形式:単行本
出版社:JTB
大書してあるのには本文では触れぬ。案の定自走写真はカメラマンによるものだった。もっともそれは旅人としての必死の戦略でもある訳だが。世界に冠たる酷税国家日本において道路というのは唯一納税の対価たり得るものだ。加曽利はそれに加えて温泉(無料の露天風呂というのもあるが維持費はどうしてるのか)、ボリューム料理つき安民宿、野宿(「津軽の岩崎村以来の満月だ」という描写が出てくる。テントを張らぬのが彼の旅の特徴だが、よく蚊に襲われないものだ)、神社巡りといった趣向をもち、お得さを満喫する。まさか出会った人の厚意までは計
算に入れてなかろうが。経過の描出を不得手とする文章表現において、100km超の寄り道もサラッとこなし、移動も点的なバイクの旅は適しているのかもしれない。積丹神威岬のウニ丼スペシャルは1500円とのことだが私は高くて北海道でウニ・イクラ丼には手が出なかった。またいくら「6000円という安さ」といっても下関で割烹に入ろうという気は起こらない。「本土最○端」と「日本最○端」はどう違うのだろうか。波照間島の久成崎は「日本最南端」と書いたすぐ次に「さらに南には沖の鳥島」などとどうして当たり前のように書けるのだろう。
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大書してあるのには本文では触れぬ。案の定自走写真はカメラマンによるものだった。もっともそれは旅人としての必死の戦略でもある訳だが。世界に冠たる酷税国家日本において道路というのは唯一納税の対価たり得るものだ。加曽利はそれに加えて温泉(無料の露天風呂というのもあるが維持費はどうしてるのか)、ボリューム料理つき安民宿、野宿(「津軽の岩崎村以来の満月だ」という描写が出てくる。テントを張らぬのが彼の旅の特徴だが、よく蚊に襲われないものだ)、神社巡りといった趣向をもち、お得さを満喫する。まさか出会った人の厚意までは計
算に入れてなかろうが。経過の描出を不得手とする文章表現において、100km超の寄り道もサラッとこなし、移動も点的なバイクの旅は適しているのかもしれない。積丹神威岬のウニ丼スペシャルは1500円とのことだが私は高くて北海道でウニ・イクラ丼には手が出なかった。またいくら「6000円という安さ」といっても下関で割烹に入ろうという気は起こらない。「本土最○端」と「日本最○端」はどう違うのだろうか。波照間島の久成崎は「日本最南端」と書いたすぐ次に「さらに南には沖の鳥島」などとどうして当たり前のように書けるのだろう。