去年の冬、きみと別れのコニコさんの感想

この小説は、はじめから小説の中に小説を入れ込んだものだった。カポーティの『冷血』の話が出てくるが、この話も2つの殺人事件をノンフィクション仕立てにしたノベルだったわけで、実際の登場人物もすべて仮名(本名を明かさずに)である。それに気づくのがすべてを読み終えてからという仕掛けに驚かされる。タイトルの「去年の冬、きみと別れ」も、携帯恋愛小説のようでありながら、“きみ”とは誰?“僕”とは誰?と複雑に絡み合う構造になっている。散りばめられた人形師のエピソードや『地獄変』の話も魅力的。
★7 - コメント(0) - 2015年7月22日

感想・レビュー投稿者

540冊/147346ページ/女性

コニコさんの最近の感想・レビュー

わたしになる!―女性のための名言集
読書メーターをやりはじめてから、初の投稿第1号になりました。101人の女性の名言に力をいただきました…続きを読む
進化しすぎた脳―中高生と語る「大脳生理学」の最前線 (ブルーバックス)
福岡伸一さんのおススメ本。脳については前から興味があったので、ぐいぐい講義の内容に惹きつけられた。脳…続きを読む
あの家に暮らす四人の女
冬の寒い日に炬燵に入ってまったり読むのにピッタリの本。ほんのりと温かくって、ファンタジックに河童もカ…続きを読む
遊戯神通 伊藤若冲
物語は、およそ100年前の大阪から始まります。そして、さらに舞台は100年前の若冲が生きた京に。美以…続きを読む
翻訳できない世界のことば
お正月が終わって「クンマーシュペック」状態。今年も「コンムオーベレ」な本にたくさん会えますように。「…続きを読む
草枕 (新潮文庫)
有名な冒頭の言葉だけを唱えて知った気になっていた「草枕」。勝手に随筆だと思っていたけれど、なんて面白…続きを読む
ログイン新規登録(無料)