現代思想 2016年10月号 緊急特集*相模原障害者殺傷事件 (青土社)

現代思想 2016年10月号 緊急特集*相模原障害者殺傷事件 青土社巻の感想・レビュー(51)

 容疑者の狂気を狂気として聞捨てるのではなく、障碍者の福祉施設での現実の過酷さ、隠し持っている優性思想(障碍児だとわかると妊娠中絶する人がほとんどである現実等)、その主張のなかに入り込んでぎりぎりまで理解することでしか、未来を考えることはできない。杉田俊介の「加害者のまき散らした毒を甘く見るな」に全てが詰まっている。「畏れ」という言葉が浮かんだ。ありとあらゆることを超えて、すべての人を甘く見ないこと、「畏れ」を持つこと。自分の足元をすくわれる前に。
★10 - コメント(0) - 3月8日

緊急特集なのであまり深い論考はないし、相互に重複する所も多いが、気付かされることもいろいろあった。人は役に立たなくても「個人であるがゆえに」尊重される。「障害者もみんなを笑顔にしてくれる(役に立っている)」という善意の主張が優生思想に近いところにある、という木村草太氏の主張が一番心に残った。あと、「母よ!殺すな」という青い芝のメッセージが今に至るまで続いている重み。
★1 - コメント(0) - 2月23日

本当に衝撃的な事件だった。性急な措置入院による精神障害者の烙印が容疑者に深い傷を負わせ、自らの障害性の否定=障害者排除に駆り立てた可能性があるという指摘。それと彼が(労働環境からか)積み重ねてきた障害者観の乏しさという因子。障害者の施設への囲い込みという現状が、短時間での大量殺害を達成させてしまったとともに彼らが顔の見えない障害者(多くのメディアで顔や実名が報道されなかったように)であるがゆえに国民も他人事とするか極端な論調に走る。児玉真美氏の危惧に反して今や世間ではこの事件は忘れ去られている。(続く)
★11 - コメント(3) - 2月1日

相模原障害者殺傷事件について考える論考がおさめられています。なぜこのような事件が起きたのか、一人ひとりが真剣に考えなければなりません。背景には優生思想とヘイトクライムを生み出す新自由主義的な社会があるのではないかと思いながら読みました。障害者と健常者を対立項でみるのではなく、また「内なる」優生的、ヘイトクライム的思想が人間に備わっているのではなく、そのような対立項や思想が生み出される社会構造を見ていく必要性を強く感じます。論考を寄せている多くの方が、その点を曖昧にしていることが少し気になりました。
★31 - コメント(0) - 1月24日

人間が織りなす多様性があるからこそバランスが保たれていることを頭の片隅にでもいいから決して忘れないこと。多様性は平和。本の感想としては、もうちょっとページ数絞った方が読みやすいかなと思いました。
★3 - コメント(0) - 1月11日

佐藤文隆氏:ポスドク問題化のもとには大学院の拡大がある。博士課程の2006年は1960年の10倍に膨張。政策ミス。重点化、大学評価制度(10頁上段)。人生はやり直せない。上野千鶴子氏:齢を重ねるとは弱いを重ねること。加齢とは、昨日できたことが今日できなくなり、今日できたことが明日できなくなる経験。超高齢化社会とは、強者も弱者になる社会、中途障害者になる社会(22頁)。斎藤環氏:植松容疑者の障害者に生きる価値はないという思想は、社会の役に立たない存在の全否定(51頁)。
★38 - コメント(5) - 2016年12月30日

相模原の障害者施設で起きた連続殺傷事件を受けて、研究者や当事者などの様々な論考を集めた1冊。障害者に関する近年の出来事や現在の状況について、自分は何も知らなかったのだと思い知らされる。それは、施設に隔離するような施策を行なっているからでもある。しかし障害者たちは地域社会の中で受け入れるようにしなければならないのだ、というのが各論者の中で共通しているようだ。事件から間もない時期に書いたものなので手探りのようなものもあったが、我々が読んで考えなければならない1冊だと思った。
★5 - コメント(0) - 2016年12月15日

考えさせられる。考えなければ。事件には「生」の根底にかかわる何かがあるのだから。
★5 - コメント(0) - 2016年12月11日

この事件は「特別な人物が起こした特別な事件」ではない。私たちが築いてきた社会、教育制度、福祉施策、人と人との繋がり方などの結果、必然的に引き起こされてしまった事件だ。「では、これからどう考えればよいのか?」、その考えるためのヒント、材料等が多数散りばめられている非常によい特集でした。この事件を受け、国は入所施設の管理をより強化する方向に進めようとしているようだが、それでは次の事件を防止するのは難しいだろう。それよりも施設はもっともっと開かれて、「こういう人生を送ってきた人達があんな風に生活している(続く)
★65 - コメント(11) - 2016年12月6日

「齢を重ねる、とは弱いを重ねる、ということ。加齢とは、昨日できたことが今日できなくなり、今日できたことが明日できなくなる、という経験。超高齢化社会とは、どんな強者でも強者のままでは死ねない、弱者になっていく社会であること。すなわち、誰もが身体的・精神的・知的な意味で、中途障害者になる社会だ」(上野千鶴子「障害と高齢の狭間から」)
★4 - コメント(2) - 2016年12月3日

第一報を目にしたとき「世間」の騒ぎ方に比して何か自分からかけ離れたような非現実感があって。その距離感を言葉にしようと試みてる間に「世間」の側は次の話題に移ってしまっていて。まるでひとり別の時空にいるみたいな感覚。ねえ皆さん、あなたたちはもう消化できたのですか?
★2 - コメント(0) - 2016年11月25日

相模原事件についていろんな立場からの意見を知ることができます。 司法と医療と福祉に一石を投じた事件ですが安易な法改正に帰結しないようにという警告がなされていてホッとします。 個人的には生死は神の領域だと思っているので加害者の思想にとどまらなかった行動には傲慢さを感じます。
★5 - コメント(0) - 2016年11月24日

あの事件から4か月経った。特集が組まれたこの雑誌には、様々な立場の人達が、様々な視点からこの事件を論じている。優生学の視点から。ヘイトクライムの視点から。当事者の立場から。家族に障害者のいる立場から。医療に携わる立場から。介護に携わる立場から。まったく何の関わりがなくても発言しなくてはという意思を持った立場から。齢を重ね、徐々に障害者となりつつある立場から──。読みながら思う。何故、これだけの事件が4か月たってメディアには登場しなくなり、人々の話題にならず、忘れ去られているように見えるのだろう。→
★13 - コメント(1) - 2016年11月22日

色んな立場からの論説集。犯人の優生思想と、なにか共通したものが、自分の中にはないのか?それを改めて点検することが必要だと思う。
★10 - コメント(0) - 2016年11月20日

この事件については、たとえば被害者の氏名が公開されないなど、タテマエの陰に本音が隠れているようなモヤモヤした感じがあった。読友さんの感想読んで手に取った「現代思想」。識者のエッセイ、当事者からの視点、優生思想、介護労働についてなど様々な視点からたくさんの原稿が寄せられていて、この事件について立体的に考える多くのヒントを与えてくれた。これは、大きなマスコミではストレートに取り上げることが難しい内容だ。人間の尊厳とは、ノーマライゼーションを進めてきた欧米、日本における津久井やまゆり園のような隔離的な施設(続)
★40 - コメント(3) - 2016年11月16日

斎藤環先生、高木俊介先生の論考を中心に読む。少し間をあけてもう一度特集をしてほしいと思いました。
★5 - コメント(0) - 2016年11月11日

この245pは読みごたえがあった。特集は全部読んだ。 読書メモ書いたので、コメント欄に。
★1 - コメント(1) - 2016年11月2日

「優生思想」という、最早日本人の「無意識」の中に溶け込んでしまった考え方は、ありとあらゆる方向に「独り立ち」してしまっている。容疑者の「解釈」はその最たるものかも知れないが、障害者を上から見ているこの社会は、程度の違いこそあれ、「無意識の優生思想」の影響下にある。障害者を対等に扱おうとした友人は、「独り立ち」してしまった「解釈」に攻撃を受けることになる。残念至極。さて、事件の反省から、この社会が得るものは何なのか?「悪」とは?「正義」とは?読んでいて、重たくならざるを得ない一冊でした。
★5 - コメント(0) - 2016年11月1日

「親がよろしいと思える赤ちゃんは、正確に言ってどれくらい賢くなければいけないの?どれくらい見かけが良くなければいけないの?どれくらい健康で、どれくらい強くなければだめなの?」「人種改良ではないんだよ。僕たちはスーパーマンを産むことについて話し合っているんじゃないんだ。人生から悲劇的な要素を取り除くことを話し合っているんじゃないか」 上野千鶴子さんの評論が読みたくて購入、All or Nothingでは人生は立ちいかない。
★21 - コメント(1) - 2016年10月27日

読んでも解決策は見えてこず、どんどん暗鬱たる気分にさせられる。私たちはもうすでに"point of no return"を通り過ぎてしまったのだろうか?
★3 - コメント(0) - 2016年10月24日

優生思想を否定するのは簡単だし、否定されるべきものなのだけれど、否定前提で入ることは、ますます介護する側とされる側の間に溝をつくる。おそらく、多くの重度障害者とその関係者たちは、自分たちのできないこと、世話されなければならないこと、を指摘されることを恐れている。
★11 - コメント(5) - 2016年10月17日

胎児に障害があるとわかったら中絶を選ぶ率が90パーセントを超えるらしい。容疑者Uのやったことは許されない。そんな言葉を口にする人も、彼の言う「障害者はいなくなれば良い」という思想をどこか否定しきれていない、そう感じることがある。それはお金のせいだろうか、と思う。命と功利を天秤にかけた先は、殺伐とした世の中だ。しかし、結局僕はよく知ってはいないのだ。▼彼の思想は狂気のものだけど、特殊ではない。きちんと否定しないといけない。大澤真幸さんは、「私たちは、場合によっては、他人に迷惑をかけることを望まれてさえい↓
★20 - コメント(2) - 2016年10月13日

相模原障害者殺傷事件について上野千鶴子さんの論考が掲載されている。施設入居高齢者を地域、地元に帰そうと特養を解体し、サテライト施設を地域展開した小山剛さん(2015年に急逝)を取り上げ、小山さんが障害者福祉畑の出身であることとの関連づけをしている。障害者自立生活運動での過去40年の「施設から地域へ」をかけ声とした脱施設化の世界の潮流が背景にあるのだと。施設に入所せず地域社会で受け止めてくれていたなら殺傷の規模をもっと小さく止められたのではないか。重要な問いとして書き留めておく。
★3 - コメント(0) - 2016年10月6日

上野千鶴子さんの論考を読みたくて購入した夜に、クロ現でも事件について取り上げていた。クロ現では池上彰さんが優生思想について述べていて頷いたが、これを読んで自分の知識にある優生思想は断片であるということを知った。この事件には人間の尊厳に関わる問題が複数絡み合っている。私を含む大多数の人がとらえているよりずっと深いところで。ここにある論考の数々は決して難しくない。そして読んだ人は、命は平等であること、生きることはそれだけで素晴らしいということが感覚的にも腑に落ちて、救われるんじゃないかな。私がそうであるように
★27 - コメント(3) - 2016年10月2日

事件からほぼ二ヶ月。障害学か当事者研究、障害者運動や施設と自立の問題、優生思想やナチスなどは繰り返し繰り返し、あらゆる観点から検討されていて、もっと勉強しなければなという思いに。 自分を含む社会や自分自身をよくよく吟味しなければ、植松の起こしたあの事件には到底向き合えないなと。 裁判の進行と、事件ルポも待たれる。思想的な分析や社会的な検討などとは、別次元の生々しい記録も作られなければならない。
★5 - コメント(0) - 2016年9月29日

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