時間ループ物語論

時間ループ物語論
287ページ
326登録

時間ループ物語論の感想・レビュー(127)

古典から最近のラノベ漫画まで幅広く捉えてて面白い。スリーナインが浦島太郎ね。なるほど。一発目が秋の牢獄か…渋い。
- コメント(0) - 2月2日

大学の講義録を本にしたもので読みやすいがやや冗長。ヲタ向けアニメ小説映画ゲームだけではなく、古今東西の創作や神話などから、時間ループもの創作のパターンや願望を探る。時間もの創作の要約や解説が多くそれらは飛ばした。論としてすこし肩透かしかと。この著者のファンであればこれまで主張の繰り返しに思える。だが、いろいろ読みたい本を知ることができ、知的好奇心を刺激する良い読書だった。近年のオタ系評論への言及がある。自分の言いたいことに都合の良い作品を集めているだけではと。納得するがそれは評論の性ではとも思うのだが。
★47 - コメント(1) - 1月14日

読むと現実の生活を回すエネルギーになるタイプの本。学生生活という泥沼の厄介さと温かさを思い出しながら読みました。
★1 - コメント(0) - 2016年5月16日

時間のループに巻きこまれたら、どうなるか、というSFにかなり近い物語から論をスタートさせる。しかし、漱石の『それから』の主人公・代助の「高等遊民」の生活を、一種の円環的時間を生きることと考えるに及んで、現代人の生活そのものが、すでに円環的に生きているのだと述べる(ようだ)。論の可否はともかく、この本を手に取った人には、少なくともそういう傾向はあるのでは?
★30 - コメント(0) - 2016年3月5日

若手評論家(東浩紀、宇野常寛etc)のオタク的自閉をネチネチ批判しながらすっかりオタク的博識を披露する羽目に陥ってる、年上世代の評論。ラノべから浦島太郎まで古今東西の様々な物語を検討して現代サブカルのループ物だけを特権化する意識を砕こうとする果敢な試みは、ベルクソンやフロイトの生半可な理解に加えて、直線的時間と円環的時間は要するに犬派と猫派だとか断捨離アートに移行しようとか唖然とさせる話に収束しても平然としている図太さを見せつける。壮大な普遍化を志して散漫な知識をユング思想等にまとめる古き良きオタク評論。
★8 - コメント(0) - 2016年1月31日

まどかマギカのファンとしては暁美ほむらはまどかの未来を変えようと時間のループを繰り返していたので、未来を放棄していたわけではないと思う。描写としてほむらの絶対的な愛が巻き戻す形で繰り返しているだけで。
★15 - コメント(0) - 2016年1月29日

時間ループ物語というと、卑近な例でいえば、デジャビュ。この人生は繰り返しているのかと思って恐ろしくなる半面、こんな日常が続いてもいいなと安堵する。つまり時間ループというのは成長しない怖さと安楽さ。サブカル物語から始まり、浦島太郎、漱石と分析は続いていき、しまいには思想に結実する。桃源郷は決して続きはしない、成長しないと、豚に舐められるか崖から落ちるはめになる、だから日々準備を怠るな、と。
★6 - コメント(0) - 2015年8月18日

ループ物を見たとき漠然に思っていたことや考えていたことが、言語化されきっちりとまとめられていたので、これまでぼんやりしていた思考が、読後はすっきりとしていた。創作する人は読んでおくと作品が作りやすくなるかもしれない。
★1 - コメント(0) - 2015年1月11日

時間がループする物語を肯定的に描くリプレイ派、否定的に描くターン派、両面の要素をもつシングルイシュー型などに分けて紹介したり、時代を超えてループものの起源になりうる物語は何かを示してみたりした本。不可逆な老いや苦痛、傷や蓄積などの個別的・部分的・具体的なものが元に戻る物語はかなり昔にも見られるが、時間それ自体が戻るという物語は機械時計の誕生以後にテレビなどのメディアや学校教育によって普及した直線的時間がなじみ深いものになってからできたという著者の仮説は面白かった。
★7 - コメント(1) - 2014年8月11日

大枠でまとめられることの多い「時間ループもの」を研究する本書。なにより言及される作品数及びその造詣の深さに驚く。「恋はデジャ・ブ」「ビューティフル・ドリーマー」等の名作に絡めて、昨今の深夜アニメ&ラノベの数々を前半部で体系別にまとめてみせたかと思えば、後半部に至っては、古典文学や落語のドラマツルギーに共通項を見出してゆく壮大な物語論へと。最後はいささか凡庸な落としどころに終着した感もあるが、大学での講義を纏めたものだと聞けば、誤植も含めてそれも納得。
★4 - コメント(0) - 2014年5月31日

針の飛んだレコードの様に同じ時間をグルグル回ってしまう時間ループ物語を、現代のモラトリアム生活に照らして論じたのにはなるほどと。一生をモラトリアムで生き抜くには一本筋の通った覚悟が必要とする著者の忠告は要敬聴であります。
★2 - コメント(0) - 2014年4月11日

内容は面白いけれど、サラッと読めないのは私の理解力不足なのでしょうね。本を読んでいる途中でエレファント速報と言うブログの「長門有希の日記」を見つけbookmarkしました。これはこの本の影響ですねW。
★1 - コメント(0) - 2014年2月17日

いわゆる「現代時評」「サブカル批評」に堕していないのが最大の長所だろう。ループというものを古今東西、博捜と言っても良いレベルで読んでその類型性と多様性について述べている。結論としての「オタク批判」は強引にすぎるようなところも感じられるのだが、「ひぐらし」「まどか☆マギカ」などに安住して時間ループ物語論に浸っている(とこれほどのバックボーンを持っている筆者には見えるであろう)彼らに対して批判的になってしまうのは仕方ないようなものであろう。結論の練りはともかく、全体的にはかなりしっかりとしていて好印象である。
★1 - コメント(0) - 2014年2月2日

最近のヘボいサブカル評論とは異なる、気合いの入った論だと思う。若手評論家に「時間ループ物語」をテーマに語らせたら、おそらく「ハルヒ」と「ビューティフルドリーマー」あたりをメインにして、「ひぐらし」なんかを傍証に使う程度の論じ方になるだろう。ところが、筆者はそういう近年の作品ばかりではなく、ゲーテなどの近代古典、神話や伝承にまで遡って時間ループを論じる。きっかけはもちろんサブカルだが、それを普遍化して人間にとっての「ループする時間」を描き出そうとする、非常に優れた論考である。
★5 - コメント(3) - 2014年1月24日

私たちは成長の止まった時代に生きている。それは円環的時間という同じ時間を繰り返すという物語ともいえる。成長しない成熟することのない時代で生きる私たちはループ物語の主人公ともいえる。ただ繰り返し同じ物語の中を生きる円環的時間からどうやった脱出することができるのか。それは直線的時間、つまり明日があるといこと結婚をし責任をもつこと、子の成長を見守ること、老いることといった前に進む直線的時間を物語に導入することで円環的時間つまりループからに脱出と現実への対峙となるのではないのか。オススメ。
★4 - コメント(0) - 2013年9月7日

「魔法少女まどか★マギカ」や「凉宮ハルヒ」シリーズなどのアニメ作品でブームを迎えた「時間ループ物語」について、古典から最近のものまで詳細に分析。これを読んでいたので筒井康隆「ビアンカ・オーバースタディ」のラストの方の記述はこの作品のパロディなのか、ということがわかりました。しかし、こんだけいろいろ分析した結果その結論が「オタクよ、ループから抜け出して現実に直面せよ」(やや乱暴なまとめかな)ってあんまりじゃないかな。
★6 - コメント(0) - 2013年8月5日

【★★★☆☆】ざっくり流したが面白かった。著者がとる分類は①主人公がループをネガティブに受け取り、苦しみが主②ポジティブに受け取り、成長が主③事件や事故などシングル・イシューの解決④ループそのものを楽しむの四つ。主人公の内面での分類がメインの理由は、小説その他がエンタメであり(概ね感情移入を通して)カタルシス等を得るものだから。内面重視であるが故、正当な「ループ」だけでなく、分岐点に対する後悔やモラトリアム期の円環的時間、予知などもループ的として広く扱う。厳密性は薄いが、現代社会論のツールとしてだしまあ。
★4 - コメント(0) - 2013年7月6日

時間が繰り返すような物語を分類し、分類ごとの分析を行う。対象となっている物語の種類はさまざまで、ファウストなどの古典、恋はデジャ・ヴなどの映画、果てはけいおん!などのアニメまで対象にしている。そのため非常に身近な話と捉えることができた。古典作品のみを扱っていてはこうはいかない。
★1 - コメント(0) - 2013年7月5日

「時間ループ」という大雑把なテーマをさらに類型別に分類して作品をあれこれ挙げていく前半。時間ループという題材がいつ頃から生まれたかを考える中盤。そしてそれらに含められた願望や選択、結末を踏まえたうえで「我々はどうするか」を問い直す後半。とても面白かった。モラトリアム願望全開な優柔不断ヤローにはうってつけの本だと思う。大学の講義を元にまとめたものらしく、砕けた話し言葉で分かりやすいのが何より良い。浦島太郎から高等遊民、そして現代の若者へと連なる「誘惑される者たち」。3つの分岐点でどの道を選ぶか、それが問題だ
★3 - コメント(0) - 2013年6月20日

古今東西、ありとあらゆるループ物語(に酷似するものも含め)を盛り込みながらの講義は流石としか。 そこから更に踏み入って、夏目漱石、森鴎外などの名著を読み取っていくところなど本当に興味深かった。一見、全く関係のない両者だけど、考え方一つでこうも別の見え方があるのだな、と。 最後は有り勝ちな個所に着地してしまってはいたけれど、御見事だった。
★1 - コメント(0) - 2013年6月13日

紹介されている本は全く存じ上げない。ただ、読んでいくと宇野常寛氏らが出てきたり(085頁)と、日本の文化シーンに登場する話題にもなっていることがわかる。ニーチェも出てきたりして、何やら硬軟混ざった、緩急のある内容。第11講は夏目漱石が出てきて関心を引く。昔も、今も、いろいろな作品に通じていないと、本書のおもしろさは理解できないのだろう。たいていの読者は、どちらかに傾倒しているだろうということなので。
★7 - コメント(0) - 2013年6月1日

時間がループした世界に囚われた人々という設定で描かれる数々の作品(文学、アニメ、映画等々)をテーマにして、その内容を詳細に分析しながらも、最後に自然とそのテーマが現実世界を生きる人々の元に戻ってくる論理展開が面白かったです。
★5 - コメント(0) - 2013年5月15日

直線的時間と円環的時間。フィクションでは脱出がはかられるべきループだが、いまわたしたちはその罠から逃げるべきか、それとも享受すべきか。
★2 - コメント(0) - 2013年4月29日

題名に惹かれてふと手に取ってみたもの。初大学の図書レンタル(笑)いやはや長かった。さて、時間ループもの。元々この手ではないにしろファンタジー、SFには興味があったのでなかなか面白かった。ループを肯定するか悲観するか、ループの条件、解除条件。円環的、直線的時間。秋の牢獄とかは気になったかな…。大量にネタバレしてますが、概論、入門が欲しかった私には丁度よかったなかな。おたくなり女なりか若者なりに皮肉言うくだりは、当事者としては大変鼻についたが(私にしては珍しく)。なるほどと思う所もありましたから収穫はあったか
★2 - コメント(0) - 2013年4月19日

時間ループがポストモダンとか言ってると過去の先行作品からブーメランくらいますよ、というか。時間ループしすぎて自暴自棄になるけどそれを乗り越えて無限の時間を味方につけて成長しようとする/あるいは自分の限界を知って自分にぴったりの生き方を見つけるという時間ループのポジティブ面という説明が面白かった。
★2 - コメント(0) - 2013年4月15日

一昨年、早稲田大学文学部で行われた講義集。ビューティフルドリーマー、エンドレスエイト、まどマギをはじめ、古今東西の時間ループコンテンツを精査分類し、そのルーツとなる物語(浦島伝説、それから、各種宗教の死生観など)を探ってゆく。時間ループを希求する中二やオタクとモラトリアム、高等遊民との共通性を看破し、このジャンルの技術的ルーツであるタイムマシンものが発生した要因を時計の発明による共時感覚の一般化とするあたり、とても興味深い。「直線的時間」「螺旋的時間」「円環的時間」という区分けも汎用性がありそう。
★3 - コメント(0) - 2013年4月3日

この人は物書きなのか?と読んでて疑問に思ったけどあとがきで「校正無しで慌てて出した」と言いわけしてるだけあって読みづらい。話が逸れて~戻ります多用過ぎ。時間ループの世界を始めて知った人用で、元々知ってる人はこれを読んでもこの人が紹介してる作品を見たいと思わないと思う。
★3 - コメント(1) - 2013年2月26日

高等遊民…思えば漱石を読んで、一生こうやって暮らしたいと考えたものだった。自身は女だから結婚→専業主婦で目的は達したけれど、男はそうはいかなかいものだよね。いまだに時間ループが好きなのはそのせいか?(笑)。映画「8ミニッツ」の高い評価にお墨付きをもらったようなうれしさを感じた。自分だけが特別と思えるのは若い人の特権だと思う。年寄りは自分もそうだったと振り返り許しているんだよね~。自分もあのころは随分独善的だったとよく思う。
★3 - コメント(0) - 2013年2月26日

「それから」の代助にあこがりたりはしなかつたがゼラズニイ「砂の中の扉」の主人公にはあこがれたなあ。思へばあれはまさに「万年大学生」であつた。
★1 - コメント(0) - 2013年2月22日

なるほどー、文系の人の仕事ってこういうのもあるのか、と思った。時間ループの物語を掘り下げるためにそれ以外の物語も調べてそれと比較するのは面白い。ちょっと解釈が強引なとこもあるように見えるけどね。最後に参考文献リストは欲しかったなぁ。
★2 - コメント(0) - 2013年2月18日

蟹、怖い。
★1 - コメント(0) - 2013年2月14日

別冊宝島以来の盟友の梨本敬法氏編集ワーク。前半は詳細なループ物語分析だが(杉作J太郎や福満しげゆきまで言及)、後半は著者十八番のオタク論へと。最終章の「豚に舐められるか、思い切って飛び降りるか、決断すべきだよ」というフレーズは、自分にとっても痛いなあ。
★5 - コメント(0) - 2013年2月8日

そもそも、20年以上前「偽学生マニュアル」を手にとって以来、大きく影響を受けている書き手で、本書も本当に面白く、得る物が多かった。しかし、著者の経済成長否定の意見は、なんとかならないものか。
★3 - コメント(2) - 2013年1月16日

これは読んで良かった。すごく面白かった。古典って、こうやって読むと面白くなるのかと教えられた。「漱石とかもうこの年じゃ読めないなぁ」とか思っていたけど真面目に読んでみたい気持ちになったし、「漱石をこんな感じで読んでみると面白くない?」って勧め方は仕事にも使えるなって思った。早く『ナショナリズム』と『アナーキズム』の続編が読みたいです。しかし、無駄に流行りの装丁(表紙を文字だけにする感じのヤツ)にして、大失敗してる感がプンプンする。もっと装丁がステキなら、もっともっと注目されると思うのにな・・・。
★3 - コメント(0) - 2013年1月15日

縦横無尽に古今東西のループものを論じるエキサイティングな序盤、ループものの構造が普遍的であることを示し特権性を剥ぎ取ってしまう中盤、そして明治時代の日本へと飛び、閉塞感あふれるユートピア幻想とループものの不快なほどの共通項を浮かび上がらせる終盤と、読めば読むほど明晰にループの構造を理解できると同時にダウナーになっていく傑作。 何度か触れられている東浩紀氏の『ゲーム的リアリズムの誕生』のような痛快さと好対照をなしている。順番としては本書を読んでから「ゲーム的~」を読んだ方がいいかもしれませんが……
★4 - コメント(0) - 2013年1月6日

現代小説やアニメに始まり、SFやミステリー、果ては神話や伝承、さらには日本近代文学まで視野に入れた遠大な「時間ループ物語」の分析。膨大な情報量に圧倒され、東浩紀・宇野常寛らへの批判にうならされ、近代の時間感覚から現代の「成長」について考察する結論部には大いに感心させられる。ちょっと記述が単調になりがちなところが読者としては辛かったが、時間ループ物語からこれだけ幅広く、普遍的なテーマを描き出せるのは凄い。できれば巻末にでも参考文献一覧をつけてくれると(とんでもない量になるだろうが)よかったとは思う。
★4 - コメント(0) - 2013年1月3日

「時間ループ論」ではなく「時間ループ<物語>論」 さまざまな媒体での時間ループ話を取り上げ、時間ループとは?を論じている。 情報量は非常に多く、前半はかなり勢いがあって非常に面白かったものの、 後半、作者視点の語りが絡みつくように感じペースダウン、何とか読了。 #これらループ物の代表的なゲームが無く、 #しかもその中の代表作「DESIRE~背徳の螺旋~」がないのがペースが上がらなくなった大きな理由かと (爆
★6 - コメント(3) - 2012年12月27日

古今東西の時間ループ物語を論じた壮大な試み。しかし内容の大半がさまざまな物語の詳細な紹介に割かれていて食傷気味になった。そもそも近代以前には直線的時間がなかったので時間全体がループするという概念がなかったこと、現代の日本はもはや直線的時間が薄くなってしまっているという結論。時間ループ物語は、直線的時間を知っている人間が、円環的時間に回帰したいという願望のあらわれだとする。
★6 - コメント(0) - 2012年12月23日

気になる本がいくつか紹介されていたり、参考になる部分はあったものの、後半に向かうにつれてどんどん退屈になっていった。途中までのループ類型の解説や作品紹介はそれなりに興味深く読めたものの、学生時代やニートのようなモラトリアム期間を「ループ的」だとして論じていく後半部分はかったるかった。読了にやけに時間がかかったし。6章の途中あたりから、興が乗ってきたのか、やけに調子づいた口調になり始めたり、おたくなどを揶揄したような言い回しが多くてかなり気になって苛々する。
★2 - コメント(0) - 2012年12月9日

時間ループ物語論の 評価:66 感想・レビュー:50
ログイン新規登録(無料)