幻詩狩り (創元SF文庫)

幻詩狩り (創元SF文庫)
あらすじ・内容
【日本SF大賞受賞】
1948年。戦後のパリで、シュルレアリスムの巨星アンドレ・ブルトンが再会を約した、名もない若き天才。彼の剏りだす詩は麻薬にも似て、人間を異界に導く途方もない力をそなえていた……。時を経て、その詩が昭和末期の日本で翻訳される。そして、ひとりまたひとりと、読む者たちは詩に冒されていく。言葉の持つ魔力を描いて読者を翻弄する、川又言語SFの粋。著者あとがき=川又千秋

*第5位『本の雑誌増刊・おすすめ文庫王国2007年度版』ジャンル別ベスト10・SF(大森望氏選)

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幻詩狩りはこんな本です

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幻詩狩りはこんな本です

幻詩狩りの感想・レビュー(144)

とにかくテーマが面白い。フーメイの幻詩は、言語表現で創造できるのは虚構のみという言語の限界を越え、時間までもを凌駕する概念世界を実存させてしまったアクシデントのようにも思える。その詩を読むことで虚構との境界が揺らぎ、全く別次元の世界認識を持つようになる、ということだろうか。まさに、テーマ設定で大勝利を収めた作品だろう。ただ、最後に急にファンタジックになってしまったせいか、記号としての言語の深掘りもなく、かといって伊藤計劃ほどのスケールにも及ばずで、なんだか最後にぼんやりしてしまったのが残念だった。
★3 - コメント(0) - 3月4日

Kindle版で。
- コメント(0) - 2月26日

SFですがホラー小説的な面白さが強く出ています。シュールレアリスムの時代に書かれた幻詩(呪いみたいなもの)がひょんなことから1980年代の日本に持ち込まれてからの展開が素晴らしく怖い。「くるぞ……くるぞ……きっとくるぞ……やっぱりキター!」というのは恐怖の基本だなと再確認しました。もっと長い小説にして幻詩が日本に広まっていく過程や正体の判明、殲滅組織の結成を詳しく書いてくれたら最高だったんですが……
★2 - コメント(0) - 2月6日

「華氏451度」や「1984」などにみられた言葉が思想と危惧され一方的に統制される恐怖などとは違い偶発的にその詩に関わったが為に陥る錯乱の恐怖。サブリミナル効果やバイオテロなどを想起させるが読み進めるとそのリーダビリティたる文体のせいかどちらかというと通俗的なホラーといった印象を受ける。フーメイの紡ぐ言葉はシュールレアリスム…意識下よりも深い理性の及ばぬ所で作用する超現実などではなくむしろ思考は停止され麻痺し後は死を待つだけであった。何故それが生まれたか?最後まではっきり解らずすっきりとしない後味である。
★55 - コメント(1) - 1月24日

八十年代の日本SFの収穫のひとつと聞いて読んでみた。読み手に甚大な影響を及ぼす詩、というアイディアを、ブルトンらのシュールレアリスム運動と絡めて小説化するという発想は見事。後の類作が複数思いつく。必ずしも巧みとはいえない構成も、破格であるがゆえの魅力を持っているとも言える。一方で、内容に比すると文体が軽いのは欠点と思われ、言語SFであることを考えると、より重厚な文体がふさわしい。また内容的にももっと爆発させることができたように思う。このことから全体としては物足りないのだが、面白いSFだったのは間違いない。
★13 - コメント(0) - 2016年12月26日

難しいなあ
- コメント(0) - 2016年8月18日

タイトルとあらすじ見ると読みづらそうだけどこの淡々とした文章はかなり読みやすい。詩を読んだ人間が陥るのが単なる狂気ではなくそこを時間からの解放と結びつけてるのはまさしくSFって感じ。シュールレアリスムの巨匠達の時代の話も面白かったし、芸術を商業的に利用しようとする広告代理店の思惑といった本筋でない背景もしっかりしてるのでこういうお話でも説得力を感じる。
- コメント(0) - 2016年7月26日

得体の知れない魔力を持つ一遍の詩。読んだ人間は悉く死神に運ばれゆく。時代を渡り受け継がれる詩に渦巻く、力の謎を究明することはできるのか。絶大な力を持つことは分かっているが、まだまだ理解不能なことが多すぎるものに対する畏れ、山田正紀『神狩り』を彷彿させるプロットに、期待が高まる。高まるが故の、がっかり感。面白いのは設定だけでした。近未来でドラッグ化とか挙句の果ての火星とか、迷走して収集つかなくなってるとしか思えませぬ。あと今読むと少し古臭さが。ディスコとか普通に出てきます。
★7 - コメント(0) - 2016年6月6日

実在のシュールレアリストがいろいろ登場して楽しい。日常が変容していく幻想小説が好きなので、日本SFは僕に向いてるかもしれないな。
★2 - コメント(0) - 2016年1月7日

電子版。ホラーっぽいかな?なかなか面白かったです。でも多分、まずフランスで大事件になると思うんだよね。まあそれはよしとして、言葉が魂を連れ出しちゃう、と書くと素晴らしい作品のようですが、実際に起こるとたしかに怖い。とはいえ、作者はデュシャンにそれは作品の素晴らしさと関係ない、超能力のようなもの、と言わせている。なるほど。シュールレアリストたちの話も面白かった。こういう話の難しいところですが、じゃあ結局『時の黄金』ってどんな詩なんか、というのがわからなくてもやもやする。読んでみたい!笑
★1 - コメント(0) - 2016年1月4日

フー・メイによって書かれた「幻詩」を読んだ者が、何か得体の知れない意識に囚われてゆく書き出しから引き込まれた。パリから東京へ舞台を移し、「幻詩」は引き継がれてゆく。何かが訪れる予兆を仄めかしながら物語は進む。プロットは素晴らしく、この手のSF幻想譚にしては文体が簡潔で展開も早く読みやすい。だが、ついに未来へ、火星にまで話が進むと何じゃこりゃ?とずっこける。ラストに向けて、「そりゃないだろ」という展開に。まさに、麻薬のように物語に引き込まれた時間は何だったのか。「幻詩」とは何だったのかもよく分からない。
- コメント(0) - 2015年11月6日

発想は面白かったが物足りなかった。
- コメント(0) - 2015年9月19日

取っ付きにくいタイトルとは裏腹に読みやすい。言葉の持つ魔力という発想は「虐殺器官」を、そしてその詩が社会にウイルスのように蔓延るさまは「リング」を彷彿とさせます。幻詩取締官、戦後パリのシュルレアリスト、詩の刊行に携わる出版社の面々と章ごとに時系列、主役が入れ替わり詩の誕生からその後の影響まで描かれます。言語SFと聞いてピンとくる人は読んで間違いないです。宇宙 時間といった要素を求める人にはそこまで楽しめません。
- コメント(0) - 2015年6月6日

言葉は、十分、ひとを何とかできるなあ。
★1 - コメント(0) - 2015年4月25日

表紙と題名にひかれて手に取った一冊。何とも不思議な一冊でした。まるで麻薬のうな力を持った詩。そして、詩に影響を受けていく人々。シュルレアリスムにもっと詳しければ、もっと楽しめたかなと思いました。また、言葉自体には麻薬的力が宿っており、その言葉の力を引き出せる人の文章には惹きつけられ影響力を持つのではないかと思いました。この詩くらい言葉の力を引き出すと怖いですが……。
★10 - コメント(0) - 2015年3月19日

読み易かった。 自分にはSFの知識が全く無いのでホラー小説を読んでる気分でした。
★32 - コメント(0) - 2015年2月7日

★★☆ 補強的な意味合いで、文化的な背景を上手く重ねてある点が、まず凄いと思う。シュルレアリスム、何それ美味しいの?な自分には、ずいぶんもったいない。ストーリーで魅せる言語SF、そして呪い。虐殺器官に似てる気もする。奇々怪々な話だけど、非常に読みやすく楽しめました。
★15 - コメント(0) - 2014年3月19日

一種の麻薬のようなものとして機能する幻詩。この詩に出会う、時代も場所も異なる様々な人の反応、熱狂や興奮の描写が印象に残った。多分人は小説でも漫画でもなにがしかの創作に触れる時、心の底の方でそんな熱狂に侵されたいと願ってるんじゃなかろうか。
★1 - コメント(2) - 2013年5月22日

読んだ者の魂を身体から引き離し、彼岸に誘う恐るべき“幻詩”を巡る言語SF。■アメリカ亡命中のアンドレ・ブルトンが出会った無名の天才青年フー・メイ。「不明」と同音の名を持つその青年が創り出した詩が、ブルトンら多くのシュルレアリストを死に追いやる。時を経て、その詩が昭和末期の日本で翻訳され、次第に人類を汚染していく――。文体は簡潔で可読性が高く、展開もスピーディ。“時間”そのものを書き写し、読む者を現実から遊離させる幻詩というギミックをシュルレアリスムで裏打ちし、それを狩りたてる権力を批評的に描き出している。
★38 - コメント(0) - 2013年1月9日

もう少し話が拡がれば面白かった。最後が呆気ない。しかしながら幻詩の発想やシュルレアリスム時代の場面は良い。最後の火星場面はブラッドペリの「華氏451」と重なるものがあった。
★3 - コメント(0) - 2012年12月24日

もうちょっと難解な話かと思ったが、えらく読みやすかった。このころのSFはなに読んでも楽しめるな。
★22 - コメント(0) - 2012年9月13日

すげえ。
- コメント(0) - 2012年9月7日

o.t
詩=精神を変容させる麻薬。1980年代の東京、1940年代のパリとNY、2131年の火星へと、舞台を変えながら、19歳で伝説的ヴィジョナリーとなった青年の詩篇が、人類を危機に陥れる。英訳版に掲げられた巽孝之による長大な序文は、ディック『火星のタイムスリップ』と響きあう作品として本作品を位置づける。シュルレアリスムの本質は何か、ディックのそれがヒッピー世代の二次的変奏だったとすれば、それはまだ終わっていないのではないか、などと、作品とは関係ないことまで考えてしまった。なお、文章はラノベばりに読みやすい。
★4 - コメント(0) - 2012年8月4日

終盤に火星での戦闘シーンを入れる意味があったのかなとはおもうけど、青年詩人フー・メイが幻詩を発明してしまうまでの鬼気とした空気が素晴らしい。
★1 - コメント(0) - 2012年6月17日

サスペンス、ホラー調で展開する言語SF。短めで簡潔なセンテンスは読みやすく、淡々とした語り口が逆に事態の異様さが浮き彫りにしている。内容も感染が広がっていく描写の見せ方が恐ろしく、一気に読んでしまった。ただ未来の火星に話が飛ぶのはいいんですが、ラストは力技で無理矢理綺麗にまとめてしまった感があり、多少こじんまりとしてしまったか。
★3 - コメント(0) - 2012年5月31日

結構前、というより文庫本販売当初に表紙と帯で買ってしまって積んでいた一冊。濃厚な時間を過ごさせていただきました。舞台は戦中戦後・昭和、そして火星。麻薬とも言える詩・時の黄金を廻る物語。その輝きはヒトを、世界を、時間を狂わせ、巡る。時の為の大き過ぎる代償と、それを止められない無力感。結局ヒトは、そうやって生きるしかないんだなぁ、とか。自分がそれらを読んだときに、どうなってしまうのか、とか。やむを得ず途中で読み止めたけど、一気に読んでしまいたかったかな。電車と風の強い朝に。刊行が随分と前だとか信じられない。
★3 - コメント(0) - 2012年4月3日

◎ 1948年のパリ。若き詩人、フー・メイは言葉で世界を創り上げる方法を見つけてしまった。自分の書いた詩の持つ不思議な力に恐怖を感じるフー。やがて彼は「異界」、「鏡」、「時の黄金」の3編の詩を残して姿をくらます。その詩を読んだ人間は夢遊病者の様になり、ある者は失踪し、ある者は自殺する。フーの作品は出版される事なく、歴史の闇に埋もれていたが・・・。時は過ぎ、昭和末期の日本でフー・メイの詩が出版されようとしていた。世界を滅ぼす恐れがあるとして麻薬のように取り締まり対象となった詩を巡る言語SF。面白い。
★6 - コメント(0) - 2011年11月20日

一気読み。1984年の刊行だが古いどころか斬新過ぎるSF。東京、アメリカ、1948年のパリ、と舞台はどんどん変わり、そして2131年の火星へと怒濤の水のごとく流れてゆく。1948年、一人の青年が一篇の詩を残した。狂気を呼ぶその「言葉」は時間を支配する神の祝福か禁断の呪いか?最後に再び舞台はパリに戻り謎解きが為される。けれども何かうすら寒い感覚が残る。
★11 - コメント(0) - 2011年11月16日

シュルレアリスムを担った人物たちが生き生きと描かれて当時の雰囲気を感じられるのが面白かったです。シュルレアリスムだからこそ、こんな詩も生まれるのではと思わせられてしまうし、影響を受けた人たちの行動もなんとなく事実のような気がしてしまう所がなんともいえません。 時代が飛んで昭和末期、携帯もネットもない時代での麻薬のような詩の限定された影響力が、平成の今から見ると何とも悠長でレトロですね。今だったらあっという間に抑えようもない状態になって人類絶滅の危機となってしまうかも。
★5 - コメント(0) - 2011年11月12日

何が起こっているのかわからないってのは自分の想像の管轄外であることもあって底の知れない恐怖を感じると思う。静かなSFホラーといった趣き。突然場面が変わるのはSFらしいな。言語SFというものに興味を持った。
★3 - コメント(0) - 2010年12月8日

言語SFというと、観念的で読みにくくなってしまうことが多いですが、この本はびっくりするほど読みやすかったです。劇的な視点の変化があっても、物語の核がはっきりしているのでスムーズに読めました。上手いなあ。/シュールレアリストの方々が出てくるパートが好みでしたが、ラスト間際の展開も好きです。あそこまで俯瞰してこそなんじゃないかな、と思いました。
★2 - コメント(0) - 2010年4月23日

詩というシュルレアリスムの核心部分に迫りながら、作中の言葉が薄味にすぎるのは致命傷ではなかろうか。脱自や反ユートピアといったシュルレアリスムのツボを押さえた作品にはなっているが、SF的なオチがとってつけたレベルにしかなってないような。ほとんど伝奇パニック・ホラーのノリなのだが、淡々と破滅の予感を盛り上げるところは悪くない。
★9 - コメント(0) - 2009年12月17日

言葉で、もしくは言葉の集まりである詩で、人間を操るというのは類似作品が多いように感じるが、シュ-ルレアリストたちが張本人ともなると話ががらっと変わる。フー・メイの造形がすばらしく、決して薄っぺらにならないのが素敵。自殺者の羅列には圧倒されることうけあい。(ローウェル嬢)
★2 - コメント(0) - 2009年11月12日

麻薬のような詩、時間を操るコトバを巡る物語。確かに、言葉にはもっと多くの可能性が秘められているかもしれない。そんな事を思った。古典的名作SF。
★7 - コメント(0) - 2009年10月13日

尻切れとんぼちうかなんちうか。でも終章読むとこれでいいような。作者はデュシャン萌えなのかしらそれって新しいのかしらとかどうでもいいことばっか考えてました。
★1 - コメント(0) - 2009年7月28日

突如、火星植民とか……。
★1 - コメント(0) - 2009年4月3日

SFといえばスペオペとかドラえもん的な物ばっかりとおもってたらこう言うのもあるんだね。ドゥバド
- コメント(0) - 2008年12月7日

昔読んだので1年前で登録。
- コメント(0) - 2007年6月19日

タイトルに惹かれて。シュールレアリスム好きとしては別の楽しみもあり。最後の展開は個人的にはちょっと・・・。
- コメント(0) - 2007年6月14日

正直軽いが、氏のSFの中では傑作といえる。不満はあるが没頭できました。
★1 - コメント(0) - --/--

幻詩狩りの 評価:58 感想・レビュー:41
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