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「地方」と性的マイノリティ: 東北6県のインタビューから

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瀬希瑞 世季子
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「地方」は、東京など大都市部に比べて「保守的」であり、その保守性が性的マイノリティ団体の活動にとって大きな障壁になっている……こうした認識が語られることは本書の調査でも何度もあったが、そこでの語りを細かくみていくと、そこで実際に語られているのは地域性とうよりは、自分が生まれ育った「地元」で活動することへの恐怖感やためらいであることが多かった。幼少期や学生時代からの知人が多く住んでいたりする「地元」だあるための活動の難しさ。
瀬希瑞 世季子

大都市圏の活動を念頭にした議論から溢れ落ちる現地化(localize)された個性的な事例の数々。

10/30 02:18
0255文字
カモメ
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性的マイノリティが集う場を開放的にすると職場の人に会うかもしれないと参加を躊躇するが、当事者限定にすると参加することが当事者である表明になってしまうとの葛藤を抱える。地方は保守的だと言われるが、顔出しで活動することへの最大の障壁は地元かどうかと言える。表に出るかひっそり生きるかの二択ではないとの指摘もあった。地方では性的マイノリティが東京だけに存在している「奇妙な人」として他者化されてしまう問題も抱える。いかに「身近な地域住民」と受け入れてもらえるか試行錯誤している様子が伺える。
カモメ

地域から浮くのではなく溶け込むという表現にしっくりきた。災害時の話も興味深かった。トイレや仮設住宅における問題を想定されるが、そもそも周囲にカミングアウトできてない、避難所が男女に分かれてるから行けないというそれ以前の生存に関わる困難を抱えている。その場で死のうと思うのではないのかという言葉もあった。

03/19 09:35
0255文字
ジョージ
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ネタバレ知人のインタビューが載っていたのと、東北についての本なので読む。地方というよりも地元では特にメディアの露出をした活動はしにくいということ、自分のSOGIを明かさないクローゼットの状態でも活動は出来るということが印象に残った。一番心に残ったのは序章の砂川秀樹さんの言葉「活動に深く関わるものが最も気をつけなければならないことは、お互いの抵抗の違い(矛盾)から生じる対立にエネルギーを費やしすぎないこと、分離を最悪のことのようにとらないこと、分離した相手を攻撃しないこと」
0255文字
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