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脱暴力へのマトリックス (戦後・暴力・ジェンダー)

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ヒナコ
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第三章に収録されていた堀田義太郎さんの「優生学とジェンダー――リベラリズム・家族・ケア」の感想。 国家主義や人種主義やマルクス主義が上から女性に押しつけてきた優生思想というのは、歴史的事実としてあるにはあるが、優生思想(優生学)とはどんなイデオロギーでも発露する可能性のあるものである。女性のリプロダクティブライツを認めたリベラルなイデオロギーにおいても、優生思想(優生学)は障害児の人工妊娠中絶という形で現れることがある。こうした優生思想(優生学)は強制を伴わない優生思想(優生学)である。→
ヒナコ

しかし、こうしたケア関係から自由な主体がそれぞれの利害関心に沿って活動する社会でも、子どもや老人や障害者をケアする人は存在している。リベラリズムはこの矛盾を家庭と社会という領域の設定によって、家庭でのケアは女性が「自由に」やっていることとして、この社会での多くの女性以外の成員は、自分のケアの負担を回避している。そしてこの「ケアの「タダ乗り」を是正するために多くのフェミニストはケアの社会化を主張している。→

07/09 15:15
ヒナコ

リベラリズムの前提では、人間は負担から逃れる自由を保障されている。しかし、誰かがケアの負担を支払い続けない限り、依存状態にある人は生きていけない。どの程度、自分自身がケアをする義務を(強制された形ではない参画のしかたで)担うのか、この両義性についての批判的論考だった。

07/09 15:15
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