リトル・ボーイ (フィクションの楽しみ)

リトル・ボーイの感想・レビュー(15)

13篇所収の短篇集。本書の中で最も長い表題作はタイトルの通り原爆に関連する物語だが、主題はそこにはなく、あくまでも一人の人間の生き方を追っている。原爆被害の当事者である日本人には中々書けない小説だと思った。表題作を含めて多くの話が、自分の認識していた人生や世界が実は悪夢だったことが分かるといった展開で、ブライアン・エヴンソンの小説を彷彿とさせる。しかし、エヴンソンが主に恐怖を扱っているのに対して、ペレサグアの方がより切実で、弱き人間を丁寧で描いているように感じた。
★5 - コメント(0) - 1月22日

2016年12月13日:hksk
気持ちがざわざわするような物語が集められている。タイトルにもなっている「リトル・ボーイ」は13歳の時に広島で原爆を体験した女性と偶然知り合った「わたし」の物語。てっきり原爆というモチーフが中心に据えられるのかとおもいきや、そこから意外な方向へストーリーが展開する。どの物語でも、人間どうしのコミュニケーションは阻害されている。夫婦、家族、親子であれ、そこにおける感情の繋がりのなさが基軸となっている。そして少々ホラーで、SF的な物語が多い。「いま、ここ」という土台の脆さが露呈される後味の悪さが印象的だ。
★11 - コメント(0) - 2016年12月7日

2016年12月7日:キノコン
2016年11月19日:かめも
広島に投下された原爆リトル・ボーイをタイトルと表紙デザインに表現した本書は、終戦後何十年経とうが我々には多くを主張する。夫の実家に寄り付けないスペイン人の語り手は、アパートの隣人Hと知り合いになる。被爆後米国暮らしが長いHと会話は英語だが、互いに母国語ではないので、Hの被爆体験や人生を映像として想像する。被爆により性器を破壊されたHには、もう一つの秘密があった。生まれつきの半陰陽だったHが、子孫を残すのは男としてなのか、女としてなのか。爆弾と胎児の重なるイメージを描くHの体験は、ヒロシマの別の姿を見せる。
★1 - コメント(0) - 2016年10月23日

2016年10月7日:おか
2016年9月12日:ゆたさん・∪・ω・∪
2016年9月6日:さちみみ
2016年9月4日:fumiaki kawasaki
原爆を落とした国の大統領が核のフットボールを携えて爆心地近くに立ち、原爆が天災だったとでも言いたげなスピーチをしたことを批評できないほど劣化した核時代の想像力を揺さぶり、刺激する書。あの日の夥しい死に立ち還るしか原爆を伝える術はない。
- コメント(0) - 2016年8月2日

駄作と傑作が混じった短編集。 ボルヘスになろうとしてコケているようにもみえるが、コルタサル路線は上手くいっているようだ。
★1 - コメント(0) - 2016年7月20日

2016年6月30日:
シリーズ名なんでしゃあないけど、表題作に「フィクションの楽しみ」はそぐわないつらい。原爆に関しては、いつになってもアメリカの「終戦に必要だった」論が変わることはなさそうな現実を前に、これ以上私が何かを知ったところで何にもならん...という無力感を覚えてしまうのだけれど、それでも日本以外の国で、「日本への謝罪は絶えることのない鼓動でなければならないだろう」と書く人がいる(ちょっとこれ恣意的な抜き出し方ですが)のを知り、またまだいくらでも個々の体験として知られるべき悲劇があることを肝に銘じねばと思う。
★3 - コメント(0) - 2016年6月11日

2016年6月7日:半殻肝

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リトル・ボーイの 評価:80 感想・レビュー:6
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