんだろうなと思う。多かれ少なかれ思い残して逝くのだろう。因習にとらわれる世界でともに生きる清次郎、水守、富雄の立場と想いがせつない。
★3 - コメント(0) - 3月7日

「水面水鬼」「黒羽黒珠」「母子母情」「青雲青山」「常世現世」連作短編集。未練を持ったまま亡くなると鬼になる。鬼が出ると水が濁り、使えない。鬼を見る目を持つむくろ目水守、鬼を送る烏目役。因習に囚われた一族の物語。古の因習と時代の移り変わりが醸し出す切なさ。妖しく美しく、艶やかで耽美な世界でした。腐の要素がまた妖しさを引き立てる。
★10 - コメント(0) - 1月31日

終わり方が予想外だったが冷静に考えると最善策なんだろうね。清次郎が納得して逝かれたのかどうかは不明だけど。 初出『ミステリーズ!』:「水面水鬼」Vol.63(2014/02)、「黒羽黒珠」Vol.65(2014/06)、「母子母情」Vol.66(2014/08)、「青雲青山」Vol.67(2014/10)、「常世現世」Vol.68(2014/12)
★140 - コメント(0) - 1月22日

謎を解いていく毎に距離を近づけていく清二郎と水守が愛おしかったです。水守が知らない世界を見せたくてあれこれ準備したり、説明したりするんだけど、その裏で水守に「世間知らずさを感じさせているんじゃないか?」なんて心配しちゃって、もう、恋だよね。 ラストの水守が清二郎に伝えた気持ちも好きだけど、3.4章辺りの二人がもりあがってきた辺りが最高でした。
★1 - コメント(0) - 1月13日

この世に思いを残した死者の願いを聞くことで未練を断ち切るという設定に多少、辻村深月さんの「ツナグ」に通じるものを感じた。 連作短編集だが、最終話になって主人公交代というまさかの展開。 最終的には哀しくも美しい結末、と言いたいところだが、見当違いで顔を焼かれた水守のことを考えると、そういいきってしまってもよいのかとも思う。。 因習から逃れ、科学によって得られたテクノロジーに囲まれた現代社会は、本当に私達に幸せをもたらしたのか、結末のあり方にそんな疑問もつきつけられた気がした。
★4 - コメント(0) - 1月2日

鬼と化した村人の無念を探るくだりは、ミステリーとしてはものたりないかも? 最終章でまさかあの人まで鬼になってしまうとは…! 孤独な水守が、清次郎によって世界を知り、いきいきと生き始めるところはよかった。
★4 - コメント(0) - 2016年12月19日

連作短編。静かで幻想的なミステリー小説。命は儚い。切なく、美しく、おもしろかった。
★11 - コメント(0) - 2016年12月4日

好きな作家さんの乾さん。11月のジュリエットがいまひとつで、もしかしたら…と不安を抱えつつ。大正時代の札幌、ある宿命を持つ男女の話で一話簡潔。設定は良いのになーって思いつつがっかりすると決めつけて途中までダラダラ読んでたけど、途中ちと辛いけど、最後の一編できゅんとしました☆
★11 - コメント(0) - 2016年11月13日

はじめましての作家さん。 5つの連作短編集。舞台は大正時代の北海道。未練を残して死んだ者は鬼となり、井戸の水を赤く濁す。人々の命綱である井戸の水を守るため、代々「ミツハ一族」の「烏目役」と「水守」は鬼の未練を解消し黄泉へ送る役目を持っていた。 幻想的な物語がたんたんと進み、盛り上がりには欠けるが、それがいっそうもの悲しさを際立たせている感じがする。孤独で美しい「水守」と、「水守」に心ひかれる「烏目役」、そして亡くなった人々の未練…儚くも美しいお話。
★11 - コメント(0) - 2016年11月8日

水源が汚れたら村で死んだ人の中に未練を残した鬼がでたという事。烏目役として鬼の未練を解かないと村の水がダメになって暮らせないという責任を思わぬ形で追うことになった清次郎、水守としての意志のない人から意志を持つことができた水守、清次郎のサポートを行いながらも色んな思いも引き継いでいた富雄…まさか最後の章でそんな事になっちゃうとは(>_<)水守顔も心も痛かったろうな…富雄もさぞ心苦しかったろうな。清次郎の功績は並々ならぬものだね。心の繋がりも感じる、いい終わり方でとてもよかったです(≧▽≦)
★5 - コメント(0) - 2016年9月6日

静かで切なく美しいお話しでした。こんな風に生活を支える人達が、昔はホントにいたんだろうなあ。
★11 - コメント(0) - 2016年9月2日

面白かった。ミステリーは浅いけど。古くから残る水守と烏目の因習。だけど、こ、これってb、BLじゃないのか…と、ドキマギしながらページをめくり続けてしまいました。約束が切なくて胸がきりっと痛みました。
★10 - コメント(1) - 2016年8月25日

久しぶりの乾ルカ作品、今回も素敵な話でした。村の民のために水源を守るべく宿命を負わされた「烏目役」「水守」は代々ミツハ一族に受け継がれる。突然烏目役となった清次郎が水守に寄せる想い、その慈しみが話に温かみを添えていた。しかし、清次郎の突然の死が事態を変える。因習に頼らす村を守るよう変える時代、その決断の時が来る。富雄と水守が踏み出す新しい一歩が眩しく清々しい。因習に囚われた時代から新しい時代への流れはちょっと『蜜姫村』を思い出す。
★40 - コメント(0) - 2016年8月16日

うつくしくて切なくて胸が苦しくなった。永く続いた因習にとらわれ続けた人々の話。清次郎と水守の関係性が好きだなあ。この作者さんの本をもっと読みたいと思った。
★5 - コメント(0) - 2016年8月15日

舞台は大正。妖しく切ない、それでいて耽美なお話でした。著者の描く大正や昭和初期の作品はやっぱり好きだなぁ…。
★5 - コメント(0) - 2016年8月3日

なんとも妖しく、悲しい話だった。この世に強い未練を残して亡くなった人は、鬼となって、村の水を赤く濁らせ、災いをもたらす。それを防ぐために、「烏目」と「水守」が、鬼の残した思いを断ち切る。謎解きをする探偵物のようでもあるが、纏っている空気感が独特で、あっという間に引き込まれてしまった。かつて人々は、厳しい自然の中で生きていくために、神を恐れ、因習を守った。望むと望まぬとにかかわらず、共に生きる者たちのために、与えられた役目を担わなくてはならない。押し殺し、秘めた想いが、切なく美しい。
★4 - コメント(0) - 2016年7月12日

ホラー+ボーイズ・ラブと書いてしまうと、身も蓋もないかな。
★2 - コメント(0) - 2016年7月9日

人それぞれの様々な想いが、この世を造り上げる、とても深いお話でした。最後に、感情を初めて表に出した水守が伝える、鬼になった清次郎の様子が、二人の純粋な愛と共に、切ないほど読み手に伝わり、とても感動しました。人生の儚さ、だからこそどんな些細なことでも大切な日々の経験。闇があるから、光の大切さが分かる。水守の世俗を知らないからこその純粋さ。婆上の自身のお役に対するストイックさ。そして、清次郎を支えるつもりが、転じて烏目役となった富雄の覚悟と、次なる目標に向かう開拓精神。私も見習いたいと思いました。
★7 - コメント(0) - 2016年6月25日

図書館。この人は北海道の神話を作りたいのかなー?素晴らしい。 知は世界。と、日本の子供が思えないのは社会の不幸だ。 あだなすものを説得して送り出す。日本的だと思う。
★3 - コメント(0) - 2016年6月25日

美しい小説だった。水源を守るために鬼の未練を探すとは面白い設定。好きなのは「青雲青山」かな。未練があるにも関わらず、家族と過ごす事を選んだ老人が切ない。残念なのは、とても面白かったので、もっと話を広げて欲しかった。特にラストの話は急展開過ぎて水守が可哀想で切なくなる。別れのシーンは胸が痛くなるほどだった。
★10 - コメント(0) - 2016年6月22日

ton
村のためにお互い役目大切にして守り続けていく。村の人々もその大変さ知っているから大切な赤子を差し出せといわれても従うのが切なかった。母になった人の実母への言葉がとても耳に響いてくるようでした。密姫村よりはこちらの方が救いがある話ですね。水源に出るのが不思議だけど?
★8 - コメント(0) - 2016年6月11日

水守の体をみて残念そうに去って行った庄一が、気の毒だったし、おかしくもあった。ラストの清次郎が切ない。
★9 - コメント(0) - 2016年6月2日

一族なんだよなぁ…とタイトルを見てぼやく。因習とさだめに囚われた者同士、けれどほんの少しの異分子を持ち得ていたが故に訪れてしまった哀しい終わりへと繋がっていく様がはじまった瞬間に気づいてしまってただ切ない。人として育てなかった水守が文字を音楽を覚え、感情を抱き痛みを知り、最後に踏み出すであろう光への一歩。清次郎は謝らなくていい。謝る理由が、意味合いが、きっと違うのだから。合わせ鏡のように通じあっていた富雄の想いがまた清次郎の想いでもあったろうかと考える程に物哀しい。想うことに性など無意味とつくづく思った。
★7 - コメント(0) - 2016年5月29日

終章の富雄さん。。未練が恨みになりそう。水守の痛みを知っている方が豊かという考えに目を開かされましたし、光明でした。水守のあり方の前向きさに救われて読み切れました。
★2 - コメント(0) - 2016年5月28日

初読み作家さん。雰囲気が好きな作品でした。表紙の絵とか、各章の題名とか、物語の世界観とか…。関わることで変わっていく、烏目役と水守が素敵でした。水守の世界がもっと広がりますように!
★9 - コメント(0) - 2016年5月24日

図書館本です、貸出期間中に再読する本は久しぶり(_ _;)「常世現世」の切なさはもう、尋常でないです…清次郎を死なせずに、何作か続けて欲しかった…もしくはあとのせサクサクでも良いから、「常世現世」に行き着くまでの清次郎を、水守を、描いてほしい…心からそう思います。本当に素敵な作品に出会えたと、心から思います。
★23 - コメント(0) - 2016年5月23日

どんな展開になるのか初めは引き込まれたが、段々と慣れてしまった。あともう少し、何かが足りないような、これでいいような…烏目の必要性があまり感じられなかったのが残念かな。水守に光を当てすぎていた気もする、
★1 - コメント(0) - 2016年5月22日

乾ルカさん、お初です。タイトル!このタイトルですよ、尋常でないほど惹きつけられて手に取りました。とても美しく、物哀しいお話でした…ラストは涙が溢れましたね、なんとも切ない。この世界観、好きです。読了後は装画を眺めて、何とも言えない感慨に耽りました。。。読了必至ですね、また手元に置きたい本が増えてしまった(_ _;)とても楽しめました!
★23 - コメント(0) - 2016年5月22日

黒々とした目を持つ烏目役の清次郎と、むくろ目を持つ水守。水守が烏目役の目となり、烏目役は推理し解決し小安返池の水を穢れから守る。水守は醜女と言い伝えられて来たが十五歳の水守は美しい少女であった。暗闇の世界に住む水守に光を与えた清次郎。彼が常世に旅立つためならと、己を捧げる水守が健気だ。人が暗闇を恐れ決まり事に従っていた、でも大昔ではなく少しだけ前の時代のお話。せつなくて、哀しいけれど純愛のお話。お気に入り!
★23 - コメント(1) - 2016年5月16日

初読み作家さん。読み始めてみて独特の世界に入り込めず苦労しましたが、あっという間に引きずり込まれました。設定に賛否が分かれそうですが。清次郎と水守の関係に胸を打たれました。最後は切ないという言葉で纏めていいのか……静かな水面に波紋が広がるような、そんな不思議な感覚。大事にしたいと思える、素敵な一冊でした。
★20 - コメント(0) - 2016年5月15日

未練を残して死んだ者は鬼となり、井戸の水を赤く濁らせる。鬼の姿を見る「水守」と、鬼となった者の未練を解消し、常世へと送る「烏目役」。古い因習の残る一族の、静かでどこか哀しくもあり美しくもある不思議な物語。個人的にとても好きな雰囲気なのだけれど、おそらくその雰囲気を作り出しているのは「水守」の存在が大きいのだろう。一人、また一人と鬼となった者を送る役目を果たすにつれ、少しづつ心を通わせていく「水守」と「烏目役」清次郎の姿が切なくも愛おしい。二人の結末を描いた最終話が一番好きかな。
★27 - コメント(0) - 2016年5月9日

鬼が出ると、水が赤く染まる。水守と烏目役が、鬼となった死者を常世に送り、水を清く戻す。古い因習のお話し。舞台は札幌に近い小安辺。時代は大正。小安辺は、実在した地名だろうか?参考図書が札幌の史書なので、札幌の厚別中央あたりのことなのかな。馬糞風が吹くと春を実感するというのは、祖母から昔語りで聞いたことがある。昔の札幌の風景を想像し、何故か懐かしい気がしました。
★10 - コメント(0) - 2016年5月4日

昔の白石村が舞台とのことで興味を持ち、初めて乾ルカの作品を読んでみました。モデルになっていると思われる場所をあれこれ想像しながら読む楽しみは地元民ならでは。両性具有の美に惹かれる身としては、水守の描写にひきこまれました。耽美なだけでなく、清涼な清々しさがあるところが魅力。死者と生者の関わりなど考えさせられました。
★7 - コメント(0) - 2016年4月28日

烏目役と水守、互いに見つめ合うことは出来ぬ存在。なんともときめく設定。けど抑揚の少ない流れで話が続き若干退屈…と思いきや! 最終話で一気に引き込まれました。
★34 - コメント(1) - 2016年4月26日

鬼が出てくるファンタジー系のお話が平気な、最近のつまらないエロ特化したBLに飽き飽きしてる目の肥えたお姉さま方にオススメしたい。短編連作。この世に未練を残しあの世に旅立てない者を視ることの出来る水守と、未練を絶ってやる烏目役・清次郎と、いわゆるナビゲーターの富雄の奇妙な数年間のお話。幼い子供を遺し逝かねばならぬ母親の気持ちや、清次郎の友人の佐藤の言葉「悔いのない人生を送るものはいない」というのが胸に残る。そして、何より全体を通してニアBLな空気がラストにいい味を出していて、物凄く好物な作品でした
★25 - コメント(0) - 2016年4月20日

たんたんと流れるような話でした。こういう話は好きだけど、なんだか苦手とも感じる。
★3 - コメント(0) - 2016年3月25日

純愛の物語でした。一歩間違えば、ボーイズラブね。あの世とこの世を繋ぐのは、ルカさんお得意のパターン。でも今回は最後にどんでん返しが。まあ、そうでもしなければ思いは成就しないのでしょうけど。闇が苦手な烏目と、光の苦手なむくろ目。見える世界は違っていても心は通じるのですね。おどろおどろしい場面もあるのだけれど、全体的には透明な、そして水守のせいか、儚げな感じがしました。
★16 - コメント(0) - 2016年3月19日

好きな世界観でした。素敵な余韻が残る。
★9 - コメント(0) - 2016年3月16日

闇くて美しいお話。 読み終わった後に余韻が残る。
★7 - コメント(0) - 2016年3月10日

死後、この世に強い未練が残ると人は鬼になり、村の水源の池を濁らせる。それは、村の存続の危機。鬼の姿を見ることのできるのは水守のみ。水守が見た鬼の姿から生前の未練を解き、常世へ送る務めを持つのは烏目役。前烏目役の急死により、その務めを果たすべく村に呼び戻された強い烏目を持つ八尾清次郎。水守と供に村の水を救っていく。最終章「常世現世」のまさかの展開に胸がふさがれたけれど、水守の思いが心を明るくしてくれた。
★9 - コメント(0) - 2016年3月7日

ミツハの一族の 評価:100 感想・レビュー:215
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