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リスクを食べる: 食と科学の社会学

感想・レビュー
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キヨとも
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ネタバレ安心安全を考える前に自分なりに情報を収集して考えてみることが大事。 メディアで言われるこれを食べるとリスクがあるというのは説明不足と矛盾があることが多い。 これからは、ニュースやネット記事の食に関するリスクについて観るときは、その事を頭に入れていきたいと思います。
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JP
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知識社会学という言葉を初めて知った。科学的な正誤ではなく、人の気持ちや不安も受け止め、話し合うことが重要との論になるほどと。とかく正解を求めたり、問題を解決しようとしてしまうが、不安を表に出して、それを受容する人・場があると安心することが大事。最後の選択はあくまでも個人にゆだねるということが、平和な社会につながるんだな。
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前田まさき|採用プロデューサー
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我々のまわりには「食をめぐるリスクと科学言説」があふれている。それら言説がいかに生まれ、人びとに影響を与えているか(ある食べものを食べたり/食べなくなったり)、考えてみようという本。食というポピュラーなテーマのわりに内容難しめ(社会学の基礎知識、もっというと社会学的文脈における「リスク」や「コミュニケーション」の理解がないと読み進めるのはキビシイかも…)。本題とは逸れるけれど、コミュニケーション論的に考えて行き詰まったらプラグマティズムを参照してみる(pp.237-239)というアプローチは参考になった。
前田まさき|採用プロデューサー

■「科学的正しさ」が占有されたり、あふれる「科学的説明」を前にして疑問を発せられない状態は回避すべきである。疑問を発すること自体に「正しさ」は必要ない。もちろん、科学的知識の習得は不要であると言うつもりはない。問題なのは、専門的知識の差が圧倒的にあることはもとより承知のうえで、しかし食(品)というのは嗜好や感触、経験、記憶、気分や感情、人間関係までも想起させたり規定したりするものなのだから、以上でみてきた特殊な性質をもつ知識だけに正しさが占有されるのはおかしいのではないかということだ(p.245)

01/25 16:52
前田まさき|採用プロデューサー

思考停止こそが実は最も正 くない態度ではないか。さまざまな議論の前提を問う自由が保障されていることこそが、私た とって最も必要かつ重要なのではないか(p.245)。

01/25 16:53
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よみびとしらず
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ネタバレ難しい言葉山盛りの食欲減退系批評。行きつ戻りつ、牛歩で読了。表のページは付箋を貼った方が良いかも。昔読んだ「フードトラップ」にも似るが、M.モス氏がファーストフードを絶対悪とするのに対し柄本氏は健康食品の欺瞞を突き、「よき市民」たちの思考停止に警鐘を鳴らす。消費者は科学的言説に踊らされ(裏で政府や企業が糸を引く)、政府は経済界に踊らされる(政治には金が要る)。……結局私は具体的にどうしたらいいのか………(思考停止)。
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もっち
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リスクを食べるというタイトルだが、つまりリスクコミュニケーションをメタ的に見るというお話である。リスクを負う「市民」とは何で、どんなメディアに媒介され、言説がどう変化していくかを問うている。確かに示唆に富む議論だが、あまりに難解すぎる書き方をしている部分がある。ルーマンやムフの議論を持ってくる意味がよく分からない。
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ぷほは
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「リスク」と「コミュニケーション」は20世紀後半、国内の事情も踏まえれば80年代以降の社会学の最重要バズワードだが、それに「食」という21世紀の最重要課題の一つをテーマにして挑んでいる。データのボリュームや先行研究への目配り、事例の面白さや展開の妥当さなど、どれも高水準な成果であり、コレを真似してみろと言われてもなかなかできる気がしないのが正直なところではある。それを踏まえて難点を言わせていただくと、理論・事例ともに噛み砕きが弱く、括弧や濁点を多用した冗長な文体は、科学的にも一般書としても感心はできない。
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kix08
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「食の社会学」をリスクの観点から試みた本。随所に面白い視点が含まれているとは思うが、それぞれが細切れになってしまっている気がする。
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TETSUYA
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私たちにとって食べるということは明らかに、単に生物として物理的に身体と生命を維持するということだけではなく、栄養の摂取によって健康をいかに保つかということだけでもない。どのような社会的背景があり、どのような政治的意味を持つ(可能性がある)行為であるかについての考察が非常に重要であることがわかる。-- ということで、「食の社会学」として色々な言説や社会状況等について考察している本書。かなり面白いです。
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matsu
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リスク抑制食品に対しては永遠のゼロリスクを追求させる反面、リスク増加食品に対してはゼロリスク指向を禁じる。これらはけっして科学の言葉ではない。統治のための政治的メッセージであり、政治性は科学の名のもとに隠蔽されている。科学を相対化することで権力の作用が見えてくる。
matsu

リテラシーという用語は正しさがあるという思想に支えられている。だがリスク評価と安全が恣意的かつ政治的である以上、「正しくこわがる」ことの正しさを疑う余地がある。さらに科学的な正解が個々人の真理と一致するとは限らず、安全と不安の差を生じさせている。あらかじめ述べたように、安全はけっして絶対ではない。にも拘わらず市民は信頼するよう求められているのである。

09/23 16:05
matsu

このような状況下で、市民運動は極めて重要である。 リスクコミュニケーションに対する著者のメッセージは次の通り。 ①絶対的な正しさの下で正誤を分断するのではなく、安全の政治性を全面に出す。 ②消費者は不安を積極的に表明する。

09/23 16:05
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