遠い部屋、遠い奇跡 (エクス・リブリス)

遠い部屋、遠い奇跡の感想・レビュー(33)

パキスタンの大富豪ハールニーの周辺の人たち(使用人や親戚など)を描く連作短編集。淡々とした筆致で描きだされるのは貧富の差や男女の差、伝統的な価値観と西洋的な価値観が生む軋轢、世代間の価値観の相違などがもたらす人生の綾。時にそれは残酷でもあって、そのなかのささやかな幸福や夢が美しいだけに一層そう感じます。『サリーマー』『燃える少女をめぐって』などに見られる、特に財産を持たない女性の立場の弱さが印象的でしたが、上流階級を描いた『パリの我らが貴婦人』なども静かな映画のようで、どこか寂しい余韻を楽しめました。
★38 - コメント(0) - 2月10日

パキスタンにはこういう世界があるのだろうか。 あまりにも価値観、世界観、人生観が今の自分とかけ離れている。 外国人が日本の時代物を読んだらこういう気持ちになるのかも。 よく理解できない世界ながらも、なんだか気になって全部読んでしまった。
★1 - コメント(0) - 2015年8月27日

金がすべてか、と思いきや、言葉にならない小さなきらめき(あまりに小さい)に、はっとしたりする。ささやかだけれど、それはそれは美しい絵のような時間がある。でもそれは、一時的な物、すぐに奪われて、どこにも繋がっていかない物。いっそ最初から無いほうがましだったかも。だけど、そういう一瞬を、拾い集めたくなる。大切にどこかにそっとしまっておきたくなる。
★11 - コメント(0) - 2015年6月28日

大地主ハールーニーと彼の一族に関する短編集。20世紀のパキスタンの社会、風俗、世代間の価値観の相違といったものが情緒深く描かれている。上流社会を舞台とする物語も良いが、「甘やかされた男」に登場する老人の惨めさが印象に残った。最後の最後に幸せを掴んだと思ったら、一瞬でそれを喪ってしまい「何の華やかさもなく終わりを迎えた人生」の物語。タイトルも非常にアイロニカルだ。ところで著者はアメリカとパキスタンの両国を行き来している。そのため、ここで描かれているパキスタンは、半ばアメリカ人の目から見たものでもあるようだ。
★13 - コメント(2) - 2015年6月4日

アリス・マンローを思わせるようなしずかな筆致。貧しいこと、そこにさらに女性であることが生き方を苦しくしているのが印象的でした。
★6 - コメント(0) - 2015年4月27日

いずれの短編も、言ってみれば野蛮で残酷な話だが、淡々とした口調で語られているので、神話のような趣がある。好きな世界だ。
- コメント(0) - 2015年4月17日

富を持つ者と持たざる者。貧しさは魂を卑屈に変貌させ、そこから抜け出す事は容易でなく、足掻く術もない無為さに、人は疑心暗鬼となる。一日一日を繋いで生きていく為には、あざとさや執心が必要であり、運に見放されるなら、路傍に打ち棄てられる身になる厳しい現実。人生の悲喜を隔てるのは、所詮、金の有無でしかないと言わんばかりの虚しさが募る。筆者の実体験を反映させたであろう、富める立場からの視点が強く印象に残るが、パキスタンという国の、庶民目線の生き方をもっと描いて欲しい。図太く生きる人間の力がそこにはあるだろうから。
★26 - コメント(0) - 2015年3月28日

パキスタンの文学作品は初めて。ある大地主を中心に、そこにまつわる人々の暮らしを淡々と書いた短編集。短編はそれぞれ舞台になっている主人公も時代も違うけど、重なる部分もあり、読み進めるうちにイメージの中で世界が広がってゆく感じが面白い。何度か読み返すと新しい発見がありそう。
★9 - コメント(0) - 2015年3月27日

緩やかな連作短篇のなかから、パキスタンという国で暮らす様々な階級の人々の人生が細やかに浮かび上がる。作者の出自が織り込まれているのかアメリカという異文化からの目線も混じっていて興味深い。貧しさゆえのどうしようもなさ、特に女たちの人生の酷さが印象的。ひねりや構成のテクニックではなく、淡々とした筆致の描写力で読ませる。
★3 - コメント(0) - 2015年3月20日

パキスタンの大地主K.K.ハールーニーとその周辺に生きる人々の、それぞれの人生を切り取った連作短編集。ゆるやかな筆致、澄んだ空気感が心地よい。じわじわ沁み入る良作。若き女中と老執事の恋を軸とした「サリーマー」、判事の語りによる毛色の違った一篇「燃える少女をめぐって」、若き恋人たちの分岐点を描いた「パリの我らが貴婦人」の三篇がお気に入り。
★2 - コメント(0) - 2015年3月10日

日本より人口の多いパキスタンについて、時事的なことしかよく知らなかったけれど、貧富や男女差別、旧社会との軋轢も凄まじい。ただ、最近二つの祖国の狭間にいる人のアイデンティティについて読むことが多いので、いくつかの短編が心に沁みました。
★11 - コメント(1) - 2015年3月9日

パキスタン版ダウントンアビーという感じの、大きなお屋敷と一族を軸に巻き起こる様々なお話の連作短編。英米ではもう人気ある作家さんということでさすがに面白かったし美しいお話だと思ったけど、目線がスノッブというか、貧しい持たない人たちのリアル感がちと薄いような。ご本人がエリートだからかな
★1 - コメント(0) - 2015年3月8日

“パキスタン系”作家のデビュー短篇集。穏やかな語り口ながらところどころにちりばめられたパキスタンという国や人々の置かれた厳しい現状が心に刺さる。けれども物語は、国の内側にむけて語られたものではなく、アメリカ、あるいは他の場所から、かの地とそこに暮らす人びとの営みを覗き込む物語として作られているように思われて、パキスタンの人々がこの物語をどう読むのか、あるいは著者が内側に向けて語る物語があるとすれば、それはどんな物語になるのだろうかと、想像せずにはいられない。いつかそんなサイドストーリーを読んでみたい。
★19 - コメント(2) - 2015年3月1日

最初の2編そうでもなくて期待せず読めばどんどんひきこまれて読むのが最後はもったいない位。珍しく宗教的な要素もなくとにかく研ぎ澄まされた文章。次作も期待。
★1 - コメント(0) - 2015年2月16日

★★ ○「サリーマー」、○「甘やかされた男」、○「電気技師ナワーブッディーン」
★1 - コメント(0) - 2015年2月7日

国は違うけれどもう一つのダウントンアビー。大農園で暮らす人々と主筋の人達のストーリー。みんな違う箱に入っているのだけれど少しずつ重なり合う。
★15 - コメント(0) - 2015年2月7日

傑作という言葉で形容する以外には何もできない。
★1 - コメント(0) - 2015年1月28日

素晴らしい才能。ハールーニーを中心とする連作短編集である本書の、様々な人生を立体的に浮かび上がらせる筆致は、静かで美しい。
★4 - コメント(0) - 2015年1月1日

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