等伯 〈下〉

等伯 〈下〉
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等伯 〈下〉の感想・レビュー(963)

等伯の事歴は全く知らず作品を見たこともなかった。時も人も沸騰し激動した安土桃山時代に、能登七尾から狩野永徳と肩を並べる絵師を目指して京に出ること自体、即時代に翻弄されることであった。絵画の需要先が宮廷、社寺や有力諸大名・商家であるから否応なく権勢家達の盛衰にも巻き込まれ、御用絵師の世界を牛耳る狩野派との抗争に明け暮れる苦難の道が活写されている。が、利休や春屋宗園など良き先達に出会えたことは僥倖であったろう。絵師等伯の事歴もさることながら日蓮宗初め当時の宗教界、歴史社会の裏面が書き込まれて確かな読み応え。
★27 - コメント(0) - 2月2日

絵師と言うよりも、武人として描かれた「等伯」 永徳擁する狩野派、朝廷、石田三成らとの暗闘の中で迸る創作力。また、上巻では信長(安土)。下巻では秀吉(桃山)、それぞれを国外視点から見た時代描写がまた秀逸だった。日の本の天下のみならず、南蛮と並び立とうとしていた、二つの野望。
★31 - コメント(5) - 1月31日

長谷川等伯の絵を、観たくなりました。
★2 - コメント(1) - 1月30日

狩野永徳との確執、巻き込まれていく政。その中での大成したいと願う欲、怒り、後悔、悲しみ、苦悩。日蓮宗へ救いを求めながらそれでも絵師として前をみて進んでいく姿。そして、あの松林図屏風を描く表現はまるで見ているかのように浮かんできました。写真でしか見たことはないけれど、それでもあの静謐とした空間に引き込まれていくので、ぜひ本物を見てみたいと思わずにはいられません。
★3 - コメント(0) - 1月24日

評価4。等伯がいよいよ天下に名を轟かせるようになる後半。しかし、それも簡単ではなく、良き理解者利休の切腹や天下の御用絵師の座を死守したい狩野派の妨害などを乗り越え、最後は秀吉に命をかけさせられるもそれを乗り越え名画松林図屏風を完成させるまでの話。自分が日本画家で大好きな狩野永徳が悪し様に描かれすぎの気もするが、絵を完成させるまでの鬼気迫る画家の執念、息遣いが行間から迫ってきて直木賞を取ったのも納得。史実から話を創造する作家の力量に感服しました。
★5 - コメント(0) - 1月4日

「松林図屏風」は命を懸けて描かれたものだとは思っていませんでした。 息子の久蔵さんは生きていたらまたどんな素晴らしいものを遺していったのかと思うと残念です。 永徳側から見たらどんな物語になったのでしょう。
★2 - コメント(0) - 1月3日

★★★★★ 絵で久蔵の仇を討つ。名誉回復のための秀吉への直訴はそんな形になった。 後先を考えない子供じみたところもあるが、狩野派に対しての意地や、家族や生まれの家、そして養父母に対する切実な思いを持った人柄は、人間として大変に魅力的だ。 絵を文章で説明する事は不可能だし意味が無い事だが、絵師としての思いを伝えられるのは文字なのかなと思った。
★39 - コメント(0) - 2016年12月22日

とても引き込まれた。他の勉強があり、趣味で本を読む時間があまり取れなかったがこの本を読む時間が楽しみで仕方なかった。等伯の生き方の力強さとある種のがさつさに人間味を感じた。天才と謳われた永徳の苦悩や、どちらの立場にも寄り添える久蔵などどの人物も魅力的に描かれていてとてもよかった。永徳のことも調べたくなった。
★5 - コメント(0) - 2016年12月3日

己と戦い、狩野派とも戦い描き続けた等伯。絵師であることの矜持を失うことなく果てしのない時間と戦う。またそれを支え続けた家族や僧侶、公家など誰もが命を懸けてその志を貫いた時代である。等伯の有名作「松林図屏風」の作成が大事な息子を失ったことがきっかけになるとは絵師の業の深さを感じさせられた。最後江戸へ向かうが、徳川の時代、また狩野派が活躍することを思うと切ない。
★6 - コメント(0) - 2016年12月1日

長編の歴史小説だが、あっという間に読んでしまった。登場人物が生き生きと描かれ、魅力的だった。等伯の代表作、松林図屏風は東京国立博物館に所蔵され、毎年1月に公開しているようだ。ぜひ見に行きたい。屏風を前にして何を感じるのか、今からその時が楽しみだ。
★3 - コメント(0) - 2016年11月28日

長谷川信春と息子 久蔵 が長谷川派を築くまでの物語。狩野派との確執、等伯が名を残すまで。信長から秀吉まで、どれだけ贅沢品に投じていたのか計り知れない。等伯の作品を見たくなる。
★4 - コメント(0) - 2016年11月18日

eri
下巻はあの有名な松林図屏風が描かれる過程や、狩野派との軋轢、等伯が周りの人から支えられながら絵師としての名を確固たるものにしていく過程がきちんと時代背景を押さえながら書かれていて、読み応えがありページをめくる手が止まらなかった。信春の絵師としての強靭な意志と、計り知れない努力、そして様々な物を犠牲にして手にした成功。読んでいて胸が熱くなった。ただ等伯のような人の家族にはなりたくないなぁ〜。一度、生で松林図屏風を見てみたい。
★27 - コメント(0) - 2016年11月5日

KIO
構成と最後の筆がよく、読了感がいい感じでした。作者の技量はすごいと思います。ただ絵描きが描かれている感じがしないのです。美術をする人が持っている雰囲気とか積んできた研鑽が書ききれていない感じがします。
★8 - コメント(5) - 2016年10月2日

等伯の人生後半戦。あの松林屏風図の陰影は七尾の海の気嵐がもたらしたものだったのだね― 久蔵を亡くして絶望し,主家復活活動にも加担し,石田三成に護られた狩野一派とえげつなく張り合い,利休が切腹に追い込まれても僧院の助けで逃げおおせ,戦国の世を最後まで生き延び,ついにあの松林図屏風にまで到達! 静謐な松林図からは想像できないほどの山あり谷あり,世俗的で野望に満ちた人生だった。淡々と事実を書き綴っただけの伝記じゃないかというレビューも目にしたけど,そうは感じなかった。熱くて波乱万丈な絵師人生だ。面白かった!
★167 - コメント(2) - 2016年9月27日

かなり時間を要したけど、面白かった。文章が頭に入って来ない所もあり斜め読みをしていても、惹きつけられる文章もある。不思議な作品。お互いに認め合い、切磋琢磨していればなぁと思いながら読んだけど、そうはいかないものか…なと。 禅の展覧会に白隠を観に行ったら…等伯があった。んーーーー感激。
★2 - コメント(0) - 2016年9月15日

下巻に入り、狩野永徳との対決、秀吉や利休、三成らの権力闘争、あまりに切ない身内の死と、さらに苦難に直面する等伯。その度に苦しみながら、自身の内面とそこから生み出される絵の力が高められていく様子は、一人の男の人生の物語として引き込まれ、読み耽った。感情に左右されがちな等伯に共感できない所もあったのだが、読み進むうちにその等身大の姿を自分に重ねるようになり、子供や親との関わり方や人生について考えさせられた。桃山文化の絵の世界、大徳寺の禅文化や日蓮宗の教えも物語に奥行を与えていて、文化史への興味も深められた。
★53 - コメント(4) - 2016年9月14日

狩野松栄・永徳親子、そして、秀吉・利休・前久と関わり。その時代の背景が詳しく記されている。歴史で習ったんだろうか・・・等伯の、思いを推し量るには私にはその技量がないと思った。もっと、私には知らないといけないことがある。浅い自分にため息・・
★9 - コメント(0) - 2016年7月14日

「業」という字は「ゴウ」と読んだり「ギョウ」と読んだり。人が生きていくためには何らかの業(ギョウ)に就かなければなりません。やがて、努力・精進が実れば生業(なりわい)、つまり生活を支える業(わざ)となります。でも生活に必要な程度を超えて「もっと、もっと」と業績を追い求め、さらにライバルを蹴落としてでもとなると、他人の成功に業腹を立てます。画業の出来に留まらない狩野との確執。本業を極めようとする等伯。彼の姿に「行」に勤しむ修行僧を見た思いでありました。 次の1冊は積読の中から「利休にたずねよ」にします。
★20 - コメント(1) - 2016年6月12日

時代に翻弄され、自らの画業に対する執着も絡んで変転する等伯。最後には長谷川家とも和解して、江戸に向かう。一人の天才画家の葛藤を家族と宗教と為政者の思惑を複雑に絡めて描かれていて、波乱万丈の面白さがある。最後にちょっと物足りなさを感じたのは何故か。
★3 - コメント(0) - 2016年5月28日

等伯という画家をよく知らず、『花鳥の夢』の読後、併せて読んでみました。等伯の人生は戦乱の世ゆえ、波乱万丈。絵師としての等伯の邁進と執着、祈り悟りに加えて、兄や夕姫のお家再興への執着、覇権のためには手段を選ばない権力者達の生き方にやるせなさを覚える。写真などない時代、絵師は権力を誇示する一翼を担う。史実を正確に伝える情報もあまりないためか、作家の想像力もパワーUPするよう。山本謙一氏の描きだす永徳・等伯像に、阿部氏のもが重なり、より立体的なイメージが浮かんだ気がする。歴史モノにはこんな楽しみがあるのですね。
★9 - コメント(0) - 2016年5月15日

先に山本氏の「花鳥の夢」を読んでいたせいか、私は芸術家肌の驕慢な男が好きなのか、精神を病んだ永徳がツボった!絵に斬りつける場面なんか鳥肌もの… 作中で最も巧みな画家は久蔵なのでは?と、思っていたら案の定でした… 最後の一文はコミカルだけれど、すんと胸に落ちてくる 「すみません。業が深くて」
★10 - コメント(0) - 2016年5月10日

上下巻、堪能しました 選ばれし者の描きように唸ります
★5 - コメント(1) - 2016年4月30日

絵師として大成するさまを描き、物語は佳境に。法華経を信奉し画業を極めます。二人の妻はまるで菩薩のようです。ただ、そこに至るまでの過程で狩野派と争い、信長、秀吉に盾突き人間臭さが過ぎます。作者は安土桃山時代の政情や世相にも詳しいのですが、結局は高位者の政争に終始していたかのようだし、等伯も身内のほかは朝廷や寺社、秀吉との関連で描かれます。日本史の捉え方に「そうだったの?」と思うところもありますが、楽しませていただきました。★★★★☆
★4 - コメント(0) - 2016年4月23日

京都に行きたいなぁ。あの松林図が制作後400年もたっても、人を感動させているぐらいの絵師なのだから、壁画もすごいんだろうなぁ・・と妄想してしまう。そしてネットで検索したら、永徳の「唐獅子図屏風」も皇居でみて、印象に残ったものだった。天才って同じ時期に出やすいのかもなぁ・・。あぁあぶりもち食べたい。
★10 - コメント(0) - 2016年4月19日

等伯何度騙されたら気がすむんだよ…家族の、武士の呪いこわい……素直すぎて思い込みが激しいまっすぐな人間性は惹かれはするものの、さぞ生き辛かったろうなあ。周りに理解者が多くいて大成できてほんまよかったね。下巻はスケールが大きくなった分、どっと疲れました。狩野永徳と久蔵が憐れ。
★7 - コメント(0) - 2016年3月13日

武士の魂と絵師の才能を持つ等伯と、絵師の天才永徳。ほぼ創業の長谷川派VS大手の狩野派かな。絵を描くまでの葛藤が長いわりには、絵を完成させるまでは意外とあっさり。芸術はさっぱり分からないので、そんなものなのかと思いつつ。 それにしても、人のこだわり(悪い意味で)には辟易させられる。もっと、捨てて身軽になれば良いのになあ。好きなことだけやれば良いのになあ、そう出来たらいいなあ、などと現実逃避しつつ。
★1 - コメント(0) - 2016年2月27日

仙洞御所の件、夕姫といい兄武之丞といい登場する度に利用され騙され、もはや妄執といっていいのではないかと思ったが最後はそれなりにまとめてくれた。二番目の奥さん清子さんが立派。松林図屏風見てみたい。東京国立博物館かぁー。
★8 - コメント(0) - 2016年2月7日

面白かった!夕飯食べるのも忘れて読んだよ。後妻のお清どんの人間性に感服。等伯はあんな緻密な表現の人なのに思いの外血の気が多くて、そこは抑えるとこでは?!とムンク的気分で突っ込むこと数度。戦乱の世の人とは観念も感覚も違って当然ながら刹那的すぎる一面にはハラハラしました。絵に向かい高みを目指してもがき苦しむ様にはこっちまで力が入り、久蔵に関する永徳の泣き言と等伯の直訴の場面では胸がひきつれるような気分に。今まで等伯の絵にはすごいという感想しかなかったけど、今後はもっと入り込んで味わうことができそうです。満足。
★18 - コメント(1) - 2016年2月4日

面白かった。後編はいよいよライバル狩野永徳登場だが、二人の絡みが割と少なかった。二人とも天才絵師ながら、正反対のタイプで、互いが相手に嫉妬しつつ、影響を与え合っているものの、和解なきまま永徳が急死し、等伯の絵師としての運命もまた大きく舵を切っていくあたり、やはりこの時代に二人の天才が必要だったのだろう。周りの政治的事情などが多く、作品を産み出すシーンが割とあっさりしていたのが残念だが、なるほど等伯の絵は武士の出であったから描けたものであると納得できる。骨太の絵師の疾走した軌跡を、面白く追跡した気分だ。
★8 - コメント(0) - 2016年1月6日

面白かった。時代の流れに翻弄されながら、ひたすらに自分が求める絵に向かっていく姿に心打たれる。特に松林図屏風が生み出されていく過程は鬼気迫る。実物を見てみたい。
★23 - コメント(0) - 2016年1月3日

再読で読了。そして国立博物館に「松林図屏風」を見に行きました。屏風絵に込められた亡き妻や子、養父母への思い、遠く離れた故郷への思いが思い起こされ、落涙。
★8 - コメント(0) - 2016年1月2日

★★★★
★4 - コメント(0) - 2016年1月2日

最高に面白くて読み応えがあって今すぐもう一度読み返したいくらいで、絵と対峙したくなる。時代背景や宗教の教えがしっかり書き込まれることで、等伯の絵に対しての向き合い方やそれぞれの作品に対する思いがより鮮やかなものとなっている。「人の魂は永遠の時間と無限の空間につながっていてそれを写し取れるようにならなければ本物の絵師ではない」という言葉が印象的だった。  
★26 - コメント(0) - 2015年12月11日

松林図屏風を見てみたくなりました
★6 - コメント(0) - 2015年11月24日

傑出した絵師には違いないが、著者が描く等伯はとても人間臭い。。栄達を熱望し、永徳との確執に燃え、自らの身勝手を家人に強いる。謂わば俗物の極みだ。そんな等伯も絵に対する熱情だけは最期まで失わない。その熱情を持っていたからこそ、等伯の名が後世に残ったのだが。絵師等伯、俗物等伯が同時に描かれることで、作品に深みが増している。なるほど名作だ。
★26 - コメント(0) - 2015年11月11日

上巻に続き狩野派との対決、息子の死。絵師としての成功を手にしてなおもその先を望む「すみません。業が深くて」の最後のセリフは亡くなった妻のものとしているが、等伯を表現していると感じました。
★1 - コメント(0) - 2015年10月30日

時代背景や文化を丹念に書き込んでいる分読み進めるのに時間がかかった。どうもこの筆者の描く人物はキャラが立ってないというか、今ひとつ引き込まれない。狩野派との対決あたりは盛り上がったが全体を通して救われない不幸が続く。真面目で硬派な小説だがもっと絵そのものを掘り下げて欲しかった。
★1 - コメント(0) - 2015年10月30日

時代に翻弄されながらも絵師として最期まで誇りを持って生きた等伯も素敵でしたが、 個人的には絵師としての等伯というより、一個人の父として、夫としての想いが読んでいてすごく伝わってきました。不器用な父で不器用な夫としての等伯。でも想いは強く後悔することがあったも決して家族をないがしろにはしなかった等伯…こんな人だからこそ、現在にも残る絵が描けたのだろうと思わずにはいられませんでした。
★51 - コメント(0) - 2015年10月18日

面白かったです. 長谷川等伯、苦労人でした.狩野派との確執を乗り越え一派を立ち上げる.時の権力者に怯えることはあっても、迎合することのない姿勢もカッコ良かったです.その後、ちょっと後悔するところなんかも人間らしくてよかったです.
★4 - コメント(0) - 2015年10月13日

等伯が自分の思ったように突っ走るタイプの人間で、仏画を描いたり説法を聞いたりしている割に荒っぽい風に書かれていて、あまり共感できなかった。が、天才と言われる人は、多分にそうなのかもしれない。 襖絵とか障壁画にはあまり興味がなかったがこれからはもっと真剣に見させていただこうと思う。
★14 - コメント(0) - 2015年10月4日

等伯 〈下〉の 評価:98 感想・レビュー:427
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