読書メーター KADOKAWA Group

ブルマーの謎: 〈女子の身体〉と戦後日本

感想・レビュー
44

データの取得中にエラーが発生しました
感想・レビューがありません
トギエモン
新着
ブルマーの謎 以前、女子学生の体操着として採用されていたブルマーの歴史が書かれた本。 今は、女性からの反対により採用されなくなったけど、フェティッシュなアイテムとしてポルノなどでは使われている。そういえば、ある程度前まではアニメの世界でも使われていたように記憶している。(アニメの世界でも最近見なくなった印象)
トギエモン

すると、その反論として最初に考案されたブルマーは肌の露出が無いものであったということが紹介されるようになった。 どっちの議論にも巻き込まれたくなくて、真相を知りたいと思っており、この本を読んだ。

12/07 00:41
トギエモン

ブルマというのは、最初にちょうちん型ブルマと呼ばれる、裾がまとまっているものが主流だった。密着型ブルマの普及の背景には、中学校体育連盟が資金を得る為に全国中学校体育振興会を設立し、そのシンボルマークの使用権を独占的に与えることと引き換えに必要な資金の提供を受けることになったことがあるとのこと。

12/07 00:42
3件のコメントを全て見る
0255文字
エスコルチア
新着
ブルマー普及のために多くの人が尽力してきたのを知ることができてよかった。
0255文字
ふくちゃん
新着
図書館本。宮部みゆき氏、強く?お勧めの本。某大賞受賞本を想起するが… 無関係。推薦者による先入観があるかもしれないが、社会派ミステリ、それも極めて緻密かつ多面的なそれのような趣がある。そこまで書くとファクトからは逸脱するのでは、という内容も、読んでいるうちに真実と納得させられてしまいそうな何かがある。近時読んだ本の中で、或る意味突出している。
0255文字
MASA123
新着
「宮部みゆきが「本よみうり堂」でおすすめした本」の中でも、とくに推していた本。「○○○の謎」とはタイトルだけで、本の中身は、乏しい資料や引用だけで主観的な作者の推論を雄弁に述べていて、まったく謎解きになっていないとカッガリすることが多い。しかし、関西大学社会学部教授が執筆したこの本は、丁寧な調査と資料により、真摯に謎解きをされていて安心して読めた。おもしろかった。1964年の東京オリンピックから始まる、女子体操服(密着ブルマー)の変遷は、高度成長期の昭和史にからむ深い話だった。
MASA123

教授は調査をはじめてすぐに壁にぶつかる。・・・近隣の教育委員会へ問い合わせてみた。本題に入ると相手の口調は怪訝さを帯びてきて、「いわゆる、ちょうちんブルマーから、ぴったりブルマーに変わっていった状況をしらべているのですが・・・」と説明をはじめると、あからさまに、こちらの素性と目的を疑う様子が伝わってくる。唐突に電話を切られたこともある。失礼な話だ。だいたい、教育委員会にしても、人から訊かれて不愉快になるようなものを導入して、三十年も積極的に維持してきたのか。疑問はますます募る。 ・・この先生、好きだなあ。

04/02 16:22
itokake

小学生時代にぴったりブルマーを履いていました。当時はそれが当たり前だと思っていたので、気にすることもなく過ごしていました。「はみぱんしてるよ」と女子同士で教え合っていたのですが、さすがに指摘されると恥ずかしいので細心の注意を払っていましたね。ちなみにスカートめくりが大流行中だったので、ブルマーを履いて対策していました。

04/06 11:22
0255文字
marumo
新着
60年代後半から90年代前半、突如現れ唐突に消えたらしいブルマーの謎。予想通りだけど、やっぱりお金絡み。結構なページ数が中体連、中振連の成立とお財布事情に割かれています。そしてブルマー強要イコール「セクハラ」が成立してからの即効終了。文章がダラダラしてるので、かなりの飛ばし読みだけど、多分そんな流れ。私はモロにブルマー世代。当時何とも思わずブルマーを着用してたわね。今思うとなぜ平気だったのか我が事ながら不思議でならないけど。
0255文字
kenitirokikuti
新着
図書館にて。再読▲ブルマからハーフパンツへの移行に気を取られていたせいか、提灯ブルマから密着式ブルマへの移行について、全く忘れきっていた(男子についても、ふんどしからパンツへの移行を忘れないようにしたい)。ブルマ履きの恥ずかしさと言っても、提灯ブルマのそれと密着のそれは異なるはず▲90年代前半にシンガポール日本人学校にてブルマ履き強制は人権問題と声が出たのだが、そのとき制服指導を主張したのは女性体育教師だったそうな。ちょっと意外。
0255文字
koi
新着
履くのは恥ずかしいと言われた 密着型ブルマーが日本全国に広まったのか 資金繰り、オリンピックでの憧れ、等様々な側面から広がった経緯を探る真面目な本です。
0255文字
亜済公
新着
ブルマーという題材がこれほど魅力的な謎を孕んでいるとは思わなかった。良い本を読んだ。
0255文字
130
新着
真面目な本です。密着型ブルマーが採用された理由から退場させられるまでを調べた本。やはりお金や商売がエンジンとなっていた。
0255文字
oDaDa
新着
オリンピックは尽く国民生活や価値観を変えてしまう、女児のスカートの中さえも…社会学的、そしてある種サスペンス的に謎に迫っていくその筆致には舌を巻いた。戦後教育は屈折しており、「日本的」というその純粋かつ無思考な情熱に燃えた体育教員の怖さ、体育連盟の集団の体質、一度採用されたものへの超保守的な頑なな信仰、企業の在庫事情などが幾重にも絡まり、約30年間女児はその羞恥に晒されてきたにも関わらず簡単には消滅しなかった。これはあくまでエロやジェンダーに留まるものでなく、日本的病理の近視から始まる精神分析の書である…
0255文字
うわっち。。
新着
小学校入学時から当然のように履かされていた密着型ブルマーの起源と衰退を調査した本をやっと読むことができました。 密着型ブルマーを履いて体育の授業を受けていた時は下着がはみ出はしないかと、常にヒヤヒヤしていました。(特に体操の授業時はヒヤヒヤ度が上がった) 周りの女子生徒も同様にヒヤヒヤしていたので、当時から密着型ブルマーは生徒の間では評判は悪かったように記憶しています。↓
うわっち。。

私は県境をまたぐ転校を何度かしたのですが、どの地域でも密着型ブルマーを履かされていたので、学校の女子体操着は密着型ブルマーしかなかったのでしょう。 もし、転校先の地域の学校でハーフパンツタイプを採用していたら、密着型ブルマーが普通ではないことに気が付けたのかもしれません。 生徒間では評判が悪かった密着型ブルマーが30年間採用され続けたのは、密着型ブルマーしか選択肢がなかったからだと思います。↓

09/14 10:05
うわっち。。

現在では「密着型ブルマー≒エロ ∴セクハラ」のような図式になり、学校から駆逐されてよかったね、としか感想はありません。 シンガポール日本人学校の女性体育教師が百貨店経由で密着型ブルマーをわざわざ取り寄せてまで女子生徒に着用させたのは、生徒に対する支配欲からだと思います。

09/14 10:06
0255文字
とうみん
新着
ちょうど自分が小学〜中学のあたりに体操着がブルマーからハーフパンツに移行したのだが、一応どちらを履いても良いことになっていたが、あっという間にハーフパンツに駆逐され、ブルマーは姿を消してしまった。やっぱ皆嫌だったんだな。という思い出。
0255文字
oku
新着
綿密な研究がなされており、読み応えがある一冊だった。今もあまり変わらない、校長や体育主任を取り巻く空気感をうまく掴んでいることも印象的である。 最後の8章がやや蛇足感があったのが残念。
0255文字
peeping hole
新着
これ論文として書いたら怒られるでしょみたいな推測と断言のオンパレードにビビる。シンガポールのとこもおもろかったがほとんどエッセイだしやや書きぶりがミソジニー的なアレでは…? そして結局パッとしない中体連やらオリンピック委員会やらとの関わりももう少し紙幅を割いて欲しい。刃牙読み。
0255文字
みなみ
新着
この本は副題のとおり、戦後日本の歩みをメインに書いている。ブルマと女子スポーツのユニフォームの話をするなら、「いだてん」に出たような女子の体育の服装をもっと掘り下げたほうがテーマに相応しいのではないか。だがこの本では延々と水泳ニッポンの話をしていたりする。ネタの前フリにしても長い。ざっくり背景を描いた上でエッセイ形式にしてほしかった。長く書く割には主観的な憶測や感想が目立つ。ブルマで「タッチ」を取り上げるのも不十分だ。同じ作者の「みゆき」のほうがブルマ描写は多く、スカートの中にブルマを穿く回すらあるのだ。
みなみ

「みゆき」では女子高生のセクシー写真コンテストで盗撮された女子がスカートの中の写真を撮られないためにブルマを履き、男子学生は憎々しげに「ブルマなんか履きやがって」と言い出す。(ブルマの性的まなざし+二重穿きまである)今ではこんなとんでもない描写はできないが、過去のヒットした少年漫画では当たり前にあったのだ。あだち充とブルマでこの話が引用に出てこないとは、ネタの使い方が恣意的なのではないだろうか。(そんなの覚えてないとか知らないとか…?)

10/27 19:46
0255文字
kenitirokikuti
新着
図書館にて。『明日(あけび)ちゃんのセーラー服』第7巻が出たので、本書と『ブルマーの社会史』を再読した。90年代後半には、はみパンしちゃうタイプの密着ブルマはハーフパンツに置き換わっており、平成生まれはブルマを知らない方が普通だそうな。ブルマがこの手の話題でシンボルとなったのは、93年にシンガポールの日本人学校での「強制」が人権問題となったからのようだ。自分、中学のとき丸刈りだったけど、在校中に長髪自由になったなぁ。80年代後半
えすてい

私の通ってた小学校は平成になってもしばらくはブルマーでした。

08/22 09:59
0255文字
なーさん
新着
ブルマー自体の存在は知っていたが、ちょうちん型ブルマーと密着型ブルマーの違いなど知らないことが多かった。密着型ブルマーが浸透した過程を解き明かす部分ではミステリー小説のようにワクワクしながら読めた。
0255文字
miunac
新着
不思議な本である。さんざ中体連のことを説明したのに、中体連の影響はほとんどなかったと書く。データは少な過ぎてほとんど意味をなさない。決定的なのは、ブルマーの消滅とブルセラを無関係だと断言する件りだが、要するにこの著者、何もわかってないのである。類書がないからそこで1番になろうとしたのだろうけど、類書がないのは単にデータがないからで、まともな良心がある人は、そんな状況で本など書かないのである。この本は、著者が調べたことは役に立たなくても全部書き、自己顕示欲のみ強いが全く役に立たない本である。
ミントブックス

確かに感情論が多い本ですよね。東洋の魔女に憧れたのはウソだったとか、ブルセラの時代を知らなかったのでは?なくなった時は急ではありましたが、残っていた学校は10年くらい需要ありましたから。憧れていた女児も数は明確ではないが、アタックNo.1のアニメの影響等でいたのは確かです。表紙が表紙だから書店の店員にはなかなか頼みづらい本です。アダルトショップで頼むのとわけが違うジャンルだから。本当にメーカーと学校の共謀でブルマーを売らせたのか?本当にそうならそこまで売れないはずだし、今も陸上用のブルマー増えてますしね。

06/07 10:44
0255文字
たろーたん
新着
1965年以降、ブルマが定着した理由は、東京オリンピックの女子新体操のレオタードが、当時普及したカラーテレビを通して、女性の肉体に新しい美的感覚と健康観が定着させたことにより、ぴったりと身体の線が出るような服が良いとされたためである。また日本の防寒防犯のための下着二枚履きの伝統も大きく貢献した。しかし、1990年代にセクハラという概念が現れ、強制的にブルマーを履かせることはセクハラと結び付けられるようになり、ブルマーは一気に下火になる。後に、動きにくく、だらしないと思われていたハーフパンツがメインとなる。
たろーたん

コメントありがとうございます。ハイレグって受け入れられているのでしょうか?強制的に履かされるとすれば、ハイレグもブルマーと同様に拒否される気がします。そのため、白と紺色のデザインで目立つからではないと思います。

06/09 13:32
ミントブックス

コメントありがとうございます。ハイレグば受け入れられてますよ。実際に嫌なら穿いてないでしょうし、制服のスカートもスボンになるでしょう。

06/09 19:59
3件のコメントを全て見る
0255文字
ふぇるけん
新着
HONZで一時期話題になっていた本書。密着型ブルマーの登場から衰退まで、時代背景とともに深掘りした一冊。『なぜこのテーマを?』という当然の疑問は棚上げして、ブルマーの謎に対するあくなき探求心に敬服するのみだ。制服などは体型がわかるようなものはNGだったのに、それに真向から対立するようなブルマーがこれほど広まったのも驚きだし、レギンスのように下着が見えなくても上から短いスカートのような布がないと恥ずかしいという羞恥心の概念なども納得。残念ながら、この話題を他の人たちと共有する機会はなさそうだが。
0255文字
ココアにんにく
新着
図書館で見つけて読んでみました。これだけ深く調べていることに関心。中体連という言葉が出てきて、最初懐かしいと思っていましたが、これがブルマーと関連していたなんて。「身につける服装は体の線が出ないように」とあるのに、体型丸見えの下着のようなモノが三十年も続いた不思議。90年代に入って急に性的対象と思われ衰退。導入当時からふともも丸出しで恥ずかしかったに違いないのに生徒の気持ちは図られていない。一度決まると、なかなか変更できない日本らしさの悪い例に思えます。
0255文字
takao
新着
ふむ
0255文字
西野西狸
新着
ネタバレブルマーの登場から消滅まで当時の社会状況や文化から解説していく。中体連の沿革や東京オリンピックを巡る当時の言説などまで幅広く扱っている。以外だと思ったのはブルマーと関係ないが東京五輪はバレーや柔道などのイメージがあるが、当時は競技人口が少なく陸上や水泳でメダルを取れなかったことに批判的な意見が多かったということである。あと、ブルマーの消滅がセクハラ概念の浸透という、結局そうなのねということだった。また戦前から性犯罪防止のためにパンツを二重に穿くということが奨励されていたというのも知る。
0255文字
H.A
新着
60年代半ばから90年代半ばまで、女子の体操着の標準であった密着型ブルマの興隆と衰退に光をあてた本。戦後文部省は女子は乳房や腰の形が露骨に表れないようにするという方針を堅持していた。そんな最中東京オリンピックでは、女子体操、バレーボールなど身体のラインを確認できる外国人選手を目の当たりにしたのをきっかけとし、それまでのちょうちん型ブルマから販売側の思惑も手伝って普及していったようだ。一方で衰退はシンガポール日本人学校で密着型ブルマを強制しようとしたことがセクハラにあたるという世間の風潮がきっかけである。
0255文字
yaccha
新着
ネタバレブルマアンチの「セクハラが~」ではなく比較的時節を追っての感想文みたいなものでまあまあ。ブルマが廃れていくとともに出てきた「コギャル」のミニスカ露出と照らし合わせてもらいたかった。1988-89シーズンの高校サッカー選手権の写真でマリノスやベガルタでプレイした元日本代表の山田隆裕の写真が懐かしかった。
0255文字
サムライマニア
新着
★★☆☆☆
0255文字
M
新着
謎が解決しているかどうかは微妙なところだけれども、オリンピックが「格好いい!」とかは要因として大きいんだろうなぁと、なんとなく納得感。あとは、尾崎商事すごいわ…という印象。
0255文字
T.Y.
新着
パンツ型のいわゆる密着型ブルマーはなぜ急速に普及し、急速に消滅したのか。巷にある風説を解体し歴史の「なぜ」に挑む。見えてきたのは中学校体育連盟(中体連)が財源確保のため尾崎商事・葵と提携した事情……。東京五輪前後のスポーツ立国論も絡む中体連の変容過程といい、この編の解明はなかなかスリリング。ブルマーの消滅もセクハラ概念の普及と結びつけて論じられる。他方でブルマー普及を支え、また学校現場をそれに固執させた「心情的」背景も興味深くはあるが、大分エビデンスは弱くなる。さらなる議論が待たれるところである。
T.Y.

現在「ブルマー」で検索するとなんと真っ先にこの本の紹介記事が出てくる。新たな「定説」誕生の気配がするが、しかしもちろん批判的に論じるべき点は残っている。

07/28 15:31
0255文字
sonson
新着
密着ブルマ世代です。合理性のないものが、中体連やメーカーの思惑で全国的に教育現場で取り入れられ、教育現場の常で一度導入された密着ブルマはなかなか廃止されることなく…。良く調べている。
0255文字
青猫ちびすけ
新着
ネタバレ昔何気なく(というか嫌々)履いていた密着型ブルマーの背景に、中体連の財政難と一度取り入れたものをなかなか変えない学校の閉鎖的な体質が関係しているとは思わなかった。制服とか体操服とかも考えてみたら誰かが決定して、どこかのメーカーが作って納品しているわけだから利権だって絡んでくるわけだ。着ている本人たちの嫌悪や羞恥はまるきり無視というのが不愉快だ。あれでコケたりしたら、結構なケガを負うとか誰も考えなかったのかね。
0255文字
waniko
新着
図書館。よく調べたなぁ。私はまさに「密着型ブルマー」を小中学校時代に履かされた世代です。今思えば実にふざけた猥褻な格好させられてたもんだ。
0255文字
tkm66
新着
化繊衣料改革+東京五輪+民主化等の危ういバランスの上に成り立っていた事らしいのは判った。労作。
0255文字
アンゴ
新着
★★★★★ 綿密な資料探索と学校体育団体やメーカーへの聞き取り調査を通して、ブルマー普及の足取りを追う。ブルマーは導入当初から性的なまなざしにさらされてきた。にもかかわらず、学校現場で存続してきた「謎」を解き明かし、戦後日本の女性観の変容と軋轢を浮き彫りにする社会調査の手本となる秀逸な一冊。 日本では決めごとを継続する内、いつのまにか精神性をまとい道徳性を帯びるようになる。いったん決められた後は、その規定を守らせること自体が目的化しているとしか思えないことがあり、誰も異を唱えない日本的不合理の典型例。
0255文字
マカロニ マカロン
新着
個人の感想です:B。以前の「ちょうちんブルマー」は1966年頃から中学校で「密着ブルマー」が普及し始め、68年から高校にも波及。その後、92年ころからハーフパンツへの移行が始まり、2000年までには学校の女子体操着としてはほぼ消滅した。約30年間「お尻に密着してほぼ下着と変わらないものを女子生徒に着用させること」が「ほとんど無頓着に導入」された背景は東京五輪による女性の身体への価値観の変容と、その裏に戦後のスポーツ振興を狙う「組織的関与」で全国中体連の資金難とそこに乗った企業の協働による波及効果があった。
マカロニ マカロン

また、「密着ブルマー」が普及した背景にはパンツ二枚穿きという戦前からの風潮も影響していたらしい。そして、一気に廃れた背景は一般的には80年代後半からの投稿写真誌の登場と、90年代のブルセラブームで性的なまなざしが当てられていたことが、「公然の秘密」をやめ、「女子中高生の身体とブルマーは性的な対象であることが白日の下にさらされた」ことが一因。また同時に「セクハラ」という概念が日本で浸透し始めた時期に当たり、学校がブルマーを強制するのはセクハラではないかという見方が広まり、一気に廃れたようだ。

04/01 00:09
マカロニ マカロン

この本の後半に書かれている戦後日本の「純潔教育」、地下水脈としての「婦徳派」(女性の四徳:女性らしい挙措動作、しとやかで慎み深い言葉遣い、清楚な身だしなみ、家政上の諸技術を身につけること)、「女子学生亡国論」といった話も興味深かった。50年前の日本は新憲法下で男女平等のはずが、現代から見るとおよそアナクロニズムな議論が堂々出版され、まかり通っていたことに驚いてしまった。

04/01 00:21
0255文字
梟をめぐる読書
新着
60年代から90年代半ばまで公に女子体操着として流通していた密着型ブルマ―の定着から消滅までの事情を辿りなおすことで、戦後日本における女子の身体観の変遷をも明らかにしようとする。非常な労作であり、良著。そのはじめに日体連と繊維メーカーの間である契約が交わされていたこと。本格的にブルマーの導入が開始される70年代までに、それを受容する文化的素地が偶然にもできあがっていたこと。さらにはそれが「婦徳派」(戦前回帰派)と戦後民主主義派の双方を思わぬかたちで満足させていた可能性があること……。(つづく)
梟をめぐる読書

読んでいくと「目から鱗」の連続であり、非常に愉しめた。ブルマー消滅の事情を男性側からの(性的な)まなざしの問題のみに帰せず、当時の日本社会に定着しつつあった「セクハラ」という概念と絡めている点も◎。普及や消滅の過程には日本人的な同調圧力(事なかれ主義)も少なからず働いていそうだが、そこを明文化しようとすれば日本人論になってしまうし、難しいか。個人的に、機能美を追求しながら次第に露出を多くしていく女子体操着の歴史は、旧世紀的な進歩思想とある程度までは繋がりがあったのではないかと考えたり。

03/31 16:38
0255文字
nekora
新着
意外とちゃんとした調査だった。女子体育連盟や中体連とカンコーの話は世が世ならプロジェクトXのネタにされるレベル。採用の経緯の調査に比べて廃止の経緯については雑で残念。8章に至ってはシンガポール日本学校の体育教師が女性だったという一事から妄想を暴走させ過ぎだろう…。婦徳云々とか当事者は誰も口にしていない筆者の妄想というか、こういう思わぬところで筆者の性癖が(r
0255文字
クサバナリスト
新着
いつの間にか見なくなったブルマー。社会学者が研真面目に取り組んでおり、その歴史を諸説を、色んな文献から推察したところは正しく研究成果である。漫画ドラゴンボールにブルマという女性が登場するのも80年代なかばのブルマー全盛時。今、ドラゴンボール新作アニメを息子が真剣に観ているが、ブルマの名前がどこからきてるのか知らないだろうな?今度、知ってるかどうかきいてみるか?
0255文字
ふろんた2.0
新着
自分が中学の頃はブルマーがあったな。あれだけ定着していたのにスーッと消えていったね。当時がそれ以外のものに考えが及ばなかったのか。話はそれるけど、当時のテニスウェアのパンツも丈が短すぎていろいろ困ったぞ。伸脚のときとか。
0255文字
たくさん
新着
ブルマの普及には壮大な大人の欲望が混じっているかもと思って読んだが、女子体育連盟や中体連、全体振(?)などの組織と服飾メーカーの販売戦略でということ以外に、ささやかな外国人コンプレックスの性欲と時代の先端を求めるということから時代が名残るというところまで知れた。極端なものだな制度っていうものは。
0255文字
全44件中 1-40 件を表示
ブルマーの謎: 〈女子の身体〉と戦後日本評価91感想・レビュー44