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精神病の日本近代: 憑く心身から病む心身へ (越境する近代 6)

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Annabelle K
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政治的意図が精神病の成立と排除にどれだけ貢献しているかに、驚いた。ミシェルフーコーの狂気の歴史と比較してみたい。
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やっぱ犬が好き♡
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狐憑きが迷信として退けられ、精神病がそれに変わる正しい認識とされる過程は、規律権力によって近代的「個人」概念が日本に浸透していく時代にあった。特に興味深いのは、近代における司法・刑法の発展と同時に精神病概念は拡張されていき、犯罪・社会問題との親和性あるものとして精神病が語られていったという著者の指摘。社会的なものが個人化(個人によってコントロールさせる)され、問題を生み出す社会作用が不可視化されてしまう。
やっぱ犬が好き♡

日本における脱施設化の遅れ問題(OECD諸国で精神科病床数トップ)、精神障害者の私宅監置の歴史について調べていて、本書に辿り着いた。

04/30 21:24
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田舎暮らしの渡り鳥
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これは面白かった。知る人ぞ知る良書だなぁ。
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エムワイ(emuuwaii)
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憑く心身と〈もの憑き〉の世界観から、病む心身と「精神」病へ。歴史学の視点から、日本近代における〈もの憑き〉をめぐる言説と世界観の変化について考察した本。今ある現実を、歴史学の手法で見直してみる作業。上記の変化のただ中に森田先生の言説があったこと、日本における責任能力概念の誕生と労働の概念に関連があったことなど、興味深い指摘がありました。
0255文字
西野西狸
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ネタバレ近代に入って「精神病」というものが海外から入って来て、「もの憑き」は全て置き換わった。そして過去の「もの憑き」も精神病の枠で捉えられるようになる。そして精神病は危険で隔離すべきものとしなっていく。書誌資料のみならず実際に療養所があった場所でのフィールドワークなどから近代における精神病の位置と変遷を明らかにした力作。
0255文字
渋江照彦
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良い本に巡り会いました。
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nanchara_dawn
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前近代の日本においては、例えば「狐が憑く」というような、<もの憑き>の文化が当たり前にあったが、近代化と共にそれは「精神病」に置き換えられていった。<もの憑き>は地域共同体の問題として捉えられてきたが、精神病は「憑かれる」側である個人の問題とされ、その個人存在を危険視する視点から、過度な予防検束が行われたり、断種が検討されるなど、治療という名目の下で権力が暴走していたことが明らかになっていく。近代が生み出した架空ではなく、精神病患者の現実と向き合うべきだとする著者の主張には納得がいく。
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Was
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言説分析によって、明治時代以降に<憑き物>(=世界との関わりの問題)から、精神病(=個人の内部の問題)へと社会の認識が変化したことが、近代日本における主体の形成(当然、法制度によるもの)と密接に関わっていることを手堅く解き明かす。そして、共同体を基盤にした近代以前の世界観が、オカルト的なものとして周縁におとしめられていくことも示唆されている。いい本だと思う。
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もん
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近世から近代へ時代が移行し、日本社会が近代化し西洋の文化が流れ込む中で、ある状態を指す言葉が、既存のもの憑きから精神病へと再定義される。その考え方の変化の一端、憑く心身という世界観・病観から病む心身という世界体系を見直すという方法は興味深かった。
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