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彼岸過迄(Kindle版)

感想・レビュー
53

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電波時計
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後期3部作の第1作めとされる作品。学生・実業家・高等遊民といった近代的な知的大衆にとって、明治の世は、自らの才覚・努力しだいで人生を切り開くことが可能になった時代ともされる。しかし、前例のない「近代化」によって悩みや葛藤も増大していき、自我と向き合う機会も増えていく。漱石はそんな近代人の悩みについて、小説という道具を用いて真摯に向き合っていく。今回は大病からの復帰作ということもあり、漱石なりに新しい趣向に挑戦しているが効果は今ひとつのように思える。
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linbose
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★★★★☆
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優希
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短編のような形でありながら、1篇の長編となっている構成が面白いと思いました。軸にあるのが恋愛問題なので、現代にも通じるものがあるように感じました。主人公と語り手が異なるのも面白いと思います。少し突き放した語り手による物語だからこそ、煮え切らない恋愛問題を味わえます。高等遊民の悩みは答えが曖昧なのも気になります。
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Yamazaki
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ネタバレ雨の日の来客を断る理由が切ない。あの二人は結局どうなったのだろう。結婚してもしなくても不幸になるのは目に見えているって、なんかわかるなー。
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涼
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神田川昌平
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「高等遊民」の気持ちを感じ取った。終わり近くの市蔵の話が好き。
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msm
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これはかなり良かった。登場人物の相関関係がごちゃごちゃになっちゃったので読み直したい程に良かった。
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Caribou
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ネタバレ最後の二章は、それぞれ須永と松本の語りにあてられる。『こころ』で「先生」が事実を述懐したような形式で終わるのかと思っていたら、「結末」の章で驚いた。主人公はあくまで敬太郎で、経験の乏しい敬太郎と、実社会やうずまく人間関係の中で揉まれている敬太郎の周りの人たちとの対比で終わる。漱石の描く女性は、なまめかしい。
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伊達者
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蔵書の94年版全集で再読。短編集的な装いの中で「雨の降る日」が特に印象深い。漱石は本作の前に五女ひな子を1歳8カ月でここに書かれた宵子と同じ突然死で喪っているそうだ。全集本巻の付録の月報には「雨の降る日」の原稿とともにかわいらしいひな子の写真も載っている。修善寺大患を生きながらえた自分と可愛い子供の死。漱石は本編について「亡女に好い供養をした」と言っているらしい。漱石の想いが感じられ悲しくも美しい。漱石の作品では,この後は,理屈を捏ねる偏屈な面倒くさい男が増えるが本作の須永もその一人。千代子がかわいそう。
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voyager2
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主人公は誰か?理由も知らず「探偵」をするKだが いつか話は友人の心理・心情の吐露や解析が主となり 舞台の中央からは遠いところに。
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r_ngsw
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夏目漱石の後期三部作の一作目。出だしは新聞の連載を書くにあたって…云々という下りがあって、なんか変わった感じだな、と思ってて、読み進めるうちにそんなことはすっかり忘れてた。後半に来て(Kindleなので後半からどうか定かじゃない)、語り手が変わって視点が変わって…あー、そういえば、と思いつつ、読み始めから時間かけすぎたか、若干混乱。そうこうしてるうちに衝撃のラスト。「えっ?!ここで!?」的な。そして次は後期三部作の二作目、行人へ。
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kawa
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漱石後期3部作の第1作、この後「行人」「こゝろ」が続く。明治末~大正にかけての学生、事業家、高等遊民(経済的に不自由がないため労働に従事することなく、読書などをして過ごしている人々。漱石の小説に度々登場するらしい)らの生態や心模様を描く短編を集めて長編構成とした作品。新聞連載小説だったこともあり読み手の気持ちを切らさせない引っ張りは流石の趣き。が、読了して見ればなにか腑に落ちなき感も残ってしまうところもある。維新から50年弱、本作品に登場するような人物が現れたこと自体が日本近代の成果ともいえるのだろうか。
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しろ
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ネタバレやがて千代子は誰かと結婚し、やや時が過ぎたのち、市蔵と千代子は再会する。その時になってお互いの気持ちにようやく気が付き、市蔵は千代子の存在なしには生きられないとかなんとか言って、その誰かに千代子を譲ってくれと言い、都電に乗って仕事を探しにさまよいだす?
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MF
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蛇の頭、高等遊民、卑怯
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Rin
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ネタバレ中盤から後半の登場人物の心情描写から求めていた著者だと思える内容になった。理性的に生きようと考え重くとらえて、生きづらさを感じ、その雰囲気で周りの空気まで悪化させる須永。高等教育が特定の人達に与えた教養や知識から生じる苦しみ、色々知っているからこそ何もわからないことへの恐怖から一歩引いてしまう気持ち。それでも感情は抑えられず、その自分に失望してしまい自己肯定が下がり、また一歩引いてしまう。高等遊民の一部はその結果、生じるものかもしれない。頭がいいことは必ずしも幸せではないと思わせる作品です。
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MoonsDad
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「あなたは卑怯です、徳義的に卑怯です」 「あなたは不親切だ」
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Tai
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敬太郎、一歩踏み込んで事態が進んで良かった。須永の萎え切らなさ、歯痒いが、どちらに進んでも幸せになれない状況は悲劇的。高学歴を手に入れながら、仕事が見つからない、或いは働く目的や意欲を持てないのは近代化の毒か、いつの時代にもあることか。千代子も可哀想だが心配なのは須永かな。良い叔父がいて良かった。共感できない登場人物ばかりだけど、心情の描き方は深く鋭くはっとさせられる。蛇の洋杖。レオニド・アンドレーエフ「ゲダンケ」読んでみたいがどれだ?
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kthyk
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森本に始まって松本で終わる長話を読んだ。 内幸町、小川町、矢来町、本郷に住む6人の男の物語。 時間も空間も明確に描かれるこの長編。 しかし、映画にはならないだろうな。 画にするのも難しい。 どこまでも微妙な男の内面。 そう、やっぱり、漱石は微妙だよ。 絵になる「それから」のほうがボクの好み。
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ころも
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ネタバレいや、市蔵君、千代子のことめっちゃ好きやん? 一人前以上に嫉妬してる上に周囲…というか千代子本人にすらバレバレっていう(笑)。大好きやん? とられたくないやん?? 須永のターンを読んでいる間中、その感想を抱き続けていた。名探偵敬太郎(笑)から始まってまさかこういう展開になるとは思うまいよ。なんかいろいろ思うところがあるのかもしれないけど、市蔵は自分の気持ちに素直になればいいんじゃないかな!! 蹴りたい背中。。。ていうか結局ふたりはどうなったのか……? 教えてくれないなんて、地の文さんのいじわる。。。
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おじいやん featuring おじいちゃん( ̄+ー ̄)
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お盆にreborn
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TSUKASA GANAHA
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「須永の話のところまで来ますと、『彼岸過迄』というのは単なるおもしろくしつらえた推理小説という面をひとりでに逸脱してしまって、まじめきわまりない問題になってしまいます。しかし、そこにしか漱石の本質的な資質はあらわれてこないのです。そのへんのところが『彼岸過迄』という作品を一種の失敗作にしている理由だと思います。もしかすると敬太朗の話と須永の話は意図的に対照的にしつらえたのかもしれませんが、そうだとしても失敗作にちがいないと思います」吉本隆明『夏目漱石を読む』
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安東奈津
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【電子書籍】★★★☆ 漱石 後期三部作の1  田川敬太郎 須永市蔵ー田口千代子
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ドン•マルロー
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後期三部作の一作目。場当たり的なストーリー展開は否めないが、漱石ほどの大家ともなればそれでも十分に読ませる作品に仕上がるのはさすがである。本作において高等遊民である叔父の松本は苦悩の人ではない。かわりに若く、恋愛の齟齬に立ち止まってしまっている友人の須永に、病的な因子の兆しがあることをほのめかしながら物語はフェードアウトする。須永の不穏な因子が、次作「行人」の兄へと受け継がれることは言うまでもない。
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SOHSA
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《kindle》漱石の文章は独特の格調と気品に溢れる美文だ。高校時代の一時期に漱石作品に溺れたのもそうした文章の美しさに一因があったのかもしれない。そして文章の向う側、裏側に潜む苦悩と悲哀にも。本作は主人公敬太郎の目を通していくつも物語が語られていく。漱石はそれを「冒険は物語に始まって物語に終った」と言うが幾つもの物語は相互に入れ子となり合せ鏡となり、読み手の意識をあちこちへ連れ回す。相互の連関に脈絡はあるようでありないようでもある。漱石の示す当世の様相はどこかどんよりとした不条理に淀んでいる。
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masakazu
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1912年発刊。翻訳や文体によって現代日本語の基礎を築いた漱石だけあり、文章はきわめて高水準。しかし、物語については退屈な箇所が多い。とはいえ、センター試験でも出題された『須永の話』、特に須永の千代子に対する嫉妬心に関する描写には突出した魅力がある。近代エリートの自意識と苦悶、自他の性質の違いを客観的に観察する姿勢などに共感せざるを得ない。また千代子が敬太郎の語りを通じて、序盤では謎の女(固有の魅力がある女)として登場し、中盤以降は須永の語りにおいて本書の実質的なヒロインとして描写される展開には舌を巻く。
masakazu

終盤で明らかになる事実として、須永が母親と血のつながりを有していないことが語られる。それが示すのは、一つには千代子と(生物学的な)血統関係を有しないこと。もう一つには、本来の自分のあるはずの地位は、自らが憐憫の眼差しを投げかけた自宅の小間使いと同じものであり、自分の高等遊民という立場や獲得した教養というものは、義理の母親が自らを養子として受入れたという全くの僥倖によって得られた産物でしかないということ。これは堪えるだろう。

10/28 20:38
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0910
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2019/59》
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sakamoto
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このダメ人間描写のうまさときたら!
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detu
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結局、主人公はだれだったの?後半からは市蔵と千代子のラブコメ話しが殆どだし、挙げ句のはてには市さんの爆弾話しが飛び出すし、敬太郎はどこ行っちゃったんだろう?と思ってたら、最後にちゃんと登場するんだ。作者ご自身で最後にまとめを書いてくださったのはありがたかったです。読むのに少し苦労しました。
もちははちゃん

随分昔に読んだけど…何も残ってません。そんな感じだったのかなてん

02/19 18:33
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egishel
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結末の章が一番好きでした
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Porco
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明確な構想があって書いたものではない、というようなことを作者自身が書いていますが、確かに少々漫然とした感じ。ステッキの話かと思っていたら恋愛ものだったか?
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pyoko45
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短篇を連ねて長篇にというより、ぶつ切りの長篇といった印象。前半と後半でまったく作風が異なり、話も脈絡がなくてつかみどころがない。ミステリのような展開が興趣をそそる前半に対して、後半は独白形式で関係者たちの心の動きが細やかに描かれるが、大昔に読んで苦手であった『こころ』のテイストにかなり近しくなってきて、私にとって後期3部作は辛いかもしれない。悩み多く自意識過剰な関係者たちは各人各様に持論を展開するものの、けっきょくはどっちつかずで自己保身に走るただのエゴイスト。幕切れもあっけなくて、どこか投げやりな感じ。
0255文字
扉のこちら側
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2016年642冊め。初めは長編かと思ったが、連作短編形式で途中で語り手も変わる。途中の探偵小説風の尾行話が印象に残る。折々で目にしてきたあらすじから得るイメージとは少し違う。個人個人の抱える人間の悩みについて描かれるが、明確な答えは出ないのが漱石らしい。
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teddy11015544
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はじめて読みました。物語としてはいろいろ起こって、結末は何もないのだが、人物の描き方が見事なので、放り出されて、さすがって感じです。後期の漱石は漢文調が抜けて読みやすくてよろしうございますね。
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Kumo
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ネタバレちまちまと時間をかけて読んだのだが、最初の方と後の方で、同じ話であることを危うく忘れるところだった。最後に巧く回収できているような、いないような…。個々の件は割と好み。
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t0g
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後半のおもしろさ
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JIVAN
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短編小説が集まって一つの長編小説を成している形式。それぞれの短編を独立した話として読むのは無理だけど、一本と考えると、6つの短編を繋げた意図は何なのかなぁ?とか、前の話がどう伏線になっているのかなぁ、と頭をひねってしまう。でもつまるところは恋愛小説なので、次読む時は人間関係に注視して読んでいきたい。リア充にイラっとくる非モテという構造は明治も今も変わらないのだな。
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うちこ
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タランティーノの「フロム・ダスク・ティル・ドーン」なみにに前半と後半の調子が変わります。 ウジウジ面倒な人の心理描写をさせたら神業であることは過去の作品のとおりですが、前半のストーリーに登場する以下の場面の心理描写が特におもしろかった。 【占い師のおばあさんのことばに言い訳をしながらも翻弄される主人公】【依頼範囲以上のことを勝手にやり、成果を挙げた報告をする探偵に「依頼範囲ではない」と依頼主が指摘する場面】いずれも就職活動中に焦る若者の行動への鋭い指摘を含んでいます。こんな描き方をこの時代にするなんて!
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