室温の半殻肝さんの感想

一人のサラリーマンの昼休みの一時間の出来事と思考の流れを書いたのが前作『中二階』ならば、こちらは、一人の父親が赤ん坊をあやす二十分間の出来事と思考の流れを書いた作品。ミクロ過ぎるほどにミクロな着眼点と、脱線に次ぐ脱線を繰り広げていくたわいない思考、それが、ともすればマクロな真理に通じているんじゃないかと思えてくる。さりげないのだが、やはりたまらなく極上である。見過ごしがちな日常のアレコレに改めて目を向けるキッカケとして、こちらも愛すべき1冊。「図書館に行くと無性にトイレに行きたくなる」…お前は俺か。
★12 - コメント(0) - 2012年8月25日

感想・レビュー投稿者

31923冊/9825921ページ

半殻肝さんの最近の感想・レビュー

たまらなく、アーベイン
30年目にして新装復刊した。活字で読むディスクジョッキーのしゃべりみたいな感じなので正直ディスクガイ…続きを読む
図書館大戦争
ソローキンが氷のハンマーで覚醒さすなら、ワシは「本」で覚醒させちゃるけえのお、というロシア版仁義なき…続きを読む
亡命ロシア料理
序盤からもうユーモアが効いていて「――日本人は魂が腹に宿っていると信じているのだ。だからこそ、ハラキ…続きを読む
ユリイカ 2015年11月号 特集=梶浦由記 -See-Saw、FictionJunction、Kalafina・・・世界を奏でる音楽
本人インタビューはもちろんだけど、データ的にも考察的にもかなりの読み応え。特に飯田一史氏による「梶浦…続きを読む
砂漠のキャデラック―アメリカの水資源開発
パオロ・バチガルピ『神の水』の種本。大雑把に言ってしまえば、アメリカの河川の成り立ち、水利権をめぐる…続きを読む
戦場のコックたち
一気読みであった。ノルマンディー降下作戦から終戦に至るまでの若きコック兵たちの戦場と隣り合わせの日常…続きを読む
ログイン新規登録(無料)