分析美学入門の /dʒaˈbrafkjuː/さんの感想

最後の方はあまりしっかり読めていないが一応,通読した。分析系の特徴だと思われる極めて明晰で論理的に厳密な文体で,美的なものと芸術にまつわる諸問題が扱われている。論じ方に加え,引き合いに出される人名・文献も他の入門書とはだいぶ趣を異にしており――端的に言うとドイツ人やフランス人がほとんど出てこない――ひとつの流派として分析と冠しておくのもゆえあることなのだなと。
★3 - コメント(2) - 2015年9月24日
/dʒaˈbrafkjuː/
文体は明晰であるものの,随所で直観が論拠につかわれており,その前提が共有・同意できないところは腑に落とすことができなかった。特に芸術の定義において,そもそも現代では芸術の範囲が広がってきてそのあり方が自明性を失っていることからその定義が問題となっているはずなのに,「……説には~~という反例がある/常識に反する」的に,芸術とはなにかが論者には当然わかっているものとして直観が持ちだされているように見え,首をひねりつづけることになった。
★1 - 09/24 01:57

/dʒaˈbrafkjuː/
逆に,論者側と私とで前提にギャップの少なかったフィクションを扱った章などは,わりあいスムーズに読めた。美学の側でフィクションの範囲を限定することにある程度成功しているようなので,言語論的転回によってフィクション性を指摘された歴史史料解釈や民族誌のディフェンスに応用できたりするかも,などとも。
★1 - 09/24 02:01


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