天狗 (大坪砂男全集2) (創元推理文庫)

天狗 (大坪砂男全集2) (創元推理文庫)
あらすじ・内容
数多ある短篇のなかでも群を抜いた奇想を誇る「天狗」を表題とする本書は、大坪の本領ともいうべき代表作を取り揃えた〈奇想篇〉と、単行本未収録作や変名で書かれた新発見作を含む〈時代篇〉を収めた。また、「天狗」と「密偵の顔」はそれぞれ初稿版と異稿版も併載する。佐藤春夫に師事し、都筑道夫の第一の師でもあった著者の才気が凝縮した全集第二巻。編者解題=日下三蔵/巻末エッセイ=皆川博子

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天狗 (大坪砂男全集2)はこんな本です

天狗 (大坪砂男全集2)の感想・レビュー(53)

兎も角も、表題作「天狗」。ミステリ好きなら「天狗」は読まなきゃあ――とは聞いていましたが、いやはや、想像の斜め上へ文字通り吹っ飛んでいく怪作でした。完成された歪みとでも云いましょうか、ちょっとした逆恨みに理屈がどんどん積み重なり、やがて引き返せない殺意へと膨らんでいく、その心理の突き詰め具合が鬼気迫る異様な文体も相俟って壮絶であり、これらが最後に顕在化するあまりにもあまりな光景には、恐ろしさを遥かに通り越し、かえって茫然と、空虚な笑いしか起こりません。アレはいったい何だったのか……。(→)
★57 - コメント(1) - 2016年11月7日

「天狗」は不気味な絵が思い浮かぶ。
★1 - コメント(0) - 2016年5月15日

傑作と呼ばれた表題作「天狗」は、まさに奇想。時代小説として集められたもののしょっぱなが中国の昔話だったので、虚をつかれた。時代物にあえて現代用語を使うあたり、軽妙。佐助、才蔵、白瀬弥次郎のあたりに興味があるのだなあ。
- コメント(0) - 2014年12月22日

「天狗」、確かにこれは他に並ぶもののない奇想、怪作。アイデア、構成、文体の組み合わせの妙。巻末の異稿版の読み比べや、解説、評伝もおもしろく、そこから浮かび上がる作家の生きざまは印象深い。
- コメント(0) - 2014年11月5日

☆☆☆★
- コメント(0) - 2014年10月9日

☆☆
- コメント(0) - 2014年5月22日

20年ぶりくらいに「天狗」を再読。やっぱりすごいの一言。「時あたかも腹巻きを洗濯したばかりだとの条件も充分考慮の内に入れておくべきだった」とか、とんでもなく歪んだユーモアだよな。作者自身の言葉を真に受ければ、夫婦喧嘩した後、嫁への仕返しで一気に書き上げたらしいけど本当だろうか。何度も推敲しなければ書けないような気もするし、一気呵成に書いたような熱気も感じる。いずれにせよ、ある種の頂点に達している傑作。
- コメント(0) - 2014年5月18日

天狗は何回か読んでいるが、読むたびに特異性が伝わる。動機とトリックとその描写の「ちぐはぐさ」と「まとまり」が奇跡的に統一されている傑作。この巻には時代ものとして、中国モノや沖縄ものがまとめてあっておもしろい。大坪砂男は推理作家と言うより「奇想小説」作家と言うべきか。
- コメント(0) - 2014年3月2日

ふつう
- コメント(0) - 2014年2月13日

黄昏の町はずれで行き逢う女は喬子に違いないーー 今年の読書体験は、『天狗』を読めたということだけでオッケー。狂気は自己完結した論理だとぼくは思っているので、こういうとんでもない狂気を孕んだ物語を読むと、たまらなくてニヤニヤしちゃう。結末まで読んだあとに冒頭を読み返すと、さらに震えます。他の収録作品も面白いんだけど、『天狗』が傑出し過ぎていてヤバい。そしてなによりも、これからは「俺は『天狗』を読んだことがあるけどね」と言える‼
★3 - コメント(0) - 2013年11月22日

http://d.hatena.ne.jp/cubicloop/20131114/1384442776
- コメント(0) - 2013年11月11日

表題作はなるほど今なお色褪せぬ奇想ミステリ。主人公の偏執的言動、周到な計画の上での破天荒なトリック、何もかもが異様であり、そのただならなさに戸惑いを覚えながらも惹きこまれてしまう。私を蔑った彼女は公衆の批判を受けるべきだしその命は奪われねばならないしブルーマースを穿った下肢は白日の下に晒されねばならない、と、主人公が方程式を絡めて己の思考を立て板に水のように吐き出すくだりが忘れようにも忘れられない。
★5 - コメント(0) - 2013年10月4日

表題作は何度読んでも唸らされる、あッと言う間の犯罪譚。自然科学の法則ではなく、奇妙にたわめられた論理が解放される時、女を宙に躍らせる。そして、大好きな武姫伝も収録。大坪の時代物は概ねどれも好きだ。
- コメント(0) - 2013年10月2日

全集第1巻のレビューで、大坪砂男は「天狗」だけの作家ではなかったと書いたわけだが、いざ第2巻で「天狗」を改めて読み返してみると、やはりこの作品は特別だとの思いが強く感じられた。大坪砂男にとってだけではない。日本のミステリにとっても、「天狗」は特別な存在として屹立している。その奇想、その偏執、そのただらなぬ気配、それでいて、文学としての堂々たる文体が、「天狗」を唯一絶対のミステリの頂へと登らせている。読むたびに余韻が深まる。長引く。絡まる。読み終わると、誰かに問わずにはおれなくなる。(つづく)
★15 - コメント(1) - 2013年8月23日

代表作である表題作を含む奇想篇と、中国や戦国時代日本を暗躍した忍びの伝承をモチーフとした作品が中心となった時代篇を収録。論理的でありながら独特の情緒をたたえた文体は中毒性がある一方で、どーにも反りが合わない読者も多いような気がします。しかし、そういうひとであっても表題作の凄まじさにはたぶん舌を巻くほかない。恐らく大半のひとが受け入れかねる倫理観、あまりに非現実的な犯行手段、といった欠点をむしろ作品の華として高めてしまう密度と情感。良作は多数収録されていますが、表題作のインパクトは凌駕できない。
- コメント(0) - 2013年7月5日

大坪砂男が『天狗』一作のみの作家のような書かれ方をしていたりして、しかし第一集を読んだら傑作短編ばかりじゃないかと思ったんだけど、今回第二集で『天狗』を読んだら、確かにそう語られるのも無理ないかなというぐらい独特の作品で、笑いと狂気の境界のような内容と、畳み掛けるような語り口に、筒井康隆を連想したりもした。しかし他の作品も、『密偵の顔』の人格乗り移りは、アイデアとしてはスキャナーズだな、とか思ったり、色々楽しめた。
★1 - コメント(0) - 2013年6月27日

大坪砂夫作品で突飛すぎる「天狗」。た、確かにストーカー男の妄執が上手くいきすぎる辺り、突飛すぎる!「虚影」と「花束」は読後のエゴと虚しさが哀しいです。一番、好きなのは奇想ミステリー編じゃなくて時代物です。「河童寺」、「春情狸噺」はエロティックなユーモアと眩惑性があります。戦国時代における武将暗殺を遂行する白瀬弥二郎や仲介の霧隠歳三のシリーズ物がとても好きです。特に謙信暗殺計画が絡む「霧隠才蔵」での北条が末っ子で謙信の養子となった上杉三郎景虎の腹黒さに別作品でのイメージ刷り込みが強い私には衝撃的でした(笑)
★29 - コメント(0) - 2013年6月18日

「天狗」「雨男・雪女」「閑雅な殺人」「ものぐさ物語」「密偵の顔」が良かった。
★1 - コメント(0) - 2013年5月8日

随分と幼稚な動機を抱く主人公による、ひどく大掛かりな仕掛けで行われた犯罪を描いた表題作から始まる短編集。どの短編からも作者が書く細やかな情の巧みさが感じられました。他にも、史実や伝説に思いきった作者の独創を加えた『密偵の顔』や、琉球の異国情緒あふれる『細川あや夫人の手記』など、人情の交錯以外にも魅力は多々。巻末に集められた過去の解説などもなかなか面白いものでした。
★1 - コメント(0) - 2013年5月3日

ロマンチックな掌編〈盲妹〉、都市のダークサイドを迷宮仕立てで書いたような〈花束〉、荒唐無稽さを強引に煙に巻いた大人の講談〈密偵の顔〉、鮮烈なイメージが連続する〈野武士出陣〉など、どれも短いながら読み応えがあって良い。が、やはり表題作に止めをさす。俗なモチーフが突飛で超俗な殺人へと昇華するさまは、シュルレアリスム作品のよう。マグリットやダリのようなイメージが思い浮かぶ。冒頭数行の強烈さ、一人称の件などもインパクトあり。
★4 - コメント(0) - 2013年4月18日

やはりこの人は「天狗」だけが別格。読んでいていろいろ思うところはあるのだが、本書に収録された中井英夫、松山俊太郎、都筑道夫らの文章ですでに言い尽くされていた。やはり皆思うところは同じだったか。
★1 - コメント(0) - 2013年4月14日

書き出しと〆のブリッジが鮮やかで、ここまで凝ったミステリ短篇というのは確かに類がない。そして、やはり「天狗」。こうしたバカトリックがもはやありふれてしまった今こそ、その大技と反比例するかのような己のチンケっぷりと私小説なノリが凄まじい
★3 - コメント(0) - 2013年4月12日

こういう時代に生きて、探偵業を営みたかった。もちろん実家は金持ち設定。旧華族とか
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