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「コミックス」のメディア史 モノとしての戦後マンガとその行方

感想・レビュー
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ゆーや
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「本屋」とコミックスの章がおもしろかった
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たろーたん
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「メディアが人々の人々の読み方・感じ方を変える」というようなマクルーハンのようなメディア論ではなく、「出版社の様々な出来事が「漫画をどういったモノとして認識するか」という人々の認識を変えていった」を描いた本。我々は「マンガ単行本=雑誌の再掲載」として見るが、もともとはそうではなく、新書として出されていたり、雑誌の中の話をセレクトした書籍としての志向が強かったりしたらしい。それが今、コミックスとして自律したモノの形を確立し、それによって本屋での常設コーナーが出来、人々のコミックスに対する触れ方も変わった。
たろーたん

書き方が良くない。例えば「中野は、漫画の「メディア特性」を、外部にサインを発信し、時にはみずからを守る遮蔽幕」、あるいは、「みること読むこと自体が、自己表現」としての機能しうる「自己表現の媒体」という点に見出し、若者の日常的コミュニケーションを円滑に進める情報装置としてマンガを捉えていた。」って正直、どういうことか分かりづらい。けど、著者はこれの説明をちゃんとせず、「中野はその分析が雑誌媒体を前提に構築されていた」とどんどん話を先に持っていててしまう。これが結構多く、「?」のまま話が進んでいく。

10/16 03:19
たろーたん

分からない・難点が3つある。①「今の研究は雑誌中心主義であるという議題設定があまり納得できてない、表現論中心主義なら分かるけど」、②「雑誌中心主義の何がいけないかが分からない」、③「著者が描くコミックスのモノとしての認識枠組みの成立がどう先行研究・雑誌中心主義に効いてくるのか分からない」。個人的には「雑誌で見ると○○だけど、単行本で見ると××になるよ」って雑誌との対比関係で説明してほしいのよね。

10/16 03:42
0255文字
たろーたん
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覚書。メディア論的マンガ論。漫画の内容ではなく、あくまでその内容を伝える媒介物(コミックス)の成立過程の歴史を紐解いていく本だった。しかし、私は「なぜコミックスが今の形になったことを研究するのか」という問いが、先行研究でされていないからという理由以外分からなかった。先行研究を見ると、漫画研究では、コミックスではなく雑誌中心主義であり、コミックスの物質性ではなく、漫画固有の論理や構造、約束事やコードを示す漫画表現やオーディエンス研究をしており、コミックスは透明化しているため、そこに焦点を当てたようなんだけど
たろーたん

著者は漫画研究が雑誌中心主義と述べていたのがあまりピンときてない。先行研究の副田が受け手の作品享受の仕方(試行錯誤的な作品選択)や安川が「日常的リアリティの読解マニュアル」でファッション誌を例として挙げるなどをしていたが、読者としては「本当に雑誌中心主義だなぁ」と思う瞬間はあまりなかった。一応「なぜ雑誌中心主義なのか」という節があり、その理由が「視覚的な次元で能動的に参与するメディア経験」であり、それがメディア論という言説空間で発見されたからとしていたが、あまり意味が分からなかった。文章が硬すぎるし。

09/02 17:27
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しろ
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いわゆる「マンガ」が戦後どのような道を辿って「コミックス」という形に落ち着き、そして今現在デジタル化へと進んでいるのかということを論じた本。普通の書籍とは違う、コミックスの特異性というところが興味深かった。
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アナクマ
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コミックスとは一体どのような出版物なのか。いろいろ難しかった。後書きに曰く「マンガをメディア論的に問うとは、不透明さを認識する経験。世界の入り口にようやく立ったというところ」今後に期待です。◉2005年、紙のコミックスがマンガ雑誌の売り上げを追い越す。そして2017年、電子コミックスが紙のコミックスの売り上げを上回る。 ◉(さわや書店伊藤店長、上京時の回想)岩手にいたときには遠い存在でしかなかったコミックスがすぐに手が届くところにあるせいで、バイトしたお金はコミックと本に注ぎ込む生活になった(p.229)
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古戸圭一朗
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本書では従来のマンガ研究で見過ごされてきたマンガの「モノ」としての側面に光を当てる。我々が所与のものとして受け入れているコミックスという出版物がどのように成立してきたのかを紐解くため、「書籍」「雑誌」といった既存の出版カテゴリーとせめぎ合い、コミックスが自律していく過程を丹念に追う。特に面白かったのは後半で、例えば書店のコミックコーナーの歴史を扱った4章では、書店によってコミックスが「商品」としての位置を与えられるだけでなく、コミックスが書店の意義や役割を再編成する「モノ」となった側面を描き出している。
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へくとぱすかる
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雑誌でマンガを読む場合、読めなかった号の分はストーリーが飛ぶ。その欠落を救った存在が、コミックスつまり単行本。ギャグは1回で完結するが、ストーリーマンガだと欠落は必然。子どもが手軽に雑誌も買えなかった時代、友人との回し読みでも補完できない部分をコミックスが補った意味は大きい。やがては雑誌と、モノ・媒体としての関係を大きく変化させ、アニメブームやビデオ、現在ならデジタル配信など、担うメディアも遷移していく。徹底してマンガの内容ではなく、モノにこだわった論考は実におもしろく、今までになかった視点だと思う。
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きいち
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マンガを論じるなら、それが「モノ」としてどんなふうに成り立っているのか考えなアカンやろ、と、著者はこれまでなおざりにされてきた「コミックス」≒単行本としての存在に注目。赤本以来の歴史を追う。単行本派になって長い自分には雑誌が主だった時代は新鮮。◇この本ではストイックにナカミに踏み込まないのでその先は読み手の仕事ということか。単行本で読む体験は雑誌でのそれとは違う。単行本なら同じ作者の同じ作品に集中できるし、マンガの場合読むのが速いぶん途切れないから没入は深くなる。考えるとおもろいな。
へくとぱすかる

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12/31 10:57
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