ブラックホーク・ダウン〈下〉―アメリカ最強特殊部隊の戦闘記録のTCrbさんの感想

準備・戦闘・処理・検証を冷静に俯瞰したエピローグは、映画では見られない部分であり、また、この事件を総括する重要な章だ。「外の世界はソマリアを忘れた。国際社会の善意という大きな船は、出帆してしまった」、エピローグで語られるこの言葉は、忘れられかけたこの戦闘の一面を示している。解きほぐしようのない第三世界の問題にアメリカが積極的に介入しなくなった(言いかえれば看過しがちになった)一因としてのブラック・シーの戦闘。政府・指揮官・現場の間の齟齬は戦争状態でなくとも検証され続けるべき現代の難題だということを再認識。
★5 - コメント(0) - 2011年4月8日

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