ジュリアス・シーザー 20巻の /dʒaˈbrafkjuː/さんの感想

オセロー、マクベスと似て、”誘惑者が高潔な人格者を(名誉をエサに)誘惑する→善良な愛すべき人をうらぎらる→犯行から取り逃がした人の逆襲を受ける→破局を迎える” という構造があるように見えた。シンタグマティックな構造は類似していても、それぞれの話でのテーマ、テイストははっきり違っているのが文豪のワザマエというものか。本作ではマーク・アントニーの弁論の冴えや、気に入っていた人には裏切られ、疎んじていた人物に復仇してもらうことになったシーザーの皮肉な運命が印象的だった。
★2 - コメント(1) - 2015年7月6日
/dʒaˈbrafkjuː/
シーザーもキャシアスも「こいつは裏切るはずがない」と思い込んでいた人物の裏切りで命を落とす点もまた皮肉というか。「ああ、憎むべき誤解よ、憂鬱の落とし子よ、/おまえはなぜ信じやすい人の心につけこんで/ありもせぬものを見せるのだ? ああ、誤解よ、/おまえはなぜたやすく人の心に宿りながら/いざ産まれるときには産みの母親を殺すのだ?」(第五幕第三場 p. 172)。これもオセローやマクベスに引き継がれてるテーマなのかも。
- 07/06 23:11


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