血と暴力の国 (扶桑社ミステリー)

血と暴力の国の感想・レビュー(455)

やはりマッカーシーの小説は原書で読んでみたい衝動に駆られる。
★4 - コメント(0) - 2月28日

図書館より。映画『ノーカントリー』の原作ってことで手にとってみたのだけど、成る程、あの異様にドライで淡々としたノリは、原作の空気をかなり忠実に再現したものだったのですね。理不尽な、そして抗う術のない死の運命…それらの擬人化とも言うべき殺人者・シュガーの存在感……序盤のガススタンドでのやりとりは、映画観た時と同様に背筋が凍りましたわ。"古き良きアメリカ的正義の敗北"みたいなベタな捉え方しながら読んでたのはちょっと勿体なかったかなぁ、なんて訳者解説を読みながら少々後悔。シュガーは、あるいは俺のそばにも……!
★2 - コメント(0) - 2月11日

本書はコーマック・マッカーシーによる犯罪小説である。本書の目玉である血なまぐさい追跡劇は、ベトナム帰還兵のモスがメキシコとの国境近くにて狩りをしている最中に大金を偶然発見し、それを持ち帰ったことによって引き起こされる。幕引きが文学的で大変よかった。殺し屋として登場するアントン・シュガーは誰にでも突然訪れる死の象徴。
★3 - コメント(0) - 2016年12月25日

シュガーはもちろん嫌いだけど言っていること自体は納得しなければならないのかも。人は日々選択を繰り返していて、その責任を負わなければいけない。そこにはどんな口答えもできない。カーラ・ジーンがモスに殺されてしまったみたいに。
★5 - コメント(0) - 2016年11月24日

【英ガーディアン紙が選ぶ必読小説31/1000】決して明るい物語では無いのに、気付けば不思議な魅力に溺れていた。麻薬密売の人間から金を奪い逃げる男、それを追う殺し屋、その事件に振り回される保安官の話と単純明快な設定でありながら、その根底にはアメリカという国に対する思いや、著者の考える『生と死』というものの非情さと重さが冷たくのしかかり、実に考えさせられる。殺し屋がコインを使い、生かすか殺すか決めるという場面が何度かあるが、そこでの語りはじわじわと響いてくる。ちなみに本作、テンポも良く読みやすい。
★38 - コメント(0) - 2016年11月24日

【CNC-犯罪小説クラブ】人は人生の中で幾度か岐路に立たされコインの裏表のどちらかを選ぶように一瞬の判断で運命が大きく変わる。そしてその運命を最期は受け入れることができるのだろうか。偶然大金を手にしたモスは殺し屋シュガーに追われる。そして二人を追う保安官ベル。「純粋悪」といえる殺し屋シュガーは突然現れ次々と理不尽と思える殺人を何のためらいもなく犯していき、また突然消えてしまう。まるで幽霊のように。シュガーの存在が物語の中で意味するものが何かは分からないが彼との交わりによってモスやベルの運命は変わった。⇒
★49 - コメント(6) - 2016年11月19日

何もかもを裏切ってやろう、という気概に満ちたマッカーシーのクライム・ノベル。何もかも釈然としないまま読了。文体は非常に独特。鉤括弧を用いないのもそうだが、心情らしいものは極力省かれている。行動にしても結果だけを淡々と述べていく潔さ。常に行間を読むことを迫られるスタイルは人を選ぶところか。評判を聞いてなければ途中でギブアップしていたかも。人は過去の行動によって生きている。それが何をもたらすのかは誰にもわからない。私は金と時間を費やしてこの本を読んだ。その行動が何をもたらしたか。読者のみぞ知るところ。
★3 - コメント(0) - 2016年11月17日

3度目です。
★2 - コメント(0) - 2016年11月15日

シュガーは「本物の悪魔」の化身。人の死をつかさどり決して容赦しない。彼がその役割を果たす瞬間に話すことは、人の運命について。その人がこれまで歩んできた人生の進路上に彼が存在したのだ。その人の一つの選択でこうなった。この世から消される運命を知らずに。おそらくベルは体験的にそんな存在には自分は無力だと知っていた。心理描写を排したこの小説は、シンとした沈黙が漂いながら心に響いてきます。ベルが告白する話は「字」が違っています。ベルは今の世相が悪魔がはびこりやすい社会に壊れていると映る。胸に深い余韻が残る一冊です。
★43 - コメント(0) - 2016年11月11日

ノワール小説という体裁を借りた哲学書?単なる殺人鬼の物語ではなく深い。
★22 - コメント(0) - 2016年11月10日

ストーリーとしてはとっても暴力的。次々と人が死んでいく。状況はとてつもなく酷くえげつないのに何故だろう不思議と嫌悪感の欠片もない。シュガーの清々しいほどの躊躇の見えない行動力のせいだろうか。鼻につく人間臭い感情がまるで見えなくて、いけないことだけどカッコよくさえ思えてしまう。あと会話がとっても粋でお洒落でテンポよく進んでいく。モスと少女のやり取りが一番印象に残った。…のに。ほんと気持ちいいくらい容赦のない物語。夢中で読んだ。まだ2作目だけどこの作家さん当たりしかないと見ました。
★66 - コメント(0) - 2016年10月26日

今更読んだけど、映画がほぼ忠実になされたものだということがわかる。モスが最後ああなってしまうくだりは映画では変更されていたが、原点の方がはるかに救いがない。
★1 - コメント(0) - 2016年10月16日

sin
「」で、括られていない会話はまるで心の中に浮かんだ言葉が遣り取りされるようで、それでいて不自然に感じないのは作者が自分自身に語りかけるように物語を紡いでいるからなのか?血と暴力の国というのはその国が未だに自分の身は自分で守るという自警団の信念を持ち拳銃所持を容認することからくるジレンマなのか?拳銃を所持しないと住めない国という矛盾からシュガーに独自の哲学を持たせたのか?◆英ガーディアン紙が選ぶ「死ぬまでに読むべき」必読小説1000冊を読破しよう!http://bookmeter.com/c/334878
★76 - コメント(0) - 2016年10月15日

読んでいくうちになんか知ってるような気がすると思いググッたところ映画「ノーカントリー」の原作であることを知りました。ハビエル・バルデムの恐ろしい殺人鬼役が強烈に印象に残っています。救いの無い話で後味があまりよくはなかったですが深い作品でした。単純な犯罪小説ではなく戦争や麻薬といった人間の負の部分を強く描いた内容だと感じました。しかしアントン・シュガーの残酷な殺人鬼っぷりは一級品ですね。結局シュガーについては謎が多いことも怖さを増幅させてくれていると思います。何の罪もない犠牲者が多すぎる!
★91 - コメント(3) - 2016年10月13日

『眼は魂の窓』ダ・ヴィンチの名言で始まる賢者の人生論のような独白と、非情なクライムシーンが交互に繰り返されながら「純粋悪」というキーワードに連れていかれた。流血を止めるのは理性だけかもしれないのに、この奇妙な言葉は理性も持ち合わせているような錯覚に陥った。背景にある戦争体験が狂わせたものとは・・対人間、対社会の次元を越えた「外の闇」について考えることを警告しているとの解説で、自分の力が及ばないものへの畏怖の念に襲われた。コイントスで表が出る確率が運命なら、巡ってきたコインが辿った長い線が宿命でしょうか⇒
★49 - コメント(1) - 2016年10月9日

ハードボイルドを超えてハード・クラッシュドだろ、ノワールと云うよりシュバルツだろ。ディストピアを描くために盛ってあると思ったが、ウィンズロウの「ザ・カルテル」を読む限りアメリカ、メキシコの国境地帯は病んでいる。真実に限りなく近いはず。黒原さんは今回もいい仕事をしたが、タイトルは意訳しすぎ、老いぼれにはこの国はもう守れない、といった感じ。そのとおり、老保安官は殺し屋シュガーの独自の落とし前の付け方に市民を守りきれず、保安官を引退する。FBI,DEAは何をやっているんだ。ジャンキーは一般市民を巻き込むなよ。
★67 - コメント(4) - 2016年10月9日

再読/“飛べないことを 知らない連中が 飛んでいるのだよ 生きられない理由を 知らない連中が 生きているように(森博嗣)”この世にはもう善人悪人に関わらず罪人しかいないのだと、まるで若い神々のような視点で愚か者たちを無慈悲に殺す。しかしこの世の不条理を体現した彼もついには物語とは関係のない事故で舞台から降りる。このように運命の権化であるシュガーでさえ世界の一部でしかなく、全ては予め調和していたのだ。読点もなく、括弧で括られない会話は言い知れぬ不安と緊迫感をもたらした。ものすごく面白かった。
★47 - コメント(3) - 2016年9月28日

友人からのお勧め、映画「ノーカントリー」の原作本。所謂、クライム物であり、偶然にも麻薬取引に係る大金を手にいれたベトナム帰還兵の男と彼を追い続ける完全な殺し屋。更に老保安官が二人を追うストーリー。こう書いてしまうと単純だが、哲学的とも言える会話や保安官の何かを暗示する独白など物語に深みを与えています。映画を先に見た影響もあるが保安官はトミーリージョーンズ以外の配役は有りえないと思います。 傑作です。
★5 - コメント(0) - 2016年9月3日

大金をひょんな事から手に入れ、逃げるモス。それを追う純粋悪のシュガーが怖くて、妙に印象に残って魅力的。クライム・ノベルの体裁だけど、その範疇に収まりきらない小説。短めのシークエンスを積み重ねて進むのだけど、深くて難しかった。映画版である『ノー・カントリー』を観てから機会があれば再読して、理解を深めたい。僕にとってのマッカーシー初挑戦となる1冊でした。
★20 - コメント(0) - 2016年7月10日

映画『ノーカントリー』原作。大金を見つけてそれを持ち去るベトナム帰還兵の男、彼を追う不気味な殺し屋、殺し屋による殺人を調査する保安官の三人のお話。映画が素晴らしかったので読んでみた。台詞に鉤括弧を付けなかったり、句読点を付けずに一文一文を切り詰めて書く作者のやり方は、癖になる。心理描写が殆ど無く、ひたすら外面の行動を書くのは、ハードボイルド的。シュガーという男の存在、哲学的かつユーモアに富んだ会話の応酬、そしてベル保安官の独白など、単なるクライムノベルには終わらない、実に深い所まで描いた傑作小説だと思う。
★8 - コメント(0) - 2016年6月16日

原題は"NO COUNTRY FOR OLD MEN"。イェーツの詩「ビザンティウムへの船出」の冒頭"That is no country for old men."から来ている。映画ノー・カントリーの原作。映画の無機質さに魅入られて手に取った身には、如何に映画製作がこの原作を尊重し敬意を表していたかが分かる。まるでノベライズかと思うほどの再現。だがそれ以上にこれがクライムノベルではなく純然たる文学作品だということを思い知る。引用符の無い科白は心理描写を排した情景説明と渾然一体となり独特の世界を醸し出す。
★9 - コメント(1) - 2016年6月13日

『すべての美しい馬』に続いてマッカーシーを読むのは2作目だったが、こちらも非常に素晴らしかった。老人(保安官ベル)が生きた規律・秩序・正義が支配する国はなくなり、偶然が支配する混沌とした世界をシュガーが体現しているということであろうか。映画では唐突に感じられたシュガーの事故も本書では必然だと思った。
★12 - コメント(0) - 2016年5月30日

お気楽な犯罪小説だと思って読んだが、実は純文学だった。いっそ爽やかなと言ってしまいたいほど、徹底して救いが無い。「これは他の道じゃない。これはこの道だ。おまえは俺に世界に対して口答えしてくれと頼んでいるんだ」シュガーは”運命”そのものなんだな。
★8 - コメント(0) - 2016年5月13日

次第に直径比を変えて行く精密な歯車装置の動きにも似た展開。一旦動き始めると最後の歯車まで止めようがない。あるいはサイボーグに追われるような怖さ。緻密に事象だけが重ねられ潔いほど倫理的解釈を挟まない。なのに妙に実在感がある。例えば脚に被弾したシュガーがモーテルに入り自ら薬液を注射するまでのシーン。その冷徹な描写を縁取る保安官ベルの語りは、反面情緒的過ぎるかも知れない。ただ、負傷した仲間を置いて敵前から逃げる自分と相対する殺人者との違いを問う良心は、命を賭して他者を救おうとするルウェリン・モスの良心に繋がる。
★40 - コメント(2) - 2016年5月1日

「越境」「ザ・ロード」に続けてマッカーシー三作目。期待とは少し違った。語り手の回想と、当時の出来事が交互にあらわれる。シュガーに対してあまりにも無力な者たち。誰もかれもなすすべがないのだ。シュガーは悪ではないはずだ。制裁を加えなければならないものに加えているだけなのだから。サイコパスでも殺人鬼でもない。ただ達すべき目的を果たしているだけだ。彼を倒そうとどうして誰も本気にならなかったのかが、腹立たしくて見ていられない気持ちだった。ベトナム戦争世代のやるせなさが全体に漂っている。
★111 - コメント(2) - 2016年3月24日

2016年170冊め。【144/G1000】邦訳のタイトルのせいで敬遠していたが、同じ第10回G1000チャレンジ本の『アメリカン・サイコ』のようなスプラッタな話ではなかった。大金をつかんで逃げる男と追う男、その二人を追う保安官。「物語らしい結末」を求めていたが、そうはならない話だった。現実に起きてしまったことは、もう撤回できない。シュガーのバックグラウンドが明かされないことで、理解できない暴力性が際立っている。
★87 - コメント(1) - 2016年3月13日

乾いている。ほとんど心理描写はないのに登場人物の虚しさや、そこかしこに溢れかえっている闇が心の中に広がった。会話も最高にかっこいい。心の震えが止まらない。内の闇も外の闇も終わりはないのかもしれない。でも人生は終わる。唐突に終わる。まだ嫌でも終わる。理不尽に終わる。誰がどうやって、まだ終わらないのか、もう終わるのか決めているのだろうか。私たちはどこからきて、どこに向かっていくのかもわからないし、今どこにいるのかもわからない。それでも、その闇の中を生きていくしかない。小さくても照らしてくれる光はきっとある。
★37 - コメント(0) - 2016年3月4日

1980年、メキシコ国境にほど近い町。溶接工のヴェトナム帰還兵は、偶然手にした麻薬絡みの大金がきっかけで、殺し屋に追われることになる。逃亡者、殺し屋、そして老保安官と役者も揃って、まあここまでなら普通のクライム・ノベル。よくあるやつだと、逃亡と追跡のサスペンス、組織関係のぎりぎりの駆け引き、実直で信念ある保安官なんかで話を繋ぐだろう。でもこの本、そういうの一切無いんで。ひたすら殺し合いやってるだけなんで。保安官も為す術無い感じなんで。今まであった秩序とか目配せとかがもう無くなったっていう話なんで。
★14 - コメント(1) - 2016年2月29日

初読の作家。細かい描写と独特な語り口が気になる、よく出来た犯罪小説だなあと感心して読み続けていたのだが…… 元軍人の主人公が理不尽な危機に立ち向かうというのは、レナード『五万二千ドルの罠』などのエンタメ小説のテンプレであるが、そうお約束どおりに進まない。そこがまた良い。謎めいた言動をする、殺人者シュガーが印象的。映画は未見だが予告などで見たこのシュガー役の俳優の怪演を思い出す。会話に面白いところがあった。積読本だったがなかなか気に入った。
★62 - コメント(6) - 2016年2月20日

コインの表と裏のように、生と死が共存する。一本の道を歩く途中で度々訪れる選択の瞬間。全ての事に意味があり、選択によってはコインの裏が出る事も、悪と出喰わすきっかけになる事もある。辿り着いた場所でそういうものを一つ一つ受け入れなければならない。ただし後戻りは出来ない。振り返れば自分の足跡がそこにしっかりと残されている。正解は無いけど答えはある。運命について考えさせられた。会話に引用符をつけず、句読点を最小限に抑える独特の文章にも段々慣れてきて癖になり、登場人物は最高にクールだしテンポも良くて一気読みだった。
★42 - コメント(0) - 2016年2月20日

凄い小説でした…! ただただ圧倒されます!! 血と暴力で築かれてきた理想の国、アメリカ。 しかも、その行く先はどんどん悪くなっていくばかり。 一昔前の保安官は牛泥棒を追いかけていればよかったけれど、今は麻薬抗争の凄惨な場面と対峙しなければならない。 麻薬取引の金を持ち逃げした男を追う純粋悪(サイコパス)の殺人者。 その殺人の論理は理不尽ですが、妙に納得できちゃったりするのが怖いですね~(笑)。 唐突に打たれる終止符は、現代に馴染めない古い人間たちが「国」から弾き出されたという事なのかな…☆
★38 - コメント(0) - 2016年2月6日

ノワール的な小説が無性に読みたくなって読んでみたけど、非常に良かった。独特のリズムの文章が心地良い。『ザ・ロード』も再読しようと思った。
★3 - コメント(0) - 2016年1月31日

小説の中には2つの時間が流れる。1つは地の文であり、そこでは圧倒的な速度で事象が展開してゆくが、それは登場人物たちの多くにとって理不尽でもあり、また不条理でさえあった。もう1つの時間は保安官ベルの内省として語られるが、それはアメリカの失われた良心の姿でもあるかのようだ。マッカーシーはアメリカを愛している。しかし、みんなに愛されているはずのアメリカは、もはや"No country for old men"であるばかりか、誰にとっても降りてしまいたくなるような国だ。マッカーシーは、まだ諦観しないから書くのだ。
★296 - コメント(2) - 2016年1月16日

☆☆
- コメント(0) - 2016年1月13日

メキシコとの境界近くに転がっていたのは、死体の山と麻薬売買で生み出された金。その現場を目撃したにも関わらず、金を持ち出したモスを追い、魂を感じられないような瞳を持つ殺人者、アントン・シュガーが動き出す。各個人の心情描写は一切、なしで会話と事実が読点が排除された文体で書き連ねられる。なのに「おれを信じてくれ。その言葉嫌いなんですよね。前からずっと。自分で言ったことがないのか?いや。ありますよ。だからあてにならないって知っているんです」というタクシードライヴァーとの会話やコインでの生死決めなどのコミカルがある
★83 - コメント(1) - 2015年12月7日

この本は読み終わってもまだじわりと心に染みこんでくる何かがある 圧倒されるような傑作に出会うのは稀だがこの本は正に傑作で コーマック・マッカーシーは100年後も読まれると確信した 文学小説が苦手な方にもぜひお勧めしたい一冊
★5 - コメント(0) - 2015年12月4日

メキシコ国境近く、ベトナム帰還兵が麻薬組織の銃撃戦の後で、死体と共に残された大金の入った鞄を手に入れる。無法状態に近いこの場所でこの鞄を手に入れることは死神に魅入られる事を意味する。それを知りながら鞄を持ち去った帰還兵の末路は・・・。マッカーシーの文体はそれだけでハードボイルドなのだけれど、題名通り「老人にはついていけない」ような内容は、物語ではなくまるで犯罪の記録を思わせるほど冷酷。でも人間にはこういう愚かさがあり、人生にはこんな冷酷さがあると年齢ながら知っているので、結末が絶妙に腑に落ちた。
★60 - コメント(0) - 2015年10月28日

大金を手に入れた男と謎めいた追っ手、さらにそれを追う老保安官…血と暴力に彩られた逃走劇。アメリカにはまだ行ったことがない。だから私の知るアメリカは、ハーブ&ドロシーのアメリカ、ブローティガンとオースターとヴェロニカ・マーズのアメリカ、そして、マッカーシーのアメリカだ。保安官の述懐の中のアメリカは、私にはとても馴染みがある(それはもう、物語の中でしか存在しないものかもしれないが)。読んだ後、いっぺんに歳をとった気がしたのは「NO COUNTRY FOR OLD MEN」というタイトルの所為だろうか。
★31 - コメント(1) - 2015年10月19日

ひとのからだの内外の世界は、あえて言及しなくてもいかに語られるかだけでほとんどつくられてしまう
★24 - コメント(0) - 2015年9月30日

コーマック・マッカーシーの名作。リズム感、描写、言葉選び、当たり前のように一流の作品です。訳も良いです。悪が悪の道をひたすら進み続ける物語。その一途さが狂おしくも、心躍ります。コーエン兄弟の映画と甲乙つけがたい一冊。ちなみに、セリフの鍵かっこや心の声は書かれていません。
★6 - コメント(0) - 2015年9月26日

血と暴力の国の 評価:100 感想・レビュー:172
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