通話 (EXLIBRIS)

通話の感想・レビュー(333)

文学重奏曲のような次から次に特異な、感情的な人物が出てきては別れて、また再会していく。短編集だが丹念に読むとすごく意味が深い。映画を見ているような綿密な描写であり、すぐ次の段落では違う人物が、違う話題に傾倒している。改行なく、早回しの展開で二頁の間に男が五・六人出てはセックス結婚離婚、消えてまた戻ってくる。読み飛ばしたくなるが、書き写したくなるユーモラスな文章。「まずボトルを空けよう、それから心の内を空けよう」「若者であることをやめ、夢の終わりを受け入れ始めた僕たちを忠実に映し出す鏡のような手紙だった」
★11 - コメント(0) - 2016年11月13日

センシニ芋虫刑事たち
- コメント(0) - 2016年9月23日

わりと読みやすく、一部二部は興味深く面白かった。女性がテーマの三部は少し飽きた感じがしました。スペイン語系小説家についてはほとんど知らないけど、彼らの生活を描いた短編などはなかなか他では読めないのではないでしょうか。全体的に実話だったり現実のモデルがいるのかな?と思わせるものもが多かったです。機会があれば別の作品も読んでみたいです。
★60 - コメント(0) - 2016年9月19日

全体的にジメジメしてない悲しみが漂っていた…ような気がする。「センシニ」と「芋虫」が特に好みだった。
★5 - コメント(0) - 2016年6月18日

現代ラテンアメリカ文学の旗手(といっても、亡くなっていますが)に、今更ながら手を出した。チリ出身、メキシコ育ち、ヨーロッパを放浪という、うらやましい経験をベースに、自伝的要素も多分に盛り込んだ短編のほとんどは、二流と三流の間の作家・詩人が主人公。特に、冒頭の「センシニ」は、文学界の最末端で生きた亡命作家の悲哀が絶妙な距離感で表現されていて見事。再読、熟読を促す作家だ。
★2 - コメント(0) - 2016年6月17日

「センシニ」や「ジョアンナ・シルヴェストリ」のような出色の作品もあるが、全体としてみると、メリハリのない話が多くやや退屈だった。ボラーニョの仕掛けに気付かない雑な読み方をしてしまった可能性は否定できないのだが・・・
★4 - コメント(0) - 2016年5月16日

GW期間中なので短編集。「2666」の濃密な作品の後ではさすがにライトな印象。「2666」前に読んでおく作品であったかも。最後に収められている「アン・ムーアの人生」はアメリカ〜メキシコ、スペインを舞台にしてて「2666」を想起させる逸品だった。
★9 - コメント(0) - 2016年5月2日

「2666」を読み、世界にはこんなに素晴らしい小説があるとことに驚嘆しボラーニョの作品を全部読もうと決めました。「通話」は初期の短編集で14編が収められています。どの作品も不思議な読み心地です。自然な語りで小説の世界が始まり、まだこの先のことも知りたいというところで終わっています。創作物にある作られた感が全くなく、自然で、今傍にこのような人がいても違和感がないだろうと感じました。小説中の人物たちの置かれている境遇は苦しく、つらいのですがそれは共感できる姿であり、人間本来の姿であるように感じられました。
★5 - コメント(0) - 2016年4月11日

『センシニ』『エンリケ・マルティン』の文学的な切実さ. 『芋虫』『雪』の映画的な洒脱さ. しかし何と言っても『ジョアンナ・シルヴェストリ』の神々しさ―ポルノ映画の撮影現場で起きた哀しくも美しい奇跡! "人生永遠の書"の一つだと思った.
★16 - コメント(0) - 2016年1月20日

★★★★☆ 『はるかな星』を読んだので再読。 ボラーニョの作品に共通するのがおびただしい数の名前。実在する、あるいは偽りの、あるいは架空の名前。それらの背後に存在する・した(はずの)相手に向けて、作者はいたずらに声を張り上げている。その声に応える人は、受話器の向こう側にいないのに。それでも、今彼が呼ばなければ、二度と呼ばれないであろう、名前。そんな名前に溢れた、読後に物悲しい印象を残す短編集。ボラーニョの日本初紹介作品だけあって、読みやすい(と思う)。
★7 - コメント(0) - 2016年1月4日

三部構成の短編集。人生のうねりの中で現れる不穏な日々が、ゆっくり音もなく漂う。不吉な予感が常にしているというか、この世の終わりに向かっていくような印象をうけ、ざらっとした感触がつきまとう。物語は正面ではなく斜めから入ってきて、読んでいるうちに起こる出来事のボーダーラインが曖昧になり、あれは何だったんだろうと後から後から思い返してしまう感じ。後半の短編よりも「通話」の部の短編の方が好み。
★10 - コメント(0) - 2015年12月27日

gu
初ボラーニョ。優劣は付けられないが『センシニ』『クララ』『ジョアンナ・シルヴェストリ』が印象に残る。物語の生々しさと圧縮することへの志向が共存している。売れない詩人や娼婦やその他表舞台には出てこない人間たちの肖像であり年代記であり、読み終えてからこれが短篇だったことに驚く。ホラーとも違う、死ぬことより生きることに対する恐怖と、なんだかわからない暗闇があって、彼ら彼女らは語り手にも読者にも手の届かないところへ行ってしまう。たぶんボルヘスの影もある。
★4 - コメント(0) - 2015年10月31日

刑事たちまでは面白く読めた。 文章をうまく使い分けていて、読んでて飽きない。 相変わらず本編に寄り道話を入れていて、その短い文章の中にドラマがあるのよね。 鼻持ちならぬガウチョは最後まで読めなかったけど、この本面白かったです。
★2 - コメント(0) - 2015年10月19日

落伍者のみんな集まれ〜って感じの短編集。創作活動している人には「センシニ」「文学の冒険」が、元美人の中年女性なら「クララ」「独房の同志」あたりがぐっさり刺さりそう。ピノチェト政権下で業務に従事した男たちの回想「刑事たち」も背中が薄ら寒くなる面白さ。南米の小説を読むたびに思うのだけど、望んでもいないのに生活の中に政治が入りこんでくる状況は不幸せだね。
★3 - コメント(0) - 2015年10月15日

帯の堀江敏幸さんの言葉に吸い寄せられて読みました。中南米の近代史や北米、ヨーロッパとの繋がり、ラテン民族の人生観や家族観について殆ど知らないのでほぼ100%受容れ態勢で読みました。正直、登場人物たちにシンクロできる部分は無く、そんなものかな、といった感じ。他の作品に敢えて手を出すつもりはありませんが、何故か後を引く。そんな程度の感想しか出てきません。修業が足りませんネ。
★5 - コメント(4) - 2015年9月17日

初読の時よりだいぶボラーニョに慣れてきた。またいつか読んだらよりさらに好きになれそうな気がする。
★4 - コメント(0) - 2015年9月6日

「人というのは誰もが道を踏み外した存在であり、道を外した者が踏み外した者に進むべき道を見つける方法を教えるなどおこがましい。」「あなた以外の、いったいだれに、わたしの恐怖がわかってもらえるでしょう?」ボラーニョ ワールド 村上 春樹ワールド風でもある。
★10 - コメント(0) - 2015年6月13日

うん、面白かった。アングラ、自虐、B級、読書、パルプフィクション、チェーホフ。私にピンと来る名詞だけでもあれこれある。なんだか急いでいるような文体も、芝居みたいで、エチュード見てるみたい。面白いのに、強弱をつけないとサラサラ忘れてしまう感じで、読み心地は好きな種類です。
★3 - コメント(0) - 2015年3月5日

ボラーニョが耳を傾けるのは、周縁で生きる者たちの声だ。一人一人に、生死を彩る物語がある。日の当たらない世界で生きてきた、無数の人々の声はどこまでも広がっていく。『Antwerp』序文の一節ーー「書かれている文章が自己増殖していく」、といった文ーーを思い出さずにはいられない。本書の語りは、まさに自己増殖そのもの、テクストがざわめいているようだ。終わることなく詩を謳うように、あるいは話しかけるように語られている点が良い。「芋虫」が特に素晴らしい。
★30 - コメント(0) - 2015年2月12日

短編、その国ならではの感性というのもあるだろうけれど、たいていは、理解できない話が多い中で、これは案外良かった部類。 日本人の書いた短編でも、分からないやつは分からないのだから。
★3 - コメント(0) - 2014年12月24日

ボラーニョの短編は実にいい。「文学的冒険」が印象に強く残った。そんなAのような作家が日本にもいる。
★3 - コメント(0) - 2014年12月12日

終始淡々としているけれど読ませるなあ。ボラーニョの創作にたいする向き合いかたみたいなものが随所で感じられて、とても好きだ。
★2 - コメント(0) - 2014年11月25日

「エンリケ・マルティン」「通話」「ウィリアム・バーンズ」「アン・ムーアの人生」がおもしろかった。「彼らの声にボラーニョは静かに耳を傾けるのだ」(訳者あとがき)という言葉が本書の印象によく合っている。タイトルが象徴的。装丁がいい。
★7 - コメント(0) - 2014年11月23日

通じない話をそれでもしつづけることとか。
★4 - コメント(0) - 2014年10月11日

【BOOK(2014)-199】!!!!!!!
★1 - コメント(0) - 2014年10月1日

サンチアゴ(チリ)生まれの作家ボラーニョ、初読。政治色が濃いらしい箇所は私にはなかなか実感がわかないが、人生ですれ違った(関わった)人物を語っていく口調は独特のテンポがあって印象的。『通話』は大きく1:通話、2:刑事たち、3:アン・ムーアの人生 と名付けられたセクションに分けられ、各々のセクションに十数ページの小品が収められた短編集。「センシニ」が好きだな。「文学の冒険」「通話」「アン・ムーアの人生」ユーモア⁈が効いてて面白く読んだ。「刑事たち」「雪」怖かった。
★12 - コメント(0) - 2014年7月23日

ay
'今度はこの僕が逃げる番だった。'
★4 - コメント(0) - 2014年7月11日

広い意味で戦っているひとびとを描いている。文学趣味にも感情にも溺れず淡々と切り裂いていき、できあがったものを適当にごろりと転がすような文章。
★3 - コメント(0) - 2014年6月11日

★★★★★ 全部良いが、とくに、◎「通話」、◎「刑事たち」、◎「ジョアンナ・シルヴェストリ」
★2 - コメント(2) - 2014年5月30日

一方的に語られて気がつけばまた他の話になってるかのような感じ。しかしなんか濃いような。
- コメント(0) - 2014年5月23日

それぞれ、とても凝縮された表現。どの短編も、語り手がいて、誰かとの長く悲しい関わりを、冷静に物語る。どの話も語り手の存在感はほとんどない。そして、主人公の人生もとてもはかない。唯一のそしてとても大事な救いは、語り手の主人公への愛情だ、と感じた。
★2 - コメント(0) - 2014年4月11日

なんだかよくわからなかった。なにか起こったようでなにも起こっていない、というか、なにか起こっているようでなにも起こっていないような。読後なにも残らないというのは全く悪いことではないと思うから、この書き殴るような筆致は良い。ただ書き殴っているようでいて、実は各短編様々な文体を使っている器用な人のようにも思える。とにかくこの本は読み終わった後にとやかく言うような類の本ではない。
★1 - コメント(0) - 2014年4月3日

「芋虫」と「ジョアンナ・シルベストリ」を書いたのがとても同一人物だとは思えないほどに前者は美しく、後者は赤裸で毒のある語り。でも「売女~」にもあったようなボラーニョの一人称ポルノ話、大好きです。
★5 - コメント(0) - 2014年2月28日

『売女の人殺し』よりだいぶ入り易かった。レイ・カーヴァーと似たよう感じがあったり。合う話と合わない話はあるけどどれも頭でまとまらない。次は長編に行ってみる。
★4 - コメント(0) - 2014年2月10日

ボラーニョ初体験。この本に収録されている短編集の多くは人生の一場面を切り取って見せる作品というよりは、ある人物の人生を淡々と述べる作品である。登場人物たちは、かなり繊細で、ともすれば精神をやってしまってボロボロになったりする。あまり楽しめたとは思えなかったのだが、それは私が読者として人間として未熟だったのか。あるいは、ただ単に感性がこの作品と合わなかっただけなのか。
★2 - コメント(0) - 2014年1月26日

「野生の探偵たち」を読み終えて「通話」を再読してボラーニョの分身のようなアルトゥーロ・ベラーノという名前ががこちらにも登場していたのか…。「センシニ」や「エンリケ・マルティン」、「芋虫」なんかのぽつんと置き去りにされたような終わり方も虚脱感まみれの余韻が残って嫌いじゃない。
★5 - コメント(0) - 2014年1月15日

日のあたる世界では悪い冗談の種にしかなりえない詩人やならず者や落伍者たち、彼らの声にボラーニョは静かに耳を傾ける。この短編集の中では(死に彩られた)特異な作品であるとされる「アンナ・シルヴェストリ」が一番印象深かった。
★9 - コメント(0) - 2014年1月8日

この世界には、無数のセンシニやクララがいるのだろう。『センシニ』が大好き。無名の物書きをはじめ、日の当たらない存在を、ボラーニョはとても丁寧に、静かに描いてくれている。読み終わってすこし経つが、まだ自分の中で消化できていない。図書館の返却日で返却したあと、きっとまた借りて、じっくり読むことになるのだろう。買いたいくらいの良書。
★27 - コメント(7) - 2013年12月26日

通話の 評価:86 感想・レビュー:126
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