別荘 (ロス・クラシコス)

別荘 (ロス・クラシコス)
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別荘はこんな本です

別荘の感想・レビュー(164)

描かれていること全てが何かの暗示〜象徴のような気もするし、最後まで謎の遊戯「侯爵夫人は5時に出発した」の枠内で起こっていることのような気もする。間を空けて読んだため最後の方では因果関係がよく分からなくなったりしたが、クーデターの寓話化という読み以前にその尽きることのない血縁地縁骨肉の愛憎夢幻劇のフラグメントに右往左往と持っていかれ、グラミネアの嵐に巻かれ、ずっと微熱を患っていた感覚。全体を俯瞰するため再読したいが長すぎるサーガ。映画にしてほしい。
★19 - コメント(1) - 2016年12月14日

金で莫大な財を成したベントゥーラ一族の夏の別荘で企てられた子供たち(原住民)の革命。母国チリで起きたピノチェト将軍の指揮する軍事クーデターがアジェンデ政権を崩壊させた一週間後に執筆を開始したということで、ドノソの頭の中は母国の状況で一杯だっただろうが、それをそのまま小説にする訳にもいかない。それをこういう形で小説にするというその想像力がまず素晴らしい。支配し抑圧する親たちと不満を蓄積させ革命という形で爆発させる子供たち。別荘に集まった彼らの家庭の抱える事情が徐々に明らかになる第一部が特に面白かった。
★15 - コメント(0) - 2016年11月18日

金で財を成したベントゥーラ一族の屋敷で子供たちが繰り広げる不可解な遊び「侯爵夫人は五時に出発した」、荒野で繁殖しその綿毛で人を窒息に追い込む凶暴な植物グラミネア、別荘の地下に生活する人喰い人種、年代、階級、人種の間に張り巡らされる政治的力関係… 読み応え抜群!
★3 - コメント(0) - 2016年2月3日

ああ、もうすべてが規格外。登場人物、ベントゥーラ一族総勢50名。どいつもこいつもどうかしてるぜ。33人のいとこたちは得体のしれない遊戯「公爵夫人は5時に出発した」に興じ、大人たちは腹に一物ある執事、召使らを伴い喜々としてピクニックに出発する。窒息死を引き起こすほどに大量の綿毛を放出する怪植物が一帯を覆い尽くし、原住民人喰い人種が入り乱れる一家の別荘に取り残される子供たち。空間は血に染まり腐臭にまみれ秩序を失いついには時間をも失ってゆく。プラチナ色に光り輝くグラミネアの綿毛が風に舞い何もかも消し去るように。
★47 - コメント(3) - 2016年1月3日

os
はえー、すっごい本だよぉ〜
★2 - コメント(0) - 2015年12月17日

解説によると政治情勢を反映している作品らしく、そういう目で見ると色々と示唆される部分もある。それはそれとして上流旧家の休暇の倦怠感とそれをバネとした著しい逸脱っぷりが興味深い。
- コメント(0) - 2015年10月24日

本来はまやかしの人食い族を元に成り立つ秩序の中、人食い族などはいないことを知る主人公が公平な秩序の回復を目論む。一旦は旧来の慣習の転覆に成功するものの、新たな秩序を肇立させようとする派閥間の争いが激化し、次第に主人公は勢いを失っていく。最終的には自身の血こそがまさに人食い的であったことを証明し、グラミネアという有無を許さぬ秩序に身を任せることになる...
★3 - コメント(0) - 2015年9月23日

図書館本。こういう本との出会いがあるから読書はやめられないんだ。登場人物表に何度も戻りつつ読むくらい登場人物が多く、年齢設定おかしくね?ってつっこみたくなる部分もあるけれど、リアリティなんかどうでもよろしい。秩序が崩壊し(その秩序自体がまがい物ではあるのだけれど)、暴力、性、差別がはびこる混沌とした状態の中でもがく人々が登場する劇を長時間強制的に観せられて、観客である私もトランス状態に陥ってしまっているというような感じ。長い長い劇が終わりホッとしつつ、この劇を知らなかった私にはもう戻れないなとぼんやりと。
★1 - コメント(0) - 2015年9月8日

作者を騙る語りによる物語。わたしたちは、騙される読者を演じ続けなければいけない。「公爵夫人は5時に出発した」を演じる子どもたちのように。あるいは、騙し絵に喜んで騙される観客のように。後半、騙されることに飽きてしまった集中力のない自分が非常に残念。
★6 - コメント(0) - 2015年7月17日

明日、じゃなくて今日も仕事だというのに徹夜してようやくこの長編小説を終えることができました。やはり最後の何分の一かは一気読みしなければ・・・という脅迫観念は正しかった。時系列は複雑化し物語の濃度が極限まで濃縮されてそして飽和して消え去っていくような最終局面。遅読の私がこの物語を十全に読み解くことは生涯できないかもしれない。描かれるエピソードの全てを示唆的というか象徴的と思ってしまうような読書はもしかしたら初めてかもしれないけど、ドノソもホサカも「書かれていることをそのまま味わえばいいんだ」と言っているな。
★10 - コメント(0) - 2015年7月8日

Huz
やっと読み終わる。つらかったなぁ、やはりドンパチする小説じゃないとダメになったんだろうか。そもそも、通勤に持ち歩くことが間違いだったんだろうか。
★2 - コメント(0) - 2015年7月5日

物静かでシンプルな装丁とタイトルの中身は、チリの富豪一族50名(内33名が子供)の蝿の王的怪奇幻想群像劇なので恐れ入る。蝿の王は大人の介入で終わりますが、こちらは大人も代々ずっぽり浸かっているのでそのまま進行です。バカンスも別荘も地獄だぜー。個々のエピソードはえげつないけど全体は大変きれいにまとめられており、端々破綻しまくってるようでそれさえ内包しながらまとまっていくという美しい力技を見せていただいた気がしています。南米の政情などの知識があったら、もっと理解が深められたかもしれないとも思いました。
★23 - コメント(0) - 2015年6月23日

登場人物は主だった人だけで約50人。表の筋書きだけでも破たんしないようにするのは至難の業なはずなのに、根底に政治や人間の営みの滑稽さ狡さも写し取っていて、凄いというほかない。ただ、スペイン名を50人頭に入れながら読み進むのはかなり困難を極めた。乗るまで大変!
★4 - コメント(0) - 2015年6月22日

圧巻の一言。権力の野蛮さに対する痛烈な批判。この一族の大人たちの感じ、日本の政治情況となんとなく似ているというか。
★1 - コメント(0) - 2015年4月25日

数ヶ月かけてようやっと…前半の方が良かったかな…物語のオチが皮肉すぎる…
- コメント(0) - 2015年4月14日

綿毛のように押し寄せる物語になす術もなく覆われ、窒息させられる幸せ。「彼にとって世界、そして文学とは、馴染みの理念、亡霊、作り話、登場人物、そして暗黙の了解」あーやだ、そんな文学わたしは嫌なんだ、と深く思った。
★12 - コメント(0) - 2015年3月21日

最初の方でもうやめようかと思ったんだけど、最後まで辛抱だったし、合わなかった。不条理や理不尽は現実にゴロゴロしてるので、せめてフィクションでは避けたいと思ってるので。たった一人の勝ち逃げになるなら、その子に肩入れできるくらいのエピソードがないと他の子供たちからしたら理不尽と思える。親たちだけが報いを受けるならまだしも、子供たちまでなぜこんな仕打ち受けなきゃならないのか。それでも私たちは生きなければ、みたいに締めてたけど、あまりに理不尽で、突然そんなこといわれても・・・って感じで、とってつけたように思えた。
- コメント(0) - 2015年3月8日

【BOOK(2015)-034】!!!!!!!
- コメント(0) - 2015年3月4日

難解な小説なのかなあと思っていたのだけど、それで、それでどうなるの?と読者を惹きつけるストーリー性があり、意外と読みやすかった。女装とか同性愛とか狂気とかカニバリズムとか、とにかくいろんな要素が鏤められているのだけれど、それらがすべて優雅なロココのヴェールをまとっているというか。政治的背景など難しい事は分からくても、徹底した虚構の世界を存分に楽しめた。グロテスクで美しい、そしてとても面白い物語だった。
★6 - コメント(0) - 2015年3月3日

想像以上の本の厚さに怯んだけれど、次から次へと実に怪奇な出来事が起こるので、とても軽やかに読み進められた。この筋の本をしばらく読んでみようかな。
★1 - コメント(0) - 2015年2月23日

NZR
ひさびさにヤバイ読書体験。コレ昨年中に読めてたら間違いなく各翻訳文学賞に推薦したわ。はっきり言って好みです。
★1 - コメント(0) - 2015年2月22日

★★★
- コメント(0) - 2015年2月12日

2か月ほどかけてようやく読了。登場人物が多くドタバタ感満載でカオス的なメタフィクション。12章あたりから時系列がよくわからなくなってしまったが、ストーリーを追うよりもこのドタバタ感自体を楽しんだ方がいいのかもしれない。寺尾先生によると、一人だけ本文中で名前が出てこない子供がいるそうな(もちろんわからなかったけど)。『夜のみだらな鳥』はもっと難しいらしいのだけど、ちゃんと読めるのか心配。
★21 - コメント(0) - 2015年1月11日

期待感が強すぎたのか、今ひとつのめり込めず・・・
★3 - コメント(0) - 2015年1月8日

最高にイカレているこの本で2014年を締め括り。特に人喰いを止められない料理長が人喰いを非難していた子供達に人肉を喰わせて非難したり、好きでオカマになった長男が他のオカマを「恥がない」と言って見下しながらも執事に逆らえない所や妹の身代りに男に抱かれるために妹によって処女で無くならせる所には、鏡で自分の黒歴史日記を感情を込めて読むのを見ているような痛さと滑稽さがあります。
★35 - コメント(0) - 2014年12月31日

松山巌さんの新聞書評と映画『NO!』を見て購入。分厚さに驚く。前半はやや露悪的な表現にのけぞり、時々作者が喪黒福造よろしく登場するのに笑う。後半はもう想像を絶する地獄絵図。基本、『笑う』体だから、意外にこちらの負担は小さいが、南米の人は、経験した地獄を重ね合わせて読んだろうな。生き延びた子ども達が最後に頼ったのは、親でも正義でもなく文明人が軽蔑した原住民の『知恵』(トライアングルがマヌケなんだが)。作者の人間や状況観察の鋭さに脱帽。またもや若くて優秀な訳者さんと、年末に本に釘付けの私を許した家族に感謝。
★8 - コメント(0) - 2014年12月31日

イカれてるなあ
- コメント(0) - 2014年12月29日

350ページまで読んで断念。高評価ゆえ読み始めたが、冗長であり時間の無駄と判断。死ぬまでにむちゃくちゃ暇になったら続きを読むかも。
★2 - コメント(0) - 2014年12月28日

子どもたちと大人たち、それぞれの思惑や葛藤とこれから起こる「悲劇」への緊迫感、そして「だが読者よ、結末を急ぐべからず」とばかりに場面転換を繰り返し間の物語を補完していく語り手、第一部はまるで舞台劇を観ているようで、たまらなく好きだった。特に33本の槍を抜いていくシーン、あの何とも言いようのない絶望感に鳥肌が立つ。そして訪れるピクニックの日。大人たちが消え、子どもたちだけの一日/一年の間に起きたこと。支配する者と支配されるものとでは、時間という普遍のものですら共有できないのか。暫く綿毛見たくないな。。
★37 - コメント(4) - 2014年12月27日

わざとではないのにラテンのカニバリズム系(?)の話を2冊連続して読んでしまい、限界値をこえかける。この書き方をあざといとみるか、新しい小説の形とみるか・・ということは別にして、語るべきことが多々あるにしても人おおすぎ!
★2 - コメント(0) - 2014年12月23日

★★★★★ こんなに楽しくてやばくて美しくて凄い作品(の邦訳)が初版たったの1500部って、少なすぎませんか…?
★6 - コメント(2) - 2014年12月18日

ぜんぜんつまんない。なんかさぁ、これの良さわかるのが知的なんだっていいそうな鼻持ちならない批評家がこぞって褒めて乗せられてみんな読んでって感じ。王様裸なんだよって言いたくなっちゃう。 大事な事だからもう一度いいます。つまんない。 まぁ乗せられて読んじゃったわけだけどさ。
★2 - コメント(0) - 2014年12月7日

別荘に残された33人の子供たちに対して大人・人食い人種・召使・怪植物グラミネアら、そして子供たちの派閥などがギリギリの均衡を保ちながらも、各々の欲望と策謀が錯綜する第一部はめちゃくちゃ面白い。金粉まみれやらゲイ発覚やら、図書館の秘密やらのエピソードの数々が暴走しすぎないように、絶妙な膂力で引き締めている。特に別荘を取り囲む槍を引っこ抜いていくところの達成感と失望など、殊に素晴らしい。一方で、均衡が崩れて事態が混沌を深める第二部は、当然予測されるような形で物語が突き進んでいくだけでいまいち魅力を感じない。
★17 - コメント(1) - 2014年12月2日

無茶苦茶おもしろい! すいすい読めるんですが!「彼がすぐに気づいたとおり、ベントゥーラ家第一の掟は、物事に直接向き合わないこと、生活のすべてを暗示、儀礼、象徴として理解することであり、そうしていれば、いとこ同士の間ですら質問や返答をしなくてすむようになる。物事に直接言及することなくすべてを受け入れているかぎり、何をしても、感じても、望んでもかまわない」
★17 - コメント(0) - 2014年11月26日

さて、類まれなる傑作である。 魔術的な展開は他のラテンアメリカ文学と比較して控えめだが、ひとつひとつの切れ味は鋭い。それよりも、グラミネアの綿毛のように、全てを飲み込んでうねりとなっていく物語終盤の展開には圧倒される。たびたび作者が小説内で登場し、自身の登場人物や物語の今後についてメタ的に言及するという反則技を使いながらも、物語の本質を損ねるどころか、より深い読み手の没入に繋がっているところが容易に信じられない。そのため、ありえない魔術的なフィクションが、逆に我々の想像力に介入してきて危険な状態に陥る。
★4 - コメント(0) - 2014年11月23日

50を超える登場人物が各々ずっしり重い運命を背負わされ、それらが絡み合うバトルロイヤルスタイルのゴシック西部劇調SFファミリーコメディ原住民もいるよスペシャル。他の作品じゃ看過できないほどの不都合もたびたび起こるが、すぐに甘美な描写に目を奪われまあいいかと許してしまう。これが心地よいリズムを生んでいる。例の習慣の欲望に正直だった料理長がもっとも幸せを掴んだと思えるところがなんともいかれててよい。傑作であると同時に注意が必要な劇薬。
★3 - コメント(0) - 2014年11月21日

多くの仕掛けが施された長編で、読んでいると美しいテクストの中に埋れた宝物を探しているような気分になる。O氏がG.マルケスと比べて「ドノソは努力型」と言っていたけど、確かにその美しさにはなんとなくドノソ自身の血と汗が垣間見えるようで、ある意味において人間臭さも感じとれた。実は本書において執り行われた読書会に僕も参加してきたのだけれど、面白いのは僕の他にも数人の読み手が「読んでいるときに、マルケスの『百年の孤独』と近しいものを感じた」と、(もしくはそれに近い言葉を)言っていたことだ。
★12 - コメント(2) - 2014年11月16日

http://booklog.jp/users/beta-carotene/archives/1/4773814187
★3 - コメント(0) - 2014年11月15日

舞台を見ているかのようだった。シーンが切り替わる毎に、それまでのセットを片付ける裏方さんを想像してしまうくらいw 部屋毎にエピソードが展開する序盤は特に、「ゴーメンガースト」を思い出してそれだけで楽しかった。 親が出かけていたのが1日か?1年か?ウラシマ効果か?と考えていたら、そこは考えちゃダメらしい(;´∀`)
★16 - コメント(0) - 2014年11月12日

面白かった!分厚かった!搾取しつつ「原住民は食人種」の幻想を守るベントゥーラ一族の優雅で醜悪な大人達。彼らがこぞって竜宮城(的な…)に行ってしまった後の子ども達の、それぞれの現実の獲得と騒乱。帰還にあたり派遣される使用人は、流れる時間の違いをなかったことにするため時間に関するものを排除。そして乱れた領地を売るための外国人との接触で、美しく自慢の子どもが傷めつけられ瀕死であることが露呈。何もかもを飲み込む綿毛。全てが何かの暗喩なのは明らかだけど、まずは考えずに楽しみ、やがてじわじわ凄さが伝わってくる。
★53 - コメント(1) - 2014年11月11日

別荘の 評価:70 感想・レビュー:73
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