貴婦人と一角獣 (白水Uブックス181)

貴婦人と一角獣の感想・レビュー(78)

NAO
貴婦人と一角獣をモチーフにした六枚のタペストリーから紡ぎだされた、色鮮やかな物語。ユニコーンと貴婦人というどこまでの聖なる素材をデザインした絵師ニコラをどうしようもない女たらしとして設定したのは作者の皮肉か。ニコラを縦糸に、彼に関わる抑圧された女性たちを横糸に、話もまたタペストリーと同じようにドラマティックに仕上がっていく。女性たちの生活は、哀しく、強く、美しい。
★51 - コメント(0) - 2016年9月3日

「貴婦人と一角獣」のタピストリーをモチーフにした小説。絵師や職人が多く登場し、当事の風俗なども丁寧に書かれて面白い。ベルギー・ブリュッセルで、当時どのようにタピストリー(ゴブラン織?)が織られたのか、と言う下りが一番興味深かった。
★1 - コメント(0) - 2016年2月22日

「貴婦人と一角獣」展に実物を見に行ったので、興味深く読めた。貴婦人のモデルになった四人の女性と、タピストリーに関わった人達が次々に語り手になって語っていく構成。アリエノールは幸せになれそうでよかった。フィリップは、アリエノールを大事にすると思う。クロードはなー、最後に書かれていたその後の状況を見ても、幸せにはなれなかったような気もする。リアルな歴史に詳しいわけではないけれど、歴史的な背景を舞台にしたものは好きだから楽しく読めた。
★3 - コメント(0) - 2016年1月6日

15世紀末のフランスを舞台に、実在する美術品の創作に関わった者たちの人生模様が展開される。視点人物をリレーしながら心理の機微を丹念に描き物語を織り上げていく構成が、強いリーダビリティでページを繰らせていく。高尚そうな内容と翻訳物であることを考え合わせ、多少気合いを入れて臨んだのだけれど、やけにとっつきやすい面白さのある一冊だった。
★15 - コメント(0) - 2015年11月3日

有名なタピストリーをモチーフにした小説があると知り購入。すいすいと読み進められる。職人たちの情熱、技術は圧倒される。何事も自由にならない女性たちの運命には辛さもあるが、とにかくアリエノールは幸せになったようで良かった。フィリップが夫としてはこの話の中で一番いい男なのでは。タピストリー制作部分は興味深いが、恋愛部分では女性の周りをふらふら飛び回るニコラにちょっと鼻白む。責任もとらず未婚の娘との間に何人子ども作るんだと思ってしまうのは現代の感覚で読んでしまうせいか。結局妻との間にできなかったのは皮肉だなあ。
★10 - コメント(0) - 2015年10月15日

h K
昨年、大阪の国立国際美術館で貴婦人と一角獣のタピストリーを見た。あまりに素晴らしい展覧会だったので二回も足を運んだのを覚えている。そういえば、10年以上前に元来の所蔵先であるパリのクリュニー美術館で同じ作品を見たが、大阪で見た時の方が感動した。貴婦人の高貴さに少しは近づけるほどに成長できたからだろうか。
★1 - コメント(0) - 2015年8月25日

アリエノール一人称の描写が非常に好き。それぞれの人生とタピストリーの絡み合い、決してハッピーエンドではないが、それぞれの生の充足を感じることができた。タピストリーとともに非常に味わい深いファンタジー。
★1 - コメント(0) - 2015年3月1日

盲目アリエノールという設定や彼女の花園の千花文の件は興味深く読んだが、登場人物全員が同じような軽々しい調子で語っていくのに違和感を覚えつつ読了。身分の高い貴族の、しかも未婚の娘がテーブルの下にもぐり(!)絵師ごときニコラと2人きりなど、あり得ない設定に少々萎え、下品さが若干鼻についたが、日の光だけを頼りにタピスリー制作をする時代の職人が大変なのはよく分かった。クリュニー美術館の、まだ見ぬ美しいタピスリーに思いを馳せて、今度はG.Sandがタピスリーについて触れている『Jeanne』を読んでみたい。
★23 - コメント(3) - 2014年6月27日

五枚のタピスリーを美術館で見た時、込められた強い思いを感じてならなかった。その興奮がさめぬ内に、この本の存在を知った。アリエノールはきっと幸せになったのだろう。だが、クロードは?我が唯一の望み、それは一人一人違い、叶うわけでもない。あの強い思いは、女の願いでもあったのか。読書を終えて、少しだけ謎が解けた気がした。
★3 - コメント(0) - 2014年5月5日

昨年の大阪展に行きそびれたのでこちらで補完。カラーの図版がついてるのが良いですね。 物語は複数の登場人物の一人称が変わるがわる登場しますが、人数も少ないので混乱することなく読めました。 パリとブリュッセルを舞台に、華やかな貴族達の生活とタピスリーの制作を堪能しました。 クリスティーヌが長年の希望・タピスリーを織る事を実現させていくのが素敵でした。娘のアリエノールのしたたかともいえる力強さも好きです。
★1 - コメント(0) - 2014年4月21日

タペストリー「貴婦人と一角獣」はいかにして出来上がったのか。アリエノールとフィリップの二人が幸せになったようでよかった……。
★1 - コメント(0) - 2014年1月20日

この一角獣を見たくて、パリでクリュニュー美術館を訪ねたことを思い出す。このタピスリーの何が気になってどうしても見たかったのか、今では覚えていないが、こんな製作秘話が本当にあったかもしれないという、いわゆる戦場もののタピスリーにはない物語性を想像してしまう力を感じていたんだと思う。そして今秋大阪で再会。一角獣だけでもない、貴婦人だけでもない、ミルフルールの花たちのようにタピスリーを彩る人間模様。素敵な小説に出会えたことを喜びたい。
★4 - コメント(0) - 2013年11月15日

原田さんの『ユニコーン』は タピスリーがブサック城に渡った以降のお話でしたが、こちらはタピスリー製作に関わった人々の物語でした。 タピスリーの原画を描いた絵師、貴婦人のモデル4人、織物工房の職人一家たちが順番に 一人称で物語を紡いでいきます。 図案のこと、織る課程、この時代の女性の立場など様々なことが語られとても面白かったです。 意外と性的な描写も多くて、ちょっとびっくり。 依然として“我が唯一の望み”は謎のまま残されており どんなドラマが待っているかは→ 続き
★18 - コメント(1) - 2013年11月5日

- コメント(0) - 2013年10月17日

大阪へ「貴婦人と一角獣展」を見に行くお供に。タピスリーを目の前にした時の感動は忘れられない!感動のひとつは、これを織り上げだ500年前の技術と労力の凄まじさを想って。この小説にも、それがよく出てた。正直、訳語には普段なじみのない言い回しがいくつかあって首をかしげながらだったし、どうもどの人物ものっぺりした印象で一人称なのに時々確かめないと誰が話してるか忘れちゃうことがあったけど、アリエノールの庭と、フィリップの求婚が、鮮やか。再読は無いけど、読むべきタイミングで読めてよかった。
★5 - コメント(2) - 2013年8月25日

大阪展を前に読了。 参考程度にとの感覚で購入したが、物語としても面白く、かなり楽しめた。 中世の貴族社会。タピスリー制作秘話とともに繰り広げられる、そこにまつわる人たちの人間模様。家督、結婚、階級など様々な障壁がありつつも、惹かれ合う若者たち。嫁入り、世継ぎの問題に苦悩する母たち。そして、制作現場。どれも人間味があって興味深い。なかでも、アリエノールはとても魅力的。 製作過程で出会った美女に、作品の貴婦人が似すぎてしまう。そんな数奇な現象も有りか。 「あの方がお目当てね。それには早すぎたかしら」
★23 - コメント(6) - 2013年8月19日

とても面白く読んだ。大阪展に行くのが楽しみ!
★3 - コメント(0) - 2013年7月26日

父や夫の思惑だけで、どこにでも転がされる女たち哀れ。で、あるはずなのに、抑えつけられた女たちはただで押さえつけられてはいない。それに比べれば、男たちの単細胞ぶりは笑える。舞台を浚うピエロのような伊達男。読みながら何度も眺めた図版。最後に、そういう見方もあったのか、と唸る。
★9 - コメント(0) - 2013年7月23日

★★ タピスリー「貴婦人と一角獣」にまつわる、依頼主家族と、絵師と、織師達の思惑が絡み合い、織り成す物語。現存する、謎めいた暗喩を感じさせる6連のタピスリーが、如何にしてあのような図案で完成するに至ったのかを、想像力豊かに描いている。登場人物達の言動を通して、当時の階級社会の壁やしきたり、生活ぶりも目の当たりに出来るようだったが、話自体は取り立てて大きな山場も無く展開し、結末も現実的過ぎたのが少々物足りなく感じた。現実では決して越えられない壁も、想像の上でならば・・・それが、物語に求める「我が唯一の望み」
★50 - コメント(5) - 2013年7月17日

恋多き絵師ニコラを取り巻く6人の女性達。色とりどりの糸、貴婦人と一角獣の物語が複雑に絡み合って6つのタペスリーを織りなす。貴婦人の顔が違うことを切り口にトレイシー・シュヴァリエがタペスリーをカンヴァスに見立て独自の色を描く。複雑な恋愛関係。抑圧された女性の生き方。切なくて哀しい。けれど以前より強くなった彼女達。なんだかニコラも憎めない。その後の人生のただ一つの望みに繋がったと願いたい。アリエノールの繊細さが好き。織師ジョルジュ達の偉業を胸に貴婦人と一角獣に会いに行く♪マハさん目線の貴婦人と一角獣も楽しみ♪
★23 - コメント(14) - 2013年7月9日

タピスリー「貴婦人と一角獣」にインスパイアされた小説。読んでてこんなにワクワクしたのは久しぶり!綴られた貴婦人たちが生き生きと動きだすような、タピスリーを鑑賞する目をガラリと変えてくれるような面白い物語だった。絵師ニコラの素晴らしい図案に突き動かされていく人間たちがなんともいい。「貴婦人と一角獣」を鑑賞する前に読めてよかった。トレイシー・シュヴァリエは美術の新しい楽しみ方を発掘してくれたな。「真珠の耳飾りの少女」もこれから読みたい。
★7 - コメント(1) - 2013年7月5日

今ならこの物語の題材となっている貴婦人と一角獣のタピスリーを日本で鑑賞できる(2013年10月まで)ので、現物を肌で感じてから読むのが一番ではないでしょうか。肝心の内容ですが、一角獣から連想してしまう幻想的なロマンスを期待すると、間違いなく肩透かしを食います。出てくる人物はみな、ユニコーンがいたら蹴飛ばされるか角を刺されるような人たちばかり。しかし貴婦人と一角獣の製作に携わった人々の視点で物語が綴られていく様はまさにタピスリー。架空のお話ですが、実際はこんな感じだったのかな。と思わせる現実味があります。
★20 - コメント(2) - 2013年6月30日

タペストリーの製作過程がじっくり書き込まれていて、勉強になった
★3 - コメント(0) - 2013年6月25日

昔、大学で染織史を取ってたので、この「貴婦人と一角獣」と「アンジェの黙示録」がタピストリー史で大変重要な作品だと知っていた。しかし、このあと、下絵にラファエロのものが使用されることになり、タピストリーの歴史は大きく変わる。とまぁ、歴史的背景はこれぐらいにして。う~~ん、読んだときから、最後はどうなるか、一発で分かってしまう。「わが唯一の望み」とは何か?というのは、現代におけるこの作品の謎なのだが、作者もそれも上手く処理している。(多少、下品だが。)昔の女性の結婚とは不自由なものだな、と少ししんみりする。
★8 - コメント(1) - 2013年6月23日

「貴婦人と一角獣」は、中世芸術の最高峰のひとつだ。この六枚のタピスリーは、絵画であり、織物である。一人の手によって産み出されたものではない。この物語は、この作品の創造の過程で生まれた様々な人間模様を想像力豊かに描いている。尊大な貴族。野心的な画家。愛を求める女性たち。誇り高き職人。洋の東西を問わず、芸術作品は人間の様々な感情のほとばしりとして産み出され、今は作品のみを残す。人はそこに物語を見出し、中世に生きた人間たちをよみがえらせる。 <私のただひとつの望みに>。美しい言葉。その意味は謎のままでよいのだ。
★17 - コメント(1) - 2013年6月20日

面白かった!「貴婦人と一角獣」展は中世美術の見方がわからない私は楽しめないんじゃないかという気がしてたのだが、今作を読んだ今、すぐに現物を見て「ありえたかもしれない、名も残らぬ芸術家・職人たちの物語」に思いを馳せたい。今ならこの小説で獲得した視点でタピスリーの色の取り合わせや図案の意図や人の表情を「読める」気がする!愛すべきクズなプレイボーイの絵描きニコラを中心に、人々の諦めと希望と哀しみと歓びがタピスリーに織り上げられるさまにひたすらわくわく。盲目のアリエノールとその母クリスティーヌのパートが特に好き。
★9 - コメント(2) - 2013年6月19日

国立新美術館で本物を見て、いろいろな意味で違和感を感じていたところ、蔦屋書店でふと見つけて、何となく運命的な出会いを感じて読んだ作品。これが意外と面白かった。好色な絵師と、それぞれに閉塞感を感じていた貴婦人たち。一角獣はその解放の象徴だったのかもしれない。たしかに6枚のタピスリーに描かれた貴婦人は同一人物ではなく、五感という後から取ってつけたようなテーマにも疑問を感じていたけれど、こうしてさまざまな物語が織り込まれて作られたと考えると、また面白い。これを題材にした原田マハさんの新作も楽しみである。
★8 - コメント(9) - 2013年6月16日

これを読んでから実物をと思っていたので、これでやっと見に行ける~。こんなことがあったかもしれないと思いながら展覧会を見たらきっと楽しいと思うの。
★1 - コメント(0) - 2013年6月13日

展覧会で実物を見た興奮も冷めやらぬまま読了。『芸術新潮』を傍らに。創作ではあるのだけれど、こんなことが本当にあったかもしれない、と思わせる説得力のある設定とストーリー。展覧会での女性の説明に違和感を覚えていたので、本書の、それぞれのタピスリーに別々のモデルがいるという設定に納得。タピスリーの出来上がる過程が詳しく語られているのもよかった。とにかく、あのタピスリーの迫力に圧倒された方はぜひ。それにしても、uブックスで出してくれてありがとう、白水社さん。単行本だったら買わなかったかも。
★3 - コメント(0) - 2013年6月9日

☆☆☆
- コメント(0) - 2013年6月6日

パリの貴族がタピスリーを発注するところから物語は始まる。パリとブリュッセルを往復しながら貴族、絵師、織工など7人の視点で交互に語られ、5枚のタピスリーに人々の想いと愛が織り込まれてゆく。視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚に訴えかける描写。薄荷の匂い、花の香り、ビール、ザラザラした糸の手触り。〈我が唯一の望み〉は何か。工房の様子は画家の工房をも想像させる。下絵の絵師のモデルはもしかしてラファエロ?口絵の写真と往復しつつ読む。実物を前にした時、誰と同じ想いを抱くのだろう。一角獣ってどんな動物か知ってるかい?
★25 - コメント(2) - 2013年5月29日

面白かった。タピスリーの下絵を依頼された絵師のニコラ。貴族の娘と機屋の娘がこの節操のない男にかかずらうことになるのだけれど、娘たちの家を背負う窮屈な恋より、同じように思い通りに生きられない母親たちの姿に気持ちが添う。タピスリーならではの出来栄えのために加えられる動物や花々、肖像に取り入れられる女たちのイメージと、何度も口絵を見返したくなり、だんだん口絵では物足りなくなってくる。タピスリーから想起された物語ではあるけれど、本当にこんな風に織られたのだったらと織られた時代に想像が飛び、絵の見方も膨らむ。
★17 - コメント(0) - 2013年5月27日

貴婦人と一角獣のタペストリーの背後に男と女の人間模様を描き出すというスタイルは同じ著者の「真珠の耳飾りの少女」と同じですね。
★1 - コメント(0) - 2013年3月31日

六枚の連作タピスリー(綴れ織り)からなる、中世美術の最高傑作。現在はフランス政府が購入・修復し、クリュニー美術館(現在の国立中世美術館)の特別室に掛けられている。本書は、世界で200万部を超えたベストセラーとなり、映画化もされた『真珠の耳飾りの少女』の人気作家が、謎に包まれたタピスリー誕生の過程を経糸に、貴婦人らにふりかかる事件を緯糸に、愛の物語を織りあげた長編。タピスリー、そしてニコラがもたらす変化によって、女性たちの平坦な日々は波立ち、そしてタピスリーの完成とともに、新しい一歩を踏み出す。
★14 - コメント(0) - 2007年3月16日

パリのクリュニューでタペストリーを見て、感激して読んだ本。手放してしまったので再読しようかな。
★1 - コメント(0) - 2004年11月9日

個人的に大好きなタピスリー「貴婦人と一角獣」を題材にした、大好きな小説。女たらしの絵描きニコラを縦糸に、貴族やその侍女、商家の女性たちを横糸に、想像力逞しく織り上げられた物語。出てくる女性たちは皆、社会的・身体的不自由をそれぞれに抱えていて、それを乗り越えるよりは受け入れて生きていこうとする姿が美しい。ある種の諦念を伴った自信というのがすごく良いのです。
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