結晶世界 (創元SF文庫)

結晶世界 (創元SF文庫)
あらすじ・内容
【星雲賞受賞作】
医師サンダースは、一人の人妻を追ってマタール港に着いたが、そこからの道は何故か閉鎖されていた。翌日、港に奇妙な水死体があがる。死体の片腕は水晶のように結晶化していた。それは全世界が美しい結晶と化そうとする無気味な前兆だった。鬼才バラードを代表するオールタイムベスト作品。

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結晶世界はこんな本です

結晶世界の感想・レビュー(500)

興味深かった。動物も木々も水晶化しつつある森という幻想的な舞台に、男達の入組んだ人間関係を描く。水晶化が不死性・過去への拘泥の暗喩と描かれているが、前進することが全面的な是ともされていない。中国思想・キリストの磔刑復活も重要なファクターになってる文系SF。
★1 - コメント(0) - 3月20日

読んだSF51冊目
★2 - コメント(0) - 3月14日

SFの設定として、地球の3ヶ所で結晶化が進んでいく世界。設定はSFだが、その世界の中で純文学ぽい人妻略奪物語。淡々と結晶化は進む。物だけではなく植物も動物も人間も・・・クリスタルになっていく。逃げる人間、逃げられない人間、あえて結晶の森に入り込む人間。主人公のサンダーズ医師を基軸にドラマが交差する。それに絡んでくるのがハンセン病だ。癩病。皮膚が病変していく病気とクリスタルになる結晶化の森が対象的だ。主人公は友人医師の妻スザンヌが忘れられない。スザンヌはハンセン病の医師で自分も感染してしまっている事に気付く
★26 - コメント(1) - 2月9日

森の葉、花、茎が少しずつ結晶化し、月に照らされ昼間のような光を森に放つ。光る森。川の水面も凍り、宝石の鰐が這いずり、水晶の棘が人間に襲いかかかれば、皮膚、肉、細胞が結晶化され、夢の中のような氷の中に閉じ込められる。破裂する散弾銃の砲弾によって飛び散るクリスタルの破片。氷の破片が舞う。溢れ出るような豊潤なイメージに圧倒され、物語を読むというよりも緻密な絵画を見ているような気がした。あと付け加えると情報の多い文章と綿密な描写、さらに創元SF文庫特有の小さな文字で、読むのに少々難儀してしまった。
- コメント(0) - 2016年12月26日

 世界が結晶で覆われてゆく様はSFというよりもファンタジーのよう。現実に足がついているから、ローファンタジーかな。もちろんSF小説ではあるんですが、幻想的なSFといった感じ。ライ病院の医者でありながら自身患っている博士、狂人で建築家のベントレス、彼らの心情がその世界といったいになっており、それは登場人物のセリフからも窺える。いわゆる純文学の要素を含んだ作品。
- コメント(0) - 2016年12月1日

最初のマタール港の風景をベックリン「死の島」にたとえるところからして、SFというか幻想的な雰囲気。科学的な説明の部分が理解できず焦ったが、最後まで読むと理解する必要なかったな…と。結晶化していく世界の描写は、ちょっとカヴァンの『氷』を思い出す。冷たくて美しい。水晶の森に魅入られていく人たちに共感。しかし女性陣、スザンヌもセリーナも設定が魅力的なので、もっと描き込んでほしかった…とも思ったが、より象徴的で現実感ないほうがいいような気もしてきた。もっと「女」じゃないほうが。三角関係が生々しくないほうが。
★13 - コメント(0) - 2016年11月26日

★★★★★ 再読
★3 - コメント(0) - 2016年11月13日

わかりづらさが雰囲気の醸成にあまり結びついていないような、ストーリーやイメージ的には起伏があるように思うのだけれど、全体の雰囲気が淡々としたまま終わってしまったような印象。
- コメント(0) - 2016年10月2日

結晶化という美しい世界が、世界を破滅へと導いていっているのが、直接的な恐怖とはまた違った恐怖を感じた。読んでいるうちに、その結晶世界が美しく感じ、私も主人公と同じように結晶世界に魅入ってしまった。
★1 - コメント(0) - 2016年9月25日

燃える世界の方が好きだけど結晶の光景は良い。ちなみに作者の書き振りを見るにネタバレは避けるべきだったのでは?
- コメント(0) - 2016年8月18日

バラードの破滅三部作の三作目。あらゆるものが水晶へと変化していく世界が舞台。水晶化した森の描写が素晴らしく、破滅的な場所にもかかわらず人々がとりつかれたように森を求める姿にも思わず納得してしまう美しさ。特に最後の森の散策シーンは圧巻でした。はじめに主人公が抱いていた現実の土地(51p)であるマタールの港と幻想の土地ともいえるモント・ロイアル(水晶の森)のイメージが、物語の後半では逆転してしまったように感じた。人々を水晶の森の外へと連れ出そうとする主人公が水晶の世界にとらわれていく姿がよかった。
★4 - コメント(0) - 2016年7月13日

ギアがかかる前のドストエフスキーっぽい読みにくさ。
★2 - コメント(0) - 2016年6月9日

世界がしだいに結晶化していくという設定、世界観が好き。結晶のように綺麗なものが破滅という恐ろしいものを与えるという対比が面白い。もっとスケールの大きいものを想像していた。心理描写多めだが登場人物の考え方もよくわからなかったし、偏っているように思った。
★7 - コメント(0) - 2016年6月6日

アフリカの森の中に何があったのか。コンラッド「闇の奥」よりも増して闇が深すぎて暗鬱になる。樹が鳥が建物がそして人が徐々に結晶化していく。宝石に似てその光景は例えようもなく美しく輝く世界。その美しさに酔えればいいのだが、それは時間と生命が封じ込められた世界。生命は結晶化される事でその中で永遠の命を得る。それは少しずつ窒息しながら快楽を得る人間の姿か。地球温暖化により少しずつ破滅に向かっている地球の姿か。毎朝少しずつ読み進めたら毎日が辛くなってしまった。強靭な精神を持つ人でないと溺れる恐れがあるので要注意だ。
★51 - コメント(0) - 2016年5月25日

いわゆるニューウェーブSFの旗手ということで、陰と陽、三角関係のパターン等々の象徴的な描写から内宇宙を感じよ、ということだとおもうのだけど、結晶化という道具立ての必要性があまりわからず、バラードが何がしたかったのか掴めなかった。
★1 - コメント(0) - 2016年4月23日

退廃的でいて美しい寂しげな世界。音楽で言うところの…ブラッケンドドゥームみたいな感じの世界観かなと興味を持って読みました。スケールは予想より小さめ。アホな私には文章が読みにくく、まだまだ早かったかもしれない。
★1 - コメント(0) - 2016年4月14日

全てが結晶化して滅んでいく世界って設定は退廃的で美しかったし、主人公サンダースが結晶化していく人々や世界を前にして人間や意識や生死について考えるのも思弁的でとても好みだった。ただ、人間同士のやりとりは自分には退屈だった。多分、それには、結晶化していく世界っていうので、人間描写よりも滅びを重視していく話ってイメージや、もっとビックスケールでの話ってイメージがあったからだと思う。なので、小さな世界での昼ドラだったのは、残念だった。ただ、ビジュアルイメージは素晴らしく、世界観小説としては最高だった。
★19 - コメント(0) - 2016年4月8日

宝石や石化してしまった世界や人びとの描写は間接的表現が多くて読み取るのに時間がかかる部分はあったけど美しく描かれていて映像として想像するのが楽しかった。ストーリーや登場人物は一昔前の昼ドラみたいな感じであった。でも世界観はとても好き。
★1 - コメント(0) - 2016年3月26日

宇宙の彼方で起きた異変が地球にも波及し、森やそこに住む生き物が忽ち結晶に包まれる地域が現れる。その地域の一つに嘗ての愛人がいると知った医師サンダースは、美しくも危険な結晶世界に幾度となく足を踏み入れます。 結晶化の設定はスケールが大きい反面、サンダースとその周りの登場人物達の描写はその内面に入ってゆく表現が多く、宇宙的な異変の中にあっても個人が強調された話です。しかしとにかく結晶化した森は美しくきらびやかになる様に言葉が尽くされています。こんな風景があるならば、危険でも惹かれてしまうのでしょう。
★4 - コメント(0) - 2016年3月17日

SFなのは世界が結晶化するという設定だけで、内容はちょっと今の時代に読むには厳しい感じのアクション入りメロドラマだった。しかし映像に力を入れた娯楽映画にしたら面白い作品になるかもしれないと思いました。
★5 - コメント(0) - 2016年1月5日

SFするのかメロドラマするのかどっちかにしてほしかった。
★3 - コメント(0) - 2016年1月3日

「楽園への疾走」を読んだ時に「SFじゃないじゃん」と文句を言ったものですが、本書を読んでバラードと言うのは純然としたSF作家ではなく純文学と言ってもいいくらい人間の内面を捉える事に主眼を置いてると言う印象を強くしました。 それに水晶化する森や動物たちの描写の美しさと儚さ、強靭な自然の力の描写が素晴らしく、目が眩むような、体が凍りつくような感覚を味わいました。 時が止まることによって永遠の生が保証されるあの世界を、いつか見てみたい気がします。
★2 - コメント(0) - 2015年11月27日

手こずりました…1週間くらい持ってたかな。登場人物たちの行動がお話の枠内で意味のあるパーツになっているとは思えないし、なかなか情景がイメージできず、かといって文体におもしろみがあるわけでもなく、たぶんここは誤訳だろうなあ~というような箇所や翻訳教室の先生がダメな例にあげそうな訳文に気が散ってしまったりしてぜんぜん読み進まなかった。途中で放棄してもよかったんだけど、なんとなく意地になって義務感だけで読了。水晶化の原因はおもしろいと思ったけど、時間の概念はどこいった?そこを掘り下げてくれたらもっと違ったのに。
★3 - コメント(0) - 2015年11月6日

世界観をつかむ為にイメージをするのが難しかった。怖さもあり、幻想的な美しさもあり、世俗的で、人間にうんざりしたくなるところもある。言葉でははっきりしたものはないけれど、ぼんやり何かを身体は感じとった気がする。
- コメント(0) - 2015年10月2日

60年代ニューウェーブSFの代表作家の代表作。かつて関係を持った女性(友人の妻)と会うために、ある港を訪れた医師サンダーズ。その港に体が水晶化した奇妙な死体が打ち上げられ…あらゆるものを結晶化し、拡大していく森の中での出来事を描いた「破滅SF」。SFだが、愛憎混じった人間関係とその心理、そして(破滅に向かっている光景なのに)あまりに美しい結晶化した森の風景描写など、純文学的な要素がかなり強い。登場人物は多くがどこか歪で、その歪さと美しい破滅風景の対比が素晴らしい。全体に漂う退廃的な雰囲気が魅力的です。
★45 - コメント(1) - 2015年9月11日

ビジョンは明確で、鮮烈で、強烈なのに………………古びてしまっている。おそらくそれは翻訳の文体だけじゃなくて、時間をモノ的な、思考が及ぶ、手の届く、物体の位置に、あまつさえは、個人の中におとしめる、という根本の発想。作家読みするかどうか、うーん……とりあえず他のアポカリプスに行こう
★1 - コメント(0) - 2015年9月3日

カヴァンの「氷」につながるものがあるが。
- コメント(0) - 2015年8月15日

よくも悪くも前世紀の小説。本作が書かれた時代と現代では一般的な常識、倫理、恋愛感にズレがあるのも仕方が無い。普遍的なテーマの作品ではないとも言える。(内宇宙)SF。
★1 - コメント(0) - 2015年7月2日

SF小説なんだけどSFっぽさが感じられないというか散漫というか。所々SF的な説明を挟んだり、込み入った人間模様などを書き出しているけどどれもが薄い印象しか与えず、あらすじ読んで期待していたし全てが結晶化するって主題も惹かれるだけにとても残念。
- コメント(0) - 2015年5月14日

結晶化していく世界と病み崩れていくレプラを対比させたのはおもしろいアイデアだなと思うが、宇宙規模の結晶化に対比する人間世界の前景が少人数の男女(三角)関係のみというのはいくらなんでもしょぼすぎやしないか。書かれた時代によるものか、差別表現にあまりに無頓着なのも苦しい。ガラスと結晶を混同しているのも興が削がれるし水晶は宝石じゃないんかいというツッコミも頭から離れない。人物に徹底的に代名詞を使わない書き方は何を狙っているのだろう。「結晶」に思い入れがある分期待外れだった作品。
- コメント(0) - 2015年5月11日

かつて愛した人妻を追い辺境の地へ向かう医師サンダーズ。向かった先には、あらゆるものが結晶化してしまう地域が広がっていた。身体が結晶化し、人間の意識も失われる。サンダースの中には、それでも人間なのか? 生きているのか? という問いが浮かぶ。しかも、結晶化しつつある人間がそれを望んでいるとしたら。人間とは何か、幸福とは何かという大きな問いを提示する、思弁的作品である。愛に翻弄される主人公サンダースが、徹底的に「投げ込まれた」存在、巻き込まれる存在である点も興味深い。独自の神学を披歴するバルザス神父も印象深い。
★13 - コメント(0) - 2015年5月1日

全てが結晶化する世界の描写が綺麗で怖い。幻想的な森と、銃と、二つの三角完成が絡み合い、なんとも言えない緊張感があった。魅惑的な結晶に身を委ねるのも、現実を生きるのも、本人次第とは言え何れにせよ悲しい話だなあ。
★1 - コメント(0) - 2015年5月1日

久しぶりの再読。浸っちゃう。結晶化する美しい森、続くドンパチ。昔の文庫は文字小さかった。
★2 - コメント(0) - 2015年3月14日

幻想的な退廃と引き寄せられる人々
★1 - コメント(0) - 2015年3月8日

森が宝石化したり寝取られたりする。最高
★3 - コメント(0) - 2015年2月24日

メロドラマは三角関係というチープさに満ち溢れている。しかし、人が結晶化するという設定は『宝石の国』のような残酷な美しさを秘めている。人が結晶化する描写はアニメ『鋼の錬金術師』1期での石化病を思い出させるような静かな絶望と同化することによる一種の幸福に襲われました。特に結晶化しつつある身体から引き離されて戻りたがった将校の気持ちはなぜか共感。そのため、利己的で人のことを思いやらないサンダースに嫌悪感を抱いたのだと思います。また、想い人の夫でもある親友やセフレの女性に対して断絶を感じるところはあまりにも傲慢。
★64 - コメント(1) - 2014年12月25日

タイトルとあらすじで儚く壮大で幻想的かつ退廃的な終末の世界観、おぉまさに愛しのアンナ・カヴァンの『氷』のようだ……と思ったが、まったく逆のアクティブかつペインフルな常夏の楽園ベイベー的な作品であった。オールタイムベスト作品? そ、そうなのか……。
★7 - コメント(0) - 2014年12月10日

時が経ったせいか訳が読みづらくててこずりました。もどかしく読み進みながらも最後のほうにきてジワリジワリと世界観が良い意味で心に沁みわたりました。内面世界と外面世界の描写のバランスがとれていた印象。とっても切ない余韻に浸っています。
★2 - コメント(0) - 2014年11月24日

身も心も結晶化…
★2 - コメント(0) - 2014年9月7日

結晶世界の 評価:76 感想・レビュー:141
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