死して咲く花、実のある夢の半殻肝さんの感想

再読。重要な情報が脳に入力されているという猫の捜索に赴いた3人が、死後の世界を彷徨う。今いるところがどこなのか、生きているのか死んでいるのかも定かではなく、そして何故か空を泳いでいるクジラの肉を食っているというところから物語が始まる、人間の死と意識を追求した長編。生と死、現実と仮想の曖昧な境界を流れながら、冒頭の一文にもある「ようするにこの世は死者でいっぱいだ」の意味がやがて明らかになる。そして、捜索の果てに3人が下したそれぞれの決断の先に待つ感傷的なラスト。自分も思わずそっと手を合わせてしまう。
★4 - コメント(0) - 2012年1月21日

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