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多様性との対話 ダイバーシティ推進が見えなくするもの (青弓社ライブラリー 100)

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○岩渕功一「多様性との対話」○新ヶ江章友「ダイバーシティ推進とLGBT/SOGIのゆくえ――市場化される社会運動」○塩原良和「多文化共生がヘイトを超えるために」○髙谷幸「移民・多様性・民主主義――誰による,誰にとっての多文化共生か」◎清水晶子「「同じ女性」ではないことの希望――フェミニズムとインターセクショナリティ」○出口真紀子「みえない「特権」を可視化するダイバーシティ教育とは?」○村田麻里子「アート/ミュージアムが開く多様性への意識」ほか
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K
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ネタバレ『多様性との対話』は、現代のダイバーシティ推進が表面的な施策に留まり、根本的な不平等や差別構造を解消していないと批判します。特権性への自覚やインターセクショナリティの視点を通じた深い理解の重要性が示され、真の変革には社会全体の意識改革が必要だと提言。表面的な取り組みが新自由主義を助長するリスクにも警鐘を鳴らし、多様性推進における実質的な変革の指針を提供する一冊です。
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どんぐり
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LGBTQ、移民、生活保護、生きづらさの当事者、インターセクショナリティ(交差性)など多様性/ダイバーシティをめぐる論集。ダイバーシティ&インクルージョンの推進に伴う連帯と排除の問題を取り上げている。マジョリティ性(つまり特権性)を多くもつ者が、自らが優遇されていることに気づかないかぎり、真の意味での変革は望めないという。ダイバーシティ・マネジメントとダイバーシティ・マーケティングの2つの動きが面白い。産業界がダイバーシティにコミットし、経済優先のお題目を担ぎ上げていないかよく見ておこう。
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よみお
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ネタバレ多様性が認められるかどうかは、「儲かる/儲からない」の価値軸のフィルターによって判断されている―言語化されることで立ち現れる現代社会のグロテスクさであり、世界をあげて認識しなくてはならない問題ではないだろうか。しかし常に問題に取り組む人がいる限り社会はより生きやすくなっていくのはないだろうか。特に事例研究からの知見を報告した第5章は、これからの社会の方向性を考える上での一助になると思われた。それ以前に、論点3で指摘された「特権性への自覚」を促すような教育を展開する必要があることは言うまでもないが。
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たろーたん
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多様性批判。多様性・ダイバーシティは食べ物やファッション、音楽、ダンスなど、マジョリティに都合よく消費されたり、また、企業や大学などのブランド戦略として使われたりする。しかし、それはエスニック文化として社会を豊かにするものの、その受け入れ既存の権力構造に挑戦したり、中心と周縁の不平等な関係を変革したりすることから遮断されるため、むしろ組織での不平等や人種差別の取り組みを後退させてしまう。
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U-Tchallenge
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「多様性」や「ダイバーシティ」という言葉をよく耳にするようになった。そして、割とポジティブな文脈で使われているように思う。しかし、そんな「多様性」や「ダイバーシティ」が語られる文脈で見えなくなっているものがあり、見えなくさせられているものがあることをさまざまな視点から語られている内容であった。多様性やダイバーシティということを無批判で受け入れるのではなく、改めて考えるきっかけになった。少し間をあけて再読したい。
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脚立猫
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1章が短いので事例や論点紹介になってる感はあるけど、初学者の導入としては非常に良い。多様性/ダイバーシティと多文化共生の違い、多数決で権利問題を解決してはいけないなど、マイノリティ研究/支援や実践における重要な準拠点が示されている。
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だんだん
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ネタバレダイバーシティ&インクルージョン(D&I)という言葉が都合よく使われることを警戒し、ダイバーシティの中にある差異が抱える問題に再度焦点を当てて本当の意味で多様性が尊重された社会を実現するためには何を理解しどのような意識・行動が必要なのかを説いている。各章ごとに異なる筆者がジェンダー、移民、生活保護など様々なテーマを取り上げており、非常に視野の広がる一冊だった。本書を通して、組織や集団のD&Iで求められている制度や、各個人の背景や状況に沿ったマネジメントを行う際に重要となる考え方や視点を学んだと感じている。
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tellme0112
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私の認識が間違っていた。国語の教科書で「多様性」テーマに作文書かされなかったか。この言葉の怪しさについて。無知の知、を、得たような。
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たろっくす
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『本書の目的は、多様な差異を互いに認めあって平等に包含し、誰もが生きやすい社会へと日本を開いていくことに向けて、どのような視野、連帯、実践、学びが求められるのかを考察することである。』と明確に述べている事に感銘を受けた。現状では多様性を正しく理解している企業は少なく『表層的なダイバーシティ』へのアプローチに偏っている印象を受ける。改めて『深層的なダイバーシティ』を理解して対策を講じる必要がある。
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Ramo
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8名の教授がそれぞれの専門から多様性と真っ向から対話しまとめられた一冊。マジョリティはそれを自覚していなことが多くマイノリティへの保障や補助に対し逆に不公平と思ってしまう。マジョリティであることを自覚すること。アライとなること。
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Bevel
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国や地域がダイバーシティに関してやってることがまとまっていてよい感じ。論者のあいだにも緊張がある。「マイノリティの人権の守り方がマジョリティによって決まること」は憲法の理念に合ってないという立場よりも、「利用するからには、向こうにもメリットがないといけないという視点は大事ですね」という立場に共感してしまう。権利が守られてないからおかしいという話は手癖だと思うけれど、独立していつも正しいので出たとたん議論の必要を感じなくなって集中できなくなる。これは、私の現場の近さからくるのか、マジョリティ性からくるのか。
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ことう
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「多様性」という言葉が飛び交っている今。 圧倒的にマジョリティ側だと認識している自分はどう捉えればいいのか、多様性って何?簡単に使っていいものなのかなど、ものすごくモヤモヤしていた。この本を読んで、そのモヤモヤは晴れることはないけど、考えていく方向のヒントをもらえたような気がする。 各章を執筆している方々の本をもっと読みたい、登場する方の言葉をもっと聞きたいと思った。
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K(日和)
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P.20より「本書の目的は、多様な差異を互いに認めあって平等に包含し、誰もが生きやすい社会へと日本を開いていくことに向けて、どのような視野、連帯、実践、学びが求められるのかを考察することである。」 現在日本各所で取組みが進みつつある(ように表面上見える)ダイバーシティ推進によって捨象されてしまう属性はないか。見せかけのダイバーシティ推進に鳴っていやしないか。それを各観点から考え批判することで、現に存在している差異を社会として包含し、差別構造を解消するためにどのように動くべきかを考察している。
K(日和)

6章「同じ女性」ではないことの希望 P.156 インターセクショナリティとは、複数の差別が折り重なる、限られた特別な領域への着目を促す観点ではない、ということができるだろう。(中略)いわばより周縁化された、より少数派の集団へと商店を絞り込み続ける作業ではない。

12/28 23:21
K(日和)

そうではなく、黒人の経験というときに視野から外されがちだった黒人女性の経験を、男性の黒人の経験とは異なる、しかしあくまで黒人の経験として扱うことを養成するのが、インターセクショナルな観点である。その意味では、インターセクショナルな分析とは、焦点を絞り込む作業等よりは、これまで注意深く視野から外されてきた部分までを視野に収めるように焦点を絞り直して視野を広げていく作業だ、とも言えるかもしれない。

12/28 23:21
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テツ
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ダイバーシティだの多様性だのと言った言葉は毎日のように耳にするけれど、それに纏わる諸々についていったいどれだけ理解しているのか。更に言うのなら本当にそれを心の底から望む人ってどの程度存在しているのか。基本的にみんな区別(差別)を好むのだという事実を踏まえながら、それを現実的な力として振りかざしてはならないという根本的なルールをどうにかして共有しなければ上辺だけでいくら多様性を尊重しましょうなんて口にしても無駄だと思うけどな。違いはある、違いは気になる。それでも迫害はいけない。それだけなんじゃないかなあ。
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ido
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とりあえずの通読。時間を置いて再読する。
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めん
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浅学の私にも、全編理解しやすかった。中でも副題に「フェミニズムとインターセクショナリティ」とある章には、不明瞭な捉え方を自覚している点を整理してもらえた。そこでは、2018年-の日本語圏SNSでのフェミニストを名乗るアカウントによるトランス女性への攻撃が扱われている。攻撃の主張は、男性特権を享受した人を女性と呼ぶことは女性の被差別体験などを尊重しないなど、多面。この章に限らず平易な言葉に、わかった気になる危うさがある。特権・偏見に無自覚になりがちであることを忘れず、情報に触れていたい。娘からのプレゼント本
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いとう
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行き過ぎた新自由主義に歯止めをかけるために、多様性が推進されるが、実のない『ダイバーシティ推進』によって、構造上の差別が見えなくなる。 結果、新自由主義を加速させてしまうという皮肉。 memo 38.ダイバーシティマネジメント・ダイバーシティマーケティング 95.新自由主義(自己責任、自立、競争) 126.『生きづらさ』の出自 131.名前のない生きづらさ、名前のある生きづらさ 165.見えない『特権』
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jackbdc
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バズワード化しているダイバーシティ推進に付随する多様な視点や論点の整理に役立った。前提条件として人間は差別や排除を行いがちな生き物である事を理解した上で、自身の感情や行動を素直に気付いて制御の方法を学ぶ事が不可欠だと思った。国籍、性別、性的趣向、障害の有無、経済状況等の項目には無自覚になりがち。そこに見えない「特権」が潜んでいるという視点を持つことは何らかの意識付けが無いと難しいと改めて考えた。また、個人的には雇用形態による賃金格差も差別(奴隷)だと捉えているのだが世間的には認知されていないのだろうか。
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瀬希瑞 世季子
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「同じでない」差別のあり方の間の〈類縁〉を連帯の土台となること(p26.17)
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カモメ
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外国人に関する記述が興味深かった。外国人住民が直面する困難の原因を個人の「文化の違い」とコミュニケーション不足に短絡し、経済的・社会的な不平等を軽視する傾向にあり、政府が目指すのは差異の承認より日本人と同様に「日本の言語と文化を教える」ことである。日本では、反差別や教育、政治参加への政策が弱いと言える。「外国人住民」の中に在留期間3ヶ月未満の移民は排除されコロナ禍の給付金も対象外であった。後半に述べられていた「共生」が強調されることで「われわれ」の同質性が安定的なものとして意識されてしまう事も重要な視点。
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awe
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「多様性」「ダイバーシティ・インクルージョン」という耳障りの良いお題目には常々違和感を感じていたが、そうした違和感を丁寧に掬い上げ学術的に議論した論文集が本書で、とても勉強になった。1章では、BLMMが多様性の称揚やD &Iといったスローガンに換骨奪胎されてしまう懸念について論じられている。要は、これらのスローガンが叫ばれることで、既存の差別構造はなかったこと或いは解決済みの問題となり、そうした「平等」な状態の中で互いに互いを尊重し合いながら生きていこうという「幻想」が作り出されるのである。これらは調和的
awe

のあり方が浸透しているとも言えない。それらを地続きの、アイデンティティを構成する各要素なのだとする発想がないと、杓子定規な対応に終始してしまう。セクマイであり障害者、外国人でありセクマイの人がいたらどう対応するのか?ということですね。本章では晴眼者である学生たちが視覚障害者向けの音声ガイダンスを作成するという事例が取り上げられているが、面白いのは学生がそれを通じて「晴眼者と同等のサービスを提供する」という保護的な視点を相対化できたという話。「健常者並に」という発想は普通に出てきやすいが、それがいかに危うい

05/03 18:30
awe

ものか身をもって体感したって話。全体的にかなり面白く勉強になった。D &Iや多様性といった耳障りのいいものには注意しましょうっていうのは本当にそうだな。資本主義は何かとファッショナブルでかっこいい装いで我々を籠絡しようとしてくるからなあ。「誰にとっての」「誰によっての」という視点は常に持ち続けていたいです。

05/03 18:33
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ミチル
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ネタバレ多様性の実現はマジョリティにとって有益なものだけでなく構造的な差別や格差の解決というマジョリティにとっては脅威となるもの。 運動は多数派に賛同してもらうことを目指すべきなのか。 インターセクショナリティは焦点をどんどん絞り込んでいくための概念ではなく、多様性あるものとして女性を捉え直すためのもの。
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