ごん狐はなぜ撃ち殺されたのか――新美南吉の小さな世界

ごん狐はなぜ撃ち殺されたのか――新美南吉の小さな世界の感想・レビュー(47)

論はちょっと物足りなくて、つらつらと新見南吉作品を紹介して数行でえいやっと推論を述べるのを繰り返す。新見論としてもっと深めようがあるのではと思ってしまう。痒いところに手が届きそうで後ちょっと…の感じ。 新美南吉を俯瞰するうえでは読みやすくてよく、新美南吉ブックガイドみたいな性格の本として扱うべきではないか。 久助君シリーズががぜん気になってくる。
★1 - コメント(0) - 3月13日

タイトルの問いに対する明確な回答が得られるわけではないけれど、新美南吉という夭折の作家がどのような境遇で作品を生み出したのかを探る試みとして興味深かった。(恐らく本心ではなく)戦争を讃える作品を書いたばかりに評価の低い向きもあるが、時勢に逆らう時間も体力も南吉には与えられていなかった。あのまま戦後を生きればレオナール藤田のような失意を味わったかもしれない。色々考えさせられる。
- コメント(0) - 2016年11月19日

ほとんど道徳教材のように読まれてしまっている ごん狐 を中心に他作品や民俗学の知見を引用しながら新美南吉の物語表現の美しさや写実、社会や人間へのまなざしを追いかけた労作。読んでいくと ごん狐 の物語には、その土地に生きた人々の情景や習俗が息づいているのがわかる。ごん狐は一見民話風のお話にもかかわらず、孤立したものと社会、無邪気(善悪以前)と世間知のディスコミュニケーション・亀裂が浮かんでくるこの物語はとても現代的だと思う。なんとも言えないもやもやとした読後感をしっかりと味わうべき物語だと思う。
★2 - コメント(0) - 2016年10月31日

ごん狐はなぜ撃ち殺されたのか、その答えをこの本(著者)に期待した私が無理な注文でした(^-^) 答えは新美南吉さんしかわからないですね。新美南吉氏が子狐は自らをモデルにしたという説もあるそうですね。言葉が通じ合えなかったからか、時代や状況、共同体の規範に由来したのか、他の理由があったのか・・・。でも、私は、子供の狐が淋しくてちょっといたずらをし、それが悪いことだと気がついて反省し、山の幸を届けていて、銃で撃たれる。可哀想でなりません。私は、狐の物語では「手袋を買いに」が好きです!(^-^)
★24 - コメント(1) - 2016年10月14日

新美南吉を民俗学的な観点から読み解く。章ごとに独立性が強い印象を受け、狐のフォークロア、農村に浸透し始める近代の灯、弱いものに宿る力などなど、それぞれの章で扱われるテーマに民俗学的なテクストの読みとはこういうもんなのかーと。度々参照軸として宮沢賢治が召喚されるが、冒頭でも述べられているように新美と宮沢は同じく地方を舞台にしても描き出すものは対照的、というのが印象に残る。
★5 - コメント(0) - 2016年3月1日

新美南吉を図書館で調べる中でこの強烈なタイトルがダイレクトに視界に飛び込んできた。作者が狐を扱う意味、童話の中で描きたかったものが、前よりも分かったような気がする。レポートの参考文献にちょろっと使うつもりが、面白くて一冊読んでしまった。残りの6冊は部分読みにしないとレポート間に合わない(笑)
- コメント(0) - 2015年8月6日

「ごん狐」は私の古い記憶にある有名童話ですが、物語が生まれた昭和初期の時代背景や著者の人となりに焦点をあてた解説はなかなか興味深い試みでした。新美南吉氏の他の著作や、関連する宮沢賢治氏や柳田國男氏のことも扱っており、関連する広範な情報が得られます。読書の分野を拡げるきっかけになりますね。
- コメント(0) - 2015年7月18日

新美南吉論に興味をもったので。なかなか良本でした。南吉に対する著書の思い入れが伝わってくるし、極力平易な文体で語ろうという配慮も感じられます。それでいて時代背景、民族学、不条理、不安感、残虐性などの多角的な視点から作品を紐解いるので、南吉作品における新たな発見を提示してくれます。
★4 - コメント(0) - 2015年6月16日

タイトル詐欺のような気もするが、この本の場合は仕方がないと思う。正直「ごん狐」の作者を答えられる人って、どれくらい居るんだろう。そういう意味で、タイトルで釣り、「ごん狐」作者の作品紹介を読ませる本書の手法は有りかな、と思う。サブタイトルから推すに、著者は新美南吉が描いた世界観を解説したつもりなのだろう。が、私には解説とは思えない。思索は浅く、「思う」という語尾が目に付く。他の評論家の論考引用で済ます場面すらある。本書の価値は、殆ど日の目を見ない新美南吉の作品群本文を多数引用し、出典の明確化にあると考える。
★7 - コメント(0) - 2015年6月1日

「なぜ撃ち殺されたのか」は最後までわかるようでわからない。説明されているのは、新美南吉の人生、生き方、考え方。10代半ばから創作を始め、20歳過ぎで喀血、30歳を待たずに亡くなる。若い男性がそんな話を書いたのかと驚く。彼の優しい視線で書かれた作品をたくさん読みたい。晩年に「早稲田大学新聞」に寄せた論文『童話における物語性の喪失』で主張したストーリー性の回復。そんな強い意識を持って優しい話を書いていたのだと感慨深い。「ごん狐」は元は「権狐」で。鈴木三重吉が改訂して『赤い鳥』に掲載し、誰もが知る話となった。
★62 - コメント(3) - 2014年5月26日

大人たちが世知辛い世の中で、表面は涼しい顔をしながら、汚いことを平気でして生きてゆくのは…(中略)心の何処かで、こういう種類のことが、人の生きていくためには、肯定されるのだ。p155で久助シリーズがとても読みたくなった。自分の中で胸を打たれる一説がとても多い本でした。新美南吉さんハマりそうです。
★5 - コメント(0) - 2014年4月19日

遠い昔に読んだ南吉童話を思い出しつつ読みました。
★1 - コメント(0) - 2013年12月10日

新美南吉の人柄と作品の成立のエピソードが胸を打つ。大正時代の自由な空気と、つらい戦争を生き、平和の時代が来る前に弱冠29歳で亡くなった、心優しい童話作家。「赤い鳥」、北原白秋との出会い、結果、日本中から愛される作家となった南吉。「権狐」が「ごんぎつね」として名作に昇華するまでの鈴木三重吉のかかわりも深い。なぜ、もっと評価されないのかね?童話界の偉人は宮沢賢治ばかりじゃないぞ。
★17 - コメント(0) - 2013年10月31日

途中でタイトルと関係ない話が延々続いて戸惑った。民俗学と児童文学論が半々という感じ。久助君のシリーズと「病む子の祭」が読みたくなった。
★3 - コメント(0) - 2013年10月24日

童話の中のフォークロア、という視点を持って新美作品を読み直してみたくなる作家論。久助ものも読みたい。タイトルに使われているごんぎつねについては、権現信仰との関連性の指摘にふむふむ。物語本文で加助に<「そりゃあ、神様のしわざだぞ」>と言わせてるしね。ただ、<ごん狐はおそらく、兵十に撃たれるため、その日は裏口から覗いていたのだろう>という推論には死への積極性を感じて素直に頷けない。論拠である<うれしくなりました>は理解された喜びであり死への喜びではないのでは…。とはいえ未必の故意ではあったのかなーとか。
★2 - コメント(0) - 2013年10月7日

★1 - コメント(0) - 2013年9月30日

タイトルは多少詐欺のような印象を受けた。ちょっと無理な論理展開だったように思うし、もっと紙幅を割いてほしかった。ただ、そのようなタイトルにでもしないと売れないのだろうと考えると、仕方ないと思った。新実南吉論としては非常に面白かった。決して、南吉の作品が単純なメッセージを込めた作品なんかではなく、実に複雑で練られた作品化というのを丁寧に説いている。南吉の作品は、「私」という存在が否応なしに不安定なものとするのである。人と人が響きあう中で、どこか寄る辺のない存在へと否応なしに追い込まれてしまうこともあるのだ。
★3 - コメント(0) - 2013年9月16日

素晴らしく面白い本 へたなお笑いよりおもしろい いたって真面目なんだが面白い
★2 - コメント(0) - 2013年8月26日

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