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夢と眠りの博物誌

感想・レビュー
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ナタデココ
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生まれてこの方不眠のフも感じたことがない私は、『裸の事実』云々の不眠の話がクソおもんなくて出鼻をくじかれた。眠りやドラキュラと資本主義との対立構造は面白かったです。偉人の睡眠習慣も興味深く、アインシュタイン(自然)とエジソン(資本)の対照っぷりが楽しい。僕は断然アインシュタイン派。図書館。
ナタデココ

(エジソンは)『報酬が多いことよりも労働が少ない方が幸せだと考える人間のいることを認めなかったのである。』

10/30 01:18
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コウみん
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人間はどうして寝るのか、夢を見るのか。睡眠科学についていろんな観点で語った一冊。 古代より眠りというのは死と連関されたり、文学作品での眠りと夢はいかに表現されてあるか。ゾンビと連関するのも結構新鮮な観点だった。
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佐倉
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眠りと夢を文化的な事象という側面から論じていく、という試みをする一冊。大脳生理学など科学の論点では拾えない、社会にとっての眠り、個人にとっての眠りという観点は面白かった。現状の資本主義社会が眠りに価値を置いていないのは確か。本書でいうエジソンのようにショートスリープ最高!眠るのは無価値!という在り方からは流石に変わってきてはいるが、パフォーマンスのために睡眠が必要!という風潮も実用性に本位を置いている点でさほど変わり無いかもしれない。ドンレニ侯爵やアインシュタインのような個人的な付き合い方が好ましく思えた
佐倉

巻末で『和漢三才図会』の小野篁の例など日中の例を取り上げ切れなかったことに言及しているが、確かにアジア的な世界における夢の在り方をもっと知りたかったのはある。

08/31 21:47
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yurari
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眠りについて生理学的なアプローチをした本は溢れるほどあるが、本書は人文的なアプローチで興味深い。物語で描かれる眠り、哲学的な考察、眠りにまつわる偉人のエピソードと飽きさせない内容。眠りは文化であり、こうでなければいけない、というのはない。昨今、「〜しなさい」みたいなタイトルの本をよく見るが、話半分で聞き流すのが良いなと改めて思った。中世ヨーロッパの諺では「男は6時間、女は7時間、阿保は8時間」でも今は8時間が適当とされる。個人差もあるし、◯時間寝なきゃ!という思い込みをなくしたい。
yurari

ダリは自称無眠者(誇張して宣伝していた節あり)亜鉛板の上に置かれた椅子で休み、眠ったら手から鉄球が落ち音で目覚める。この時間が睡眠時間だったとか・・。無眠というか、マゾ?こんな生活じゃ時計が溶ける絵を描くわけだと妙に納得した。ダヴィンチも無眠者、エジソンも「眠る事は時間の浪費に過ぎない」として睡眠時間を切り詰めていた。一方、最近の有名な経営者等はしっかり睡眠を取る人の方が多い。いずれも成果を出している訳だから個人差としか言いようがない。そして今は、なるべく寝ましょうという文化の時代に生きているのだろう。

11/17 11:10
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西野西狸
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ネタバレ不眠や眠りが文化的に構築されたものであるという考えはなるほどと思った。アリストテレスや錬金術師、ニーチェやプルーストなど民衆というよりは知識人が夢や眠りをどう考えていたのかという文化史である。時代によって同じ睡眠の発生のメカニズムの説明も変わり、夢の解釈も変わるのは興味深い。
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デビっちん
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再読。眠れば必ず夢を見ていて、眠りのなかでも夢のなかでも考え続けている。夢を意識して記憶したつもりでも目覚めると何も思い出せないことが大半だが、夢を記録するという訓練を通して、夢を記憶し思い出せるようになる。夢を夢と意識して夢を見ることもできる。夢を意識できるようになったとき、夢のなかで意識的に問題を解くこともできるようになる。普段ほとんど夢を見ないが、夢を見るための訓練をして明晰夢を見てみたい。そういえば、夢をテーマにした映画があったなぁ。
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安南
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このところ、ねむりについての小説を読んでいるので参考になるかと。伝説、神話から思想・文学・芸術を縦横無尽に紐解き、様々な側面から夢と眠りと死についてとらえ直した充実の内容。ページ数は少なめだが、得ることは多かった。特にレヴィナスの「眠りとは、不眠が現前させる《裸の事実》を祓うための《悪魔祓い》であり、自己をひとつの場所に委ねる、避難所を得ること」といった不眠の定義は興味深い。
安南

歴史上何度かのパラダイムシフト。古代、眠りと死は農耕の過程を象徴した寓話であり死と再生の循環の物語であったが、中世になりキリスト教の布教に伴い眠りは単なる肉体的生理現象となり、死とは切り離されていく。そして近代、産業革命以降労働を妨げる睡眠は邪魔者扱いされ、白熱球の発明により都市から夜が消え、闇は全近代的なものとして嫌われていく。キリスト教的抑圧と近代化による明るさ偏重と暗さへの偏見に対する闇からの復讐者としてのドラキュラ=不眠者=生ける屍。不眠は狂気を誘発する。人は《裸の事実》に耐えられない。

05/13 17:56
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デビっちん
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再読。人間の眠りに正常なかたちなど存在しない。「眠り」とは一種の技術であり、自然なものではない文化的に作られた幻想である。眠るのが生理的自然だから眠れないのは不自然だという考えが前提にあり、眠りを自分の望み通りに得られるものと勘違いしたのが、現代の不眠症。眠りとは不眠の中断。不眠の中で眠っていることを忘れてはならない。睡眠に対する考え方が変わった。寝る時間を短くしようとしていたが、逆で、覚醒している時間を長くする。当たり前のように思えていて、因果関係を逆にすると、見えてくるものは何があるだろう?
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デビっちん
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夢の特徴は「推理」と「誰でもないもの」睡眠を死の象徴として民族学的に考察しているのが面白い。著者は、医学的な眠りのシステムだけでは解消できず、哲学や心理学から不眠に対してアプローチしている。睡眠と切り離せない夢を構造から考えている。1つの分野だけでなく、違う視点から見てみると何でも面白い。
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shunkichi
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H図書館。面白かった。死と夢の関わり、アスクレピオスのあたりが特によかった。もう一度ゆっくり読んでもいいな。
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鳩羽
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眠りとは「不眠の警戒」からの逃避であり、「現前する裸の現実」の回避であるとする。まあ、ぐっすり安らかに眠れるのが当たり前だとする信仰めいたものを解きほぐし、夢をみるとはどういうことなのかを哲学・心理学・民俗学的に考えていく。心理学的な分析ばかりじゃないところが目新しい。眠りが死のアナロジー出会った時代から、キリスト教や資本主義の影響からそうではなくなり、眠りの違いが死生観の違いとなっていくところが面白かった。
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shimojik
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眠りは死のアナロジー/眠れないことは生命的危機ではない。野生的な睡眠を文化的な睡眠に環境化したことに本質は無い/不眠のストレスを抱えないことが不眠症解消になる/不眠症とは不眠の事実を認められないということ/眠りとは目的の無い根源的覚醒たる不眠の警戒からの逃避。現前という裸の事実の回避/ボードリヤール:墓地が存在しないのは、近代都市全体が墓地の機能を持つから/現代の幻想では真実や意識すら幻想。意識と無意識、正気と狂気の差異が相対的なものでしかない
shimojik

生ける死者の世界から抜けでるには、世界の発端・裸の事実との対峙、狂気の深淵を覗き込む必要がある/生には耐用年数も契約書も無い。希望通りの展開も無い/眠りが不眠の警戒解除・現前の回避ならば主体の分裂がおこっていることになるが、その際認識と意識・眠るものと眠らせるものは同一のためあいまい/睡眠願望は普遍的なものではない

02/16 09:30
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