感傷コンパス (角川文庫)/多島斗志之のネタバレ(2件)

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献本でもらったもの。新人教師が田舎の子供たちとゆっくりと心を通わせる物語。生徒のかずは少ないものの、各々「こういう子、いそうだな」といい意味で想像しやすいような子たちで、打ち解けていく様子はとても良かった。なかでも終盤のコンパスの譲渡らへんはじんときた。しかしラストは…悪くはないけど、なんだか味気ないというか、もう少し引っ張っても良かったのかなと思ってしまった。まぁ心の暖まる作品には違いない。
★5 - コメント(0) - 3月16日

「子供は無邪気」それは大人の都合の良い願望にすぎない。大人だって子供の頃に、様々な鬱屈や孤独を抱えていたはずなのにね。伊賀の山村に新卒で赴任してきた明子先生が子供達と向き合う姿はとても真摯で、あるがままの彼・彼女たちを受け入れ肯定する。教師という他者からの無言の肯定を子供たちも敏感に受け取り、その励ましを背にして、それぞれの苦難を乗り越えていける強さを得ていくのだ。行くべき方角を見失うな、周囲を見渡し、自身の舵を取って行け…そんな想いがこめられているであろうコンパスが、彼女へと手渡されていくのが印象的だ。
★4 - コメント(1) - 1月2日
Skye
本作は、大きな事件が起こるわけでもなく、新任教師の眼に映る日々の暮らしが描かれるのみ。けれどそんな平凡な営みこそがそれぞれの生活そのものであり、単純には描ききれない多くのものを孕んでいる。淡々とした事象の背景に、決して語られることのない、けれども確実に渦巻いているであろう感情の存在をひしひしと感じさせる、とても静謐かつ雄弁な作品。
- 01/02 16:24


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