倒立する塔の殺人のbutapennさんの感想

大戦末期という時代の中にあり、学徒動員や空襲に翻弄されながらも、学校というのは、やはり密室なのだなと思う。リレー小説と手記が交互に来る構成で、妄想と現実が分かちがたく蔓のように絡まり合う。甘美で退廃的で、次の瞬間には脆くも崩れ去ってしまう砂糖菓子のようなはかなさの中で、「べー様」のたくましさが物語を最後までつなぎとめる。個人的には戦時下のミッションスクールのエピソードが興味深かった。
★9 - コメント(0) - 2014年3月3日

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156冊/50294ページ/女性/主婦

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