紙の民

紙の民の感想・レビュー(337)

物語の登場人物たちが自分たちの物語が作者によって決められ、語られること、常に観察されていることに気づき作者に対して仕掛ける戦争が、文章のレイアウトによっても表現される斬新さ。みんな何かしら悲しみを抱えている。「ここでこの人によってこう語られている意味は?」という部分が多くあったので、登場人物も個性豊かで混沌としたこの小説世界をまだまだ味わいきれていないような気がする。
★2 - コメント(0) - 3月10日

マジックリアリズム+メタフィクション+実験小説。これでもかとてんこ盛りの設定と、どばどば出てくる登場人物と、読んでるものを混乱させるレイアウト。うーん正直お腹いっぱいです…。というか、(まだ二作くらいしかそれらしいものを読んでないんだけど)いわゆる「マジックリアリズム」ってヤツが、どうも自分は苦手かもしれない。その奇想をあんまり楽しむことができない人間なのかも…。冒頭の三語ですごい期待していたので、ちょっと期待外れ感がありました。残念。
★5 - コメント(0) - 3月9日

おもしろかったー。もっと早く読めばよかったわー。全知の語り手と「悲しみの商品化」に対する抵抗を描いたメタフィクション。後者は読み手も巻き込むよね。レイアウトも含めて堪能しました!
★7 - コメント(1) - 2月23日

面白かった。全知の語りに対する戦争、悲しみの商品化に対する戦争
★1 - コメント(0) - 1月30日

土星(作者)との戦争というスケールの大きい設定と比べて、登場人物が延々と失恋の傷心に悩んでるしょぼい感じがおもしろい。人間ってそんなものだよなぁ。
★9 - コメント(0) - 2016年11月15日

支離滅裂 私の頭では全く理解できませんでした。 本屋大賞に選んだ人って見栄っ張りじゃないですか。 本当に売りたい本でしたか?
- コメント(0) - 2016年11月9日

奇抜な構成や年代記的な書きっぷりなど、色々と気負いすぎてる感があって、『百年の孤独』ファンの書いた同人誌のよう。とはいえ本家と違うのは、結局これが女の子に逃げられた男のうじうじ話であるところで、中盤以降そのへんの感情がダダ漏れになって構成を混ぜっ返していくところが面白い。物語の人々もまた作者たる存在の苦悩を引き継がざるを得ないというあたりに、もっとメタフィクション的考察があると嬉しかったんですが、それを語り得るベビー・ノストラダムスが思考を隠してしまうので、そこは読み手で補っておきますね。
★9 - コメント(0) - 2016年10月28日

これほど「紙」として存在することに意味がある書物も珍しい。太陽系天体図をかたどったミニマムな図像に淡い水色の背景、そして銀紙でなぞられた土星と「紙の民」の文字。素晴らしく洗練された表紙だ。加えて、三段・四段組みに黒塗り、更には薄れる文字とあらゆるところに仕掛けられた奇抜なデザイン。それらは文字の電子情報化が進む世界で作者(と訳者)がとった極めてユニークな戦略。紙の民たちが悲しみの沼で泥仕合を繰り広げるような物語も、紙へのフェティッシュな愛情に支えられている。是非購入して手元に置いておきたい一冊。
★10 - コメント(0) - 2016年10月25日

図書館本。レイアウトが凄い。黒い塗りつぶし、3段組、空白、逆向きなど。訳者あとがきにある、百年の孤独を愛読していたというのは、なんか納得した。
★2 - コメント(0) - 2016年9月25日

ksh
百年の孤独を読み耽ったという作者が編み出した物語はそれとは別種の深い孤独感に包まれている。喪失の悲しみは癒えることは決してないのだろうか。そこかしこにマジカルな表現、存在が現れるがそれもこれも悲しき愛の物語に添えられた花のように切なく咲いている。読んでいてこんなに悲痛な気持ちになったのは初めてだ。紙の民は極上のエンターテイメントであり、最も悲しい愛の物語のひとつだと思う。
★7 - コメント(0) - 2016年9月22日

こんなぶっ飛んだ小説初めてだ(苦笑)。ちょっと百年の孤独っぽいなあと思いながら読んでたけど、やっぱり作者は百年の孤独を相当読み込んでいたようだ。
★23 - コメント(0) - 2016年9月4日

フェデリコ・ド・ラ・フェの人物像にとらわれてしまって迷子になった。そう、大切なのはプロローグ、それを念頭に。そして、土星を土星だと思っていると、あれっ、土星が電話をかけている。なぜ…? わかってくるとタイトルの意味が響いてくる。間違いなくこれはピンチョンの系譜。SFを超えたフィクション。訳した藤井光氏は賞賛すべきだが、奇抜さを凌ぐ名作かは疑問符が付くところ。リトル・メルセドのパートがとても切なく、読んでいて一番好きだった。
★120 - コメント(3) - 2016年9月1日

今まで読んできた本の中でも最も変わった本の一つ。最初は主人公達が具体的にどの様にして土星と戦っているのか、とか紙でできた女性ってどういう事?とか、というかどういう世界観なのかが全く掴めなくて凄い戸惑いました。全部が理解できたとは思いませんが最後まで読んで何となく不思議な達成感はあった。
★7 - コメント(0) - 2016年7月25日

これほどまでに可笑しくて悲しいメタフィクションが他にあるだろうか? 最高。
★3 - コメント(0) - 2016年7月20日

SHO
すごいもん読んだ
★1 - コメント(0) - 2016年5月22日

mii
荒唐無稽でぶっ飛んでいてやたらとスケールがでかい、だけど結局のところセンチメンタルでメランコリックな男たちの愛と喪失の物語。既成概念を覆すさまざまな仕掛けや遊びは、ふざけているようで決して物語の破綻は招いていない。失った恋をいつまでもずるずるとひきずる男たちは、とにかく情けなく女々しいけれど、どこか憎めない。絶妙のバランス感覚。愛おしく、そしてとても愉快な小説でした。
- コメント(0) - 2016年5月8日

感覚を刺激する趣向を凝らした不思議な本。他でも仕掛けものは読んだことはあるけれど、文字が段々薄くなっていくのは驚いた。本を作るのが大変そう。情けなく、切ない、愛に苦悩する人々の自由を獲得する戦いといった内容。本全体で感じる変わった面白い試みだと思う。
★17 - コメント(0) - 2016年4月29日

作家、土星が紡ぎ出した物語。ところがある日、「こんな運命を一方的に紡がれるなんて不当だ!」と一人の父が立ち上がったことで登場人物達が反乱を起こすようになる。しかし、創造主を否定することによって彼らの存在は不確定になってしまう。創造主=神に抗う登場人物たちの運命や如何に!?登場人物が惑星の名に因んだ名前であることや神=作家というメタ視点から思考を隠す術を唯一、利用していた赤ん坊の名がリトル・ノストラダムスというのが意味深。そしてこの物語に出てくる男共は皆、女に執着して情けないのですがご愛嬌に見えてくる不思議
★45 - コメント(1) - 2016年2月1日

『百年の孤独』を三年間読み続けたというだけあって、そこかしこにマルケスフォローの痕跡が残されている。が、処女作にして本家を越えんと画策し、自身の持てる全てをぶち込んだ意欲作ーーもとい抜き身の作品ーーは、本書、サルバドール・プラセンシアの『紙の民』をおいて他にないのではないか。それほどの傑作である。書きたいことは山ほどある。ひとつひとつのエピソードと仕掛けに、おどろき、あきれるとともに、情けなくて涙が出る。こんな小説、愛せずにはいられない。とはいえ本書は、事前情報皆無の、全き白紙状態で読むのがやはりベスト。
★31 - コメント(1) - 2016年1月11日

かなり読むのに苦労した…。面白くないわけではないけど、楽しみどころが分からないと言うか。う~ん、摩訶不思議な話。
★4 - コメント(0) - 2016年1月9日

紙でできた人間っていう着想はよかったけど、う〜ん。なんだかな。全部真似っこって感じが否めない。ガルシア・マルケスの、カート・ヴォネガットの、レイアウトはまんま『紙葉の家』の。
★15 - コメント(0) - 2015年12月23日

読んだ後の私は読む前の私には戻れない、かなり強烈な読書体験。元々私は、文の一部を太文字にして強調するようなことはあまり好きではないのだけど、この作品はそんなレベルではない。でも手法が見事に内容と合っており、文章の内容から脳内で映像を構成するのと同時に、文章の見た目という画像が入って来て、自分自身がより物語の中に入っていくような…表現するのは難しいけれど、今までにない読書だったのは確か。しかも、小説の中の小説と内包する小説との境が曖昧で、次第に小説とこちらの現実との境界も揺らぎ出す。恐ろしい作品だ。
★3 - コメント(0) - 2015年12月15日

繊細で美しいプロローグで幕があがるのは「作者=土星=プラセンシアと、作中人物たちによる戦争」の物語。ガルシア・マルケス・ミーツ・ブローティガン?いやいやこれはヴォネガット、もしくはかつての高橋源一郎でしょう。少なくともマジックリアリズムの文脈ではなくメタフィクション、アヴァンポップのカテゴリーで語られる作品だと思う。だが傑作への期待がぷんぷん充溢する序盤から物語は失速し、完全に竜頭蛇尾に終わってしまった。ナラティブとタイポグラフィその他のバランスがうまくいってなかったのがその一因かもしれない。
★8 - コメント(0) - 2015年12月5日

ぶつ切りな記述で物語のなかになかなか入っていけない、シナリオを読まされているような印象があった。一方で、作られたはずの物語が積極的に現実世界に介入してくる感覚もあった。 「すべてが弱体化する。僕はもうコントロールできない。物語は脱線する。小説の展開はそいつのせいで変わってしまった」p.136
★4 - コメント(0) - 2015年11月8日

ガルシアマルケスの「百年の孤独」を3年繰返し読み続けた文学青年のデビュー作。慣れない文体に最初苦労したが、独創的なのは文章と構成だけではなくレイアウトにも驚かされた。内容もそうだが本自体が紙への挑戦で、これは電子書籍化は不可能ではないのか。この小説を貫くテーマのひとつは愛の喪失の悲しみ。それも痛い程に。痛みは紙の世界で入り混じり、想像力は飛躍し続ける。一冊目からこんな凄いものを生み出したら今後どのような事になるのだろう。奇妙奇天烈なイメージの具体化と、悲しみを商品化した実験的物語。
★7 - コメント(0) - 2015年2月21日

奇想天外過ぎてついて行けない。
- コメント(0) - 2015年2月7日

作者=土星と、登場人物との「戦争」を描く。レイアウトは清潔感があり格好良いのに、いつまでも過去の女に執着する土星の姿が湿っぽく、気怠さすら感じさせる。この作品の全てが言うならば作者の遊びだ。ともすると自己満足のための。それに付き合うかどうかは読者次第。
★4 - コメント(0) - 2014年9月2日

ぬぅ、前半はとても面白く読んだのだが・・・特に、比喩表現の豊かさ、メタファも現実(?)もごちゃまぜにして平気な顔をしているところなんかはさすがのラテンアメリカだなっと感心したのだが・・・「土星」が本格的に登場したことで興ざめしてしまった私は、おそらくメタなものを読んではならない人間なのだろう。登場人物やイラストはみんなかわいかったんですけど。あー、なんか論理と道徳でごり押ししてくる寒いところの小説が読みたくなった。
★8 - コメント(0) - 2014年8月3日

物語自体を楽しみつつ、途中から、その真相を探りながら読むのも楽しかったです。そうして伝わってくる内容には切なくなりました。明確な対象がいるのでのんびり構えて読んでいたら、不意打ち食らってどきっとしました。
★7 - コメント(0) - 2014年6月23日

これは実に素敵な小説でした。素晴らしい。そして大変に好みです。体裁やタイポグラフィ(と、言っていいのかどうか……)、メタ的な構造も良いのだけれど、描かれる「愛の喪失の悲しみ」が何よりも胸を打つ。たまらない。
★4 - コメント(0) - 2014年6月16日

こんな読書もたまにはありかな。読めない箇所や回さないと読めなかったりと移動中に読むには大変苦労した。
★4 - コメント(0) - 2014年5月16日

プロローグを読んで面白いと思ったけど、キリスト教社会の通念とか感覚とかが分からないのでイマイチ理解できない所とか、登場人物のまだるっこしい話とか、最後迄読むのが中々大変でした。
★1 - コメント(0) - 2014年5月12日

自分たちは土星(作者)に運命を決められた物語の一部だと気づいた男が、対土星戦争を仕掛ける話……と書くとものすごく変に聞こえるけど非常に変な話だった。内容も本文レイアウトも。読めば分かる、読まないと分からない。
★2 - コメント(0) - 2014年5月5日

え、本当にコレ最近の小説なんだっけ?と途中で何度も奥付や解説確認しちゃうほどのザ・ポストモダン小説だった。面白かったけど、今さら正当なポストモダンって…と面食らった。でも、面白かった。
★2 - コメント(0) - 2014年2月3日

これはすごい!いわゆるポストモダン文学。そしてとことんメタ文学。とにかく面白く、夢中になって読みました。本屋で見かけたらパラパラ捲ってみて下さい。興味そそられること間違いなしです。
★16 - コメント(0) - 2013年10月29日

変だ変だというから読んでみました。メタ作品、レイアウト芸は今更珍しくはない。『百年の孤独』の名前がチラつくが、あのエンタメ性を継承してるわけではない。いつ面白くなるのか楽しみに最後まで読んだらついぞ仕舞いまで面白くなかったという、いつもの読書体験。芸術なのでしょう。
★3 - コメント(0) - 2013年9月12日

不思議な本。後半は文章の配置もめちゃくちゃになり、本を回転させながら読む場面もある。 普通ならフザてる?と投げてしまいそうな構成なのに、その配置がストーリーと合わさって不思議な世界を演出している。 たまにはこういった前衛的な本を読んでみるのも楽しい。
★3 - コメント(0) - 2013年9月6日

読んで最初に思ったのが、懐かしい。かつて流行った「前衛」を、素直に継承したテクストだった。その意味では目新しさはなかったが、物語全体にはそこはかとない悲しさと優しさが漂っていて、ぐっとくる。
★4 - コメント(0) - 2013年9月4日

紙の民の 評価:72 感想・レビュー:147
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