マルセル・モースの世界の /dʒaˈbrafkjuː/さんの感想

モース著作集の刊行にむけた研究会 [*1] の成果を新書として出版した論文集。新書だが入門書ではなく,学術的新規性のある内容なので難易度は低くない。バイオグラフィー,歴史背景を見る視点から,「贈与論のモース」だけでない,社会学者・社会主義者(マルクス主義や共産主義とは異なる)としてのモースの姿を浮かび上がらせている。また逆に,そうすることで『贈与論』がどういう環境でなにを目的として書かれたのかもよく理解できるようになっている。
★1 - コメント(2) - 2015年9月29日
/dʒaˈbrafkjuː/
『文化の窮状』の「民族誌的シュールレアリスム」と合わせて読むことで,戦間期において民族誌や藝術に求められた理念的な役割がよりよく理解できるだろう。(というか『文化の窮状』未読で本書を手にとったときは,なぜ岡本太郎やアンドレ・シェフネルがモースと関係するのかピンと来ていなかった)
- 09/29 01:31

/dʒaˈbrafkjuː/
[*1]: 「マルセル・モース人類学の現代的再評価」(https://kaken.nii.ac.jp/d/p/22520835/2011/3/ja.ja.html)。予定されていた著作集はまだ出版されていないようだ。
- 09/29 01:32


感想・レビュー投稿者

147冊/42138ページ

/dʒaˈbrafkjuː/さんの最近の感想・レビュー

読んでいない本について堂々と語る方法
おそらくテクスト論にもとづき,読むことの創造性に重きを置いた,ポストモダニスティックな読書論・教養論…続きを読む
文学の学び方―付/論文・レポートの書き方
原書は1959年,訳書は1981年に出版された学部生むけ文学研究の入門書。伝統的でオーソドックスな文…続きを読む
「読み」の整理学 (ちくま文庫)
既知に安住するアルファー読みから未知を捉えるベーター読みへ。単に好奇心・向学心だけの問題ではなく,わ…続きを読む
オリエンタリズム〈下〉 (平凡社ライブラリー)
上巻は近代オリエンタリズムの成立あたりまでが論じられたが,下巻は20世紀以降の同時代を扱っている。多…続きを読む
オリエンタリズム〈上〉 (平凡社ライブラリー)
西欧中心主義批判,反本質主義,ポストコロニアリズムの先駆的著作にして古典。影響の絶大な文献だけに,細…続きを読む
ヌアー族の宗教 (下) (平凡社ライブラリー (84))
下巻は供犠論が中心で,タブーと罪との関係が俎上にあげられる。災の原因を他者の妖術にもとめるアザンデ族…続きを読む
ログイン新規登録(無料)