いま見てはいけない (デュ・モーリア傑作集) (創元推理文庫)

いま見てはいけない (デュ・モーリア傑作集) (創元推理文庫)
あらすじ・内容
ヴェネチアで不思議な老姉妹に出会ったことに始まる夫婦の奇妙な体験、映画『赤い影』の原作「いま見てはいけない」、父の死の謎を解くために父の旧友を訪ねた娘が知った真相「ボーダーライン」、代理でエルサレムへのツアーの引率役を務めることになった聖職者に降りかかる出来事「十字架の道」など、日常を歪める不条理あり、意外な結末あり、天性の語り手である著者の才能を遺憾なく発揮した作品五編を収める粒選りの短編集。解説=山崎まどか

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いま見てはいけない (デュ・モーリア傑作集)はこんな本です

いま見てはいけない (デュ・モーリア傑作集)の感想・レビュー(220)

今まで読んだモーリアの短編集の中では一番面白かった。特に「ボーダーライン」は最後の「人は憎むことによってのみ、剣や火によってのみ、愛を一掃できるからだ」という一行のかっこよさと残酷さといったらない。内容は全くひどいラブストーリー。気になるのは父の旧友がどこまで気づいていたのかということ。あの写真をわざわざ送りつけるってのがただのジョークなのかそれとも…と考えると怖いですね。それとも気づかないゆえの悲劇か。これも映画化できそうな話だなぁ。あとはちょっと変わったSF「第六の力」も余韻のあるラストで良かった。
★1 - コメント(0) - 3月8日

人形の方が雰囲気が好きだったけど新鮮で妖しくて皮肉がきいてて、情景が美しくて心理が薄暗くてよかった!
- コメント(0) - 2月19日

kri
引き続きデュ・モーリアを堪能。物語世界に引き込む上質な吸引力で幸福な数日間だった。サスペンス色に富む展開で色彩や音、臭い、風景描写に緊張感が満ちている。〈見えない力〉が基底にある。それに惹かれたり反発したり撹乱されたり、或いは知らぬ間に導かれたりする人間たちを描き出す。表題作は映画化されて幻想的な傑作になっているとか。なるほど舞台設定や伏線、オチまで完璧な物語だ。「真夜中…」「ボーダーライン」「第六の…」は好奇心が落とし穴となる物語。「十字架…」様々な欲や虚栄が描かれる群像劇で大変人間臭く面白い。
★7 - コメント(0) - 2月12日

「いま見てはいけない」一行目のインパクトが強烈で一気に引き込まれた。不安定で怪しい雰囲気の中、双子の老姉妹の一人が此方を凝視している。終わりには衝撃が待っている。「真夜中になる前に」ギリシャ、クレタ島を訪れた教師。怪しげな夫婦と出会い…。「ボーダーライン」残酷極まりないお話、ああ…。他に「十字架の道」「第六の力」。特に表題作含む前3作は心理描写を一つ一つ積み重ね、こちらの想像力に訴えかけてくるような、何か得体の知れない物がヒタヒタと迫って来るような感じがして、小説の面白さを実感した傑作集でした(^_^*)
★28 - コメント(0) - 1月29日

怪奇幻想旅行といった風味。表題作は映画(赤い影)の方を先に観たのだが、細かい描写までそのままだったので大変良かった。不穏さと緊張感がたまらない。『真夜中になる前に』も雰囲気が共通したサスペンススリラーで気持ち良く没入。『ボーダーライン』は最初意味が分からなかったが読み返してなるほどと。何れも長すぎる。別の短篇集『破局』の方が面白いかな。『十字架の道』だけはつまらなすぎて読破不可能。『第六の力』これはロバート・J・ソーヤー『ターミナルエクスペリメント』の元ネタだったことを知った。
★25 - コメント(0) - 1月6日

全体像が見えないことによるドキドキ感は健在で、「どういうこと?どういうこと?」と手さぐりで読み進めていくことの快感。特に表題作の「いま見てはいけない」は、なんとなく結末が想像できるのではある。けれど、押し寄せる不安で、結末を確認しないではいられない。ただ、カタルシスを得られるかと言えば、それはない。この短編集全体がもやもやを抱えたまま沈んでいくような読後感。「第六の力」映画化作品が多いデュ・モーリアだけど、これについては清水玲子で漫画化を希望。絶対合うと思うんだ、彼女の作風と。
★8 - コメント(0) - 2016年12月31日

「十字架の道」「第六の力」が特におもしろかった。「十字架~」は登場人物の人間性や関係を丸裸にするような描写が目を引く。話の進め方や結末のせいか、モームのような辛辣さは感じなかった。物語の舞台も印象的。「第六の力」は科学の力で<魂>を見つけようとする話。こういう作品も書いていたのかと感心した。
★8 - コメント(0) - 2016年12月30日

表題作は『赤い影』の原作。他の方も書いているが、原作にかなり忠実だったことに驚き。許容範囲のオカルトで、主人公が異国で翻弄される状況を衝撃的な結末まで持っていく。英語学習用の小冊子が積読状態だったが、邦訳が出て嬉しい。『ボーダーライン』は冒頭の父親の死のシーンの印象がほぼ薄れた結末であの種明かしがきたので一層衝撃。『十字架の道』ご近所同士のエルサレム巡礼。旅先では色々本性が剥き出しになるんだよねぇ……。末尾にSFが収録、年代広そうなので、各収録作品発表年の記載が欲しかったなぁ。
★34 - コメント(2) - 2016年12月9日

ずっと読みたかったが入手困難だった表題作。ようやく読めました(感涙)。びっくりしたのは、映画『赤い影』って筋立てとしてはかなり原作に忠実な映画化だったのだなあと。そのほかの作品では『ボーダーライン』が好き。そうなるだろうなあというオチなのだけれど、語り方が抜群にうまいのだよね。
★5 - コメント(0) - 2016年12月2日

あまり合いませんでした。2話で終了。
- コメント(0) - 2016年11月30日

デュ・モーリアというとホラー的な内容を連想してしまうのだがこの本は普通に面白い読み物だった。特に「十字架の道」などはユーモアもあり、楽しく読めた。映画「赤い影」は公開当時、とても気になっていたのに結局見ることがなく何十年も経ってしまったから、原作が読めてそれだけでも大変満足できた。私も解説の女性が書いているように30年代くらいに書かれたもののような錯覚を起こしてしまうがけっこう新しい作品が多いのには少し驚いた。もっと他の作品も読みたいと思う。
★2 - コメント(0) - 2016年11月19日

好きな作家さん。「ボーダーライン」の皮肉な結末、「第六の力」の不気味さが良かった。
★2 - コメント(0) - 2016年9月9日

終始どこか落ち着かない気持ちにさせられた。表題作の『いま見てはいけない』は、いつ何が起こってもおかしくないハラハラ感。『ボーダーライン』は別のハラハラ感だったけど、ラストが・・・(汗)。他の作品も、じっくり読めた。
★7 - コメント(0) - 2016年8月22日

以前ポケミスで『鳥』を読んでいたのだが、これに比べると分かりやすかったかな。 どの短編も舞台は違えど旅先や転勤先での出来事で、どれも読み手を不安にさせる。 不穏な空気とでも言おうか、いや~な雰囲気が漂いますし、100ページ足らずだけど中編のような濃さがあって、疲れた読書体験でした。 438ページ
★11 - コメント(1) - 2016年8月18日

一編ずつ取り出してみればそう味わい深くもなくあっさりと読み終えてしまうのだけど、作品それぞれの暗示している不穏さ、人間の感情の激しさ、など様々な途方もない可能性が五編集まって、一巻読み終えたときの重厚さはずしりと重い。丁寧でペースを崩さない筆致がいっそうぞくぞくさせる。個人的には「ボーダーライン」の女性の危うさが鮮やかだった。
★3 - コメント(0) - 2016年7月16日

5編収録。「いま見てはいけない」ベネチアでの不思議譚。「真夜中になる前に」クレタ島の怪奇話。現代的怪談。「ボーダーライン」アイルランドの風景。父の最後の言葉の意味を探りに父の元友人のところへ赴く娘。父の友人に魅かれてゆく。そして、父の最後の言葉の意味が。IRA活動華やかな頃の物語。「十字架の道」エルサレムツアー。旅行者達それぞれの思いが描かれる。コメディ。「第六の道」SF?死者の魂をエネルギーとして収容する実験。・・・どれも長めなので、何処へ連れて行かれるかわからないところが面白い。
★6 - コメント(0) - 2016年7月15日

mm
レベッカが面白かったので、私の中でがぜん注目作家になったダフネ・デュ・モーリア。これは5編の短編を収録。とにかく次はどうなるとドキドキがすごくて、心臓が悪くなったら読めないかもなんて要らぬ心配をするほどです。かなり切れ切れにしか読めなくて悔しかったのですが、これだけブツブツに切っても作品として迫力があったということが、凄さの証明でしょうか。映画も優れものらしいですが、文章だと折り重なるように書き表される心理の移り変わりが、映像より迫ってくるのでは?イギリス行ったことないけど、興味がむくむくと沸いてます。
★15 - コメント(1) - 2016年5月22日

短篇集とのことですが、個人的には限りなく中篇に近い分量。結末を期待するとアレ?ってなっちゃうのですが、モーリア作品は、そこまでの盛り上がりを楽しむのがいいのかも。クラッシック映画を見ている雰囲気。映像がありありと浮かんできます。
★82 - コメント(0) - 2016年5月4日

サスペンス映画の名作「赤い影」原作の表題作を含む5編の短編集。デュ・モーリアの小説は旅先での出来事が発端となる事が多く、今作では4編収録されている。平凡な毎日からの解放感、見知らぬ土地での興奮などいろんな感情か綯い交ぜとなって普段はしない大胆な行動に走らせることをデュ・モーリアはよく観察していたんだろう。旅行中、どんなに仲の良いカップルでも些細な事でよく喧嘩するっていいますしね。人の本性が出る機会なんだろうな。
★6 - コメント(0) - 2016年4月12日

図書館本。デュ・モーリア傑作集に相応しい5つの短編集。サスペンス、エロティック、SF風味の味付けが加えられた物語の数々。やはりこの著者は残酷な場面はとことん残酷にと強調づけるのが巧いと思う。お気に入りは①「いま見てはいけない」。②「十字架の道」。①は映画では『赤い影』というタイトルのようで。舞台であるヴェネツィアの街並みも伝わってくるかのよう。②はユダヤ、キリスト…宗教的な要素が強いのだが惹き付けられる内容。
★76 - コメント(0) - 2016年3月10日

★★★ ◎「いま見てはいけない」、○「ボーダーライン」、○「真夜中になる前に」
★1 - コメント(0) - 2016年1月23日

本日読了。デュ・モーリアの作品はどれも面白い。「レベッカ」「鳥」と映画の原作を読んで、今回は「いま見てはいけない」。これはニコラス・ローグ監督で映画化。邦題は「赤い影」です。表題作のほか、「真夜中になる前に」「ボーダーライン」「十字架の道」「第六の力」を収録。この中では、「ボーダーライン」が一番気に入りました。ヒロインの描き方が素敵。ドラマ化してもいいくらい。次が「十字架の道」。こちらはエルサレム観光に訪れた英国人の小集団の行動を描いたもので、人物の造型が巧みで楽しい。もっと彼女の作品を読みたい。
★4 - コメント(0) - 2016年1月19日

「鳥」に続いて2本目の短編集。個人的に「十字架の道」、表題作、「ボーダーライン」の順で好み。特に「十字架の道」は相互の関係性と舞台設定が抜群に上手い。この作家も短編はある程度読んだし、次は「レベッカ」に手をつけたいところだなー。
★6 - コメント(1) - 2015年12月30日

背筋がぞーっとしたり、不本意さに打ち震えたり種類は違いますがそれぞれ「怖い」5編の短編集。表題作の『いま見てはいけない』は映画化されたとのこと。舞台がヴェネチアなので文章で読んでいても美しい風景が目に浮かびます。『ボーダーライン』はまさかの結末に驚きました。誰も今まで気がついていなかったなんて。気持ちの持っていきようがないですね。どの作品も人物造形がさすがで、登場人物がどんな人なのか描き切っているのがすごいです。
★15 - コメント(0) - 2015年12月7日

表題作がやはりインパクトがあります。子供を失ったばかりなのに、なんでこんな目に合わなくてはいけないのか?突然出てくる殺人鬼に無理を感じるので、笑ってしまいます。
★3 - コメント(0) - 2015年12月5日

短篇5本を収録。どの作品も旅先での出来事を描いているのだが、サスペンス、ミステリ、SF 等、バラエティーに富んだラインナップだった。これから何かが起こりそう...な展開に何度もわくわくしながら楽しく読めた。想像力と恐怖心を煽る表題作、「真夜中になる前に」「ボーダーライン」が好み。
★29 - コメント(1) - 2015年11月7日

前半は外出時に少しずつ読んでいたのでちょっと集中できず、読み方に失敗した感じ。全編に漂う不穏な感じがすごいです。エキゾチックな風景、忍び寄るなにかの気配、でも人物は俗っぽい。『レベッカ』とはまた違ったデュ▪モーリアの皮肉な感じが面白かった。
★16 - コメント(0) - 2015年11月2日

五篇の短編集。どことなく不思議な物語。「赤い影」という映画は観たことがないが、原作を読み是非映画も観たいと感じた。翻訳が良くないのか少し読みにくい。牧師と司祭とがごっちゃになっているところなども気になった。
★12 - コメント(0) - 2015年10月25日

昔「レベッカ」を見て、読んで以来のデュ・モーリア。「ボーダーライン」が好み、シーラとニックのキャラクターが面白い。
★3 - コメント(0) - 2015年10月16日

読んでいると背中がぞくぞくしてくる。悪い予感がするのにそれから逃れられない悪夢の中に引きずりこまれていく感じ。外国が舞台なのに、怖さがイギリス的。デュ・モーリアは短編もすごい。夜に読まないほうがいいかも。
★11 - コメント(0) - 2015年10月14日

『赤い影』という傑出した映画はニコラス・ローグの作家性が隅々まで噴出している作品だと思っていたが、原作である本表題作を読むと映画のエッセンスの殆どが初めから内在していて驚く。ヴェネチアの美しさと闇が同居する幻想的な雰囲気、時間をシャッフルして幻視される不思議な眺め、不気味な小人といった道具立てに至るまで、映画で味わえる面白さがこの原作でも堪能出来た。加えてシニカルな視点も全編に漂わせ、映画とは違った味わいもあった。この面白さは他の収録作にも通底していて、どの作品でも苦味の効いたサスペンスを存分に楽しめた。
★5 - コメント(0) - 2015年10月8日

「レベッカ」が大好きで、映画「赤い影」の原作ということでこちらも。本当にうまい作家ですね。
★3 - コメント(0) - 2015年9月30日

異国情緒溢れる、ホラーサスペンス傑作集。特に表題作の「いま見てはいけない」は、無駄の無いプロットに加え不吉な事件や胡散臭い老婆が、これからとんでもない事が起こる…と予感させ、ワクワクゾワゾワ。最後に明かされるタイトルの意味に背筋がヒヤリ……素晴らしかったです。聖地エルサレムが舞台の「十字架の道」は、立場や年齢もバラバラな観光客が、己の人生を振り返り、悲嘆に暮れたり後悔したり…事件は無いのですが、とても印象深い作品でした。読むと旅がしたくなりますね!
★32 - コメント(0) - 2015年9月17日

人生に突然現れる落とし穴。いつもの散歩道、振り返ると忽然とすべてが消えてしまっているような。さすがデュ・モーリア、いつもながらこの足元をすくわれる感はたまりません。彼女の作品で一番すきなのは「林檎の木」なので、それに比べると少々弱いとは思います。それでも、残酷、哀れみ、傲慢、苛立ち、恐怖、あらゆる感情が押し寄せてくる、言いようのない読後感は癖になります。
★24 - コメント(0) - 2015年9月4日

ニコラス・ローグのファンなので、むかしむかし「赤い影」は見たのだが、これが原作だったとは。ただ映画のほうがもっと幻想的で、こちらは短編だし、オチもなんか唐突だし、今ひとつだったかな。最後のを除いて、皆イギリス人が海外に行って予期せぬ(多分に性的ニュアンスを含む)体験をするという話だ。ビクトリア朝時代の道徳をひきずるお固いイギリス人が、ヨーロッパ大陸のむきだしの生に触れるという短篇集なのでしょうか。
★4 - コメント(0) - 2015年9月2日

ホラーっぽい怖い話かと思ったら、人間心理の怖さの話だった。登場人物たちがちょっと勘違いしたり、思い込んでそのまま突っ走ったりして、後味の悪い結果になる。60年代に書かれたので、少し古い感じもするが、現代にも通じると思う。とにかく、携帯電話があればなんとかなったんじゃないか、というすれ違いが多い!そう考えると携帯はすごい発明だ。
★3 - コメント(0) - 2015年8月27日

読んでびっくり、充実の短編集。ヒッチコック劇場を見ているような贅沢な気分になれました。
★9 - コメント(0) - 2015年8月15日

タイトル買い。「いま見てはいけない」や「ボーダーライン」のひたひたと迫り来る不穏さ。前者は意外な結末、後者の展開は予想できるが、それだけに愛する父との別れの場面が苦しく甦る。そのほか「第六の力」も好み。
★6 - コメント(0) - 2015年7月22日

表題作の混迷と不安に満ちた展開、何とも苦い味わいのラスト、不気味な印象がいつまでも心を捕らえて離さない。「いま見てはいけない」と言われると逆にじっくりと見たくなってしまうような、抗い難い魅力がそこにはある。他の作品はそれぞれ趣きが異なるものの、ちぐはぐな人間関係が生み出す不協和音が響き、遠く離れた地がまるで異世界のように感じる点では共通しているように思えた。「十字架の道」なんて滑稽ですらあるけれど、どこか物悲しい。ともあれ表題作が一番お気に入り。感情と情景が浮かび上がってくるような描写が素晴らしい。
★10 - コメント(0) - 2015年7月13日

五つの短編でそれぞれ趣向は違うけれど、どの物語にも不穏な雰囲気が感じられてぞくぞくしました。その不穏さから向かうべきところへ向かってしまう展開も好みです。真っ赤なコートや双子の姉妹、観光地の様子が浮かんでくる表題作がお気に入り。目まぐるしいほど感情が入り乱れる『十字架の道』も印象的でした。
★13 - コメント(0) - 2015年7月10日

いま見てはいけない (デュ・モーリア傑作集)の 評価:94 感想・レビュー:102
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