象徴の貧困〈1〉ハイパーインダストリアル時代

象徴の貧困〈1〉ハイパーインダストリアル時代はこんな本です

象徴の貧困〈1〉ハイパーインダストリアル時代はこんな本です

象徴の貧困〈1〉ハイパーインダストリアル時代の感想・レビュー(27)

今となっては、先のアメリカ大統領選にもモロに通じる話である。ここで言われているところの”貧者”と、”これを読むような連中”とが見事に分断されたという、悪夢のような現実。確かに、著者は悲観的に過ぎるとか、あるいはエリート主義に寄り過ぎという雰囲気もあるが、たぶんそれこそが彼がしつこいほどに強調したい点なのだ。エリートどもがエリートたる自覚と責任を忘れ、単なる成り上がりの金持ちでしかなくなった時に、”われわれ”という幻想はついにグローバルな無個性の海の中に溶けていく。また引用される映画がどれも印象深かった。
- コメント(0) - 3月7日

現代社会を、「ポストモダン」ではなく「ハイパーインダストリアル」に象徴される「ハイパーモダン」と捉え、マーケティングという装置が、人間の「個体化」を不可能にし、「われわれ」を「みんな」という特異性を失った、すなわち自由を失った存在として描く。ネットワークのエージェントモデルを「昆虫化」と捉える見方は、極端ではあるものの、ネットワーク理論の隆盛そのものが、人間から特権性を奪っている証左であることを気づかせてくれた。
- コメント(0) - 2016年9月2日

グローバル経済に伴うテレビやネットでのマーケティングによって、欲望が条件反射化され、「わたし」の唯一性が、属性によってカスタムイズ可能な単なる「特殊性」となり、大量生産/同時消費された映像/商品によって「わたし」と他者の差異は不分明になる。「本当の自分」を求める人に、市場はすかさず「あなただけの」「特別な」「限定の」商品を差し出してくるが、消費者は徐々に予定通りのものを望み、予定通りの行動をするようになり、ますます自分らしさを失ってゆく。
★1 - コメント(0) - 2015年3月7日

ヨーロッパの現代思想家というのは読みにくいものですが、スティグレールはこれも含めて二冊だけ読んだ印象では例外的に素朴で簡単な話をしています。言葉遣いはごちゃごちゃしてるけど、要はかつて小規模コミュニティのメンバーとして、そのコミュニティ特有の文化を身につけることで特異性を得ていた人々が、現代の産業化社会による文化の画一化によって小規模コミュニティが失われたために、もはや特異性を失い、個としてやっていけなくなったという感じ。言葉遣いがきらびやかなだけで、正直なところそこまで斬新な切り口はないと思います。
★5 - コメント(1) - 2014年2月21日

ネットで得た知識をドヤ顔かまして吹聴する人たちや、間違ったことや知らないことを悪びれもせず(「恥を知らず」)にいる人たちていますよねー(もちろんそう言っている自分含めて)ハイパーインダストリアルな時代にいる我々は、テクノロジーの恩恵を受ける一方で、アイディンティティの危機に絶えず曝されている。昆虫よろしく自分の手足を食っている「みんな」はそこで殻に閉じこもってしまい大文字の「彼」との関係が遮断され て貧窮化する。そうしてその「個」の貧窮化の果てにはテロリズムに走りかねない、とスティグレールは言う。
★7 - コメント(2) - 2013年9月30日

現代をリオタール的なポストモダンやポストインダストリアルではなくハイパーインダストリアルな世界として分析する。果てない産業化と企業の生への奉仕のために「昆虫化」し、固体化のプロセスを抑制され、第一次・第二次過去把持の画一化からナルシシズムを失い、例外化する術を知らずデジタルフェロモンをまき散らすだけの蟻はやがてテロリズムへと走りかねない。知識人あるいはスティグレール様の御本を読みおおせる「われわれ」は、そうではない貧しく悲惨な蟻たちを気遣ってやらねばというエリーティズムも見えるが…。
★5 - コメント(1) - 2013年8月28日

今年読んだ文章で最も気に食わないものに出会った。「新たな貧困者たちを忌避すべき野蛮人などと考えてはならない。彼らこそ消費者社会の中心であり、彼らこそ「文明」なのだ。しかし、皮肉にもそうした文明こそががゲットーとなっているのであり、ゲットーはゲットー化することで侮辱され、屈辱を受けている。われわれ、つまり教養があるとみなされるもの、学者や芸術家や哲学者、先見の明があるとか事情通とみなされるものは認識しなければならない。社会の大部分の人が、屈辱や侮辱からなるこの象徴の貧困のうちに生きているのだということを。」
★1 - コメント(1) - 2012年5月9日

あちこち「あれ?」と思いながらも読むべき本。おかしいと思ったところは批判するべき。第三次把持をスティグレールが頑張ってわかりやすく説明しようとしていることを馬鹿にするべきではない。佐々木中『切り取れ、あの祈る手を』、東浩紀『存在論的、郵便的』と併せて読み、現代的なメディア環境で生きること、あるいは語ることについて考えていきたい。それが「政治的なことである」というスティグレールの主張はなんら間違っていないと思う。
★5 - コメント(0) - 2010年11月5日

冒頭で反動的な人間疎外論に見えて読む気をなくす。ずっとそんな感じ。ドゥルーズならこういう風には言わないだろう(只の物言いの仕方の気もするが)。
★1 - コメント(0) - 2010年6月22日

アドルノやないかい!高所からの物言いも含め。(っていう高所からの感想)。
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