読書メーター KADOKAWA Group

一房の葡萄(Kindle版)

感想・レビュー
69

データの取得中にエラーが発生しました
感想・レビューがありません
ユラニト
新着
ネタバレ『本を読んだことのない32歳が(以下略』を読むにあたって先に自分でも読んでみた。語り手の幼少期の話、彼が同級生の絵の具を盗んでしまいハラハラしながら見守る気持ちで読んだ。何やら先生が取り計らってくれたようで同級生とは和解できて彼自身も少しはにかみ屋を克服できたそうだが、彼の知らないところで先生は一体どういった話をしたんだろう。同級生たちはどんな気持ちだったのだろうと勝手にいろいろ考えてしまう。でも彼の記憶に紐づいた一房の葡萄と美しい白い手という懐かしい景色を共有することが一番大事なような気がした。
0255文字
かわせみ
新着
ネタバレ この物語は、臆病な少年の心の揺れ動き、罪悪感、そして成長を主に描いています。また、著者の経歴や「葡萄」からキリスト教的な捉え方もできるため、様々な解釈が可能である作品と言えます。個人的に特に印象に残ったのは、先生の「僕」に対する罰の与え方と、文章中の「色」に関する数々の表現です。 (以下に続きます)
かわせみ

 また、藍と洋紅の絵具をはじめ、「真っ青な海」「顔が真赤」「紫色の葡萄の粒」「真白なリンネルの着物」などの色の描写が多く見られます。これらの表現が、場面描写のイメージを読者に色鮮やかに伝え、少年の葛藤や成長に感動を与えていると感じました。 この作品は「秋になるといつでも葡萄の房は紫色に色づいて美しく粉をふきますけれども、それを受けた大理石のような白い美しい手はどこにも見つかりません」という言葉で終わります。(以下に続きます)

11/25 20:20
かわせみ

これは、人や時間は過ぎ去るが、記憶の風景は色褪せないということを表現しているのだと私は考察しました。 この作品には様々な解釈を許容する力があり、美しい文章表現と相まって、読者に感動と考察の余地を提供してくれます。 名作というものは多彩な魅力に溢れていると、しみじみ感じた読書でした。

11/25 20:21
3件のコメントを全て見る
0255文字
S
新着
ネタバレ絵を描くのが好きな少年が、学校の友達の持っている絵の具の色が羨ましくてほしくてほしくて仕方がなくなってしまう話。オモコロライターみくのしんさんの読書を読んで、自分でも読んでみようと思って。直後に読んだせいか、頭の中でみくのしんさんの感想があれこれ呟かれていって、あ、ここのシーンは確かこんな風で……という感じでいつもと違う解像度、いつもと違う次元の読書体験をした気がする。少なくともあんまり映像を描かない読書が多いので、こんなによく見えたのは久しぶりかも。
0255文字
ちろ
新着
まだ完成していない子どもの憧れや後悔の描き方が鮮やかで怖いくらい 憧れの藍と洋紅を合わせたら紫の葡萄色になる色の使い方がすごい ただ、おれは盗みを働いたやつとその後仲良くできる気はしないが
0255文字
joyjoy
新着
「童話を読もう」にて。 先生が、間違いを犯したぼくを咎めるのではなく、愛をもって接したことにより、ぼく自身の内発的な悔い改めが促される。三浦綾子の「われ弱ければ」を思い出した。 宗教的なことには、直接的には何も触れられていないが、触れずに語っているところがすごいな、と思った。タイトルにもなっている葡萄は、赦しのしるしのようにも思われた。ぼくがジムから盗んだ二つの絵の具の色、あい色と、洋紅色を混ぜたら、葡萄の紫色になりそうだな、と。葡萄の絵を描くぼくを想像する。
0255文字
どんちゃんまま
新着
西洋人のクラスメイトに対する劣等感、嫉妬、悔しさ、自分の方があの絵の具を使えばもっと上手く描けるという屈折した思いが入り混じって罪を犯してしまう主人公。担任の先生の諭し方が優しく思いやりがあった。ヨハネが書いた「わたし は ぶどう の 木,あなた方は その 枝 です。」という言葉を思い出した。
0255文字
knsm11
新着
ネタバレ少年が絵具を盗む気持ちの情景を細やかに描く。盗難は発覚し、友だちは先生に言いつける。少年は憧れの先生に言いつけられ内省し涙を流すが、先生は時間的自己解決を促し黙って受け止める。今の時代、少年の気持ちの落ち着きを待って、盗みの意味を教える時間はあるのだろうか?また、友だちも大らかに先生に言われたからと言って簡単に盗みを許せるだろうか?友だちとの仲直りは先生の前だけでは子どものためにならないのではないか。子どもの教育は難しい。先生は大変な職業だ。自らの体験を照らして読むと楽しい。
0255文字
さばずし2487398
新着
仏様の様な慈悲深い、美しく崇高な先生の心。 恐らく自身を虫の様に恥ずかしく、卑小な存在に感じていたであろう主人公にとって、ここまで大切に思ってくれる存在に引き上げてくれるこの先生の対応はどれだけ貴重で得難いものだっただろうか。短編でここまで染みるとは、文学とは恐ろしいものである。 相手への対応によって、絵の具を盗るという名もない場所で起こった事件から『大理石のような手』という言葉を生み出し何十年も後の人間に清らかな感動を残し続ける事があるのだと、物語のビックバンに思いを馳せる。
0255文字
ナハチガル
新着
教科書に載っていそうな(実際はどうか知らないけど)、清々しい話だ。小学校のころの先生のこととか思い出してしまった。はまりはしなかったけど、適度に道徳的な、手練れによるお話のお手本のようなお話だ。もいでそのままくえる葡萄が窓の外に生ってるっていうシチュエーションに一瞬「え?柿じゃなくて?」ってなったけど。なにか象徴的な意味があるのかしらん。B+。
0255文字
すす
新着
美しい話だった。自分の醜い面を見せても、軽蔑せずに静かに正しいほうへと導いてくれる先生に、神秘的な安らぎを感じました。
0255文字
梅干を食べながら散歩をするのが好き「寝物語」
新着
懐かしい子供の頃を思い出す。小学校の教室の匂いを思い出した。なんて綺麗で純粋な話なのだろうか…。大正時代の古い作品とは思えなかった。秀作。
0255文字
kawa
新着
今日、軽井沢高原文庫で著者の旧別荘・浄月庵を見学。それはそれとして、本作は名作だと思う。そこに描かれる女性教師の神対応が眩しい。同時に、我が人生の数々の恥部を思い出す。おそらく今までなんとかこれたのは、図られたか否かは別として、何がしの奇蹟や縁によるのだろう。もしかして、それを「神」と呼ぶのかも知れない。
0255文字
PIYOBLACK
新着
ネタバレ友達の絵の具を盗んでしまった少年の話。先生もジムも器が大きくて救われた。彼には、怖がらせてしまうより、こうやって諭す方が合っていたんだと思った。過ちを犯しても、一緒に解決して、お互いに良い方向に進めたら一番良いよね。
0255文字
村上春巻
新着
ネタバレ【A】再読。子どもの頃に故・飯島愛さんが、ご父君の道徳教育の一環として、本作の音読書写を強いられていたと、ある本で読んでの再読。お父様の最愛の娘へのメッセージ―卑怯と狡さに負けるな!―も、それらの正論の陳腐な胡散臭さを憎んだ多感な時期の愛さんの気持ちも、馬齢を重ねてともに同じように分かるようになった。現在のPCやLGBTだと大批判されそうだが、かつて吉行淳之介という文士が、女子供の泥棒は大目にみてやらなけりゃね、と書いていたことをふと思い出した。
0255文字
きょうすけ
新着
裕福な家庭、キリスト教、芥川を凌ぐ人気。非の打ち所がない有島武郎。そんな彼が少年時代に経験した後ろ暗い出来事を基に創作された作品です。児童文学とされていますが、どうも子供には残酷過ぎる立派な文学だと思います。なぜ主人公は絵の具を盗んだのか。ブログにて、有島武郎の生い立ちから紐解いています。 https://ks-novel.com/bunch_of_grapes/-/23025/.html
0255文字
EMA
新着
ネタバレ絵を描くのが好きな僕はジムの持っている絵具が羨ましかった。ある時、教場で一人の時に盗んでしまう。しかし、すぐにバレてしまい、憧れの先生の前まで連れて来られた…。能登麻美子さんの朗読を聴き、20年ぶり位に再読した。十代の時に読んだ時より色々と考えられた。この話を読んで感じた事を人に質問してみて、その答えで他者へ寄り添う仕事に向いている人か判断できるのではないかと思った。僕は悪い事をしたが、それは特別な事ではないのだと思った。先生の対応と一房の葡萄を渡すという行為は本当に素晴らしいと感じる。
0255文字
tosadog
新着
ネタバレおすすめ度3。ある少年の罪の告白と、少年が想いを寄せる女教師によりその罪が許される話。非常に色彩が豊かに描かれており「先生は真っ白なリンネルの着物に包まれ~真白い左の手の上に粉のふいた紫の房を乗せて~」の描写は非常に美しかった。この少年が「秋になると~大理石のような白い美しい手はどこにも見つかりません」と、一生この瞬間を忘れられなかったのもうなずける。あと、本筋とは関係ないが、先生はいったいジムに何を言ったんだろうか。あんなに従順になるのは逆に不気味すぎる…。
0255文字
kinkin
新着
少年が体験した出来事が1人称で綴られている。読んでいて感じたのは、この作品はとても色の印象をうけたこと。藍色、紅色、ジムという少年はきっとブルーだと思うし絵の具箱は木製でどっしりした色だったと思うし一房の葡萄の紫色が目に浮かぶ。なぜ先生は彼に何も叱らずにうちに帰して、ジムとその友達にどんな話をしたのか、一房の葡萄というタイトル、読み手が自由に思い浮かべる事のできる随筆だと思う。ずっと昔に読んだ記憶があるが今読んでみると味わい深い。
0255文字
Osamu Ueno(ラジオネーム風のふじまる)
新着
清水佐和子さんによる朗読 https://youtu.be/hHUjjUuVfoM ついふらふらと魔が差すことは誰しもある。ほんの出来心は人間の弱さである。もし教え子の生徒がその弱さを持ってしまったら、教師はまずは萎縮している生徒の気持ちをほぐす事。この物語の女性教師は、その事を心得ている理想の女性である。
だんぼ

ぼくは朗読でききました。絵の具がそろわないもどかしさに、とまどいました。

01/03 18:26
Osamu Ueno(ラジオネーム風のふじまる)

だんぼさん、今晩は。被害を受けた身になってみると、堪らない気持ちになりますよね。

01/03 22:23
5件のコメントを全て見る
0255文字
ゆづき
新着
優しい空気が漂う作品で、好きです。
0255文字
zakuro
新着
横浜の自由な感じ開放的な感じがよく描かれていると思った。
0255文字
takj
新着
「一房の葡萄」子供同士の諍いを先生がうまく解決、 「おぼれかけた兄妹」ホラー物より怖い 「碁石を飲んだ八ちゃん」幼児の欲求に振り回される家族 「僕に帽子のおはなし」帽子の夢不思議ファンタジナル? 「方輪者」盲人・ちんばの2人が生き抜く術を得たが 健常者になり生き甲斐を失う 「火事とポチ」飼犬の切ない忠犬魂
0255文字
是瓜
新着
童話。道徳の教科書に載っていそうな話という印象はありますが海の光景や絵の具の描写、葡萄と先生の手の映像の瑞々しさはすごかったです。
0255文字
イシカワ
新着
一房の葡萄が今はいなくなってしまった優しい先生を連想させる表現がよかった。
0255文字
アンジー
新着
ブンゴウメール7月号にて。小学校の教科書で読んだ記憶。ヘッセのヤママユガを盗むお話と似ているけどこちらは読後感が良い…後悔だけじゃなく赦しも得ているからかな。とにかく先生の存在が大きい。本来なら叱り飛ばし親に通報でもおかしくないのに、主人公の罪に慄く姿を見て覚ったのか。ジムももしこのままだったら今で言う「正義の棍棒を振りかざす」人間に成長したかも。子供達が2人とも納得の上仲直りしてるのは教育者たる先生の技量ですね。白い手と葡萄の紫の色彩の対比も美しい。心の根っこのビジュアル化ですね( ˇωˇ )
0255文字
あさ
新着
ブンゴウメールにて。
0255文字
酒飲み本読み
新着
ネタバレ★★★★☆ ブンゴウメールにて 先生ステキ、ジムもいいやつでよかった。
0255文字
村上春巻
新着
ネタバレ【A】今でいうアメリカン・スクールみたいな状況だろうか。小学校低学年の《僕》は、横浜は山の手の先生がみな外国人という学校に通っている。内気で絵を描くことが好きな彼は、ジム少年が持っている西洋絵具が羨ましくでならず、つい出来心でその2本をくすねてしまった。あっけなくそれは露見して、大好きな西洋人の女の先生の判断を仰ぐことになる…。札幌農学校を経て基督者となった有島らしい、「赦す」ということを顕現した小説である。一房の葡萄の美しさと先生のリンネルの白さが、《僕》だけでなく、ジムも救ったのかもしれませんね。
0255文字
贅沢な時間
新着
この子にとって絵具の件は、一生忘れることのできない思い出となったはずである。一房の葡萄を見るたびに優しい先生が目に浮かぶに違いない。成人の後は立派な方になったであろう。学校での先生の子供に対する対処は、子供の人生に大きな影響を与えることを改めて確認する。 出来ることなら、この学校この先生に、わが子わが孫を預けたい。
0255文字
優希
新着
少年の出来心と嘘が優しいものになったのは、先生のあたたかさなのでしょう。
0255文字
ミリ子
新着
ストーリーはシンプル。子どもがクラスメートの物を盗んでトラブルになり、先生の助言もあって解決する。それだけなのだが、表現がとても美しく、心を揺さぶられる。
0255文字
odiel_
新着
速読練習。よくある生徒と先生のちょっと良い話的な。
0255文字
パン
新着
小さい時って盗みとか嘘とか、結構エゲツない罪を犯すよね。それでこの本のジムや先生にように適切に叱ってくれればいいんだけど
0255文字
396ay
新着
ただただいい話
0255文字
めしいらず
新着
ある日の少年の出来心。罪が暴かれた時の、無関係な周囲の賑わいに耳が研ぎ澄まされる感覚と、彼らから隔絶してしまった孤立感のリアリティ。人前で糾弾される羞恥。自身への失望。後悔は心に重くのしかかる。翌日、後ろめたさに教室へ向かう足取りは重いけれど、謝ることから逃げなければ相手だって許すことができる。少年らの心中を察して繋いだ教師の心配りは詳らかにされない。掌に葡萄の房の重みを感じるたび思い出されるあの日のしょっぱい涙と師への恩義。長じてもそれは色褪せぬ。ここでも濃やかな心象描写が見事。有島作品に嵌まりそう。
hidez

この作品を読んでみようと思ったきっかけがちょっと不純だったのですが(^^;)でも、きっかけはどうどあれこの作品を読むことが出来て凄く良かったなと思いました。

08/28 23:22
めしいらず

hidezさん、不純な動機??有島の作風を最近まで知らなかったけれど、これドンピシャ好みでした。ちょっと新美南吉に近しい感じを受けました。他のも読んで観ましょう( ✌︎'ω')✌︎

08/28 23:32
3件のコメントを全て見る
0255文字
  ルピナスさん
新着
ネタバレ自分が子供だったときには、先生がなぜもう少し叱らないのか、寝させてあげて、ぶどうまであげるなんて信じられない、と思っていたはずです。親になり、親子ともに一生懸命生きていく中にも、「あぁ、いつもならやらないだろうに。」という状況にいくつか出会い、「魔が差しただけ」と歩み寄る大切さを知りました。子供も十分反省している。自分の行いに驚いてもいる。家であろうと、公の場であろうと、やり直しの機会が一切ない状況で同じメンバーと生きていくことは拷問でしょう。顔をあげて生きていこう。
0255文字
toddJPEN
新着
音読5日目。先生なんでこんなに優しいの?今だったら、ちょろいわー、とか思って育っちゃいそう。
0255文字
カイ
新着
ネタバレオーディオブックで聞きました。僕も小さい時、絶対バレる嘘や言い訳を言っていました。自分でもバレる嘘と分かっていたんですけど、なんだか苦しくなって言ってしまったんですよねー。子供の頃は、何もかもが大きく見えました。
0255文字
♪みどりpiyopiyo♪
新着
ああ、これはせつないなぁ。先生の機転で、誰も大きく傷つかなくて ほっとしました。子供の世界の甘酸っぱいお話でした。(初出:「赤い鳥 第五巻第二号」1920(大正9)年8月号)(→続
♪みどりpiyopiyo♪

【以下ややネタバレ】幼い頃って誰でも 自他の境界があやふやなんだよね。育つ過程で「個」を尊重される事で、自他の境目がはっきりしてくる。けど、日本の子育てって、親が子の領分を侵しがち。時を経て、子が老親の持ち物を勝手に処分して揉めたりするのも、育てた様に子が育ったから。古き悪しき慣習は過去に打ち捨てて、これからは「個」を尊重する世の中になるといいなぁ。■青空文庫、webで読めます。全9頁。 https://www.aozora.gr.jp/cards/000025/files/211_20472.html

01/12 20:25
♪みどりpiyopiyo♪

パートナー(配偶者とか)の物を勝手に捨てて揉めるのもこれなんだよなぁ。もしもそーいう人に出会ってしまったら、それは生育環境に恵まれなかった人なので、まあ一頻り怒ったり嘆いたりした後は、何がどうしていけない事なのかを親身に丁寧に解説した上で「これからはお互いに相手の「個」を尊重して行こうね♪ 」って約束するのが良いんじゃないかな。誰でも新しい価値観に頭を切り替えるのは難しくって、一度説明されたからって すぐに完璧に身につくものではないから、気がついた事は、穏やかに 繰り返し伝えて行くしかないんじゃないかなぁ

01/02 15:45
0255文字
Cinejazz
新着
横浜の外人居留地に住む内気な少年が、クラス仲間の絵の具を盗み取る。突き出されてきた少年の心情を汲み取った女性教師の対応の仕方が輝きを放つ。単に懲らしめるのでなく、少年を優しく包み込み、いたわり諭す心のぬくもりが伝わってくる。【有島武郎】の童話『赤い鳥』からの一篇。
0255文字
全69件中 1-40 件を表示
一房の葡萄評価94感想・レビュー69