ブエノスアイレス食堂 (エクス・リブリス)

ブエノスアイレス食堂はこんな本です

ブエノスアイレス食堂の感想・レビュー(258)

いい意味でラテン文学ぽくない。あらすじに脅すようなことばが載ってるが、苦情を避けるためで、グロ駄目な私でも大丈夫だった。イタリアとアルゼンチンの歴史をちゃんと知っていたらもっと楽しいだろうということだけが心残り。激動の時代をひとつの食堂を軸に描き出す。終盤はグロが始まるのだが、文学として完成しているのでえぐさはなく、しかし暗くてあらがいがたい魅力がある。構成はすっきりとして読み易くエンタメとしても完成している。
- コメント(0) - 3月2日

いかにも南米的な年代記を扱った小説かと読み進めていたが、セサルの章を読みながら、これはグリーナウェイの「コックと泥棒、その妻と愛人」だな、と読み終え訳者の解説を眺めてたら、正にそこに触れていた。魅力的な登場人物を何人かいたので、もう少し人物像など掘り下げて長編小説に組み立ても出来た気がするが。しかし、ワインを飲みながら食してみたくなる料理が満載であった。
★8 - コメント(0) - 1月20日

猟奇的というオビに構えつつ読み始めるが、のっけから衝撃。すぐに話が変わりあれは悪い夢だったのかとほっとしたのもつかのま、また沈没。歴史の波に翻弄される食堂の運命がたんたんと語られる訳だが、そこで提供される料理の美味しそうなこと!それに洗脳されたのか、目を覆うようなシーンでもその続きとしてさらさら読んでいる自分に気づきぞっとする。人間性や感情というものは描かれていないのに、読み終わると主人公が感じたであろう気持ちがぼんやり想像出来るのはナゼだろう。この食堂にひとつの人格があるかのような読後感。
★18 - コメント(2) - 1月16日

天才料理人のレシピに魅せられるも、戦争で運命を狂わされた料理人たちの物語。 舞台はアルゼンチンなのになぜか「八つ墓村」にも匹敵する土着感が漂う。理由はわからないが祟られてるような。 はなからカニバリズム小説、と思って読むとアテが外れるが、そこへ着地するというのは何となく納得できる。面白かった。
- コメント(0) - 1月3日

シェフが出てきてレシピを改良して大繁盛と思ったら死んでしまう、消えてしまう、そんなことを繰り返しつつもレシピ本は伝えられ、新たな料理人を待っている。なるほど題名通り主人公は食堂なのか。いくつかの料理は、それを食べに旅行してみたい感じはありました。それにしても最後はこういう展開か。
★3 - コメント(0) - 2016年10月18日

マル・デル・プラタで移民の兄弟が開店したブエノスアイレス食堂。食堂は不安定な政情のなか、閉鎖されたり、放火されたりと様々な困難に逢いますが、その度に創立者の残した「南海の料理指南書」とともに蘇ります。その食堂が、指南書を抱え、料理ではなく犠牲者となったセサルとともに幕を閉じるまでを年代記風に描いていきます。なんというか、面白いのですが、前菜だけでコースが終わったような不完全燃焼感がありました。ただ、アルゼンチンの歴史を全然知らなかったので勉強になりました。あと料理もいろいろ凝っていて、グルメな一冊でした。
★13 - コメント(0) - 2015年12月29日

80年以上に渡るブエノスアイレス食堂の歴史。どんな一族がこの食堂を経営しどんな時代を過ごしてきたのか。料理を極めるということ、食を極めるという事がどういうことなのか、狂気が突き止め向かった最後の行先に驚愕しながらも、物語的には綺麗に落ちがついたのかと思ったり。けれどしばらく外食はしたくなくなりました。
★51 - コメント(0) - 2015年11月8日

食の究極は食人なのだろうか。老いた男性を食べるにスパイスをふんだんに使うあたり、美味しいとはいえないのかもしれない。それでも食べる動機は?セサル・ロンブローソの狂気か、未知への好奇心なのか。最期には自らがネズミどもに食べられたのだが、セサルの食への求心はもっと強いものであったはず。生きることをやめてしまわずに南海料理指南書に載ってない食材を求めてコックとして新たな道を進んでほしかったように思う。
★18 - コメント(0) - 2015年11月5日

一気読みしたが、セサルの章の終わらせ方が残念。百年の孤独をベースにオーソドックスなマジックレアリズムを貫いてきたものの面白いからまあいいでしょうと読み進めていましたが、読了感はスッキリしない。
★3 - コメント(0) - 2015年4月27日

ドラマ版ハンニバル一期の7話Sorbetでレクター博士が「仔羊の脳のパルメザン揚げ」などのレシピと共に獲物の名刺も取り出していたり、ソーセージ作り、豚の血を遠心分離機で取り出した透明な上澄みにトマトを加えてソースを作っていたりという料理の手際が(肉の正体を知っていたとしても)美味しそうだったので再読。この本も自殺、拷問や暴行、処刑、自殺などの最期を迎えてしまうロンブローソ家の血腥い歴史に対し、料理のレシピは無駄なく、使うだけでなく香草の風味や蕩ける肉汁、歯触りなどが対照的な美味しさが際立っているのが不思議
★50 - コメント(0) - 2015年4月10日

最高の料理指南書に導かれ伊移民末裔の青年が作った最終のレシピとは何か。料理を味わう人への挑戦に突き進む料理人の究極の喜びが残酷な物語となる。食堂が見つめた20世紀アルゼンチン社会の変遷にも拘わらず食欲という人間根本の欲望は果てしない。グルメではない私はレシピの詳細さだけで満腹。情感を排して描く、肉欲から恐怖への変化と肉欲が彼を蝕むさまに、「食べてしまいたい程愛おしい」とは異なる、他人との繋がりを求める心理が滲み出る。繋がろうとする心が消えた時、人間の肉体は別物になる。愛の代用としての料理欲…それは哀しい。
★37 - コメント(3) - 2015年4月7日

淡々とした文章がとても好み。とんでもないことをしているのに感情を一切伴わない。余計なものを一切入れることを許さない、完璧な料理のような本でした。
★1 - コメント(0) - 2015年3月25日

”百年の孤独”、”精霊たちの家”に似た、南米伝統の年代記スタイル。最後の章がセンセーショナルなのは分かるんだが、そこにたどり着くまでの長い時間がこの小説の魅力となった。政変、粛清、波乱のアルゼンチンの歴史、その空気が感じられて個人的には大満足!
★1 - コメント(0) - 2015年2月5日

予兆があるにせよ、タイトルとカバー写真からは想像もできないとんでもない話。だが訳者あとがきでもあったように、このタイトルはお見事。目をおおいたくなるような受け入れがたい展開。そのあとなぜか本当にうまいイタリア料理が食べたくなってしまい、頭をかかえたくなった。
★1 - コメント(0) - 2014年12月19日

百年の孤独リスペクト(天丼ギャグ的な意味で)
★2 - コメント(0) - 2014年10月22日

『スウィーニー・トッド』『八仙飯店之人肉饅頭』『デリカ・テッセン』『フレッシュ・デリ』の系譜に連なる人肉料理映画として映画化したら良さげ。
★8 - コメント(0) - 2014年9月16日

BJ
2200
- コメント(0) - 2014年9月15日

社会情勢やら家庭内のいざこざやら、多種多様なことがめまぐるしく述べられていく。賑やかな食堂を思わせるような構成でした。でもこの流れでカニバリズムに繋がっていくのは不自然な気もします。唐突に異色なメインディッシュをどーんと置かれたみたいで、なんとなく消化不良感が残りました。
★9 - コメント(0) - 2014年5月21日

これは面白かった。アルゼンチンの歴史を背景に、ジグゾーパズルのピースのように組み上げられて行く「食堂」と人々の物語。人々を繋ぐ不可思議な運命の縦糸と横糸。縦糸は「食堂」だが、物語を斜めに、雷のように引き裂く横糸は……。 横糸が何かは、是非読んで御自分で確かめてください。 しかしこの本、西洋料理に通じていたらもっと楽しめたのかしらん。ちなみに、空腹時に読むと結構酷い目に遭います。美味しそうすぎて。
★4 - コメント(0) - 2014年5月9日

三角形の底辺から頂点へと向かうような構図。ある食堂を舞台とし、秘蔵のレシピ本を手にした人々が辿る数奇な人生と、その繋がりの先に産まれた男が起こす事件と末路を淡々と描いたもの。食堂、レシピ本が大きなテーマになっているだけあって、レシピの描写は食欲を誘うものではあるけれども、いかんせん読みづらかった。
★4 - コメント(0) - 2014年2月9日

食堂を舞台にしたほっこりロハスものかと思いきや、血にまみれた冒頭に象徴される血と食べ物の物語だった。重い読後感。
★2 - コメント(0) - 2013年12月21日

再登録。
- コメント(0) - 2013年10月26日

アルゼンチン移民の年代記ですね。引き継ぐ者にはもれなく災いがふりかかる、かつて不幸な末路を辿った天才料理人兄弟が遺した食堂と指南書のお話。 1P目のおぞましい書き出しに出鼻を挫かれ、その後も登場人物の多さに心が折れそうになりましたが、メモをとりながらなんとか読了。 ロンブローソの心理描写が書かれていないのがまた不気味さを引き立たせています。ロンブローソこわいよロンブローソ。 料理メインの作品は好きなので、極上料理の描写の数々はとても魅力的でした。どっか美味しいレストラン行きたい。
★1 - コメント(0) - 2013年10月26日

(☆☆☆)読んでてよだれが出る。そういった意味でわりと楽しむことはできたし、ブエノスアイレスという場に訪れ、去っていく流れというのも読み終えてみれば脳内でスムーズに再生されて、そういった場の持つ記憶、イメージみたいのはよかった。所謂カニバリズムについても淡々と振る舞われ食べられるあたりも等しく肉として扱われていて好み。ただなんというか、流れは良いのだけど、瞬間、事柄そのものの描き方はあまり好きではない、なんというか、もう少し捻くれていたほうが読んでて面白みはある、気がする。
★2 - コメント(0) - 2013年10月19日

「南海の料理指南書」と戦争・クーデターを通して、縦に横にと関係する人を広げながら存続したブエノスアイレス食堂の年代記。年代記というのは、僅か数センチの厚さの本に歴史が綴じられている、そのことに改めて不思議な感動を覚えるものだ。以下の文章がこの本の読み心地を実によく表していると思うので引用する。「私たちはまるで一歩前に踏み出したと思ったら、次の一歩を横に踏み出すかのようで、様々な出来事を前にして酔っぱらいのような歩みにならざるを得ない。→
★7 - コメント(2) - 2013年10月12日

アルゼンチンにある食堂の栄枯盛衰を、入れ替わるオーナーと政治、社会情勢を交えて描いている。いろどる料理がとても美味しそうなんだけどねー最後のほうはなんか興ざめー。さまざまな食材を生かすためにストイックに探求されてきた料理の数々が、下劣な肉欲のせいで台無しだー!まあでも冒頭から考えると当然の展開とも言えるんだけど。人肉料理以外は面白かったです。
★1 - コメント(0) - 2013年10月5日

★★★★☆ タイトルと表紙から、レストランが舞台の爽やか人情小説と思って手にする人がいるかもしれないと心配しています。暗黒小説と銘打たれ、テーマがカニバリズムなので、多少おっかなびっくりだったけど、心理描写を廃して淡々と描かれているので、そんなに嫌な感じはしなかった。最初の場面は強烈だけど、あとはラストまで『百年の孤独』のように一族の歴史がマジックリアリズム小説のように語られていて好みだった(著者はアルゼンチン人)。料理の描写が素晴らしく、例の料理でさえ美味しそうに思えてしまった。(図)
★10 - コメント(2) - 2013年9月10日

短絡的な青年が中年の男女殺してありとあらゆる方法を駆使して美味しく料理して最後は自分も・・・・・・みたいなところがこの小説のキモなんだろうけどやっぱ人間ってまずそうっていうのが引っ掛かる。
★2 - コメント(0) - 2013年7月23日

この物語は、ブエノスアイレス食堂の至る所に監視カメラを据えて、そこで起こった出来事を書き写しているかのようだ。最初にイタリア系移民の双子の兄弟が始めた食堂は、優れたシェフを得て発展するかと思った矢先に突然終わりを迎える。だが、その時書かれた『南海の料理指南書』は、食堂を受け継いだ人の手に渡り、更に、その時代、経営者によってアレンジを加えられて、食堂にやってくる人々を楽しませる。『エヴィータ』のエヴァ・ペロンも、今なお若者達のイコンであるチェ・ゲバラも、この作品の中では、いっときの通りすがりに過ぎない。
★13 - コメント(0) - 2013年7月2日

『百年の孤独』を縮小再生産したような年代記風の記述が続くので、ノワールという感じはまったく受けなかった。記述のスタイルだけではなくそこかしこにガルシア=マルケス(やその他魔術的リアリズム作家)のモチーフがあからさまに取り入れられている点もあまり上出来とは思えず、終盤はアルゼンチン現代史との関わり合いさえ放棄してしまっているようで、食人と偽史小説が結びつく必然性が決定的に弱い。濃厚そうなレシピの数々とは裏腹に、淡白な味わい。
★14 - コメント(0) - 2013年6月22日

とてもお腹が減るカニバリズム小説
★1 - コメント(0) - 2013年6月15日

面白かったが、解説を読むまでノワールとは思わなかった。悔悛の情なきカニバリストの存在がノワールたらしめる根拠なら、佐川くんのアレもノワールだよね?みたいな。セサル以外の係累が受難体質というか、いかにもなラテンアメリカの悲劇(風土?)に、ある種「殉教」していったのに対し、生い立ちに疵こそあれ、安寧を享受するセサルの異質感は際立つ。際立つが、分量的にもセサルに割けられた頁は全体の2割くらいなこともあり、私にはセサルの物語とはどうにも思えなかった。その辺にノワールとして括られることへの違和感があるのかも。
★10 - コメント(0) - 2013年6月6日

原題の割には食人描写は多くないのが残念というか、変にほっとしたというか。正直言えば、何を書きたかったんだ?と思ってしまった。縁あって食堂を持った様々な世代の人々のプチ年代記とも読めるが、それが終盤になっていきなり人肉料理怒涛の三連続となるのに違和感を感じる。もっとあの結末に至るまでの伏線が欲しかったなぁ。セサルの過去の血族に人肉嗜好者がいたとか。
★3 - コメント(0) - 2013年6月5日

冒頭の食人シーンにがつんとやられた。序盤の筆致はとてつもない力強さがあり、ぐいぐい先に進ませる。最後はなるべくしてなったというか、割とよくある部分に落ち着いた印象があるが、ラスト30ページ辺りの、最終料理へ到るまでの道筋には天丼ギャグ感がただよう。
★3 - コメント(0) - 2013年5月26日

エビータやゲバラといった歴史上の人物が登場する事からこのレストランを巡る年代記が移民国家アルゼンチンの近代史の何がしかを象徴しているのであろうと思い込み、家系図とか書きながら真面目に読んでたんですけれども、何か後半サセルさんがゴア料理しだして以降はそのへんどうでも良くなってゲラゲラ笑いながら読了。オサレな表紙に騙された! 最初から南米版「八仙飯店之食人饅頭」だって誰か教えてくれりゃ良かったのに。
★2 - コメント(0) - 2013年5月26日

うーむ。楽しみにしていたけど、実際に読んでみた感想としては、食人のエピソード入れない方が面白かったな、ということ。そうするときっと作者的にはこの作品書く意味ないのかもしれないけど、僕的にはそれがない方が面白かった。理解できないからなのか分からないが、食人を描かなければならない必要性/必然性がつかめず、ついていけないまま終わってしまった。うーむ。しかし、人の肉を普通に料理してますが、そんないろんな肉の代わりに使って気づかないものなのか?肉ってけっこうそれぞれ個性があると思うけどなぁ。
★3 - コメント(0) - 2013年5月10日

一族に連綿と伝わる料理人の血脈と、それにつきまとう暴力にまみれた悲劇。芳醇な食の叙述の味わい深さとそれを遮る血の影が交錯した瞬間背筋を駆けめぐる震えであるよ。
★2 - コメント(0) - 2013年4月25日

種が明かされていくときの退屈さというのはなんなんだろう、ということを改めて思い知らされた小説。要は終わりにいけばいくほどつまらなくなってしらけていくのだけど、そこまでの地理と歴史を縦横無尽に動きまわるダイナミックな文章は本当にエキサイティングでうなった。それはもうすごかった。この作家がどこにも収束しないような小説を書いてくれたら、すごい楽しいことになりそうな気がする。
★2 - コメント(0) - 2013年4月23日

映画『パフューム』が大嫌いな僕にはこれもダメでした。連続殺人が始まるまでは雰囲気よかったのに...
★3 - コメント(0) - 2013年4月22日

「南海の料理指南書」から繰り広げられる、蠱惑的な垂涎ものの皿の数々。それらが供され、賑わうブエノスアイレス食堂。ハーブとスパイスに彩られた料理の華麗さと天才料理人の血脈を持ったロンブローソ一族の悲劇…アルゼンチンとイタリア、そして一族の百年の歴史が紐解かれる。冒頭で乳飲み子のときに母親の乳房を食いちぎり、その身体を貪ったセサルがつくる料理の数々も又、人々を魅了する。彼が最期に差し出す料理にいたるまで、錬金術を使ったような料理なのだ。ただ、食材を除いては。
★26 - コメント(1) - 2013年4月21日

ブエノスアイレス食堂の 評価:100 感想・レビュー:144
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