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炭鉱と「日本の奇跡」 石炭の多面性を掘り直す

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電波時計
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ネタバレ18年7月発行。本書は08年に結成された「産炭地研究会」のメンバー6人(経済学者1人、社会学者5人)が、炭鉱に関して様々な切り口で横断的に解説している。北海道の炭鉱についての記述が多いこと、執筆メンバーによって炭鉱に関する深堀り度合いに濃淡が見られるが、入門向けとして面白く読んだ。閉山後の家族の動向、産炭地の女性たち(炭鉱主婦会・炭婦協)についての論考は特に面白く読んだ。石炭技術についての章がないこと、労働運動について一般的概括的な記述に感じたことはやや残念。
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katashin86
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「石炭」という産業が潰えたのちの地域社会をフィールドとする「産炭地研究会」による炭鉱研究への案内本。 日本各地、特に周縁部たる北海道、常磐、筑豊で栄えた産炭業のその後について、さまざまな視点から学ぶことができる。
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やご
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日本の近代において石炭産業はどのような影響を与えたのか、多面的に取り上げたもの。わたしは産炭地とは無縁の育ちですが、幼少の頃は石炭産業がまだ十分に存在感を持っていました。今のように観光用ではなく、実戦力として働いていた蒸気機関車を見たことがある世代です。とはいえ、その頃すでにエネルギー転換が進行しており、衰退は明らかになっていました。ニュースで何度も各地の炭鉱の閉山が伝えられていた記憶があります。 (続く)→ https://gok.0j0.jp/nissi/1157.htm
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takao
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ふむ
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kenitirokikuti
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本書の執筆母体は2008年発足の産炭地研究会。北海道グループと早稲田の常盤研究グループがチームを組んだ▲田中正造と足尾鉱毒事件は有名だが、足尾暴動事件や炭鉱労働者の労働至誠会はマイナー。片山潜が夕張炭鉱を訪れたとき、南助松や永岡鶴蔵が炭鉱労働者を組織していた▲映画『Pride(パレードへようこそ)』(2014)。1984-5の炭鉱ストの際、ロンドンの同性愛グループがウェールズの炭鉱に多額の寄付をした。ストはサッチャーに敗れるが、労働党大会にて全英炭鉱夫組合が同性愛者の権利を守る条項に集団賛成し可決。
kenitirokikuti

台湾の炭鉱、九份は映画『非情都市』『千と千尋』に現れるが、同地の金鉱を経営していた台陽鉱業の顔(yan)氏の末裔は、歌手の一青窈の父▲韓国の江原道は1980年代までオンドル用の石炭を掘っていた。しかし、漢江の奇跡のあと、急速に炭鉱は廃れた。特別振興法が作られたが、IMF通貨危機のせいもあり、潰えた。カジノの江原ランドのみが残る。

09/17 17:44
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RYU
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産炭地研究会による日本の石炭の歴史。石炭採掘が本格的になったのは19世紀後半の開港からで、はじめ外国船の燃料・アジアへの輸出品、明治時代には国内の運輸用・産業用として開発が進む。戦後になると石油へのエネルギー転換もあり閉山が相次ぎ衰退。地域振興策がとられるもハコモノ中心だった夕張は破綻に至る。一方で、炭鉱掘削の歴史は掘削・保安技術の向上に繋がった。旧産炭地の現状は様々で、常磐は温泉と既存技術という地域資源を活用したスパリゾート開発、三池・長崎は世界遺産、釧路は掘削を続け安全技術を磨くなど、地域再生を図る。
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onepei
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かつてこれだけ大きな産業があった、とは思うことがある。
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Kentaro
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ダイジェスト版からの要約 常磐ハワイアンセンターは、海外事例の物まね・コピーのように思えるが、元炭鉱夫がホテルマンとなり、その娘がダンサーになり、一家総出で産業転換を果たした。実のところハワイをまねしたのではなく、常磐の村の鎮守のお祭りの延長線上に構想されていた。そして、日本の炭鉱はなくならなかった。重要な背景が二つある。一つは、新たな生産・労働・経営体系へと脱皮し、「安全第一・生産第二」を実現した炭鉱が現れた。もう一つは、技術面や管理面でいえば日本の石炭産業はアジアで最先端の位置にあったことである。
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