■「科学的正しさ」が占有されたり、あふれる「科学的説明」を前にして疑問を発せられない状態は回避すべきである。疑問を発すること自体に「正しさ」は必要ない。もちろん、科学的知識の習得は不要であると言うつもりはない。問題なのは、専門的知識の差が圧倒的にあることはもとより承知のうえで、しかし食(品)というのは嗜好や感触、経験、記憶、気分や感情、人間関係までも想起させたり規定したりするものなのだから、以上でみてきた特殊な性質をもつ知識だけに正しさが占有されるのはおかしいのではないかということだ(p.245)
思考停止こそが実は最も正 くない態度ではないか。さまざまな議論の前提を問う自由が保障されていることこそが、私た とって最も必要かつ重要なのではないか(p.245)。
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