踏みはずし (白水uブックス―海外小説の誘惑)

踏みはずしの感想・レビュー(41)

mm
堀江さんの訳。一分の隙もない行動をする暗殺者。手順も完璧、自分の価値観に揺るぎもない彼に名前はない。まぁいわば、孤独の権化ですね。その彼が、なんで踏み外すのか?は読んでのお楽しみ。完璧な孤独の壁に穴が空いた時、彼のとる行動は?も読んでのお楽しみ。スタイリッシュでキリッとまとまった文の様に思ったけど、原文は19世紀風にダラダラと長〜いやつらしい。風景描写はそんな感じだったけどね。ほんま、10行も一文として続けるのはやめてほしいわ。
★15 - コメント(0) - 2016年1月22日

堀江氏の訳だったので手に取った一冊。ストーリーは論理的だが複雑でなく、映画のワンシーンだけをみているようだった。殺し屋の主人公はクールで客観的だが饒舌だ。しかし物語の核となる部分は隠され読者にゆだねられる。こういう手法は好みだ。「踏みはずし」とは複層的でシンボリックなタイトル。
★1 - コメント(0) - 2015年8月30日

ミシェル・リオは初読。しかもこれまで全く知らなかった作家。訳者の堀江敏幸のラインから辿り着いたが、そうでなければ、おそらくは知らないままだっただろう。本書は本国のフランスではミステリーに分類されているようだ。たしかにそうなのだが、ミステリー・ファンには不満が残るかもしれない。なぜなら、謎が謎のままで残るからだ。読後の印象は、カミュの『異邦人』に似ているか。ただし、『異邦人』のムルソーが徹頭徹尾クールな無関心を貫くのに対して、本書の主人公の男(名前はない)の内面には、不合理な愛の渇望が秘められているのだが。
★188 - コメント(1) - 2015年1月24日

1991年初出。 「部屋の北西の角には、書棚を背にして、 どっしりと座り心地のよさそうな皮の肘掛け椅子 が来客用に置かれていたが、 すぐそのわきに丈の高いフロアースタンドがあることから見ると、 読書にも使われているようだった」(7頁)。 そんな書斎があればいいが。 ポール・ヴェーヌの『歴史をどう書くか』を開いた。 栞をはさんでおいた、終わりから数十頁のところだ(71頁)。 その本をいつか探してみたい。
★14 - コメント(1) - 2014年4月6日

哲学的な犯罪小説といった趣きの小説。殺し屋が主人公でたくさんの人が殺されるのだが、静かな雰囲気が漂っている。殺し屋が自分が殺したジャーナリストの妻の子供に見せる優しさが、殺伐とした物語全体と鋭いコントラストを作り出しているところが面白い。感傷を排して、客観描写に徹するところはヘミングウェイやハメットに似ているが、翻訳ではその文章の良さが完全に伝わっていない気がした。
★80 - コメント(0) - 2014年1月5日

いいねこれ。淡々と状況が進む筆致はモノローグやBGMのない映画を見ているかのよう。
★2 - コメント(0) - 2013年11月23日

分量が少ないので手にしてみた。原著は1991年出版。主人公はハードボイルドで、完璧な暗殺者だったが、依頼を受けてある正義のジャーナリストを殺し、雇い人の大富豪も殺し、ジャーナリストの奥さんを犯して寝取ったまでは良かったものの、その娘の幼い少女との交流から、優しさのようなものに気づき、暗殺者である自分はその優しさには浸る資格がないとばかりに最後は自殺してしまう。これだけ見るとあっけないけれど、まさしくそれが「踏みはずし」ということでもあるのだろう。踏み外してみればあっけなく見えるのである。
★4 - コメント(0) - 2013年11月20日

1冊の歴史書のために書かれたかのような知的な小説。主人公の行動は歴史書の正しさを証明するのか。それとも書名が示すとおり反証になるのか。
★5 - コメント(0) - 2013年10月1日

はじめてのミシェル・リオ。堀江敏幸翻訳なので読んでみました。中身は非常に硬質なノワールで、徹底的に非ウェットなところが良いです。いかにもフランスのミステリ系文学といった感じ。
★2 - コメント(0) - 2013年9月28日

仏文としては読みやすい方だと思うし、分り易い。そして相変わらず、とても心地いい。堀江敏幸さんらしいところもありつつ、翻訳文学らしい良さ、みたいなものがしっかり残されているのが、訳者さんのミシェルリオへの敬意だと思う。原語版で読めるほど仏語に明るくないのだけれど、ぜひもっと勉強したくなります
★3 - コメント(0) - 2013年6月5日

冒頭から7ページほど、ある男の動作と状況判断が、延々と改行なしで描かれる。フランス語独特の文の続けかたに、緊迫した状況が重ねられるので、張りつめた一触即発の状況が鮮やか。主人公の持つストイックなポリシーと、狙った人物との対話は、ル・クレジオなんかを読んでいるときに感じる、相手の自我に食い込む鋭さがある。「踏みはずし」については、普通のミステリーならフレイバーのひとつで、さほど問題は大きくないのかもしれないのだが…結末は予想できたように思うけれど、何が「踏みはずし」なのかは、考えが分かれるかもしれない。
★4 - コメント(0) - 2012年11月18日

唖然として、唖然としたまま読み終えた稀有な体験でした。
★3 - コメント(0) - 2012年9月10日

話はともかく、村の寂れた小屋を借りて日用品を調達してきてとりあえずの生活を始めるところの妙なリアルさがとっても気に入りました。 こういう身軽さ、憧れです。
★2 - コメント(0) - 2009年12月7日

今読んでいるみんな最新5件(5)

10/02:チーキー
09/06:まいる
09/28:rabbitrun

積読中のみんな最新5件(9)

03/12:dame
04/29:マリカ
12/31:ましろ

読みたいと思ったみんな最新5件(30)

02/13:pepe1990
03/12:kuriko
01/22:natsuko
03/13:eclectically
踏みはずしの 評価:63 感想・レビュー:13
ログイン新規登録(無料)