時の声 (創元SF文庫)

時の声 (創元SF文庫)
あらすじ・内容
宇宙の彼方から送られてくる謎の信号。プールの底一面に不可解な模様を刻みつける生物学者。遺伝子異常を起こし始める生物たち。そして人類は日々長くなる眠りに陥る……。バラードが自身の代表作と評した傑作「時の声」ほか、凋落したかつてのプリマドンナと、過去の音を清掃する口のきけない青年の奇妙な触れ合い「音響清掃」など7編を収録。鬼才作家の第1短編集。

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時の声はこんな本です

時の声の感想・レビュー(176)

兎に角興奮。バラードの7編もの短編集。今更ながらバラードなかなかの博学。放射線、生物進化、遺伝子、音響、神経、睡眠等ある程度知識が無いとその場面環境が設定できないと思うのだがよく勉強しております。描く物語はSFの設定を借りた人間ドラマ。そしてその設定アイデアも奇抜で普段味わえない世界へ誘う。そのいくつかは映画になりそうなストーリー。世界の終焉であったり、人生の終焉であったり、どこか悲哀を感じます。今回の収穫は6編目の「待ち受ける場所」。30数年ぶりの凄い発覚。ストーリーは2001年そっくり。
★28 - コメント(1) - 2016年12月1日

初めてのバラード。精神の奥深くに広がる深淵を覗いたような気持ちになった。人間の奥底に眠るものはもしかすると宇宙よりも広くて闇に満ちているのかもしれないと思う。今度は長編を読んでみたい。
★22 - コメント(0) - 2016年11月10日

超音波音楽の流行によってお役御免になったプリマドンナと口が利けない青年の交流を描く「音響清掃」は落ち目になってから真の意味で献身的になった青年が声が利けるようになってから利用しつくした上で目的を達成したら拒絶するプリマドンナは彼に復讐していたのだろうかと思ってしまうのが寂しい。そして「深淵」は『アンドロイドは電気羊の夢を見るか」を連想。リョコウバトやドードーなどを絶滅に追いやった最後の人々もあの若者みたいな人だったのだろう。しかし、散々、狩り取ったのに絶滅危惧種だからこそ、守ろうとする人間の傲慢さも抉る。
★77 - コメント(2) - 2016年9月8日

表題作に尽きるでしょう。理解できたかと云えばかぶりを振る、極めて濃密にして難解な作品ですが、端々に描かれるイメージひとつひとつがとにかく鮮烈。刻まれる不可解な模様、異常な遺伝子、彼方からの声、やがて訪れる眠りと、世界の終り。自分と云う極小の存在が宇宙/時間と云う極大と繋がり、何もかもが崩壊していく感覚。長篇にして描くべきところをここまで圧縮しているからこそ物語は無二の熱量を持っています。要再読。他の作品は、正直玉石混淆で焼き直しの感が否めず。「音響清掃」における、世界から置いて行かれた者たちへの(→)
★58 - コメント(1) - 2016年7月20日

[4.0] 脈絡のない部分がそれなりに多く、読みづらい。とはいえ個人の、あるいは世界の破滅を描いた作品群には、あまり良い気分がしないのに、受動的に、読まされてしまう、そんな魅力がある。「音響清掃」「重荷を負いすぎた男」「待ち受ける場所」が良かった。
★6 - コメント(0) - 2016年6月16日

あまり気になるものがなくて淡々と読み終えてしまった感じ。いちばん印象に残っているのは「音響清掃」かな?
★5 - コメント(0) - 2016年5月15日

SFは苦手なジャンルなのだが、これはしっくりとはまった。破滅の手前の息詰まるような濃縮された時間と胸の奥底が疼くような甘美。これがバラードならはまりそうだ。
★20 - コメント(0) - 2016年4月27日

ラジオを追いやったのが映像なら劇場や聴衆の中心であった歌声の主も音波に取って代わられた。マダム・ジョコンダは廃れた劇場の拍手、喝采の幻惑に悩まされる。彼女の歌声と、雑音にまみれ複製の音波を消費する娯楽社会。彼女の復活を画策するとりわけ耳のいい啞者のマンゴンは話せるようになると、まるで新しく発見したかのように言う。-すばらしいものだ。言葉ってものは、おどろくべきものだ。真実をはっきりとした形に、まとめることができる-この叫びはラストの闇に向かうマンゴンの心境を思うに悲痛なものだが、声の芸術とは何かという
★8 - コメント(1) - 2015年10月11日

表題作「時の声」の詰め込み具合はすばらしい。睡眠時間が長くなる男と宇宙の猶予、そして生物たちの最後のあがきの大進化。衰微と美しさにはなんの関連もなく、ただ並列に、衰え、そして美しい。そして「待ち受ける場所」での圧倒的な宇宙輪廻のイメージはこの短篇集のなかで必然的なものであろう。
★2 - コメント(0) - 2015年4月24日

好きな話ばかりでした。凄く私のツボだ。特に「重荷を負いすぎた男」と「深淵」のラストが好き。時間・宇宙・感情・死。そういったものが突然頭から離れなくなって、その世界観に連れ去られてしまう。バラードの独特の雰囲気が好きです。もっと良い方へ向かうまで続いてほしくなるような物語。余韻。おすすめです。
★6 - コメント(0) - 2015年2月10日

自分には難解で理解できない部分が多く、残念ながらあまり楽しめませんでした。
- コメント(0) - 2014年12月6日

「アーク灯から発される静かな音の波が生み出す音楽。音の腐食作用を受けた角ばった物体が、絶え間無く倍音で共鳴し、プラスチックの椅子はスタッカートの不協和音を生み出す。」表題にもなっている「時の声」は、滅びの美学を知り尽くした、バラードが奏でる「終末」への序曲。その世界を「受け入れる」のか、「逃げる」のか。壁が迫り来るような気分を味わえる。息苦しさを感じる程その存在はリアルだ。
★14 - コメント(0) - 2014年10月21日

 滅びの風景を多く描いた短篇集です。寂静の世界の中で、ゆっくりと滅んで行く、廃墟のような作品が多く見受けられました。物悲しい雰囲気がお好きな方にはぜひ勧めたい、そんな一冊です。
★2 - コメント(0) - 2014年6月2日

『クラッシュ』、『結晶世界』と読んできて自分にはバラードは合わないかなーと思ってたけどこれはしっくりきた。『音響清掃』や『マンホール69』のような比較的わかりやすくエンターテイメントよりの話から『待ち受ける場所』のような正統派ハードSFっぽいの、『時の声』や『重荷を負いすぎた男』のような退廃的な雰囲気のものまでとにかく幅が広い。
★3 - コメント(1) - 2014年5月2日

バラードは少ししか読んでないけど、その中ならこれが入門向けかと思います。
★3 - コメント(0) - 2014年4月11日

短編集ということは、バラードの本質なるものが表れていることだろうか。ここに収められている小説は、遥かな風景(そのほとんどは滅びゆく風景である)と、それを目にした主人公たちの内的精神の流れの行方に焦点を当てている。そこに耽溺するのもいいが、バラードが奏でる圧倒的なヴィジョンを脳内に描くのが、いちばん楽しい読み方だろう。いまある現実を無効にする風景。その風景と自分自身の精神との関係性。その関係性に思いを馳せることほど、おもしろいことはない。
★6 - コメント(0) - 2013年11月30日

読んだのは創元推理版。表題作は素晴らしい。ただそれ以外は陰鬱で似通った雰囲気。それこそがバラードの描きたかった世界だろうけど、どうにも……。けっこう流し読みしたり、ね。
★3 - コメント(0) - 2013年11月10日

今までに読んだSFとは違っていて最初は戸惑ってしまった。近未来というよりは別次元の世界に来たかのよう。それぞれの世界で生きる人間の精神が描かれていて面白かった。少し文章が難しかった。お気に入りは「音響清掃」「マンホール69」
★3 - コメント(0) - 2013年8月5日

初バラードです。予想していたSFの世界観とは違って、変化球をガンガン投げてきて、なかなか打てませんでした。
★1 - コメント(0) - 2013年7月21日

いいよ。かなり。
★2 - コメント(0) - 2013年4月2日

「時の声」終末へ向かう者たちの最後の信号、星の声、数知れぬ銀河系の時の歌、騒音に満ちた混沌たる星雲、遥かなる時を越えて呼びかけてくるかすかな太古の声、万物を包み込む広漠たる時の流れ・・・。次の音響真空掃除機とは面白い。「重荷を負いすぎた男」「恐怖地帯」は恐ろしい。「待ち受ける場所」宇宙の終わりは宇宙の始まり。「深淵」地球が滅亡する近い未来に生きる人の、未来に抱く夢。
★2 - コメント(0) - 2012年9月19日

 バラードの短篇集。「結晶世界」もそうだったのだが、バラードは何故かしっくり来ない。良い作品だとは思うのだが。作品の中では「音響地帯」、「マンホール69」が気に入った。バラードの作品は、綺麗で繊細な感じがする。結晶世界ではそれが顕著である。この作品でも、「時の声」、「深淵」などからそれが伺える。なんとなく、それがしっくり来ていないのかも知れない。この「しっくり来ない」という感覚を言葉にするのは難しい。作品自体は良いものだった。2012/8/20読了私的評価7/10
★1 - コメント(0) - 2012年8月20日

こんなに儚い小説は初めて。バラードにハマる。
★2 - コメント(0) - 2012年8月12日

「時の声」はSFではなく、詩だと思う。終わりを向かえた時の、歌を映像的な文章で歌っている。
★4 - コメント(0) - 2012年4月4日

甲府の駅ビルでジャケ買いして以来、何度か挑み、何度も挫折してきたという愚かな前歴をもつ私ですが、このたびとうとう一冊読み通すことができました。以前は読んでいて疲労感ばかり覚えていたものを、楽しんで読めるようになったというのは、進歩なのでしょうか? 眠くならない……。
★1 - コメント(0) - 2012年3月25日

凄くダウナー系で自分にとっては難解でした。読んでて楽しくなるような話では全くないんですが、クセになるような魅力もあって、いずれ別の作品も手にとってみたいです。
★1 - コメント(0) - 2011年11月30日

「待ち受ける場所」と「深淵」。文体が苦手な事に気が付いたが、あといくつか読んでからバラードとの付き合い方を考える。
★1 - コメント(0) - 2011年11月25日

「重荷を背負いすぎた男」世界から意味を剥ぎ取り、抽象的な形式だけを体感する。常人にもできるんだろうか?「待ち受ける場所」宇宙の縮図を垣間見る神秘体験って「2001年宇宙の旅」でボーマン船長が見たのと似てるけど、こっちが先か。この作品は、バラードにしてはハードSFっぽい。宇宙の破滅と再生をかくも美しく提示してくれるのは流石。
★1 - コメント(0) - 2011年9月23日

「時の声」「音響清掃」「重荷を負いすぎた男」「恐怖地帯」「マンホール69」「待ち受ける場所」「深淵」を収めるバラードの第一短篇集。どの作品もまるで悪夢のような物語だが、ある惑星の天文台に赴任した男が垣間見る宇宙進化のヴィジョンを描く「待ち受ける場所」が強く印象に残った。彼が見たものは果たして現実なのか、夢なのか…。人間の深層心理を鋭くえぐる点ではディックと共通するものを感じるが、バラードにはバラードの流儀があるような気がする。それをうまく表現できないのが、もどかしい。
★6 - コメント(0) - 2011年6月28日

★★★★*
★1 - コメント(0) - 2011年2月22日

p246「埋葬に凝るのは退廃の確たる証拠」バラードは凝った墓場を作っては、主人公達を大きな流れに運び去らせる。破滅でありながらどこか心地良いのは、その魅力的な墓場達が通過点だったからなのだと思った(p191墓石のかなた)。でもいつまでも墓場でまどろんでいたいと思う自分もいたり。メモ:眠りと仮死。月の白い庭。共通の思い出としての海。水たまりで溺れる魚。塩原の案山子。
★4 - コメント(0) - 2010年8月8日

「時の声」「音響清掃」「重荷を負いすぎた男」「恐怖地帯」「マンホール69」「待ち受ける場所」「深淵」の7編。どれもアイディア勝負でストーリーは今ひとつ。「マンホール69」はタイトルの「69」の意味がわからなかった。どれも後味がすっきりしないものばかりだったが、「重荷を背負いすぎた男」は比較的わかりやすい。人間から睡眠を取り除く話「マンホール69」を目当てに読んだが、これまたわかりにくい。もう少しオチがしっかりしていると楽しめたと思う。
★2 - コメント(0) - 2010年2月28日

「時の声」意味が分からなかったな「音響清掃」ひたすらに醜怪な物語「重荷を背負いすぎた男」精神病患者の世界観とその結末を知ってゾッとした「恐怖地帯」果たして何処までが幻覚か。そもそも彼は彼の作りだしたコンピュータの症例なのではないか。とかそういう疑問も何も解決しないままに唐突に物語は終わる。それにしても頭のいかれた人間の心象風景は理解しがたい。症例集片手にでも読まなきゃ理解不能な内容「マンホール69」思ってたより普通だった
★1 - コメント(0) - 2009年11月3日

すべてが終わりに向かっている。眠りはそのための練習か。
★3 - コメント(0) - 2009年10月9日

不安だが蠱惑的な破滅世界に投げ出される短編集。「マンホール69」「深淵」などえっこれで終わり?!とびっくりするが再読したくなる
★8 - コメント(0) - 2009年9月21日

短編集だが長編のような厚みがあり読み応えある世界観
★2 - コメント(0) - 2009年9月10日

明日への夢は破れ、故郷は記憶の果てに遠ざかり、今という時間の苦さばかりが打ち寄せる。次の行き先を探すことだけが我々の仕事だ。
★3 - コメント(0) - 2009年5月25日

破滅、か。長編もよみたいな
★2 - コメント(0) - 2009年5月10日

時の声の 評価:60 感想・レビュー:47
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