中井英夫全集〈1〉虚無への供物 (創元ライブラリ)

中井英夫全集〈1〉虚無への供物 (創元ライブラリ)
あらすじ・内容
黒ビロードのカーテンは、ゆるやかに波をうって、少しずつ左右へ開きはじめた。――12月10日に開幕する中井文学。現実と非現実、虚実の間に人間存在の悲劇を紡ぎ出し、翔び立つ凶鳥の黒い影と共に、壁画は残された。塔晶夫の捧げた“@失われた美酒#オフランド・オウ・ネアン$”、唯一無二の探偵小説『虚無への供物』を――その人々に。初版本に準拠。解説=相澤啓三

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中井英夫全集〈1〉虚無への供物はこんな本です

中井英夫全集〈1〉虚無への供物の感想・レビュー(127)

期待を裏切らない読書体験であった。何か曰くありげな「サロメ」で開幕。第一殺人の前に作中作(凶鳥の黒影)の存在と登場人物達がこだわりつづけたトリック。質量共に申し分無く、重箱に三ツ星の料理が詰められてる…ようだ。前半の読みどころは、人ひとりが亡くなってるというのに、関係者、遺族らが探偵ごっことも言える推理合戦を時にまったりと披瀝しあう場面。三大奇書にも二時間サスペンスドラマのような要素が?とは言わないが違和感があった。それでも完璧感が漂う内容に綻びは無いものかと、どこか重箱の隅をほじくるかの如く☟☟☟
★4 - コメント(5) - 2016年7月26日

mm
タイトルが中二病的にかっこいいと個人的に思う。これだけネタがあれば、一つのストーリーに入れなくても、3つくらいに分けちゃっても良いのでは?と感じられるくらいの詰め込み方だった。フランボワーズとピスタチオと小豆を使ったスイーツだけど、サダハルアオキも顔負けに仕上げたよ!みたいに驚いた。残念ながら、最後の方でちょっと飽きちゃう。犯人はもっとも怪しくない人というかセオリーからいけば、早々に目星はつくけど、トリックと動機は読み切らないと、私には到底わからない。シンメトリーにオチをつけた679ページ。
★17 - コメント(1) - 2016年6月27日

3
小説推理2005年1月号アドニス版序章
- コメント(0) - 2016年1月17日

開拓時代のアイヌとの確執、昭和初めの函館大火、戦後直後の洞爺丸台風。史実と折り重なった或る旧家の4代にまつわる因縁の物語…じゃないんだな。浴室で当代の一人が変死し、それを殺人事件に見立てて縁者4人が推理を展開する。その推理を裏付ける事件や事故が次々に…数学にはエレガントな解答というのがあるが、時には腕力を駆使してガリガリ計算することも必要。この小説は読むための腕力が確かに必要であるが、エレガントな解答が続いてストレス無く結び目が解けるのに、終わってみれば結ばされてもいなかったという…年末に読むにピッタリ。
★54 - コメント(0) - 2015年12月10日

「三大奇書」遂に読了。時代が近いだけあって、「黒死館」に比べて拍子抜けする程読み易い。50年前に出版されたとは思えない程今日的社会状況。本当に起こった事件を上手くリンクさせて書かれた作品。時代を経ても人間の考える事、やる事は余りに変わらないのかも。お金持ち一族、洋館、とくれば殺人事件です。そこに薔薇、シャンソン、ゲイバアなど、時代を彩る妖しさを加味。一族の死、不審な連続放火事件、素人探偵たちの推理合戦と、グイグイとこの世界に引き込まれてしまう。確実に面白い読書体験だった。
★2 - コメント(0) - 2015年6月29日

現代の推理小説に脈々と注がれるその黒い血はすべてここから流れ出ているのかもしれない。積み重ねられた奇想と論理の果てに待ち受けるカタルシスは今も天鵞絨のカーテンの内に秘められている。
★3 - コメント(0) - 2015年3月31日

前からこの全集を読みたかったのだけど、図書館にあったので、まずは初巻を借りてきた。この巻は巨編「虚無への供物」。講談社文庫旧版で2回、三一書房の作品集でも読んでいるので、これが4回目。何回読んでも新しく気づくところがあるのが凄い(忘れてしまっているだけかも…)。月に1冊くらいのペースで読もうかと。
★45 - コメント(0) - 2013年9月25日

ようやく伝説的な一冊を読みました! 三大奇書なの?と疑ってしまうほどの読みやすさでした(黒死館と比べたら、それはもう!) 最初はギャグかと思うくらい、とてもユーモアが溢れているように感じたんですけど、徐々に本格的になっていきました。 だけれども、解いても解いても、それらが虚無に溶けていくような……。 <虚無>への<供物>とはどういうことだろう?と思いながら。 最終章の疾走感!凄まじかったです。 これが『虚無への供物』かぁ……と、痺れました。 ◉ 推理小説なんてみんな虚無への供物なんですかなぁ
- コメント(0) - 2013年7月22日

K
とにかく何においても長い。一回読んだくらいじゃ理解できないのは当然ですが、また大分時間空けてから読み直してみようかな。久生とは結婚したくないなー(笑)
★5 - コメント(0) - 2013年5月22日

 素人探偵たちによる推理と真犯人の指摘、そして、そのたびにくり返されるどんでん返し。そのくり返しに物語は迷宮となり、終盤に登場する真犯人の存在の危うい事、危うい事。
★2 - コメント(0) - 2013年5月16日

何度目だか…。昨年、中井さんに近しかった人が癌で…なんだか彼を思い出し…昔BSでやった仲村トオル主演の、再放送して欲しいなって、今はテレビも家では殆どみないが。
- コメント(0) - 2013年5月9日

初読。思ったより読みやすい文体だったが、量が半端なく多い。1ページに文字がぎっしり。読み進めるうちに陶酔感のようなものを感じさせられる。伏線の回収が非常にうまく、本格モノとしても良い作品ですが、それを放り出す結末がアンチミステリの名著の所以なんでしょうか。しばらくしたら再読してみようと思う作品。
★1 - コメント(0) - 2013年2月16日

久々に読んでみた(笑)3大ミステリの中では1番読みやすい作品かな~。内容はアンチ・ミステリという物になっている。正直あまり難しいことを考えながら読まないので「アンチ・ミステリ」って言われても良く分からないんですけどね(笑)読んでいると物語に引き込まれて行く感じが良いな~(笑)
★29 - コメント(0) - 2013年1月7日

アンチミステリの代表作…そんなに簡単ではない。徹底した精緻な構成の作り込み、圧倒的な虚構の構築は、劇中小説や現実世界との虚実入り混じる複雑性と衒学趣味に肉付けされ、愈々混迷に陥っていく。その幻惑的な世界観と明かされる真実とのギャップが、虚無を究めた破壊性を伴って、読後の不思議な余韻を残すに至る。アンチミステリ。確かにそうなのだが、しかし本筋はあくまでミステリなのだ。だからこそ…益々首を捻る結果になるのだが。これ読むと暫くミステリ読めなくなるかも。個人的にシャンソンへの言及が多いのは嬉しかった。
★1 - コメント(0) - 2012年11月15日

勝手なイメージで硬い文体の幻想文学だと思っていたが、中身は衒学趣味のミステリだった。と言っても物語中に起きる殺人事件にほとんど意味はなく、作者は犯人なんかこれっぽちも告発する気がなかった。じゃあ誰を告発するつもりだったのかはここに書かないが、当時はかなり斬新な発想だったのではないだろうか。今の時代のぼくにすらこんなやり方があるのかと新しく感じられたくらいだったのだ。
★4 - コメント(0) - 2012年9月30日

なぜ奇書と呼ばれるか?それは何となくわかった。時代をあえて取り込んでるのは返って新しく感じた。
- コメント(0) - 2012年6月11日

水準が高い推理の披露を繰り返すキャラクター達、止まること無く起こる密室殺人。そして、最後に待ち受ける驚愕の結末。『虚無への供物』はアンチミステリの代表作である。この作品を超えるようなアンチミステリ作品が殆ど無いという現状。そのことを真摯に受け止めれば、現在でも読む価値はあることがお分かりいただけると思う。いや、私は現代に生きる人にこそ読んで欲しい小説であると思っている。『虚無への供物』は読者への糾弾でもあり、現代社会に生きている者達全てに対する糾弾であるからだ。
★5 - コメント(0) - 2012年4月25日

oz
初読。ポオか小栗虫太郎の怪奇趣味をそのまま昭和に持ち込んだような幻想ミステリで、複数の探偵役が各々披瀝する推理のどれもが並のミステリなら大オチとして用意されるべき完成度。それらの推理が現れては立ち消え、謎自体も読み進むほど霧の奥へと去ってゆく。ミステリに耽溺する登場人物たちは、膨大な既存ミステリの固有名詞の中、ひたすらに本格ミステリを演じきろうとする。それは読者のミステリへの馴致に抗う装置となり、決然としたアンチ・ミステリに帰着する。その過程は感動的ですらある。
★22 - コメント(0) - 2012年3月27日

現代社会の我々に対する痛烈な皮肉とも糾弾とも読み取れる唯一無二の反推理小説。読んでいな者は無価値な一生に満足し、再読した者には無上の法悦が待っている。
★1 - コメント(0) - 2012年1月14日

作中のぺダントリィに圧倒され、推理がことごとく外れ、これで解決かと思いきや・・・。二転三転する世界を追いかけながらも、野次馬根性あふれる傍観者たちがお化けだというシーンは、マスコミやジャーナリズムの事も言っている気がして、ますます悪化してきているなぁ、と考えしまいます。この当時の東京の風景もいいですね。
★1 - コメント(0) - 2012年1月12日

幻想文学科と思ったら、ミステリイだった。
★1 - コメント(0) - 2012年1月5日

のらりくらりとした曖昧な物言いに辟易しながらも時折表れるアッという推理に少しの恐怖とミステリィを感じた…が、それこそ虚無でしかないと告げる結末には言葉も出ない。真相を語る彼の激白に、作品より数十年未来の今の読者だからこそ読んでいて胸を打たれた。
★2 - コメント(2) - 2011年10月11日

再読 mahoroland
- コメント(0) - 2011年9月19日

本書は探偵小説という形式をとりながら、探偵小説の在り方(読者、探偵の存在)を断罪する「アンチミステリの傑作」とされている。自らは安全な高みから人の死を面白半分で覗き見ようという読者、すべてを知りながら犯行を阻止する行動をとらず、あたかも犯人に罪を犯すよう誘導しているかのような探偵の存在こそ悪であると語られている。物語には毒々しいまでの色彩が散りばめられており、シャンソン、五色不動、薔薇といった小道具も充実している。
★1 - コメント(0) - 2011年4月30日

これはおもしろいよ。
- コメント(0) - 2010年7月25日

講談社文庫で読んだものの再読。あらためてみると文体が、とくに格調と艶、幻想風味を併せ持った序章がすばらしい。内容は今更言うまでも無いが、三大奇書の中でも一番読んでおくべきものかもしれない。何といっても読みやすいし。
★2 - コメント(0) - 2010年4月19日

トリックの善し悪しは別としても、物語のインパクトはやはり絶大。40年前に書かれたとは思えない不朽の斬新さ。760Pの厚さに辟易するかもしれませんが、とりあえず読むべし、と薦めたくなる本です。
★1 - コメント(0) - 2010年4月7日

これが書かれてから小説という物が「虚無以前」「虚無以降」にはっきり分かれてしまっている事を強く感じる
★1 - コメント(0) - 2010年3月6日

スペシャル中のスペシャル! 何度目の再読となろうか。それでも胸の鼓動は高まり初読の時の衝撃は変わらない。愛して止まない大切な書物。
★8 - コメント(0) - 2010年2月23日

薔薇の話とか散りばめられたエピソードが幻想的で素敵です。
★2 - コメント(0) - 2010年1月31日

再読。やはり一番好きな書籍。
★2 - コメント(0) - 2010年1月15日

重くずっしりした赤と黒の雰囲気に線の細い青い雰囲気。幻想的な重い空気なのにごてごてしていないこの文体がすきです、 途中名推理小説の引用の多さにうんざりしかけましたが、ラストをよむとその執拗さも、結論と一緒にうなずけた気がします。藍ちゃんがすきだ・・
★2 - コメント(0) - 2009年8月12日

最後までドキドキして読むことができた。あとがきもおもしろい。
★2 - コメント(0) - 2009年6月15日

再読。私の一番好きな書籍。12月10日は中井英夫愛読者及び虚無への供物を特別と感じる者には特別な日。いまごろはアラビクでおキミちゃんがサロメに扮しているだろう。
★3 - コメント(0) - 2008年12月10日

読んだー。印象深い。
- コメント(0) - 2008年6月28日

過去のお気に入り(再読)
- コメント(0) - 2008年4月1日

この全集全巻揃える予定だったが、移ろいやすい嗜好と経済的理由により初めに出た三冊しか買っていないのです。
★1 - コメント(0) - 2008年1月4日

中井英夫全集〈1〉虚無への供物の 評価:76 感想・レビュー:43
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