瞳孔の中 クルジジャノフスキイ作品集

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瞳孔の中 クルジジャノフスキイ作品集の感想・レビュー(64)

部屋を拡大させる塗薬の話「クヴァドラトゥリン」、多数の物語が味わえる「しおり」、瞳にうつる人影をそのまんま瞳孔の中に人がいる発想「瞳孔の中」、混沌とした夢物語「支線」、エスカレートする笑い「噛めない肘」の5編。「しおり」では、歩き出すエッフェル塔の話や、五つの薬莢から5つの命を語る話や、登場人物と出会う作家の話、ロジャーとフランシスの年の差300歳以上のベーコン兄弟の話などが語られる。「噛めない肘」は、人生の目的をきくアンケート回答で「自分の肘を噛むこと」とあったところからはじまる抱腹絶倒作品。
★2 - コメント(0) - 2016年7月3日

学のある小市民が長広舌を振るっている印象。解説を踏まえず読むならちょっと理屈を捏ね回しているようでついていけないものが…その為、アイディア勝負の部屋が広がる奇妙譚「クヴァドラトゥリン」と諺("肘は近いが噛めない"=絶対に不可能なことを表す)からユーモラスな筒井康隆的世界が展開される「噛めない肘」が二大ベスト。
★1 - コメント(0) - 2014年7月9日

旧ソ連のペレストロイカ期に「発見」され、その後相次いで著書が出版され世界文学の系譜に位置づけられるなど評価の進むクルジジャノフスキイの作品集。『SFが読みたい!』の今年度版で、海外篇の19位に『未来の回想』がランクインされてその名を知り、この本に着手。1920年代から採られた5篇を収録した本書は、革命を経たソ連での作者を取り巻く状況や社会背景を、隠喩や寓話の形を借りて鋭く告発している。映画や演劇にも造詣が深かったこともあって、その描写は巧み。表層だけでなく深層に埋め込まれた欠片もある由。一読の価値あり。
★7 - コメント(0) - 2014年3月3日

今読んでも新鮮に感じられる奇想の数々はとても1920年代に書かれたとは思えない。不思議なアイデアを中心にしつつ、幻想だけでなく下世話な話あり笑いありとバラエティ豊か。特にラストの「噛めない肘」はシュールすぎて爆笑必至。面白い!
★16 - コメント(0) - 2013年11月4日

僕にとっては、とても読みやすくて最高な一冊だった。もっと早くに読めばよかった。特に支線のシュルレアリスティックな内容はいい。メタファー云々でなく、「面白いイメージの連続体を味わう」という読み方で読んでも十分に面白い。銀河鉄道の夜みたいな強烈さがある。噛めない肘の、世の中や作品というものに対して冷めているようで、最後は冷めていない感じもとてもいい。瞳孔の中も忘れがたい。クヴァドラトゥリンは最初に読んで、衝撃を受けた。しおりは物語がたくさん詰まっていて、これはこれで味わいが…。素晴らしい思考実験小説集だった。
★1 - コメント(0) - 2013年10月5日

奇妙な読書体験
- コメント(0) - 2013年8月24日

シュールだが非常に知的に構成されていて、作者のいたずらな妄想を読まされるという感じがしない。それでいて作り物めいた違和感もなく、素直に受け入れられる。たぶん社会制度や国家に対する皮肉やあてこすりがたっぷりあるのだろう。たしかに難解ではある。しかし投げ出さずに付き合っていこうという気になる。ユーモアも楽しめるし、良質な文学に出会えた悦びを味わえた。
★1 - コメント(0) - 2013年8月10日

なかなか文章がこみいっているというか、捻れているようにも感じて読みとるのが難しかった。(単に私との相性の問題かも?)しかし、読み解いてみるとアイデアとイメージの宝庫だった。幻想的ですらあり読んでいて心地よく、そしてまた居心地も悪い面白さだった。「しおり」「瞳孔の中」が好き。何十年も前に書かれたとは思えない新鮮さであった。
★4 - コメント(0) - 2013年2月13日

短篇集。物語の硬軟の振りが大きく、すらすらと筋を追えるものと、じっくり読まないと内容が理解できないものとに分かれていた。どの作品も不思議なアイデアが物語の主軸となっていて、読んでいる最中の奇妙な感覚は独特なもの。「瞳孔の中」は、恋人の瞳に映る自分の姿が意志を持って動き出すという物語。恋愛の機微が擬人化された姿で描かれる佳品。ふわりふわりと夢心地のような物語だけれど、ストンと落ちるべきところに落ち着いた。変な浮遊感があるけれど、実は重苦しいテーマが隠れており、強いて言うなら騙されたという気持ちだろうか。
★12 - コメント(0) - 2012年12月20日

1920年代のロシアというバイアスがシュールな作風を呼んだのか、社会情勢を批判する上でシュールな作風を選んだのかはわからないけど、奇想でありながら、そこには当時の窮屈な生活がはっきりと見られる。この作品集に限定して語るならば、居住環境の狭さ。部屋を広くする薬剤を塗ったが、際限なく広がっていってしまう「クヴァドラトゥリン」。瞳の中でせせこましく暮らす人々「瞳孔の中」。ガラスの箱のなかで見世物になる「噛めない肘」。また、夢もプライベート何ものではないという「支線」にも窮屈さを感じる。
★5 - コメント(0) - 2012年11月22日

神経症的な視覚世界がもたらすシュルレアリスムのようないびつさ。酩酊感。『言葉の上だけで存在する「非存在」たちが現実を乗っ取ってしまう状況』での諷刺。悪夢のようなユートピア。ハルムスと同時代ということに納得。既存の世界が壊れ奪われ締めつけられていたからこそ、現実はさらなるありえない世界へと姿を変える。「支線」が好きでした。
★7 - コメント(0) - 2012年11月18日

最初の「クヴァドラトゥリン」はSF的な幻想譚だったので、そんな感じでいくかと思いきや、その後は、結構ポストモダン文学。傑作とまではいかないかもしれないけど、それなりに楽しめる。
★2 - コメント(0) - 2012年11月11日

良くも悪くも、ロシアっぽいなぁ( ̄ω ̄;)奇想な部分が目立つので、こりゃ面白い!と思って読んでると、いつのまにやら自分が何を読んでるか分からなくなっている迷子状態に…。哲学的なネタが色々仕込んであって、こりゃ気を引き締めて読まねば!と気合をいれたとたんに、「噛めない肘」みたいな話でずっこける…みたいな(´▽`) 個人的には「しおり」の中の作中作が結構ツボ(>▽<)b 中でも「法事」は良い話だなぁ。
★10 - コメント(0) - 2012年10月5日

次から次へと繰り出されるイメージに目を奪われているうちに異世界に連れ去られ、もみくちゃにされたあげくに道端に放り出された気分。(ほめてる)
★1 - コメント(0) - 2012年9月20日

二十世紀初頭から半ばに活躍した?ポーランド系貴族のシギズムンド・クルジジャノフスキイの短篇集。 幻想文学?っぽいが、その舞台は極めて近代的であり、機械や生理学、心理学用語がよく見られる(カフカとか同年代の作家にも、科学や生物学に関心のあるのは多い?) しかし、正直私には面白いのか面白く無いのか、あまり良く分からなかった…。強いていうならば、ロシア語的な言い回しが多かったので、原文で読んだほうが面白いのかもしれない。
★2 - コメント(0) - 2012年9月18日

ロシアのいわゆる<忘れられた作家>の作品集。表題作「瞳孔の中」では、恋人の瞳孔に住まう小人(瞳孔人)によって恋愛の心理を語り、巻頭に置かれた「クヴァドラトゥリン」では、部屋を拡張する薬を手に入れた男の悲劇を描く。グロテスクな奇想と哲学的な思索を二本柱とした作品がメインで、カフカやボルヘスが好きなら楽しめるのではないか。いちばんのお気に入りは「噛めない肘」(実現不可能なことを指す慣用句)。タイトル通り、自分の肘と格闘する狂人に端を発するスラップスティックな小品。こういうのをさりげなく出すから松籟社はすごい。
★24 - コメント(2) - 2012年9月8日

ほんとこんな人がまだいたのかですわ。さすがロシア、奥が深い。「しおり」と「噛めない肘」が好み。
★3 - コメント(0) - 2012年9月3日

おおお面白かった。あり得ないイメージめくるめくシュールな展開、なんてまあ変梃りんなことよ…と。テーマ捕りと知り合った語り手が、自分を登場人物に…と申し出る「しおり」。表題作は恋愛における男女の心理を、風変わりな方法で描く。文字通り、瞳孔の中へと入っていく。着想と言いそれを文章化する技と言い、驚嘆した。アンチ・ユートピアの「支線」は、悪夢の重工業が栄える街に迷い込んだ男の話。「噛めない肘」は、人生の目的が“自分の肘を噛むこと”である男をめぐる一騒動(国家まで絡んでくる!)のグロテスクな話。嗤えて好きだったわ
★5 - コメント(0) - 2012年8月14日

こんな人がいたのか。
★3 - コメント(0) - 2012年8月4日

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