形式:単行本
出版社:青弓社
形式:Kindle版
書き方が良くない。例えば「中野は、漫画の「メディア特性」を、外部にサインを発信し、時にはみずからを守る遮蔽幕」、あるいは、「みること読むこと自体が、自己表現」としての機能しうる「自己表現の媒体」という点に見出し、若者の日常的コミュニケーションを円滑に進める情報装置としてマンガを捉えていた。」って正直、どういうことか分かりづらい。けど、著者はこれの説明をちゃんとせず、「中野はその分析が雑誌媒体を前提に構築されていた」とどんどん話を先に持っていててしまう。これが結構多く、「?」のまま話が進んでいく。
分からない・難点が3つある。①「今の研究は雑誌中心主義であるという議題設定があまり納得できてない、表現論中心主義なら分かるけど」、②「雑誌中心主義の何がいけないかが分からない」、③「著者が描くコミックスのモノとしての認識枠組みの成立がどう先行研究・雑誌中心主義に効いてくるのか分からない」。個人的には「雑誌で見ると○○だけど、単行本で見ると××になるよ」って雑誌との対比関係で説明してほしいのよね。
著者は漫画研究が雑誌中心主義と述べていたのがあまりピンときてない。先行研究の副田が受け手の作品享受の仕方(試行錯誤的な作品選択)や安川が「日常的リアリティの読解マニュアル」でファッション誌を例として挙げるなどをしていたが、読者としては「本当に雑誌中心主義だなぁ」と思う瞬間はあまりなかった。一応「なぜ雑誌中心主義なのか」という節があり、その理由が「視覚的な次元で能動的に参与するメディア経験」であり、それがメディア論という言説空間で発見されたからとしていたが、あまり意味が分からなかった。文章が硬すぎるし。
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