学生時代は福永武彦に傾倒し、全集をそろえてしまいました。おそらく、生涯最初で最後の全集だと思われます。当時は、中島敦、山本周五郎、安部公房等も好きでした。
ミステリーは、ディック・フランシスの競馬シリーズが最も好みにあい、そのテイストを受け継いでいた原尞や初期の真保裕一も好きでした。東野圭吾はデビュー作『放課後』からほぼリアルタイムで全作読んできたのが自慢といえば自慢でしたが、卒業しました。
最近は、小説(国内)では連城三紀彦、皆川博子、篠田節子、吉田修一等、小説(海外)ではコニー・ウィリス、ケイト・モートン、随筆では内田洋子が好みです。女性作家が多いのは、偶然だとは思いますが、ちょっと意外です。
常々、読書は出会いだと思っています。高校時代、放課後の教室に誰かが置き忘れて行った萩尾望都の『11人いる!』、最初の勤務先で風呂に入らない年配の職員が教えてくれた佐々木譲の『エトロフ発緊急電』、道端の廃品回収に出されていたディック・フランシスの『興奮』、亡き義母の本棚で見つけた連城三紀彦の『恋文』など、大好きな作品に出会うのは本当に幸福な偶然の産物であろうと思うのです。
次はどんな素晴らしい作品に出会えるか、いつもドキドキしながら、ページをめくっています。
プロフィール画像は、ルビッチの『生活の設計』から。
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