心地よく秘密めいたところ (創元推理文庫)

心地よく秘密めいたところ (創元推理文庫)
あらすじ・内容
【2014年10月下旬の復刊フェア開始時よりご購入いただけます】

●荒俣宏氏推薦――「都会的アイロニーと静けさとが醸しだす、尽きることのない魅惑。」

「ぼくは死んでるんです」マイケルは言った。「分かってますよ」小柄な男がやさしく答えた。ここはニューヨークの巨大な共同墓地。男は言う。死者はしばらくの間とても孤独で怯えてて、話相手を求めるものです。わたしは何とかしてあげたくて、19年間ここで暮してきました……。生と死のあわいをほろ苦く描いた、都会派ファンタジーの傑作。

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心地よく秘密めいたところはこんな本です

心地よく秘密めいたところの感想・レビュー(93)

★5: まさにタイトル通り、とても心地よい読書タイムを満喫させて頂いた。ついつい消化読書の癖で、ページを捲る手がせっかちな私だが、そのたびに慌ててペースダウンしなくてはならなかった。久々に読み終わるのが惜しいと感じる作品に出会えた気がする。とにかくまぁ、出てくるキャラが皆個性的で素敵!引きこもり中年・レベック氏もよいが、幽霊カップル・マイケルとローラ、未亡人・クラッパー夫人、墓地管理人・カンポス、そして何と言っても名無しの鴉くんw 彼のウィットに富んだトークは最高に笑えた。映画なら助演男優賞間違いなしだ!
★6 - コメント(1) - 1月29日

この淡い余韻は、なぜか妙な現実感を伴い、ひきこもりを外に連れ出すようなイメージを抱いた。生きながらに死んでいるような、共同墓地での生活。人間とも話せる亡霊とも話せるというどっちつかずの立ち位置から、一歩踏み出す勇気がなかっただけで、実際は誰かに連れ出してほしかったんじゃないのかなと思った。葬式は生きてる者のためのものだけど、やはり墓場は死んだ者のための場所。此処は亡者のすみか。心臓の動いている者の居るべきところではない。外の世界で何年か生きたなら、また帰ってくれば良い。ちゃんと迎えてくれる。お還り、と。
★13 - コメント(0) - 2016年3月23日

登場人物紹介が笑かしてくれる。中年の未亡人がたいへん魅力的に描かれている。作者十九歳のときの作品というから驚きだ。
★1 - コメント(0) - 2016年2月11日

生きているのか死んでいるのか分からないような男が墓場で暮らしている…。若干19歳の若書きとはとても信じられないようなメタファーの使い方だ。冒頭、いきなりハードボイルドな話し方をする鴉に度肝を抜かれるけれど、『最後のユニコーン』が大好きな人なら楽しめると思う。読友さんのおかげでこの本の存在を知りました。どうもありがとう。
★5 - コメント(0) - 2015年10月17日

読んでいるあいだ、ずっと夢をみているようであった。うつし世から少しずれたような、静謐で、淡い、夢。「彼女の姿は詩のように実体がないはかないもので、かつまた、詩と同じく永遠だった。」(P322)でもね、やっぱり、最後は、夢から醒めるのだ。死者は夢にとどまり、生者は夢から去る。最後でいきなり現実においてけぼりにされてしまった俺はいま、たぶんちょっと混乱している。どうしたものか、さて。
★2 - コメント(0) - 2015年9月23日

人間は、いつも、いろんなものにさよならを言わなければならないのだ。
★1 - コメント(0) - 2015年9月20日

墓場に住む男の静かな物語(ファンタジー)。繊細さと臆病さが切なさになって、読む人の心を揺らし跡を残す。あまりに神経質なので読者を選ぶ小説かもしれないけど断言したい、類い希な傑作! 孤独でちょっとエゴイスティクな登場人物達、読んでるとみんな愛しくなる。訳もいい。作者が19才でこれを書いたという話には驚愕を越えて心配する。大丈夫かこの19才…。
★2 - コメント(0) - 2015年9月19日

生きる事、愛すること、死ぬこと。墓地で暮らす元薬剤師の男とその男を養う鴉、夫を亡くした老婦人、妻に殺された男と事故で死んだ女の魂の交流を描いた、大人のためのファンタジー。分類してしまうとファンタジーなのだが、読みごたえは濃い。著者は21歳で本作を発表してデビュー。本作を書き上げたのは19歳の時だそう。死ぬことに向き合い自分なりの答えを出して、名作小説にまとめるという離れ業を、19歳の少年がやってのけたと言う事に、驚愕。
★2 - コメント(0) - 2015年7月14日

1960年の作品と言われても古さを感じない(もちろん訳者の功績もあろう)。とりとめのない話ではあるけれど、作者がこれを19歳で書いたというその老成ぶりに驚く。確かに深まりきっていないという印象はあるのでそれが若さといえばいえるのか。烏と寡黙なキューバ人のキャラクターが秀逸。
★1 - コメント(0) - 2015年7月10日

物語の起伏は乏しくほとんど何も起こってないといってもいいぐらいなのにこんなに豊かで感動的。著者が10代の時に書いたとは思えない苦くて切ない大人の味わいです。
★24 - コメント(0) - 2015年4月27日

出てくる人物がみんな違う考え方の持ち主でそれぞれの世界観でそれぞれが暮らしていて、それがぶつかりあったり重なったりする様がとてつもなくすばらしく「生きている」感じがした。うまく居場所を見つけられない人達が折り合いをつけながら生きていくのに励まされるというか考えさせられるというか。とても素敵な本だった。
★3 - コメント(0) - 2015年4月10日

共同墓地に住み着いた生者と、彼に食べ物を運ぶ烏と、眠りにつく前の死者たちとの遣り取りで進む静謐な物語。都会的(らしい)アイロニーの利かせ方が『最後のユニコーン』の人だなあ。うーん19歳でこれを書いたのか。
★5 - コメント(0) - 2015年2月21日

10代の頃は、別に絶望していなくても死について考えてみるものだが、それをここまでの物語に創りあげたのは大したもの。描かれる死後の世界は、結構現実的に思えた。
★1 - コメント(0) - 2015年1月25日

昔、タイトルだけ知っていた名作。復刊ということで読んでみたが、『最後のユニコーン』の人だったのか。ユニークだけどやさしい不思議なお話。たしかに名作だけど、『最後のユニコーン』と同じく個人的なお気に入りにはならないんだよな……嫌いではないんだけど。しかし19歳でこれを書けるって心底感心する。あと解説の「この作品から寓意を読みとることなく読み終えても」充分すばらしい作品という意見に深く同意。変に深読みせず、そのままその作品を楽しめばいいと思うことがよくある。
★3 - コメント(0) - 2015年1月9日

共同墓地に住み死者と語ることができる男。消えることを拒み男と語ることで存在を残そうとする死者。不思議な閉鎖された世界で「外」との接点となる現実感のある喋るカラス。タイトルに惹かれた一冊。
★2 - コメント(0) - 2014年11月21日

著者の処女長編。ほとんどの場面は共同墓地内で淡々と進んでいく。生と死のあわいで描かれる、生者と死者の揺れ動く心。鴉が吐く皮肉で鋭い警句。本書の魅力は、じっくり読み込むほど増していくのではないかと思う。これを19才で書き上げたとは…驚嘆する。
★18 - コメント(0) - 2014年11月13日

19年間、墓地で暮らし、死者が記憶を失うまで話し続ける主人公……。最近の日本の作家ならこの設定で幾らでも「泣ける」ストーリーを書きそうだが、著者が弱冠19才で書いたというこの小説は、静謐な雰囲気に包まれ、また、登場人物もそれぞれピュアとシニカルな両面が描かれているので、深く読み込むべき作品になっている。観察者が一歩を踏み出すのに、行動原理となるのが愛という展開で、ヴィム・ヴェンダースの映画「ベルリン・天使の歌」を連想したものの、その愛という概念ですらどこか冷めた語られ方が含まれているような気がした。
★9 - コメント(0) - 2014年11月12日

「墓地に住むのが好きなら、友人を持つってことは大きな過ちだ。」そのとおり。でもそこは本当に心地がいいのだ。巻末の解説で鏡明氏は「この作品から、明確に寓意を読み取るというやり方は、私の趣味ではない。」と書いているけれど、作中の登場人物のそれぞれが身の周りから読み取る様々な寓意は、登場人物が歩き回ることで再現される墓地の中の勾配やカーブやなんかと一緒に、この静かなはずの話をとてもリズミカルな面白い話に仕上げていると思う。復刊のおかげでこの本を手に取ることができて、本当によかった。
★1 - コメント(0) - 2014年11月6日

再読。初読の時は何度も涙が流れた。この優しさ、せつなさ、愛らしさ。ビターな物語なのに、とてもとても静謐な物語なのに、読後に胸が熱くなる。傑作。(この表紙は復刻版? わたしが読んだのは旧版です)
★2 - コメント(0) - 2014年9月30日

まさかこんな熱い(自分的に)展開になるなんて……。淡々と平熱かそれ以下で流れていた時間が、ラストの章一歩手前でこんなに熱を孕むなんて。レベックが戻ってくる決定打になったあの一言が、なんて愛おしいんだろうと。
★2 - コメント(0) - 2014年9月8日

墓場に棲み、停滞し続ける生者のレベック氏。忘却により変化し続ける死者のモーガンとローラ。もう停まっているはずの死者の方が未来がないことが不思議であり、納得でもある。老いらくの恋が可愛い。
★7 - コメント(0) - 2013年3月11日

19歳でこんな小説書かれたらもう何も言えない。
★2 - コメント(0) - 2012年4月13日

つかみどころなく頓狂な設定を最後まで説明しちゃいきらずに何だかよく解らないけどそういうものなんだな、とスマートにしれっと流し切るのが「今」「ここ」(あるいはそれに似た世界)が舞台のファンタジィの美しさの要だと思うので、そういう意味で実に美しく『しれっとして』いる。ベタ甘いロマンスもこの奇妙な空気と、淡い色調の端正な語り口に薄まって胸焼けもせず。良い意味でとても変な話。
- コメント(0) - 2012年1月18日

miz
ホームレスのおっさんがヒモになるまでの話。
- コメント(0) - 2011年8月11日

あらすじから想像したのと全く違う、大人のファンタジー。ジャズが似合いそうな落ち着いた物語だった。
- コメント(0) - 2011年3月8日

素敵な余韻が味わえる一冊。「最後のユニコーン」といい、凄まじい作家。文字によってここまで美しい映像がみえる作家は、他にはいない(私にとって)
★1 - コメント(0) - 2009年5月17日

再読。
- コメント(0) - 2009年4月23日

Y-20
- コメント(0) - 2008年10月30日

★★★★☆(再読)
- コメント(0) - 2008年6月18日

ビーグルの中で、これが一番好き。
- コメント(0) - 2006年11月16日

カラスに食料を運んでもらい、墓場で暮らす10年以上暮らす主人公。現代のファンタジー
- コメント(0) - 2002年9月7日

都会の墓地に隠れ住む社会の脱落者である初老の主人公が社会復帰するまでの話。こう書くと何か前向きな話のようだが、社会に連れ出されてしまう主人公にどうしようもなく物悲しさを感じてしまうのは何故なんだろう。やっぱり「働いたら負け」なのか?
- コメント(0) - --/--

「嘘をつくのと、さようならを言うのが大嫌いだ、と彼は思った。 なぜなら、どちらもあまり上手じゃないんだな。」 最近ではどんな相手にだって、どんな嫌な場所にだって いざ「さよなら」をするとなるともの寂しい気持ちになる。 さよならを繰り返す寂しさや、拙劣な日々を生きていくという不恰好さ。 そっと静かに散りばめられたそれらに、やっぱり私は捕まってしまう。 冒頭の鴉とのやり取りで、傑作だということは読み終わる前から信仰に近い気持ちで分かっていた。
★2 - コメント(0) - --/--

未亡人の語る、旦那を亡くして泣き暮らした時のお話が好き。泣いて泣いて、泣き続けて、それから不意に晩ご飯をなんにしようか考えたの、そう考えていることに気が付いたの、って。私も誰も彼も、生きてるって概ねそんなことの繰り返しだ。
★1 - コメント(0) - --/--

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